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[番外編]タチウオ釣り
九州・錦江湾に巨大タチウオを追う

158㎝、2.75㎏が飛び出した豊かな海

山口 充 レポート
116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (3) 強烈なファイトの末、釣りあげた158 ㎝、2.75㎏の巨大タチウオ

全国的にブームになっているタチウオ釣り。弟から「とてつもないサイズのタチウオが九州にいる」との連絡が入ったのが9月。
その写真に写るタチウオは「本種」ならば間違いなく最大。
20年近く前にサーベリングと題打ってジギングを実践し、乗合船のない所では仕立ててでもタチウオねらっていった自分に火が付いた。
日本記録級をねらっていざ、鹿児島へ!


山口 充◎レポート
1967年生まれ。 神奈川県横浜市在住。釣り以外には車とバイクも好きで、モータースポーツ界で初めて経済連(現在のJA)がスポンサーに付き「ミヤギササニシキレーシングチーム」を結成。その時生まれたお米が「ひとめぼれ」。 レースをやりながら全国で釣りを楽しんだ。現在は車で旅をしながら全国の釣り場をまわっている。「J:COM釣りたいっ!」メインMC、フィッシングライター、カメラマン、公益財団法人 日本釣振興会神奈川県支部長を務める

この記事は『つり人』2016年1月号に掲載したものを再編集しています。

巨大タチ求めて1500㎞ドライブ


 「J:COM」で放送されている「釣りたいっ!」という番組のロケも入り、巨大タチウオねらいの決行日は10月31日、11月1日になった。夏がベストとのことで、当地のシーズンとしては後半になる。ルアーとエサ釣りの2つでねらうのだが、問題は仕掛けだった。幸い今回お世話になった高須港の「あき丸水産」が手助けしてくれた。

 気さくで楽しい船長の宮崎純一郎さんと数回のやりとりをして、仕掛けを教えていただいた。だが、JGFAルールに抵触するため、作り変えることになった。「数十年先代から受け継いだ仕掛け」を変更するのは忍びなく船長に事情を話し、承諾を得て組み替えた。ルールに合わせた仕様を変えたルアー、エサ釣りタックルを積み込み、横浜から車で鹿児島県鹿屋市へ。約1500㎞の長旅であるが、まだ見ぬ巨大タチウオをどのように攻略するかで頭が一杯だった。

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (10) 自宅がある横浜から鹿児島までは約1500 ㎞のドライブ

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (15) 116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (13) 鹿児島市にある釣具店からロケスタートだったため、鹿児島港からフェリーを使った。桜島の対岸にある垂水港へ

 31日午前中に鹿児島に入った。宿に向かうとすぐに釣りの支度。夜釣りでねらうスタイルだ。「実績のあるお手伝いさん呼んでいますから」と紹介されると、「あれっ、山口さん!?」と昔からの知り合いである坪井さんも同船。数日前にもビッグワンを釣りあげたとのことで、心強い。ここは東京湾ではない、「九州錦江湾」だ。当地の釣り方をまずはしっかりと学ぶ。そのことで魚を知り仕掛けを考える。それが記録への一歩。午後6時夕暮れの中、高須港を出船した。

日本記録の重み


 ポイントまでは約30分。水深は約70m。ルアーは底から30m付近まで探る。エサ釣りはサンマのブツ切りに親バリと孫バリをセット。テンビン仕掛けに水中ライト、オモリは100号だ。基本的に待ちのスタイルになる。タナは50 mにセットし、その前後を時折探る。考えてみれば巨大タチウオが群れている訳もない。坪井さんのレクチャーに従い釣っていると、一投目からアタリがあった。この食い方はタチウオだ。しかし、食い込みが悪く、ヒットに至らず残念であった。

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (1) エサはサンマのぶつ切り。親バリと孫バリをセット

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (6) テンビン仕掛けに水中ライト、オ モリは100号を使用


 すると、まずはルアー組にヒット。カマスだった。さらにアジまでジグにヒット。楽しいのだが、中々本命がヒットしない。そのうち、美味しそうなサワラも連続ヒット。するとルアーでねらっていた弟が「今のは……タチウオ?」。ズシッと重みが伝わり、フッキングした瞬間食い上げ状態になり、感触が消えたという。リーダーがカットされていた。ハガツオもヒットしていたので、その可能性もあったが、サオがフルストロークしてからの食い上げ。タチウオの確率が高い。

 自分のセットしたサオ先に細かいアタリ。しかもサオにかかるテンションが抜け始めている。「山口さん、それタチウオ!」と坪井さん。「食い込ませたほうがいい」とアドバイスを受けてドラッグを緩めた。ラインが引き込まれるのに合わせて多少ラインが出る設定にした。ここが面白い。大型なので一気にと思いきや、深場の東京湾タチウオと同じく「食わせる」のが重要なのだという。軽く引き込んだかと思えば一気に食い上げる。軽くサオが曲がるくらいにラインを巻き取る。引けばラインが出る。この攻防が数分続き一気にラインが出た。
「食った!」

 スプールを指で押さえ、アワセを入れると今までにないパワーでロッドが絞り込まれた。ドラッグを慎重に締めてファイト。食い上げのスピードが半端ではなく、ハイスピードの中型ベイトで大正解だった。50m以上このファイトを味わうのだから、緊張しっぱなしだった。

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (4) バットから曲げる巨大タチウオの引きに耐える私

 海中に水中ライトの明かりが見えて、いよいよ取り込み。船長が専用ギャフを掛けてキャッチ。「笑うしかない」。160㎝弱はあるだろうか、持ったこともない重さと長さ。すぐに自分たちで判定すると間違いなく「本種タチウオ」。なぜこの大型が多いのか? 不思議だがとにかく凄いの一言。「シーズン終わりなのでこのサイズだけど、もっと大きいのがいるよ」と笑顔の船長。

 仕掛け、ミチイトのPEラインを30mカットして提出用に保存。ワイヤーは破損寸前。もしあと1㎏重かったら……。この後、サワラ、ハガツオが襲来。午前2時に沖上がりして港で計測。158㎝、2・75㎏。その後、JGFAに申請し、日本記録になった。

 午前3時に皆さんと一緒に居酒屋でお祝い。これが何とも深い絆で結ばれる瞬間だ。これが自分の釣りである。翌日、さらにサイズアップを期待したが雨がひどく、ハガツオ、カマス、サバ、アジと多彩なゲストのみで撤収。船長が「明日いいもの見せますね」とのことで帰路に付く前に寄ってみると「おおっ」見事な魚拓。しかも175㎝の4㎏超え。「まだまだいますから」と笑顔で再会を誓った。来シーズンが待ち遠しい。

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (2) ジギングではカマスがヒット

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (5) ハガツオもゲストとして登場

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (7) 左が私で、中央が宮崎船長、右が弟の山口聡

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (8) 帰り際に見せられた175 ㎝の巨大タチウオの魚拓。こんなのがいるとは……。再訪を誓った

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (14) 今回釣ったタチウオはオールタックル部門でJGFAの日本記録として認定された

116-117kyusyu-tachiuo_cs6 (9) 釣ったタチウオは本種かどうか確認してもらうために神奈川県水産試験場の工藤さんへ送った

この釣行の模様はYouTube「J:COMチャンネル・J:COMテレビ」で見ることができます

鹿児島県・鹿屋市高須港
あき丸水産.℡.0994・47・2019
〒893-0054鹿児島県鹿屋市高須町1803-1

2017/1/8

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