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プライドを懸けた男の闘い

プライドを懸けた男の闘い

つり人編集部=写真と文

本来なら
今頃は神通川でアユ釣りを満喫しているところだったが
例によって月刊誌の進行が遅れに遅れ
3連休は神保町の編集部でお仕事。

まあ、編集者にとって
暦はあってないようなもの。
こんな時、せめて雨が降っていれば救いようがあるが
よりによって、真夏の日差しが降り注ぐ絶好のアユ釣り日和。

あ~あ、神通川行きたかったな~。

やり場のないストレスを
どのように発散させるかというと
ぼくの場合、やけ食いである。

というわけで
昨日のランチは水道橋まで歩いて
ラーメン二郎インスパイア系のぽっぽ屋へ。
ラーメン大野菜玉ねぎマシ完食。

で、今日は
久しぶりに、とんかつ「いもや」へ。

いもやは「神保町にいもやあり」といわれる名店で
とんかつだけでじゃなく天丼いもや、天ぷらいもやがある。

しかし、アンチいもやもいて
その理由のひとつが独特な注文の取り方。

席に着くやいなや
「とんかつでよろしいでしょうか」
と注文を促してくるのだ。

メニューはロース定食とヒレ定食がある。
両方とんかつじゃないかと思うのだが
店員の言うとんかつとはロースのことなのだ。

だったら
「ロースでよろしいでしょうか」
と言ってくれればいいものを
「とんかつでよろしいでしょうか」
とくるから、最初は戸惑ってしまう。

「えっ、あっ、え~と」
なんて躊躇していると

「とんかつでよろしいでしょうか」
とプレッシャーをかけてくる。

この場合、一般的な答え方としては
「はい」

「ヒレください」
となる。

まあ、慣れればどうってことないのだが。

で、今日の昼下がり、事件は起きた。

日曜日なので、いつもと違い遠来のお客が多い。

ロース定食を食べていたお客が
「これ、ヒレ?」
と憮然とした態度で店員さんに迫った。
言い方からして
単に注文を間違えられたからというより
そもそもの注文の取られ方に納得がいっていなかったという感じだ。

「お客さん、とんかつですよね?」
と店員さんは負けていない。

「ヒレ頼んだんだけど」
とお客は怒りを露わにしている。

「じゃあ、今からヒレ揚げます」
と店員さん。

お客の手元を見ると
すでにロースは半分ほどない。

さあ、どう出るか。

すると、お客は食べかけのお皿をカウンターに戻した。

つまり、ヒレを食べ直すのだ。

結局、お客は苦虫をかみつぶしたような顔で
ヒレを平らげた。
ちなみに、いもやの定食は
通常のとんかつ屋の1・5倍ほどのボリュームがある。

ロースを半分食べた後のヒレ定はかなりキツかったはずだが
お客も引っ込みがつかなかったのだろう。

店員とお客のプライドを懸けた
なかなか見ごたえのある闘いだった。

まあ、明日以降も間違いなく
「とんかつでよろしいでしょうか」
コールが変わることはないだろう。

(山根)








2011/9/18

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