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ショウサイフグ釣り/旨い冬の花形ターゲット

おすすめ時期:12~1月

つり人 レポート
056-059_01 沖釣りファンの間では「ねえさん」と親しまれる三石さん。掛けるフグのほとんどは、イカリが口もとに刺さっている。これはアタリをしっかりととらえている証拠

カットウ釣りはエサでおびき寄せたフグを引っ掛けて釣る。小難しいことを考えず空アワセの繰り返しで乗ってくることも少なくない。が、いち早くアタリを察知して合わせないと数は釣れない。「美味しいフグをとことん釣りたい」という女性アングラーを、三石忍さんが強力サポート。

この記事は『つり人』2016年2月号に掲載したものを再編集しています。

魚をさばく手間いらず


 千葉県大原は黒潮と親潮が交錯する。マダイやヒラメが舞い踊る沖釣りの名所で親切丁寧な船宿が軒を連ねる。年末年始に看板を掲げる花形ターゲットのひとつがショウサイフグ。濃厚な旨味が凝縮された肉厚な白身を堪能できる。鍋、刺身、揚げても焼いてもたいへん美味。しかも釣った魚はすべて船宿が頭を落とし、皮を剥いで内臓を取ってくれるので、手間いらずに調理ができる。となれば女性にも人気は高い。

 大原のフグ乗合は主に午前船である。出船時刻は5時。12月初旬、未明より長福丸を訪れたのは今井寿美礼さん、金子マミさん、根本みなみさんと、名手の三石忍さん。今井さんと金子さんはシロギス、カワハギ、タチウオといった小もの釣りをはじめ、マグロをも追いかける大の沖釣りファン。もちろんショウサイフグも大好き。初挑戦は根本さん。三石さんのサポートを受けられる今回の釣行を心待ちにしていたという。

056-059_02 左の金子マミさんは釣り好きが高じ、女性のための釣りウエアを企画販売する『シップスマスト』の代表取締役。中央の今井寿美礼さんは沖釣りだけでなくヘラブナ釣りも大好き。右の根本みなみさんは同店のスタッフで今回がカットウフグ釣り初挑戦

056-059_03 ポイント到着後間もなくは初挑戦の根本さんに手取り足取り指導する三石さん

 出船前4人は船宿でコーヒーを手にくつろぎながら「フグってどんな食べ方も美味しいけど、私は空揚げ、刺身、鍋の順番かな」と金子さんが言えば、今井さんは「私は断然鍋派です」と返す。三石さんは「タレに付けて焼くのもいいし、フグ飯も美味しいよ」と、早くも釣行後の食卓で頭がいっぱいのようす。

シャクリの幅はハリス分の長さ


 藤井大佑船長は太東沖水深15mラインに舵を切った。多少のウネリがあるものの、波は日中に収まる予報。 ショウサイフグは砂地と岩礁が入り混じる海域を好み、水深50m以浅の沿岸域に生息する。東京湾でも名物のターゲットだが、大原のほうが釣果は手堅い。20~30㎝がアベレージサイズで中には40㎝クラスもあがる。地域によっては周年ねらう船宿もあるが、大原は5~9月が禁漁期間となっている。

 大原のショウサイフグはカットウで釣る。仕掛けはオモリと一体になったエサバリの下に、2本のイカリが付いている。船宿では実績の高い仕掛けを購入できるが、根でイカリが鈍ることも多く、交換用のイカリを用意しておくと万全。オモリは25号または30号。

 エサバリに寄って来たフグのアタリをとらえ、鋭いシャクリを入れる。と、跳ね上がったイカリがフグに掛かる。これがカットウ釣りの仕組み。鋭く短いストロークのシャクリを頻繁に繰り返すので、サオは穂先と穂持ちにシャキッとした張りがないとやりにくい。カワハギザオも流用できるが、フグ専用ザオのほうが張りは強く操作しやすい。ミチイトはPEラインの0.8~1号。岩礁帯を釣ることも多いので3号程度のリーダーを2mほど接続すると根ズレに強い。エサはアオヤギを使用する。

「アオヤギはたっぷりと贅沢に付けてね」

 と三石さんが根本さんにアドバイス。まだ夜が明けきらないうちの1投目、さっそくヒットさせたのは金子さん。幸先のよいスタートに寒さも吹き飛んだ。

056-059_11 良型を乗せる金子さん。こんなに楽しい沖釣りをより多くの女性に知ってもらいたいと女性限定の釣りサークル「TLC」を主催している

三石さんの愛用タックル p056-059tackle2
056-059_a-2 オモリは釣果に絡んでくるアイテムのひとつ。三石さんは朝マヅメは夜光、日中はアオヤギカラーを推す

056-059_a-3 エサはボリューミーにたっぷりと付ける。向かって右側はいい例だが左は悪い例。アオヤギが落ち掛かっていて、だいぶ取られた後

056-059_a-4 イカリはがまかつ「糸付F1カットウ替釣(ミックス)」。三石さんはまめにイカリを変えていてハリスをマイナス5㎝カットしてレスポンスを速くした

056-059_a-1 がまかつ『カットウスぺシャルⅡ』は1.4mと1.75mの2タイプがある。三石さんは断然短いほうが操作感はいいという。しかしビギナーは長いほうが揺れる船上で底ダチを取りやすい


「オモリは2種類あるといいですね。暗いうちは夜光、日中はアオヤギに似た茶系。この2色があれば間違いないでしょう」

 そんな三石さんの言葉どおり夜光オモリをセットしていた今井さんがコンスタントに釣果を出す。

 フグはホバリングをしながら変幻自在に泳ぎ、鋭い歯でエサを器用についばむ。このためアタリが出にくいので、底ダチをしっかり取って、イトをたるめないようにするのが基本。しかし根本さんはウネリで揺れる船上で安定したテンションを保てず苦戦中。

「周りが釣れていても慌てないように。アタリが遠ければエサを長く見せる。オモリを底に付けてエサをフワフワさせてみる。最初はアタリを見ようとしなくてもいいから。この釣りはタイミング、リズムが大事。魚が寄って来たと思うころあいに、空アワセをするだけでも釣れちゃうよ」

 そう根本さんに助言をするうち、三石さんもアタリをとらえた。ぷーっと怒ったショウサイフグが船上に引き込まれる。三石さんが手にするサオは、がまかつ『がま船 カットウスペシャルⅡ』の1.4m。レスポンスよく仕掛けを動かせる短ザオだ。ただし、サオが短いほど船の揺れに合わせた操作を大きく行なう必要がある。慣れない人は1.8m前後のリーチのあるサオが船の動きに付いていきやすい。

056-059_06 三石さんはエサを器用についばむフグのアタリを確実にとらえる

056-059_07 口もとにきれいにハリ掛かりしたショウサイフグ

056-059_07-2 大きなアタリが出にくいフグ。がまかつ『がま船カットウスペシャルⅡ』は操作性の優れた穂先でかつアタリの表現力も優れる

 水平線から太陽が顔を出すと、海面は黄金色に染まった。外房は美しい日の出を拝めるのも魅力。防寒さえきちんとすれば凛とした空気が清々しい。

「大きくシャクらない。ハリス分の長さをイメージして鋭く短く。そのほうが空振りしてもすぐ、寄せたフグの前に仕掛けを落とせるでしょ」

 底ダチを取ることに慣れた根本さんが、アドバイスどおりのシャクリを入れる。そのうちバットにズシンと衝撃が走る。「掛かりました(笑)」と巻き上げを開始。抜き上げたのは良型だ。「ナイス!」と三石さん。この手応えがカットウ釣りの喜びである。

056-059_09 最初の1尾でコツをつかんだ根本さんもヒットを連発

056-059_14 怒ったフグも愛嬌がある。根本さんは「かわいい」と言って熱心に写真を撮っていた

口もとに掛けたい


 船はトモ流しである。ポイントに先に仕掛けが入る潮先ほど有利な釣り座。ミヨシに席を取った三石さんは、キャストして広範囲を探った。穂先の違和感、モタレを確実に掛け合わせると口もと近くにイカリが掛かる。これはアタリをいち早く察知している証拠。このタイミングをつかむのもカットウ釣りの面白さのひとつだろう。

「跳ね上げたイカリが下に落ちるまでに次のシャクリを入れても空振りしやすいのよ。イカリが下に落ちる時間を考慮して次のシャクリを入れましょう」

と電光石化の鋭いアワセを決めていく。

 日が高くなると気温も上がった。朝からコンスタントに釣り続ける今井さんが驚きの声を上げた。

「ダブルです!」

 と抜き上げた仕掛けには、2本のイカリともフグがヒット。

056-059_08 今井さんがダブルヒット! フグの密度が高くなると稀にこのようなことがある


 魚の活性は最高潮で4人のうち誰か1人が途切れることなくフグを掛ける。

056-059_10 午前9時ごろにはフグの活性も最高潮になってトリプルヒット!


 そのうち根本さんのサオがフグとは違う重量感で曲がり、グイグイと絞り込まれた。サメか? との声もあがったが、海面に茶色い大判が見えてきた。

「いいサイズのヒラメですよ!」

 と藤井船長がすくい取った。

056-059_12 2.2kgのヒラメが根本さんの仕掛けに掛かる。これには三石さんもびっくり

「どうしましょう(笑)」と喜びながらもとまどう根本さんに「これは旨いゾ。よかったね」と三石さん。「もってるねえ」と金子さんが言えば「ヒラメが釣りたくなってきた」と今井さん。活気づいた船上で4人は最後まで集中し、ビシバシとフグを乗せていく。

056-059_15 この日、三石さんと今井さんは40尾超えの釣果をあげた。ザルに移したフグは帰港後に船宿が手早く身をさばいてくれる

 近年の沖釣りシーンは女性ファンが増えているのは間違いない。新鮮で美味しい魚が手に入るのはもちろん、海を眺め魚と対話をする非日常も心地よい。引き味やアタリの妙にハマる人も当然いる。大原のショウサイフグは食味、景色、釣趣これらの魅力すべてが詰まっている。

056-059_16 シップスマストのマリンウエアは軽くて動きやすい。女性にフィットする細身のサイズがラインナップされている

056-059_c-1 フグの刺身はもみじ下ろしとポン酢が合う。ショウサイフグは少し肉厚に切ったほうが味を楽しめ、2、3日寝かしたほうが濃厚な旨味を引き出せる

056-059_c-3 漬け焼きも簡単で美味しい。濃口醤油に酒とみりんを少し混ぜたタレにフグの身を浸け、それを焼くだけ。特に中骨がこれまた旨い

056-059_c-2 てっちり。ふっくらとした白身は鍋の具にぴったりで品のよい甘さが楽しめる。昆布などに加えてフグの中骨もダシにするとよい


問合先・長福丸(℡0470・62・0603/℡080・1278・0603)
出船時間・5時
乗合料金・9000円(エサ別)
交通・東京湾アクアラインから圏央道市原舞鶴ICを降りてR297で勝浦方面へ。船子交差点を左折してR465でいすみ方面へ。大原の交差点を直進し突き当たりの港を右折ししばらく行くと長福丸

056-059_b-1 温厚な若船長、藤井大佑さんがサポート





2016/12/6

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