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イワナ釣り/新潟県・清津川の大イワナをキヂで誘う

おすすめ時期:3~9月(解禁期間要確認)

戸門 剛◎文
100-103tokado_cs6 (1)_1厳しい生活環境の中で育った鼻曲がりの厳ついイワナ

雪代時も梅雨の増水時もドシンとエサを落とせるのが大オモリ。
ねぐらに入った大イワナに定点でキヂをアピールする戸門さん得意の「食わせ釣り」が大蛇のような魚体を誘う。


この記事は『つり人』2016年7月号に掲載したものを再編集しています。

雪代、再び。


 新潟県信濃川支流清津川。流域はいくつものスキー場が点在する豪雪地で、ゴウゴウと瀬音を立てる雪解け水が豊富である。この日はGW前。例年の清津川であれば雪代の盛期に当たり、川幅一杯に満ちた水はうねるような流れとなって釣り人を寄せ付けない。だが今年は暖冬で積雪が少ない。以前当地を訪れたおりに知り合った現在85歳の大先輩と話した際も、「生まれて初めてのこと」とため息をついていた。

 とはいえ雪代期の清津川、ほとんどのポイントは流れの押しが強く軽いオモリでは底までエサを届けるのは難しい。ゆえに僕が好む大オモリ釣法「食わせ釣り」の出番となる。ナイロン1~1・5号の通し仕掛けにアユ玉の1号2、3個を基本とし、水況によってはさらにオモリを背負わせる。“流す”行程を省きポイントにエサのキヂを直接投下し、オモリの上げ下げで魚を誘う点の釣り。キモとなるのはオモリ下を長め(50~100㎝)に取ること。これにより食い込みを損なわず、エサの自然な浮き沈みを演出するのだ。

100-103tokado_cs6 (4)_11号のアユ玉を2つ。時には4つ、5つと付けて確実に底を取る

100-103tokado_cs6 (4) 100-103tokado_cs6 (3)_1戸門さんは昔ながらの矢羽根目印を愛用する

 前週には山菜採りの合間のわずかな時間で尺もの3尾を釣りあげていたので意気揚々と川に降り立つ。朝一番でねらうのは「重地の頭首工」。その見た目から「カマボコ堰堤」とも呼ばれている。

100-103tokado_cs6 (2)_1新緑に染まった山間を走る清津川。瀬音が轟き、圧力のある青白い雪代の流れを大オモリで攻略する

 水量が目に見えて増えたわけではないが、前週とは水温が明らかに違う。清津川の源を成す苗場山嶺は頂に雪をわずかに残すのみであり、山肌は新緑に染まっている。一段落していた雪代が新たに加わったのだろう。嫌な予感。アタリが全然ない。その後さらに上流に位置する瀬戸口の堰堤を探るもリリースサイズに遊ばれるばかり。すでに盛期を迎えたコゴミやウルイ、ヤマウドでも採って楽しもうかと思ったが、確実な釣果が見込める支流に移動することにした。

大淵に沈む岩陰から


 選んだのは釜川。清津川本流と比べても見劣りしない流程で魚影も濃い。清津川との合流点付近は川が荒れ痛々しいエリアもあるが、田代の集落から上流は落ち着いた渓相だ。これなら魚が付いているはずと「七ツ釜フィッシングパーク」付近から入渓すると、川面を抜ける爽やかな風が吹いている。水に手を浸すと清津川本流より若干水温は高かった。真新しい先行者の足跡はあるが、見て見ぬふりで釣り上がる。

100-103tokado_cs6 (1) 100-103tokado_cs6 (2)
 まずは大淵に沈む岩陰をねらう。岩の真横で誘いを掛けること数度、浮かしたオモリが引き込まれる確かな感触をとらえて合わせると、ゴンゴンの手応え。尺上にはほど遠いが8寸程度はありそうだ。魚のサイズを推定し、落ち着いて対応できるのも食わせ釣りのメリットのひとつだ。「おおっ、これはデカイ」、「あ、これはちっちゃい」と前アタリの段階で判断し、後者の場合はわざとイトを強く張ることで不必要なフッキングを防ぐことも容易だ。大型の感触であれば、そのままじっくりと間を置きハリを飲ませ、満を持してアワセをくれる。本日の初モノということでここは慎重に……。

100-103tokado_cs6 (5)オモリの上下でキヂを踊らせアピールする

 アワセと同時に水中できらめく魚体。大場所なので魚は縦横に走る。ダイワ『碧羅』の弾力を活かして一気に寄せ、無事ネットイン。8寸クラスだが赤みを帯びたヒレが美しい。

100-103tokado_cs6 (6)釜川で岩陰から躍り出た8寸イワナ

 その後も数尾追加するがサイズアップしない。下って釜川橋上の堰堤へ。改修工事により様変わりしていたが本来大ものの実績は高い。さっそく右岸の堰堤直下、白泡渦巻く落ち込みへ。ふと違和感を覚えて、サオを上げるとキヂにはほんの少しだが囓られた跡がある。エサを付け替え同じポイントで誘いを掛ける。手もとに伝わる“コツコツ”というアタリはせいぜい掌てのひらサイズ。だが小さいながらも走りたがっているのが分かる。もしやと思い合わせると宙を舞うのはやはりヤマメだ。さらにサオ抜けだろうと徒渉し対岸の落ち込みを探るも、ヒレの丸いニジマスが1尾のみ。とりあえずは魚を見ることができたので、再びの大ものねらいで清津川へ。

100-103tokado_cs6 (7)白泡の下のヤマメも食わせ釣法でヒット

沢との出合の緩流帯に


 辿り着いたのはR353から清津峡温泉に向かう万年橋の上流付近だ。昼過ぎということで水量は朝よりも増している。本来なら良型がサオを引き込んでくれるポイントがことごとく不発。さらに上流に行くと目にとまったのは本流の強い流れが岩壁にぶつかり反転流を生むわずか50㎝四方の場所。雪代期のこの水量では“流す”釣り方では探りきれないポイント。頭上には木々が張り出し、強い日差しを遮ぎる枝葉が水面に影を落としている。5mほど先では小沢が出合う。反転流にキヂを落として誘いを掛けつつ「最悪この沢で遊んで今日は終了かな」などと考えている矢先だった。

 それは静かなアタリだった。目印に全く変化はない。サオを上げ下げして誘い、オモリを浮かせる時にほんのわずかな抵抗を感じるようになった。沈んでいる流木にでも擦れているのだろうか。根掛かりを半ば覚悟しながら強めのアワセをくれた。

100-103tokado_cs6 (8) 岩に擦れているだけかと思うくらい静かなアタリをとらえると大蛇のようなイワナがサオを絞り込んだ

 オモリが岩を噛んだように動かない。さらにサオをあおる。すると水底から確かな手応え。嫌々をするように頭を振っているのが分かる。魚だ。1号の通し仕掛けだが水量が多い。流れに乗られたら走って追いかけることもままならず切れる。流れに注意し、すり足で立ち位置を調整し魚をいなす。少し上流に行けば小沢だ。やがて浮上したのは厳つい顔付きのオスイワナ。尺は優にある。浅瀬に引きずり上げるように寄せてタモに入れると、身体から力が抜ける気がした。

 計測すると40・5㎝。砲弾のような肉厚魚体ではなく、大きな頭部に比して細身な体つきがヘビを思わせる。おそらくは清津峡内のどこかの沢で生まれ育ち、雪代で下流に降って来た個体だろう。あっけなく取り込めたのは、一息入れていたと考えれば納得できる。

 雪代が落ち着き、山の緑がより濃さを増した頃には清津川の渓流釣りは最盛期を迎える。堰堤や滝ツボ直下の落ち込みはいうに及ばず、流心のド真ん中で掛ける大ヤマメとの戦いも魅力的だ。さらに前述の釜川や中津川(※上流は奥志賀漁協の管轄)など逃げ場となる支流も多い。

 これから迎える水温るむ時期は魚の反応がよい。ほかの釣り人とは異なるポイントや探り方をすることが大ものに出会う近道だ。白泡の立ったポイントに良型が入っていることは分かっていても探りきれるかどうかは別問題。この大オモリでの釣りを試してみてはいかがだろう。

100-103tokado_cs6 (3) ●管轄漁協:中魚沼漁協(℡0257・63・3012) 
●交通:関越自動車道・塩沢石打ICを降りR353を経て十二峠トンネルを抜けて清津川、釜川へ

2017/5/25

最新号 2017年11月号

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