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編集部2022年6月24日

【鮎釣り】梅雨明けに試したい鮎釣りの技「強制ボルダリング引き」

アユ 魚種別釣りガイド

この夏に思い切って試してほしいのがオトリを強く引ききるストロングな操作である。かつては「オトリの鼻を引いてはいけない」と言われた時代もあるが、そんなことはない。より激しい操作が新たな入れ掛かりを生み出すかもしれないのだ。

ストロング・テンションの技を紹介!

写真と文◎編集部

  いよいよアユ釣りも本番である。瀬の各所に強い魚がナワバリを張り巡らせ痛快なアタリを楽しませてくれる。そこで、この夏に思い切って試してほしいのがオトリを強く引ききるストロングな操作である。かつては「オトリの鼻を引いてはいけない」と言われた時代もあるが、そんなことはない。より激しい操作が新たな入れ掛かりを生み出すかもしれないのだ。

この記事は月刊『つり人』2020年9月号に掲載したものを再編集しています

梅雨明けに試したい鮎釣りの技「45グリ」篇はこちら >>

10秒間に2~2.5m引き上げる強制ボルダリング引き

 オトリを川底に安定させるのはアユ友釣りの基本である。安定とは目印が暴れない、手にイヤイヤを感じない状態であり、水中を想像するとオトリは川底からやや浮いて水平姿勢である。尾ビレを振って定位しているようなイメージだろうか。元気なオトリであれば、安定させるとスイスイ泳ぎだす。イトフケをくれて自由度を高めればより泳ぎやすくもなる。こうした安定状態は野アユから見ても違和感がない。そのままナワバリに侵入させれば追ってくる野アユも多い。

 しかしオトリの安定状態を保つより、思い切った操作が威力を発揮する場面がある。爆発的な好釣果、入れ掛かりに導くには周囲と一味違う操作が必要だ。アユ釣り競技会で頂点に立つ人はポイントを見る目があり、その川に合った釣り方をしているのはもちろん、時にインパクトのある技で他の選手に圧倒的な差をつける。近年の競技会で最もインパクトを残したのは、33回目のダイワ鮎マスターズで優勝した上田弘幸さんの釣りである。

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2019年のダイワ鮎マスターズで話題をさらった強制ボルダリング引き

 それは強烈なテンションでオトリを引き上げる釣りだ。最初の送り出しから川底に馴染ませるまではオトリを安定させる操作だが、その後の引き加減は「安定なんぞクソくらえ」という強さに見える。サオの3番、流れとオトリの状態によっては4番まで曲げる。そうして思い切り引くのである。しかも下ザオから上ザオまでの長いストロークをグリグリと引き上げる。

 上田さんのハナカン回りはノーマルでオモリや背バリも使わない。普通の釣り人であればオトリが一気に浮き上がり、即座に弱るテンションだ。従来の友釣りセオリーで言えば「やってはいけない」操作である。しかしこれが釣れる。記者が上田さんの釣りを見たのは長良川と狩野川である。いずれも大石底のアユ河川。そして驚いたのは強く引き上げたオトリが岩を舐めるようにして乗り越えていくこと。強いテンションによってオトリはバランスを崩し、ヒラを打つ。ピカピカとフラッシングしながら岩を登り、越えていく。その釣法は「強制ボルダリング引き」と名付けられ、別冊「鮎マスターズ」で詳解されている。ボルダリングとはライトクライミング。すなわち岩登りである。強制的に大岩を乗り越えさせていたことが、名の由来だ。

ayu_tsuyuake_03 のコピー
黄色いナワバリアユを釣るための釣法だ

 

ayu_tsuyuake_05
サオ一本ほどのかなり下流にオトリを送り込み引き上げをスタートさせる

 さて「強制ボルダリング引き」はオトリが浮きにくく弱りにくい〝からくり〟がある。ソリッド穂先、胴調子、単線系メタルラインの水中イトというタックルバランスが、その操作を可能にしている。柔軟な調子は流れの抵抗を吸収する。ソリッド穂先でオトリの負担はさらに軽減される。加えて水切りのよい水中イト(高比重な単線系メタル)を6mと長く取っていることも浮き上がりを抑える大きな役割を担う。

 オトリを通すコース取りは当然ながら重要だ。上田さんはオトリを通しにくい岩のてっぺんや石横の強い流れを意識的に通している。そのコースは最初にオトリを打ち込む位置でほぼ決まる。主にサオ1本近い位置にある下流の石の前か、流心の際のヨレに入れる。水中に潜らせる瞬間は、強制的に引き込むようにする。イトを緩めることは、ねらいの位置からズレてしまう要因になる。そして上田さんがよく釣る最大の理由は、天才的な川見術にあるといってもよいだろう。

 下流に送り込んだオトリは扇状に沖に出す。サオ尻いっぱいを持ち、しかも突き出すようにして沖に動かしていく。一見すると穂先がブレそうな不安定な構えである。だがサオの曲がりを最大限に活かす持ち方ともいえる。サオとイトの角度は90度がメインで角度を保ったまま足を使って引き上げることもするし、足を使って引き上げられないような場面では立ち位置の上流まで穂先がくるくらい引き上げることも多いのだ。大きな石があればイトが擦れてガリガリというが、それも無視して引き上げる。オトリが詰まった感じがあれば岩にぶつかっている可能性がある。そこでもあえてテンションを強くすることでオトリを浮き上がらせ、岩を乗り越えさせる。

 特筆すべきは引く速度である。上田さんの感覚では「10秒間に2~2.5m」引き上げる速度という。これはかなりスピーディーだ。ちなみに小澤剛さんは背バリセットでオトリを引くが、10秒間に1mの速度を基本にする。背バリをセットしたオトリは前傾(潜行)姿勢になりやすく引くと粘る。ノーマルはスッとついてくる。ただ上田さんの場合は、柔軟な胴調子とソリッド穂先によって川底にオトリを留めやすくなっていて、ノーマル仕掛けながら強烈なテンションをかけても微妙な均衡を保って浮かずについてきやすいのだと思う。だからバランスを崩してヒラを打ちながらも貼り付くように岩を登り乗り越えていくのだ。

 肝心なのはゴツゴツと前アタリがあっても引きを緩めないことだ。前アタリを無視して引ききった時に乗ってくる。オトリが岩を乗り越えて川底に落ち着いた瞬間、つまりテンションが一瞬弱まった時にガツーンと掛かることが多いという。

強制ボルダリング引きを動画でチェック!

 

梅雨明けに試したい鮎釣りの技「45グリ」篇へ続く……

 


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上田弘幸さん、小澤剛さん、瀬田匡志さん、廣岡昭典さんが出場した鮎釣り頂上対決のライブ配信をアーカイブ公開中!!

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