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ワタリガニ釣り&シロギス釣り/カニ網釣法で食材ゲット&空き時間のチョイ投げ

初夏の異色ターゲット!投げて、待って、上げるだけ!

時田眞吉◎レポート
128-131gazami_cs6 (10)「ガザミのミソ汁が食べたい!」ということで息子と一緒に内房へ。初挑戦の息子でも甲羅幅約30cm の立派なタイワンガザミを手にできた

タラバガニにズワイガニ、そしてケガニ。いずれも美味しい海の幸だが、負けず劣らずの食味を誇るカニがガザミ(ワタリガニ)。初夏に産卵を迎え、手軽な堤防でチャレンジできる。専用のカニ網をキャスト。食わせて釣るというよりも、網で絡め取るのだ!

この記事は『つり人』2016年7月号に掲載したものを再編集しています。

高級食材を堤防から


 房総や三浦半島でクロダイの乗っ込みが一段落すると、海も初夏の装いとなる。梅雨を迎えるころ、今年生まれたハゼたちが大挙して浅瀬へ接岸し、ノベザオで数釣りが楽しめる。

 時を同じくして投げ釣りのシロギスも最盛期を迎えるが、水温の上昇に伴いやっかいなエサ取りたちの活動も活発に。よくあるのが、アタリがないまま、ハリ付けしたイソメだけがなくなるパターン。この犯人の目星はついている。カニたちだ。磯ガニやヒラツメガニ、そしてワタリガニなどが、イソメをついばんでいる。

 ならば、エサ取りのカニを本命としてねらってみてはどうだろうか。初夏に産卵のため沿岸に集まってくるワタリガニである。この呼び名は総称であり、ガザミ、タイワンガザミ、イシガニなどワタリガニ科を指している。横に長い菱形の甲羅が特徴的で、ボートを漕ぐオールのように平たく変形した遊泳脚を持ち、これで海を泳いで渡ってくることから名付けられた。

 食用としても人気があり、甲幅20㎝にもなれば1000円以上することもある。基本的にはメスよりもオスのほうが大きい。内子と呼ばれる卵(卵巣)が入っているメスより、卵が入っていないオスのほうが、身は美味しいとして珍重される向きがある。とりもなおさず、身近な高級食材なのだ。

128-131gazami_cs6 (11)ワタリガニと一口に呼ぶが種類はいろいろ。カラフルな左のカニはタイワンガザミ。右がガザミ。ガザミに似るが甲羅の左右に大きなとげがないのはイシガニ

128-131gazami_cs6 (2)_1初夏はシロギスもトップシーズン。2点掛けも楽しめる


 さて、そんなワタリガニの釣り方だが、カニは魚のようにハリを口に掛けて釣るのではない。網に絡ませて引き上げてくる。

 専用のカニ網仕掛けは釣具店などで市販されているもの。オモリとエサ袋、カニを絡めとるナイロン網とシンプルな構造だ。エサ袋には1尾、もしくは2~3等分にしたイワシやサンマの切り身などを入れておく。

 釣り方はいたって簡単。エサを入れたカニ網仕掛けを投げて、後は待つだけ。カニがエサ袋のエサを食べようと爪を動かしていると、ナイロン網に手足が絡まって動けなくなってしまう。それを網ごと回収するのだ。

 したがって、アタリはほとんど出ないので、15分、30分置きなどインターバルを区切って投げ返す。投入毎に同じ場所をねらうよりも、点々と広範囲を探るのがキモ。待ちの釣りだけに、1本ザオだと効率が悪く、2本のサオを交互に操作しながら堤防の際、少し沖めなどとカニのいるポイントを絞り込む。

カニ網仕掛け
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 カニ釣りは魚のようにハリを口に掛けてねらうわけではなく、網を使って絡ませて捕獲するのが一般的。オモリの付いた扇型の網にエサの魚を取り付ける市販のカニ網を利用。重いカニ網を投じることができる強いサオが必要で、投げザオやシーバスロッド、オモリ負荷100 号以上の船竿(3m 前後)などを用意したい。ミチイトもナイロンなら5号以上、PEなら3号前後と太めで臨もう。

128-131gazami_cs6 (15)128-131gazami_cs6 (16) これがカニ網。オモリとエサ入れ用のネットが付いている。ミチイトに仕掛けをセットすれば準備完了。後はキャストするだけだ

カニのエサ

 エサは比較的安値なサンマやイワシが一般的だが、カツオのアラやイカの内臓、魚の内臓など、臭いが強いものが効果的だ。スーパーなどの鮮魚コーナーで仕入れれば安上がり。1尾を2、3切れにして、付属のエサ用袋に入れ、口を縛ればOK。

128-131gazami_cs6 (17)イワシやサンマは内臓のある丸ごと1尾を2、3切れにナイフで切り分ける

128-131gazami_cs6 (18)カニ網の真ん中、オモリの下に付いている専用のエサ袋に詰めて口をしっかり縛る

128-131gazami_cs6 (19)イカの内臓はイカゴロと呼ばれる集魚力の強い特エサだが、なかなか手に入らないので、市販のイカの塩辛を利用してみた

竹岡港で撃沈!?
富浦新港へ転戦


 そんな美味しいワタリガニを釣りあげるべく、訪れたのは内房・竹岡港。東京湾奥の穏やかな海域に位置し、付近の海底は砂地と根が点在している。港の左側には川の流れ込みもあってワタリガニが棲息しやすい環境。

 まずは流れ込みに沿って延びる堤防の中ほどで、河口の砂地にカニ網をキャスト。もう1本のサオは、港内の際へ落とし込んだ。

128-131gazami_cs6 (1)_1港内にエイ、ヤ! とカニ網をキャストして、後は待つだけ

128-131gazami_cs6 (5)_1堤防のヘチにカニ網を投入して待つ

カニのポイント
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 カニは砂地や砂泥地を好み、潮の速い場所よりも緩やかなポイントに棲息している。特におすすめなのが小さな流れ込みや、魚市場前の岸壁など。イソメ類や魚の死骸などのエサが豊富で、カニも多い。

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128-131gazami_cs6 (20) 小さな流れ込みや河口部の砂地はカニの棲息に適したポイント

128-131gazami_cs6 (21) 潮の流れの緩やかな港内をねらう

 後は待つだけ。動かないサオ先を見つめているだけでは芸がない。初夏の陽気になって水温も上昇し、シロギスの活性も上がっている。遠投せずとも釣果が得られる最盛期なので、エギングロッドに8号の小型テンビンを装着し、エイ、ヤ! と堤防先端から50mほど沖の白く見える砂地目掛けてキャスト。

 カニやヒトデなどのエサ取りをかわすべく、サオ先を少しずつ動かしてサビいていると、すぐに“ビビビン”と小気味よいアタリが手もとに伝わる。3本バリの1番下にパールピンクの美しい魚体が跳ねる。20㎝ほどのシロギスだ。その後もアタリは続き、メゴチなども交じりながらも30分で3尾を手にした。

 さて、そろそろカニ網を上げる時間。水面下からユラリと上がってくるカニ網に釣果があるか、ないかを確認する時が、最も興奮するのだが……2本ともカニの姿はない。

 その後、干潮となる正午近くまでポイントを点々と探ってみたが、カニは一向に掛からない。反面、シロギスは絶好調で、15~22㎝の2桁釣果を達成。シロギスの天ぷらも美味しいが、ワタリガニの味噌汁を味わいたい!

 そこで、より海水温が高いであろう南房方面に転戦。向かったのは太房岬の付け根に広がる富浦新港。北ケーセン場とも呼ばれる広大な港だ。海に向かって左手の堤防付け根付近、潮流の緩やかな港内側がカニのポイント。

128-131gazami_cs6 (3)_1カニの釣果を手にできなかった竹岡港だが、以前訪れた際はこんなに釣れた

128-131gazami_cs6 (4)_1転戦した富浦新港。堤防の内側一帯がカニのポイント。シロギスは外側だ


 外側一帯は砂地となり、こちらではシロギスが楽しめる。基本的にカニ類は夜行性で、暗い時間帯のほうが活動的。干潮時は水深のある場所のほうが有利となる。

 港内に向けて2本のカニ網仕掛けを際と捨て石の先へ投げ込んで、シロギスを釣りつつインターバルを取る。ここも竹岡港と同じくシロギスの数は多く、30分の間に5尾釣りあげた。23㎝近い良型も交じってきた。

128-131gazami_cs6 (6)これは当日最大となった23cm。シロギスは数、型ともに楽しめる

 さて、時間だ。ゆっくりとカニ網を巻き上げてくると、いたっ!

128-131gazami_cs6 (7)インターバルを置いてカニ網を引き上げる。この時が1番興奮する

128-131gazami_cs6 (8)網に絡まる物体を確認。タイワンガザミだ!

128-131gazami_cs6 (9)網から外す際は、くれぐれもハサミに指を挟まれないように注意!

128-131gazami_cs6 (13)身近な高級食材、ワタリガニを釣りあげよう

 カラフルな甲羅を見せるタイワンガザミが網に絡まっていた。

 これで、今夜の夕餉は豪勢になる。カニの旨みたっぷりの味噌汁に、シロギスとメゴチの天ぷら。ああっ、釣り人冥利につきる献立だ。ガザミ、シロギスとも、本誌が店頭に並ぶころがトップシーズン。梅雨の声を聞く前に、ぜひとも釣行されたい。

空いた時間にチョイ投げでシロギス!


128-131gazami_cs6 (14)初夏のお楽しみはカニだけじゃない。手軽で簡単なチョイ投げでシロギスも釣ってみよう

 カニ釣りは待ちの釣り。インターバルの間はやることがない。そこで、空いた時間を利用してチョイ投げで遊んでしまおう。ターゲットはシロギス。タックルはエギングロッドやボートロッドでOK。

 8 ~10 号のテンビンオモリに、50 連結されたシロギス仕掛けを用意。テンビンに仕掛けを結ぶ際、砂ズリとしてフロロカーボン・ハリスの1.5 ~2号を30cm ほど付けておき、ヨリモドシを介して接続するのがキモ。エサはアオイソメやジャリメなどだ。

128-131gazami_cs6 (4) 128-131gazami_cs6 (22) 飲み込みやすいハリ形状をしたシロギス専用の50 連結仕掛けがリーズナブルでよく釣れる

128-131gazami_cs6 (12)ゆっくりサオ先を動かすようにサビくのがコツ

128-131gazami_cs6 (23) 128-131gazami_cs6 (24)エサはアオイソメやジャリメ。ハリが隠れるぐらいと小さく付けるのがコツ











 


2017/5/25

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