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編集部2020年12月16日

シーバス釣り/失敗しないシーバスロッドの選び方

シーバス-川 シーバス-海 魚種別釣りガイド

ロッドは釣り人にとっては、侍の刀のようなモノ。より使いやすく、自分にマッチするロッドを選ぶためのコツをショップの店員さんに聞いてみよう!

最初のロッド選びのコツをショップの店員さんに聞く!

外山桂大=解説

 ロッドは釣り人にとっては、侍の刀のようなモノ。より使いやすく、自分にマッチするロッドを選ぶためのコツをショップの店員さんに聞いてみよう!

この記事は『SEABASS life』No.07冬号 特集「釣り人にとって、ロッドとは」掲載記事をウェブ用に再編集しています。




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大事なのは自分が釣りをする環境を明確にしていくこと

 最近はニンテンドースイッチの『あつ森』の人気もあってか、スズキを釣ってみたいという方が増えているらしい。また、新型コロナの影響で遠出ができないので近場で釣りを……とシーバスタックルを購入しにくる方も多いという。
 ただ、Aさんにとってのベストな1本が、Bさんにとってもベストであるとはかぎらない。そこがロッド選びの難しいところだ。特にはじめてのロッドを検討しているビギナーは、漠然と「シーバスを釣りたい」と思っているだけで、細かい使用状況までイメージできていないことも多い。
 そこで頼りになるのが釣具店のスタッフというわけだ。
「シーバスを釣ってみたいんですがどんなロッドがオススメですか……という方には、お住まいを聞いて、そこから近くて通いやすいポイントにマッチする長さを優先してアドバイスします。そのうえで、シーバス意外の魚もそのロッドで釣りたいのか、時にはもう少し違うポイントへも通うつもりがあるのか……などをお聞きして、ベストな長さやアクションを詰めていきます」と語るのはキャスティング南行徳店の外山さん。
 ひと口にシーバス釣りと言っても、釣り場の環境や時期によって釣れるポイントや使用するルアーが変わってくるため、使いやすいロッドも変わってくる。だから、正直なところ、いつでもどこでも使いやすい魔法の1本というのは存在しない。そのうえで、大事にすべきは「今、釣りをする環境」にアジャストするロッドを選んでもらうことだという。 
 どんなロッドが自分にマッチするか? その導き出し方のコツを、ぜひ伝授してもらおう!

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外山桂大(とやま・よしひろ)
2020年9月にオープンしたばかりのキャスティング南行徳店スタッフ。生まれも育ちも江戸川区。シーバスのキャリアは約15年。多い年は年間200日釣行


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シーバスのポイントも近いキャスティング南行徳店だけにシーバスタックル&ルアーも充実。ロッド購入の相談はもちろん、周辺のポイント情報や注意点などをスタッフに直接聞けるのが実店舗の利点

使いやすい長さを選ぶ:自分がどの釣り場に通うか? から導き出す

「1本目なら大事なのは自分が主にどこでシーバス釣りをするか?です。湾奥が中心にと限定するなら8フィート6インチ前後。川幅の広い河口域や、時期よってはウエーディングや広いサーフの釣りもやりたいのであれば、9フィート以上がオススメになります」と外山さん。長さで大きく変わるのは取り回しのしやすさとルアーの飛距離。「まず、どこの釣り場によく通うか? そこを熟考して、長さを決めるのが自分に合うロッド選びの基本になってくると思います」

※1フィートは約30.5cm、1インチは約2.54cm。1フィート=12インチ。8フィート6インチ=約2.6m 

湾奥&小場所でオススメの長さは
↓ ↓ ↓ ↓
8フィート6インチ!
[理由]
湾奥の小場所や小運河がメインの釣りであれば、取り回しがしやすくバックハンドキャストなど小技もできるロッドが使いやすい


大型河川&河口でオススメの長さは
↓ ↓ ↓ ↓
9フィート6インチ!
[理由]
長いロッドのメリットは飛距離。アンダーハンドやバックハンドなど小技を必要とせず、遠投重視の釣り場なら9フィート6インチ以上が有利

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バックハンドキャストが必要な小場所ではグリップも短めのほうが扱いやすい。遠投が主体の場合はしっかり握れる長めのグリップが◎

パワー(硬さ)を選ぶ:基準はML(ミディアムライト)

 ロッドを選ぶ際の基準で長さと同時に選ぶ必要があるのがパワー(硬さ)だ。「汎用性が高いのはML(ミディアムライト)と表記されたモデルです。ただ、シーバスを始める時期や、主に釣りをする時期を考え、MLを基準に、やや軟らかめのL(ライト)や、やや硬めのM(ミディアム)というのも検討してよいと思います」と外山さん。なぜなら春は小型で軽めのルアー、秋には大型で重めのルアーの使用頻度が高くなるからだ。もし、迷うならMLが無難な選択だ。

春がメインなら
↓ ↓ ↓ ↓
L~ML
[理由]
春は小型の魚や流下する細いバチを模したルアーの使用頻度が高くなる。すると、硬めのロッドよりも、やや軟らかめのロッドが投げやすい


秋がメインなら
↓ ↓ ↓ ↓
ML~M
[理由]
秋はシーバスが捕食する魚が大きいため使用するルアーも大きく重めになる。そのためMLを基準に、もうワンランク硬めのMも投げやすい

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ロッドの硬さを示すアルファベットは、たいてい長さを示す数字のあとに書かれていることが多い。これで長さと硬さを読み取ろう

アクション(曲り)を選ぶ:ビギナーが投げやすいのはレギュラーアクション

 最近は高価なロッドほど、先調子(ファースト)になる傾向があるという。しかし、ビギナー向きという点では、真ん中あたりから曲がる胴調子(レギュラー)のロッドを選びたい。「レギュラーのほうが、まだ釣りに慣れていない方や、非力な方でも、ロッドの弾力を生かしやすいため、結果としてキャストが安定します。なので、最初の1本を選ぶのであれば先調子よりも胴調子というのが私の考えです。しっかり投げられることが釣果にもつながります」

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こちらが胴調子(レギュラー)のロッドの曲がり方。わかりやすく負荷をかけ曲げてもらった。安定したキャストができるのでビギナーも扱いやすい。「まずは全体が曲がるモデルがオススメです!」

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曲がり方を試したい場合は、スタッフに声をかけ、所定の場所で行なうこと

フィーリングを確認する:使用状態に近い状態でロッドに触れる

 ネット通販は手軽だが、実店舗では実際にロッドに触れられるというメリットがある。「オンラインでもロッドの重さやスペックはわかりますが、店舗では、実際にそのフィーリングを確かめることができます。たとえば同じ長さ、同じ重さのロッドでも、持った際の感じはかなり違います。また、ロッド単体で持った時とリールをセットした場合では、そのフィーリングがまったく異なることもあります。ロッドはそもそもリールをセットし、ガイドにラインを通し、ルアーを結んで使用する道具。その状態を想定して設計されているので、ロッド単体を持って『持ち重りがする』と感じたロッドがリールをセットすると『軽く感じる』と印象が大きく変わることもある。なので、ロッドを買う時は、できるだけ使用時に近い状態で、フィーリングを確かめてみることです。自分のリールを持ってきてもよいし、お店にあるリールをセットしてみることも可能です。お声かけください」

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使用時に近いフィーリングを確かめるならリールをセットした状態での確認してみよう。リール有無で、その印象はかなり異なる。写真はリールをセットしてみたとき

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リールなしのとき

価格の違いはどこにあるか?

 はじめて購入するロッドなら、なるべくリーズナブルなモノでもいいか。長さやアクションの表記が同じなら、さほど性能は変わらないでしょ……?と考えるビギナーは多いだろう。たしかに、無理をして高価なモデルを買う必要はないが、やはり高価でハイグレードなモデルには、それ相応の見返りがある。

「グレードの高いロッドほど高品質のブランクが使われていたり、より軽量で強いパーツが使われていたり……という違いがあります」。その違いがどこに現れるか?というと「飛距離」や「感度」である。「たとえば、あと5m届けば釣れるのに……。ルアーの挙動が変わった瞬間に食ってきた……という部分に直結してきます。一度、ロッドのグレードを上げた人が、やっぱり下のグレードでいいや……と戻らないのはそれが理由です。当然ですが、そういった部分に価格による違いがあります。なので、無理のない範囲で、上のクラスのロッドを購入することをオススメします」

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最近では低価格帯でも品質の高いロッドも増えた。入門者にはうれしいことだ。自分が許容できる範囲で、よりよいロッドを選びたい

2ピースかパックロッドか

 シーバスロッドの多くは2ピースと言われる2本継ぎのモデルだが、最近では携帯性に富んだパックロッドやモバイルロッドの数も増えてきた。

「基本的にロッドは継ぎ数が少ないほど、ロスなくその性能を発揮するので、パックロッドじゃないと困るとか、パックロッドが使いたいという明確な意思がないのなら2ピースを選ぶのが基本です。使用目的が明確なうえで選ぶならパックロッドももちろんOKです。隅田川などではスーツ姿でシーバスを釣っている方も見かけますが、そういうスタイルなら、よりコンパクトに収納できるパックロッドが十分に生きてくると思います。基本はあくまでも2ピースです」

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最近は継ぎ数が多くコンパクトになるパックロッドの数も増えた。スーツケースや旅行バッグに忍ばせておくのに便利なのはたしか。「目的があってパックロッドを選ぶのはOKです!」

メーカーによる特性の差は?

 近年、メーカーの違いによる性能差はあまりなくなっているというが、メーカーやシリーズよって、コンセプトや特性に違いはあるという。

「同じMLで、使うルアーが同じでも魚とのやり取りの考え方や使用感が自分のスタイルによりマッチしているか……という部分ですね。たとえば僕の主観ですが、ダイワのロッドは魚が掛るとしっかり曲がって魚が走れば、ある程度は走らせ、力をいなして寄せてくる印象。対してアピアの風神ADというシリーズはバットパワーが強く、力強く振り抜きたい人向けのロッド。魚を掛けてからも、ガンガン力強く寄せたいスタイルの人に向いたロッド。誰でも使いやすというわけではないけど、エキスパートが好むロッドが多いですね」

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ダイワのモアザンシリーズはたとえるなら高級車。高性能で乗り心地も抜群。誰もが快適に使いやすいモデルが多い

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クルマでたとえるならアピアの風神ADシリーズはレーシングカー。使いこなすには釣り人の技量も必要だ

ネットの評判を信用しすぎないこと!

「ロッドにかぎらず、購入を検討する時って、ネットの評判や評価を見ることもありますよね。もちろん参考にするのはよいと思いますが、そのコメントを信じすぎないことが大事だと思います。あくまでも個人の感想ですし、正しいことも書いてあるけど、間違いや好みで意見が異なることもある。なので、ネットでの評価だけでなく、自分が店頭で触ってみた印象やスタッフの感想も参考にしてください」

ロッドのお手入れ:釣行後はお湯で流す

「リールはお湯で洗うことは厳禁ですが、ロッドはお湯で流してもOK。そのほうが汚れや塩分も落ちやすい。なので、僕の場合、釣行後はロッドとルアーは自分と一緒に風呂場行きです(笑)。ガイドなどの金属パーツや汚れやすいグリップ周辺をシャワーで洗い流すようにしています。それだけでもパーツの劣化を防ぐ効果はあります」。自分の道具を長持ちさせるために使用後のメンテは忘れずに!

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シーバスを釣ったあとはタックルに魚のヌメリや砂が付着しやすい。釣れても釣れなくても、使用後のロッドはシャワーで洗い流すとよい

ロッド破損の3大要因

「踏む」「転ぶ」「絡んだままキャスト」に注意せよ!

 釣りを始めたばかりの方がロッドを折ってしまった……というケースが多く、メーカーは修理対応に追われパーツの欠品も相次いでいるという。「やはり不注意による破損が多いです。特に『踏みつけ』『転倒』『ガイドに絡んだままのキャスト』による破損が顕著。踏みつけに関しては、ロッドを地面にベタ置きしてしまう方が多いのが原因です。基本的にロッドは立てかけるように心がけましょう」


まとめ

■どんな場所で釣りをするか?
自分に合う長さのロッドを選ぶには、メインとなる釣り場を明確に!
■主に釣りをする季節は?
春ならやや軟らかめ、秋ならやや硬めのロッドが使いやすい
■投げやすいのはレギュラーアクション(テーパー)
ビギナーの方には胴調子といわれるレギュラーアクションがオススメ
■実際に触ってフィーリングチェック!
数字やカタログ表記ではわからない部分を、手に取って確認しよう
■価格の差を知る
グレードの高いロッドは飛距離、軽さ、感度などにアドバンテージがある

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