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イワナ・アマゴ釣り/新感覚ラインで楽しむテンカラ

おすすめ時期:6~9月(解禁期間要確認)

編集部◎文・写真
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毛バリを打ち込みやすく、トレースラインも一目瞭然。
入門者にぴったりだが、経験者が使わないのはもったいない。
そんな新しいラインの開発に携わったのは、ご存じ〝テンカラ大王〟こと石垣尚男さん。
盛期を迎えつつある渓流で、その扱いやすさを実感した。


この記事は『つり人』2016年7月号に掲載したものを再編集しています。

テーパーレスの撚り糸


 近年のテンカラで主流となっているラインは、フロロカーボンのレベルラインといってよい。サオがしなやかになり、軽いラインを扱えるようになったことで、毛バリを運んで流れに置いて来るために必要なラインからは余分が削ぎ落とされた。

 石垣さんといえば、こうしたレベルラインを好んで使うことで知られる。そんな石垣さんに「実はこれまでとは違うタイプの面白いラインが出来たんですよ」と聞き、4月末の岐阜県長良川上流部・高鷲地区に向かった。

 この日はアメリカで「テンカラUSA」を主催するダニエル・ガルハルドさんも一緒。ブラジル出身でアメリカに住むダニエルさんは、アメリカで開かれた石垣さんのテンカラ講習会に参加して以来、奥さんが日系アメリカ人といった縁もあり、ほぼ毎年来日しては日本の川で石垣さんとテンカラをしている。「今や藍より青しです(笑)」との師匠の言葉どおり、上流から下流から、必要ならサオも左右の腕で持ち替えて、スポットに毛バリを打って流す釣りは非常に柔軟で無駄がない。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (9) 112-115-fujino-tenkara_cs6 (10)知りあって8 年以上が経つという海を挟んだ子弟。ロッドとライン1組、毛バリ1本で楽しめるテンカラは海外でも着実に愛好者を増やしており、異文化交流の入り口にもぴったりだ

112-115-fujino-tenkara_cs6 (4) 112-115-fujino-tenkara_cs6 (1) ダニエルさんと石垣さんの道具一式。まさにシンプル


112-115-fujino-tenkara_cs6 (7)現在はコロラド州に住むダニエルさん。「自宅から30 分で釣れる魚のサイズは40 ㎝がアベレージ。1時間走れば50 ㎝。でもイワナやアマゴもとても楽しいです」

 そのダニエルさんも、「このラインは非常に使いやすい」と感心していたのが、件の新作ラインだ。目立つイエローカラーは、さわるとサラッと柔軟で撚り糸であることが分かる。ただしテーパーはない。撚り糸のテンカララインといえば、テーパーラインを好む人が、ナイロンで自作するものにそのようなタイプがあるがそれとも違うものである。

 試しに石垣さんのタックルをそのまま借り受けて振らせてもらった。するとラインは驚くほど軽かった。投げやすいテーパータイプの撚り糸だと思って、ゆっくりサオを動かしてしまうと、ラインが上手く伸びない。「ピックアップ(バックキャスト)はビシッとしっかり行なってください。あとはサオを後ろに倒さないのがコツです」と石垣さん。するとたしかに、スッとラインが前に伸びてスムーズに毛バリが運ばれた。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (3) この日はイワナが元気。大きめの石の横を流すとしっかり毛バリをくわえた

見える軽快感


 撚り糸の正体は「ゼクシオン」という液晶ポリマーを溶融紡糸したスーパー繊維の一種。PE以上に伸びがなく、かつしなやかな糸質が特徴の繊維だ。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (2) 撚り糸の特性で仕掛け巻きに巻いてもクセはまったく付かない

 石垣さんはフジノラインからこの素材をテンカララインに生かせないかと相談を受けたそう。するとイトグセの付かなさと視認性のよさで、すぐに使える素材だとピンと来た。とはいえ、実際のテンカララインとして形にするまでは、最適な撚り具合に行きつくまで複数回試作をやり直し、さらに伸びのないラインの先端に「ナイロンの組糸によるマーカーを付けてクッションにする」という石垣さんのアイデアが欠かせなかったという。

 このマーカーが、結果的にラインそのものの使い勝手のよさをさらにアップさせた。マーカー部分の長さは30㎝。蛍光の黄緑色で5㎝ごとに黒く線が入っている。マーカーの先に約1mのハリスを付け足して毛バリを結ぶのだが、流している間はマーカー部分が水面に接している状態になり、これが高い視認性を発揮してアタリが容易に取れる。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (6)今回の来日で初めてラインを使ったダニエルさんも「使いやすい」とすっかり気に入っていた

先行者のあとでも好反応


 この日はフライフィッシャーの先行者がいた。それでも、ドライフライで水面をねらっていく先行者に対して、時間をおいて川に入り、水面下にわずかに毛バリを潜り込ませてねらっていく石垣さんとダニエルさんに、まずはイワナが立て続けに顔を見せる。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (5)週末明けの月曜日、先行者のあとでもご覧のとおり


 わずかでも毛バリを沈めて流すことで、水面まで浮上する必要がなくなる渓流魚は警戒心をずいぶん緩める。魚は釣れたほうがもちろん面白い。テンカラの強みの1つがまさにここにある。

 一方、毛バリが見えないということは、アタリを取ることに関してはハンデにもなりえる。水面に浮かべた毛バリにバシャッと魚が出るなら見逃しは少ないが、「毛バリが見えないから、アタリがよく分からない」という感覚は入門者なら誰もが感じるところだろう。いわゆる「ドライフライテンカラ」は、その部分を省略できてしまうわけだけれど、テンカラの釣りとしての面白さを本当に味わうなら、断然「沈めて流してアタリを感じ取る」ほうに軍配を上げたい。

 実はその点でもこの新しいラインには高い可能性を感じた。非常に見やすいため、自分が毛バリを流している場所の把握が一目瞭然。マーカーの先の「変化」に自然と気を配れるので、見えない毛バリに魚が食い付くさまを読み取る作業に集中しやすいのだ。それでいて、ラインは比重も充分に軽い(ナイロンとフロロの中間ほどと言われる)ので、ドリフト中にサオ先から垂れたラインが手前に寄って来てしまうこともない。

 しばらくイワナのヒットを楽しんだあとは、少しアタリが止まったが、川に高低差がなく、ややフラットになった瀬の区間をていねいに流して行くと、ほどなく石垣さんがアマゴをヒットさせた。夕方は釣り場をやや下流に移し、長良川本流と鷲見川の合流点付近で毛バリを流すとやはりイワナがヒットした。長良川水系の毛バリ釣りは早くもハイシーズンを迎えようとしていた。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (8)軽やかに操る毛バリに躍り出た美しい魚体のアマゴ


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●お求めはお近くの書店または釣具店まで。お急ぎの場合はつり人社ホームページ(http://tsuribito.co.jp)からもご購入いただけます。

112-115-fujino-tenkara_cs6 (1)_1 ●管轄漁協:郡上漁協(℡0575・65・2562 ) 
●交通:東海北陸自動車道・高鷲ICから15分


2017/5/25

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