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編集部2020年1月8日

北海道・標茶町/塘路湖のワカサギ釣り

ワカサギ 全国おすすめ釣り場 北海道

岩手県岩洞湖はシーズン初期から大型ねらいが可能なワカサギ釣り場です。例年1月中旬から解禁となる氷上釣りを紹介します。

2種のネイティブワカサギが棲む湿原の海跡湖

レポート◎小林亮




ポイント選びは御神渡りに注目!?

 道東のワカサギ釣り場は網走湖、阿寒湖などが有名だが、塘路湖も忘れてはならないフィールドだ。釧路川水系の同湖は釧路湿原国立公園内にあることでも分かるとおり、自然豊かな海跡湖。新釧路川などを通じて今も昔も海とつながっているので、太平洋からソ 上したワカサギが多く生息している。また、一般的なワカサギとは別種のイシカリワカサギの生息地としても知られている。

「市街から30分くらいで行けるので、釧路に住んでいる人にとっては一番身近な氷上釣り場です。魚影の濃さなら網走湖、食味を求めるなら阿寒湖に向かう人が多く、いつも大賑わいという感じではありませんが、近場でのんびり楽しみたい人たちに人気です。といっても釣果だって決して悪くなく、 200や300釣れることも珍しくないです」とは釧路市のランカーズクシロ、スタッフの佐々木大さん。

 ポイントは湖の西側(オンネムシより東側は禁猟区)。ただ、R391近くの東岸は薄氷地域で乗れない。レイクサイドとうろ周辺に入るのが無難なようす。最深部でも7m程度と平均水深は浅く、取材日に佐々木さんが釣った場所は中央部の沖めで、水深は約1・8mだった。とはいえ、これはシーズン最初の釣行ということもあり、レンタルテントの近くの状況を把握したかったから。「できるだけ深い場所のほうが期待できます。御神渡りの近くの水深3mくらいが好ポイント」らしい。例年、御神渡りは岬と岬を結んだライン、湖がクビレた場所にできる。急なカケアガリがあったり、湖流が当たりやすいポイントと推測できるだけに、群れの回遊が多いのだろう。

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遊漁料は1000円(小人500円)。遊漁券はレイクサイドとうろで購入でき、シラルトロ湖、エオルト沼、ポント沼、マクントウ沼、サルルト沼及び、流入河川と共通

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レイクサイドとうろ前の風景。塘路湖のワカサギ釣りは例年1月5日から3月の第一日曜日まで楽しめるが、閉幕は氷の状況で早まるシーズンもある。2月中の釣行が無難だ



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凍った湖面が割れ、盛り上がってできる御神渡り。神秘的な自然現象だ。周辺は好ポイントだが、割れ立ては危険なので近くに行く際はくれぐれも慎重に

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塘路湖周辺には湖沼がたくさんある。いずれも天然ワカサギが釣れる可能性があるので、マイナーな沼でサオをだすのも面白い。周囲はタンチョウの越冬地なので、運がよければ優雅な舞も拝める


基本は底ねらい

「水深が浅いですし、釣れるタナは底近くがほとんどです。仕掛けはオモリに一番近い下バリがサクランボのように2本出ているタイプなどが有効だと思います」。エサはシロサシとベニサシを用意し、当日は9時過ぎから釣り始めた。午前中はアタリが遠く、渋い状況に苦戦したが、マメなエサ交換、軟らかい穂先、ロングハリス仕掛けへの変更などが奏功したのか、しだいに反応が増え、夕マヅメにはそれなりのペースで掛かった。

「数を伸ばすには、状況に合った仕掛けを使い、ハリがあまくなったり、ハリスがくたびれていたら、どんどん新しい仕掛けに交換したほうがいいです。掛けられなかった魚、バラした魚は警戒して逃げてしまうと想像できますが、その魚に群れがついていってしまい、穴の近くの魚影が薄くなることがあるので古い仕掛けはマイナス面が大きいです」

 なお、同湖でのワカサギ釣りではアメマスがお馴染みのゲストだが、良型 のマブナもヒットする。それゆえ、仕掛けを下ろしたままタックルから長く眼を離すのは厳禁だ。ワカサギ以外の手応えだと察知したら、まずは同行者に伝えて仕掛けを上げてもらうことが大事。キャッチするには、焦らずに魚が弱るのをじっくりと待ちたい。魚が元気なうちに上げようとすると、氷の筒を幹イトが行ったり来たりするうちに空のハリが氷に掛かり、魚の引きをロッドでいなせなくなってハリスを切られるのがオチだ。

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2本の下バリに首尾よくダブルヒット! 下バリに掛かる魚が圧倒的に多かった

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「ここのワカサギは目が大きいような気がします」。湿原の湖という環境に適応した結果なのだろう。塘路湖は海跡湖ゆえ、本来は海にしかいないクロイサザアミが生息する。ワカサギはこのクロイサザアミを捕食しているのかもしれない

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シーズン序盤としては上々のサイズだった。なお、イシカリワカサギは一般的なワカサギと酷似しているのでパッと見では見分けがつかない。大型種なので、大ものはイシカリワカサギの可能性が高まるが、このなかにもいるのだろうか……



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道東太平洋の釧路近郊は降雪量が少ない。テントの裾に乗せ、隙間風の侵入を防ぐための雪が湖面にないとき、佐々木さんはドリルで氷に穴を開け、その砕氷で代用している

ワンタッチ中間オモリ tba3_ph_01_kakomi01
佐々木さんは食い渋りを打開したい場面で、中間オモリを使用する。「仕掛けに弛みをつくり、エサを口にした魚の違和感を軽減するのがねらいです」。自作の仕方は次のとおり。ナイロン0.2~0.3号を10~15㎜の長さにカットし、両端をライターで炙って玉を作ったら、片側にガンダマ(ジンタン4~6号)を噛ませて完成。ミチイトと仕掛けは、仕掛けに付属しているスナップスイベルなどを外し、極小のハリス止メを介して接続。中間オモリはこのハリス止メにセットしている。


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良型のマブナもヒットする。「蝦夷の三絶」とは北海道の旨い食べ物トップスリーを現わした古い言葉で、天塩のシジミ、厚岸のカキ、十勝のフナがその3つ。道東のフナは味に定評があるだけに食べたら絶品!?

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佐々木さんの釣り座はいわゆるお座敷スタイル。道内では建築用発泡断熱材を敷くワカサギフリークがここ数年で一気に増えたが、かなり早くから愛用しているひとり。イケス穴を開けるのも特徴的だ

ランカーズクシロ tba3_ph_01_kakomi02
住所=北海道釧路市昭和南4丁目24-14 営業時間=9時半~22時 問合先=℡0154・55・2288


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交通●札幌から道東道利用で4~5時間。釧路市街から約30分

 

レポート◎小林亮
昭和55年生まれ。北海道札幌市在住。好きな釣りはルアーフィッシング全般、アユの友釣り、氷上ワカサギ釣りなど。姉妹紙「ノースアングラーズ」で道内の釣り場紹介記事を担当。釣って食べて浸かって北海道の生活をどっぷり満喫中


この記事はつり人2019年3月号でも読むことができます



 

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