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【アジの捌き方】三枚おろしと開き方を写真で解説|料理に合わせた選び方

作成者: つり人編集部|2026年9月29日

アジは作りたい料理によって捌き方が変わる。刺し身なら三枚おろし、干物なら頭付きの腹開き、アジフライや唐揚げには開き。まずウロコを落とす共通の下処理を済ませたら、料理に合った捌き方を選ぼう。三枚おろし、二枚おろし、腹開き、小アジの背開きまで、写真つきで手順を解説する。

まとめ◎月刊つり人編集部
解説◎石井ちか江 写真◎山口充、月刊つり人編集部

1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。

目次

     

アジの捌き方は作る料理で選ぶ

一年中釣りが楽しめる魚として、また、いつ食べても安定した美味しさがある魚として、日本の食卓の定番といえるアジ。魚の捌き方の基本を身につける練習相手としても、まさにうってつけの存在だ。

捌き方は大きく分けて「おろす」と「開く」の2通り。

身を骨から切り離すおろし方は、刺し身やたたきなど骨を気にせず身を味わいたい料理に欠かせない技法。塩焼きにする場合でもわざわざ箸で骨を取り除きたくない時に選ばれる。

一方で、背骨を残したまま身を左右に広げる開き方は、干物やアジフライに最適だ。今夜の食卓に並べたい一皿をイメージし、目的に合った捌き方を確実にマスターしていこう。

  • 三枚おろし:中骨から左右の身を切り離し、身2枚と中骨の3枚にする。骨がほとんど残らないので刺し身、たたき、なめろうに。塩焼きやフライにも使える
  • 二枚おろし:片側の身だけを中骨から外し、骨付きと骨なしの2枚にする。三枚おろしより手早く、骨付きの身は塩焼きや煮付けに
  • 頭付きの腹開き:頭を付けたまま腹から開き、中骨を付けたまま1枚に広げる。開き干しに
  • 頭落としの腹開き:頭を落としてから腹から開く。手順は頭付きとほぼ同じで、アジフライに
  • 小アジの背開き:頭と内臓を手でちぎり取り、背から開いて中骨を外す。小アジのフライや唐揚げに。外した中骨は骨せんべいになる

迷ったら、刺し身から塩焼き、フライまで使える三枚おろしから覚えるのがおすすめだ。

覚えておきたい骨の名前

中骨……背骨およびそこから上下に伸びている骨全体のこと
血合い骨……身の中心部近くに生えている小骨
腹骨……内臓を包んでいる肋骨部分

どの捌き方でも最初にウロコを取る

どの捌き方でも、最初にウロコを落とす下処理は共通だ。

最初の下処理として全体のウロコをきれいに引き落とす。ペットボトルのフタを使うとウロコが飛び散りにくく便利。なお、「ゼイゴ」と呼ばれる尾側の中心部にある硬いウロコは、包丁で削ぎ落とすか、皮ごと取り除く必要があるため、この段階では無理に取らなくてよい。

ペットボトルのフタを使うとウロコが飛び散りにくい

刺し身やたたきなら三枚おろし

三枚おろしは、中骨と左右の身(上身・下身)の計3枚におろす方法だ。骨は腹骨と、身の中心部を走る血合い骨だけが残る状態になるため、刺し身をはじめ、骨を気にせず身を味わいたい料理に最適といえる。

三枚におろす

1. 頭の後ろから身の厚みの半分まで包丁を入れる(頭を切り落とさない) 2. 肛門から腹の部分に包丁を入れる。この時点で内臓も取り出せるが、真水に身を当てると味が落ちる場合があるので、水洗いを少なくするためこのまま捌く 3. 背から包丁を入れていく。包丁の刃が中骨に当たる感じにするのがポイント。軽く「カリカリ」と音がする感じ。この時、魚の中心辺りまで刃先が入る。そのまま尾ビレのほうまでなぞるようにしていく 4. 尻尾の部分で包丁を下まで入れる。ここから包丁を返して頭のほうまで切っていく。頭を残しておくことで、魚を掴む部分ができビギナーにも捌きやすくなる 5. 半身を捌いた状態 6. 反対側の身も同じように捌くが、この時は魚の向きを逆にするので、包丁を進める方向は尾から頭で逆になる 7. 三枚におろした状態。このあと内臓を取って軽く水洗いし、キッチンペーパー等で水気を取っておく

腹骨と血合い骨を取る

8. 腹骨をすき取る。腹骨の裏側に包丁の先を当ててカーブに沿うように切る 9. 骨抜きを使い身の中心のやや後ろまでに生えている血合い骨を取る。血合い骨は指の腹で身を触って、チクチクするものを確認したらそれらをすべて抜く。刺し身ではなく、塩焼きやフライなどにする場合は取らずにそのまま料理に使ってもいい

刺し身にする場合は皮を引いて切る

10. 手で皮を剥がす。皮は頭のあったほうから尾の方向に向かって剥がす。この時に滑らないようにキッチンペーパーで掴むとやりやすい 11. 皮を剥がし終えた身(まん中の2つ)と剥がした皮 12. 切り身にする。ここでは一度切れ目を入れてから、包丁をずらして完全に切り分ける方法を紹介。鮮度のよいアジは身がしっかりしているので、こうすると醤油の乗りがよく歯ごたえも楽しめる 13. ほかには「そぎ切り」もよい。身の大きさによって使い分けるのがおすすめ 14. 異なる食感が楽しめる刺し身が完成!

塩焼きや煮付けなら二枚おろし

二枚おろしは、中骨の付いた身と付いていない身の2枚に切り分けるおろし方。中骨付きの身は塩焼きや煮付けに、骨のない身は刺し身やフライに使える。

1. 二枚おろしの場合、ウロコを引き落とし、胸ビレと腹ビレに沿ってたすきに頭を切り落としたら、腹を割って内臓を掃除。小型ブラシで血ワタや腹膜などを取り除き、水洗いをしたら、まず片側の背身を切り開く 2. 続いて腹身を開く 3. 最後に尾の付け根に包丁を差し入れ、頭の切り口に向かって半身を切り取る 4. 中骨付きと骨なしに切り分けた二枚おろしになる

開き干しなら頭付きの腹開き

頭を付けたまま腹から開く、アジの開き干しに使う開き方。頭を割ってエラや血ワタをしっかり掃除することで、仕上がりがきれいになる。

腹を割って内臓を取る

1. エラブタ下から肛門まで腹を割る 2. 内臓を取り出して水洗いをし、余分な水気をふき取っておく

腹身と背身を開く

3. ここからが腹開きの手順。頭を右に向けて置き、まずは肛門から包丁を入れて尾の付け根まで下半身の腹身を切り開く 4. 上半身の背身を切り開く前に逆さ包丁に持ち替え、中骨主骨と腹骨をつなぐ接合部の軟骨を切り離しておく 5. 包丁の持ち方を元に戻し、頭の付け根から切っ先を差し入れ、尾の付け根まで皮1枚を残して背身を切り開く 6. この時、指先の腹を背に当てて切っ先を意識しながら切り進めると皮1枚の感触がつかみやすい 7. 背身を頭の付け根から尾の付け根まで開き切ったところ

頭を割ってエラと血ワタを取る

8. 次に頭を割る。包丁を開いた半身の中骨主骨頭に当てたら…… 9. 少し力を入れて押し切ると縦半分に割れ、腹開きの形になる 10. 仕上げの処理は頭の左右にあるエラをちぎり取る 11. この後、歯ブラシやササラなどを使って、中骨に付着した血ワタや頭部に残った内臓を掻き出す 12. 流水下で黒っぽい腹膜の汚れを掃除したら完成だ。

アジフライなら頭落としの腹開き

頭を落としてから腹から開く開き方。アジフライなど、頭の要らない料理に向く。手順は頭付きの腹開きとほぼ同じだ。

1. ウロコを引き落とした後、まず下アゴを切り離す 2. 続いて、肛門から下アゴまで切り開いたら… 3. 内臓を掃除して水洗いし、水気をふき取る 4. エラブタに包丁を差し入れ、エラの外周を回し切りにし… 5. 頭を切り落とす 6. 腹開きの手順は頭付きの開き干しと同じ。頭を右に向けて肛門から包丁を入れ、尾の付け根まで下半身の腹身を切り開く 7. 上半身の背身を切り開く時は逆さ包丁にして、まずは中骨主骨と腹骨をつなぐ接合部の軟骨を切り離す 8. 包丁の持ち方を元に戻し、頭の付け根から切っ先を差し入れ、尾の付け根まで皮1枚を残して背身を切り開くと、頭落としの腹開きの出来上がり。仕上げの下処理は「頭付きの腹開き」と同じで、血ワタをきれいに取り除く

小アジは背開きでフライや唐揚げに

小さなサイズのアジ(小アジ)がたくさん釣れた場合は、刺し身にはしにくくてもアジフライや唐揚げにすると美味しい。その場合の下ごしらえを紹介。

1. 頭の後ろの半分の所まで包丁を入れたら、そのまま千切るようにして頭を外すと内臓まで簡単に取れる。腹の中はきれいに洗う 2. 体の両側面にある硬いゼイゴを包丁でそぎ取る。この時、包丁は尾側から当てるが、手を怪我しないように注意する 3. アジの背を自分に向けたら、尾から頭に向けて包丁を入れる。この時、包丁は徐々に奥まで入れ腹近くまで切っていく 4. すると腹で繋がった状態にアジを開けるので、次に身を下にしたら中骨と身の間に包丁の先を入れ、反対の手で身をめくりながら中骨に沿って尾の近くまで切り進める 5. 尾の近くで中骨を外せばあとは開いた身を揚げるだけ!中骨も揚げればそのまま骨せんべいになる

※このページは『つり人 2016年5月号』に掲載した記事を再編集したものです。