嵐の余韻冷めやらぬ新利根川で営業部コヤナカは初バスを釣れるのか?
営業部コヤナカでもニオイMAXなら初バスを釣れるのか!?
編集部=写真と文
初7月7日(日)の関東地方は嵐だった。 霞ヶ浦でW.B.S.が、利根川でTBCが中止になったほどの大荒れで、水中はぐちゃぐちゃのドロ濁りに……。 それから3日後の新利根川は嵐の余韻冷めやらぬ状況。 営業部コヤナカは初バスを釣れるのか?「平成に置き忘れてきた俺の時代」×145%
7月7日(日)に予定されていたW.B.S.とTBCの試合はいずれも中止になってしまった。原因は毎秒15mという台風並みの強風。それに加えて降り続いていた雨で利根川水系の水中はぐちゃぐちゃに濁った。
さて、本稿のお題はバークレイの「MAXセント」である。バークレイの新素材ソフトベイトであるMAXセントの特徴は、なんといってもその強烈なニオイだ。15名が働いている編集部の片隅に、試しにパッケージを開けて置いておいたら、3分と経たないうちに他誌の編集部員が異臭を訴えるほどのニオイの濃さと拡散力を発揮。その編集部員がバスだとしたら……、視覚にも聴覚にも、もちろん波動にも頼らずにMAXセントの存在に気づいたことになる。今月号のテーマである「濁り」対策に効果を発揮しそうではないか!

折しも関東地方は連日の雨でどの釣り場も濁り気味だった。「MAXセントの検証釣行」という名目で、仕事で釣りに行けるチャンスである。新利根川・松屋ボートさんに7月10日(水)のレンタルを予約。当初は、ホリベ、コヤナカ、スイトー、ササキの4名・2艇でお気楽に検証するつもりだった。
ところがである。ササキとスイトーが家庭の事情で離脱。H‐1戦士として真面目に新利根川と向き合っている主戦力を失い、残ったのはホリベとコヤナカという、もともとバックシーターを希望していたふたり……。

1983年生まれ。つり人社営業部所属。バス釣り歴は浅いながらも本誌企画「ガチンコバトル」に営業部枠でたびたび登場。冬の桜川で2kgオーバーを釣ったり、秋の亀山湖でクランクで5連発したりしてタニガワを勝たせることが多い

写真は遥か10年前、第2回ガチンコバトルをGulp!ワッキークローラーで勝ったときの一枚。本文中ではGulp!をディスってもいるが、このときはGulp!のおかげでタダ寿司とタダ酒にありついた






コヤナカが言う「ハイパーのとき」とは、昨年2018年9月5日の亀山湖で行なったガチンコバトルのこと。当日のコヤナカは朝イチからハイパークランクTi1064で釣りまくり、わずか45分で5尾のリミットをひとりでメイク。その間、相方のタニガワはAIを搭載したウルトレックスみたいなモノ(ボイルが起きているエリアをぐるぐる回る機能付き)と化していた。回想おわり。




ただし、改元から2ヵ月、元旦から7ヵ月、前回の釣果から10ヵ月、コヤナカの釣果はゼロである。「ゼロが45%アップしてもゼロだよ」という言葉をホリベはぐっと飲み込んだのだった。
まずは……
MAXセントを嗅ぎ分けられるのか!?
コヤナカ:「あ~コレ格付け番組のパクリね(笑)」
左から、MAXセント、パワーベイト、Gulp!
コヤナカ:「見えてませんヨ。並び替えてくださ~い」
並びを替えるのではなくパワーベイトを「カットよっちゃん」に差し替える
コヤナカ:「ン!? Gulp!が増えてません?」
コヤナカはMAXセントだけでなくGulp!も差し替えたよっちゃんイカも正答
コヤナカ:「こっちから種類の違う強烈なニオイがするッス」
MAXセントを嗅ぎ分けられるのか!?


コヤナカ:「見えてませんヨ。並び替えてくださ~い」

コヤナカ:「ン!? Gulp!が増えてません?」

コヤナカ:「こっちから種類の違う強烈なニオイがするッス」
シャローに生命感ナシ

釣行の朝に後輩にこんなこと言われたらそりゃ嬉しい。このひと言で移動中に寝るくらいはぜんぜん許せる(ホリベ)
新利根川も7月7日をピークに荒れに荒れた。連日の雨に加えて大風による底荒れの濁りもプラス。嵐の前に比べて水温はガクガクっと4℃も下がった。
そして釣行当日の朝、新利根川のシャローはシーンとしていた。この時期、例年ならシャローでエビが跳ねていたり、バスがボイルしていたりするものだが、そういうのはいっさいナシ(結局、一日中なかった)。
釣りを始める前は状況がどうだろうと釣れる気しかしないものだが、このイイ時期にアタリもないと1時間もしないうちに脳内警報が鳴りだす。MAXセントの効果を魚というカタチでお見せできない事態に備え、まだ7時だというのにホリベは「使い勝手」のチェックを開始。


冬のここぞというとき(おもにガチンコバトル)ではガルプ!を使うホリベだが、ストックがあやしくなってきた廃盤モデルを開封するタイミングを迷いに迷うという。結果、ガルプ!はとっておきの切り札になり、「まだガルプ!投げてないし」という精神的余裕を生むとか生まないとか。




“止め”でギルバイト多発
バスはうんともすんとも言わないシャローだが、ギルの活性は高かった。岸からチョイ沖の水深1~1.5mにダウンショットやネコリグを投げて“止め”ておいたり、ごくゆっくりズル引いたりすると、ほどなくしてココココッとアタったり、ツツツツイーっとラインが走ったりする。「試しに無臭ワームで同様のことをやってみるが、アタリの頻度はMAXセントよりだいぶ落ちる」とホリベメモ。「ただし、キャットフィッシュ(アメリカナマズ)が釣れないのは意外」とも。カスミ水系でガルプ!を投げると、時としてナマズの猛攻に遭うからだ。これは、ガルプ!とMAXセントとの差というより、当日のシャローが本当にダメだったのが原因だろう。






フック:パワーステージ#2/0(ハヤブサ)
シンカー:タングステン製バレット1/2oz
その他:ガラスビーズ/シンカーストッパー


フック:NSSフック#2/0(ハヤブサ)
シンカー:タングステン製ネイル1/16oz
ハイパー改めMAXコヤナカ
午前中は松屋さんから釣り下って、洲ノ野原に出て、さらに下って妙岐水道まで足を延ばした。シャローでいっこうにバスがアタらないので、広いハードボトムを水深1mの岸際から沖の深いほうへ探っていって、コヤナカにアタリがでたのはなんと水深2.5mというディープだった。「2.5mがディープ」というのはカスミ水系の感覚なのだが、そんな水深のハードボトムでアタるなんて絶対にナマズだろとホリベは思った。




バスだった。コヤナカが令和「初」をキャッチ。ハンドランディングしにいったその手を、バスに走り高跳びのバーのように華麗にかわされもしたが、ついに10ヵ月ぶりにバスとの再会を果たした。ヒットルアーはフラットノーズミノー4inだ。



フック:D.A.Sオフセット#1/0(ハヤブサ)
シンカー:バザーズワームシンカーTGペアー3/32oz(ダイワ)



「連発かけま~す」
松屋さんで昼食をとったあと午後の部スタート。MAXコヤナカが釣った深いハードボトムではほかにも何度かアタリがあったので、午後もそこで粘るべきかとホリベは迷った。が、これ以上オープンウォーターでダウンショットリグをやり続けても、ソフトベイトとしての使い勝手についてインプレできることが増えない。タニガワに借りパクされて魚探がなかったが、この日はよく晴れて表水温も上がってきた気がする。となると午前中とは逆に、午後はディープがもぬけの殻なんてことも考えられた。
ということで午後は圏央道を目指すことに。所用時間は約1時間、8馬力船外機を操舵し続けたホリベの左腕がすっかり痺れたころに到着。コヤナカは、釣って、食って、寝て、何もかもが満たされて、すっきりした顔で起床。操船者(ノーフィッシュ)がイラつきそうなプレイだが、ホリベは柔和な表情を浮かべていた。今朝、会うなりコヤナカが「釣りするのが楽しみすぎて昨晩ぜんぜん寝つけなかったんスよ」とかわいいことを言っていたからだ。Basserの編集部員がバス釣りをするのは当たり前だが、担当営業が熱心なのは嬉しいものなのだ。




前後ふたりがかりで要所のアシを1時間撃ちまくるもノーバイト。アワせたくても疑わしいことが起きない。MAXセントのカバー撃ちでのインプレをメモりだすホリベ。



7月初旬といえばテナガエビがシャローバンクに上がってくる時期だ。テナガを偏食しているバスは、ふわ~っと落ちてくるテナガっぽいアクションが大好き。その裏返しで、シンカー付きのリグにはとことん無反応ということもある。



「専用」はないがバックスライドで使えるモデルはある。クリーチャーホッグ4inにオフセットフックを逆付け。ホリベはアシの隙間へ滑り込ませやすいように2枚の大きなアームをカットした。そしてつい先ほどテキサスリグで撃ったのと同じストレッチをもうひと流しするために、船外機で風下へ戻って1投、2投、そして3投目をフォールさせて回収しようとラインを張ったときだ。

フック:ワーム316R#4/0(がまかつ)
強風のなか、倒れたアシの付け根の隙間をねらったので、滑り込ませやすいように大きいアームをカット(ホリベ)

有給ではなく業務としての釣りをOKにしてくれる待望の一尾をゲット。「疑わしきはアワせよ」とかコヤナカには言っておきながら、「ん……?」からアワせるまでがだいぶ長かったのだが、ペッと吐かれることなく深いハリ掛かりを得られた。











すぐにホリベが40cmを追加して2連発。エレキを交代するとコヤナカも41cmをキャッチして3連発を達成。いずれのバイトも、倒れたアシの隙間をねらって根もとに滑り込ませ、ちょっと待ってからピックアップしようとすると「ん……?」となる感じ。ふたりとも半信半疑でアワセが遅れているので、場合によってはペッと吐かれてもおかしくない。バスがくわえていてくれるのはMAXセントの効果かも。

ホリベ:「松屋さんまで1時間弱かかるからね。もうホント時間ないよ~」
連発に満足したホリベに替わってコヤナカがエレキを踏む

ホリベより1cm大きい41cmをゲット
ところでホリベはクリーチャーホッグ4inのテールカット・逆付けで連発したので、それをコヤナカに教えたのだが、写真を撮っていると違和感がある。コヤナカのクリーチャーホッグ4inにはテールが付いたままだった。

松屋さんへの帰りもたっぷり1時間コヤナカの寝顔を見せられたホリベは、「1cmはコマカイコトじゃないのかよ……」「その鼻の穴にMAXセント突っ込んでやりてェ……」とくり返していた。B

コマカイコトは関係ナシ!

茨城県稲敷市上須田2916
新利根川下流に位置しており洲ノ野原へのアクセスも良好なレンタルボート店。ローボート、免許不要の10ft、14ft艇、船外機付きとラインナップ豊富。そして食堂も、丼物各種にラーメン、カレー、蕎麦、うどん、もつ煮とどれも美味しいうえにボリュームも満足!
休業日:毎週木曜
℡0299-79-1369(19時まで)
https://star.ap.teacup.com/matsuya
◆ピュア・フィッシング・ジャパン
表紙をクリックすると試し読みができます
今号の特集は「濁り」。バスの活性を著しく上げ、時に下げることもあるこの現象を掘り下げます。
過去に濁りに見舞われた取材でのケーススタディーに始まり、水温や流入量による濁りの立体的な捉え方、良い濁りと悪い濁りの違い、濁り始めから濁りが抜けるタイミングまでの釣りの切り替え方、ルアーローテーションの具体例、科学的見地から考える濁りへの対処など、注目トピックが満載です。
モデルとなるフィールドは八郎潟、桧原湖、霞ヶ浦、利根川、亀山湖、津久井湖、琵琶湖、七色貯水池、そしてアメリカなど多岐にわたります。
また、JBTOP50レポートでは最年長優勝記録を「59」に更新した沢村幸弘さんの強さの理由を詳報。試合後の追加取材では、フィジカルを維持するための日々のトレーニングや、メンタル強化に繋がるゴルフへの取り組み、ボートデバイス(魚探)の選定理由などを明かしてくれています。
2019/07/31