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北海道での釣りを満喫するための専門情報誌『ノースアングラーズ』より、厳選した記事・動画をお届けします!

夏の渓流ルアーどう攻略する?スピンテール系ルアーのススメ【北海道】

編集部 2025年6月25日

バイブレーションプラグを思わせるボディーにブレードが付いたスピンテール系と呼ばれるルアーに近年トラウト用が増えている。ごく小さい虫をイメージでき、イトヨレが気にならないのも魅力。とくに真夏は威力を発揮する

夏の渓流トラウトは、ミノーを追うけど食わない場面が多い……。そんなタフな状況の切り札がスピンテール系ルアーだ。夏の定番ルアーであるスピナーと比べてイトヨレが少なく、ブレードによって主食の昆虫系ベイトを演出できる。今回はこのスピンテール系ルアーの威力と、効果的な使い方、チューニング法まで徹底解説する。

佐々木大=文

夏の渓流ルアーは難易度高め

渓流釣りを嗜むルアーアングラーはミノーをメインにしている方が大半だと思う。私のルアーボックスにもミノーがぎゅうぎゅうに詰まっている。そんな主力のミノーだが、昆虫が飛び盛る夏にはいろいろな使い方をしても「追ってくるけど食わない」ことがあるだろう。

最初の1~2投はミノーに反応してもヒットにいたらなかったり、ライズしている魚に無視されたり……そんな経験をお持ちでは?

「セミルアーを投げればいいじゃん」という声が聞こえてきそうだが、コガネムシやセミ、カメムシなど本物とほぼ同じサイズのルアーで対応できればよいが、カゲロウやカワゲラ、トビケラなど華奢で蚊と同じくらいの虫を偏食していると太刀打ちできない。そうしてルアーアングラーが漏らすのは「夏はフライフィッシングに敵わない」というフレーズだ。

スピナーはデメリットも

そんななか、少しでも釣果を上げようと、真夏に多用されるのがスピナー。私がルアーフィッシングを始めた小学生の頃、初めて魚を釣りあげたのがスピナーだった。魚や虫といった捕食物に似ても似つかない形状なのに、シーズンを通じて魚種を問わず、安定した釣果を叩き出してくれる。ライズしている魚や、明らかに昆虫を捕食している魚からすごく反応がよい。

しかし大きな難点がある。それは構造上、どうしても起きてしまうイトヨレだ。胴体に装着されたブレードが回転することにより、ウエイトやビーズなどが装着されている本体ごと回転してしまうのだ。ひどいときには1時間もしないうちにラインがヨレ、バックラッシュしたりロッドティップに絡まるなどライントラブルが起きる。

トラブルをふまえてスイベルを装着したスピナーもリリースされているが、全くイトヨレしないわけではない。「釣れるけどココぞというときしか使わない」、「ボウズを逃れるために投げる」、「ミノーに追ってきた後のフォローとして使う」といった代打的なルアーととらえられ、朝から夕までスピナーで通す方は多くないようだ。

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夏の渓流にはスピンテール系ルアーが有効

スピナーの代わりといっては何だが、ミノーを食ってくれない場面において、私の使用頻度が高いのがスピンテール系ルアー。シーズンを問わずよく釣れるルアーだ。当時はシーバスやバス用ばかりで、重さは10g以上、全長60mm以上が目立ったが、昨今はトラウト用の軽量タイプも増えてきた。なかには渓流にピッタリな5g以下をライナップしているメーカーもある。

ここでおさらい。スピンテール系ルアーは、金属や樹脂でできた小さなバイブレーションプラグを思わせる胴体の後ろに、小さめのコロラドまたはウイロータイプのブレードを装着しているのが一般的。魚の形をした部分が金属でできたものは「スピンテールジグ」や「テールスピンジグ」、魚の形をした部分が樹脂で覆われたものは「スピンテールプラグ」や「ブレードスピナー」などと呼ばれる。

一度でも使ったことがあれば集魚効果の高さから、ボウズ逃れのルアーとして重宝されるが、バイブレーションプラグのような胴体にブレードの付いたルアーに違和感を覚え、未だに使ったことがないという方も意外と多いようだ。

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イトヨレが気にならない

なぜ私が、スピナーの代わりにスピンテール系ルアーを使うのかというと、イトヨレがほぼ起きないからだ。現在発売されているスピンテール系は、バイブレーションと同じように後頭部または背中辺りにラインアイを備える。そのため、スピナーのように胴体自体が回転してしまう心配がない。胴体は回転せずにブレードのみが回転するのであれば、ミノーやバイブレーションと同じようにイトヨレは気にならない。

そしてサイズ感は同じ重さのスピナーと比較し、同等またはそれより小さいものもあり、小さな虫を食べている魚にも最適。またスピナーと違いスピンテール系は、ラインテンションをかけたカーブフォール時、ブレードが綺麗に回転するのでフォール中のアタリが多い。巻いてよし、沈めてよしで、自ずとバイトチャンスが増える。

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沈下スピードで使い分け

前述のようにスピンテール系ルアーは、胴体がすべて金属でできたタイプと、樹脂でできたタイプの2種類がある。前者は比重が高く、素早く沈んで飛距離が出せ、広範囲を探りたいときや水深のある場所に適している。後者は胴体のシルエットが重さの割に大きく、比重が軽めゆえ、ゆっくり巻いても沈みすぎない。浅い場所やルアーを追わない魚に適しているだろう。

どちらのタイプでも同じ重さ、サイズ感のジグより沈下スピードは遅い。同じ重さのヘビーシンキングミノーと比べると、沈下スピードは速いものが多く、ブレードを回転させながら沈下する。沈下スピードは比較的一定のため、流れの中でも着底位置をつかみやすいのも特徴だ。

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スピンテール系ルアーの使い方

スピンテール系ルアーを携えて渓流釣りを楽しむアングラーは増えつつある。山田泰史さんもその1人。以前は湿原河川など、全体的に水深のあるポイントでサーチルアーとして使っていたそうだが、最近は渓流でも活躍しているという。「どこの川に行っても魚の反応が多い」と感じていて、なかでも『レアリススピン』はフッキングのよさから使用頻度が高いと言う。同行した際も良型のニジマスを釣っていた

小林謙太郎さんは、今も変わらずスピンテール系ルアーを愛用。「難しい操作いらずで簡単に釣れる」と話し、いろいろなルアーを使って反応がなかったり、追ってきて食わなかったりした魚に対し、「ポイントを見切る最後のルアーとして選んでいる」と言う。

私も山田さんも基本的にタダ巻きメインだが、小林さんはリフト&フォールを多用する。リフトからフォールに切り替えた瞬間にアタリが集中するらしく、意図的にフォールを多く取り入れることもあるとか。晴天の減水した悪条件のなか、私が見切ったポイントで『レアリススピン』を使い、ニジマスをヒットさせていた。

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絡みやすい弱点はフックセッティングで対応

抜群の集魚効果を秘めるルアーとはいえ欠点もある。まず、フックがラインやルアー本体に絡みやすいこと。どうしてもコンパクトなボディーゆえ、背中のラインアイとフックの距離が近くなり、そのようなトラブルが起きやすい。ベイトタックルならキャスト時にサミング、スピニングならフェザーリングすることにより、着水時の絡みはある程度防げることを知っておきたい。

また、ほとんどのルアーは、フロント(お腹の下)フックのみの仕様になり、後ろから追ってきてブレード側から食ってきた場合、フッキングの悪さを感じることもある。フックの取り付け位置、サイズ感に多少の工夫が必要だ。

フックの取り付けに関しては、魚種やサイズによりベストの位置は変わってくるだろう。主に別項で紹介した3パターンで対応しているが、通常はAのリアフックのみ(フッキング重視・ライン絡み防止)。どんなに気をつけてもフォール時は、フロントフックがラインを拾ってしまうことがある。それをストレスと感じるなら、このフックセッティングがおすすめ。

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A.リアのみ装着。フッキング重視でフロントのフックにラインが絡むのを防止する仕様

Bはファイト中のバラシを軽減したい場合におすすめ。ニジマスはフッキングしても頭を振りながらジャンプして抵抗する。リアフックに掛かるとボディー本体とフックポイントの距離があることから、ボディーとフックの動きが連動しない。空中で頭を振りながら抵抗された際、ボディーの重さでフックが外れることがある。その対処法として、ボディーとフックの距離が近いフロントのほうがバラしにくいと感じる。

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B.フロントのみ装着。フッキング後のバラシを軽減する仕様

少しでもフッキング率アップと、ファイト中のバラシ軽減を両立したければ、フロントとリアの両方にフックを付けるCを推奨する。

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C.リアとフロント、両方に装着。フッキングをよくし、ファイト中のバラシを軽減する仕様

小粒ながら大もののヒットも珍しくないスピンテール系。フックを曲げられたり折られたりしないためにも、ルアーサイズに合わない太軸や大きいフックを付ける方もいるが、フックサイズを変えてもアクションしなくなる心配がないのもよい。私は太軸だけでなく、軸の長いスプーン用シングルも試している。

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上は太軸、下は細軸を装着。河川により魚のサイズは異なる。上の太軸フックなら60cmオーバーでも曲げられることはない。太軸を装着してもアクションに影響が出ないのが、スピンテール系ルアーの強みでもある

幅広い使い方ができるルアー

春先はサケやワカサギなどの稚魚パターンに化け、夏は陸生&水生昆虫に化けるスピンテール系。「まずは釣りたい」、「何としてもボウズを逃れたい」という方にとって救世主的的なルアーになってくれるはず。現在トラウト用として発売されているスピンテール系ルアーは10g以下が中心。渓流や中規模河川に使えるサイズに限られる。本流、河口、湖など大型トラウトがねらえるフィールドに対応するバリエーションが増えることを期待したい。年中使え、どんな状況でも安定した釣果が見込めるだけに、お助けルアーとしてボックスに忍ばせてみてはいかがだろうか?

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※このページは『North Angler’s 2023年9月号』を再編集したものです。

【釣り人のためのヒグマ対策】絶対にやってはいけないNG行動&命を守るための4つの鉄則

編集部 2025年6月24日

ヒグマへの警戒感がかつてないほど高まっている。そうしたなか、釣り人を対象にしたクマセミナーが開かれた。釣り人がすべき心構えとは?

2023年の釣り人死亡事故以降、ヒグマへの危機感がかつてなく高まっている。北海道の釣りではヒグマ対策が必須。専門家が語るセミナーから、遭遇しない努力、万が一の際の心構え、そして釣り人が絶対にすべきでないことまで、命を守るための知識を解説する。

北海道の釣りではヒグマ対策が必須

2023年5月、幌加内町の朱鞠内湖で、ヒグマの襲撃による釣り人の死亡事故が発生した。釣りにおけるヒグマの事故例はこれまで、山菜採りなどと比べて少なめとされてきた。それだけに、釣り人の間では重く受け止められ、ヒグマとの遭遇への危機感がかつてないほど高まっている。

道内のヒグマの動向をみると、かつて行なわれていた『春グマ駆除』が1990年に廃止されて以降、個体数は明らかな増加傾向にある。近年の調査で、同年の推定生息数は5200頭だったが、2014年には1万500頭と倍増。その後も増え続け、2020年は1万1700頭と推定されている。

これを受け、2023年度から道の許可により市町村や狩猟関連団体が行なう『春季管理捕獲』が始まった。とはいえ、状況は急には変わらないと予想され、フィールドに身をおく釣り人は、ヒグマについて知識を持ち、高い警戒心を維持していくことが求められる。

そうしたなか2024年に旭川市内で、釣り人をメインの対象にしたクマセミナー『ヒグマ最前線~相手を知って身を守る~』が開かれた。(公財)日本釣振興会北海道地区支部と旭川市の共催。全道各地から約70人が集まり、ヒグマの基礎知識から最新事情まで、熱心に耳を傾けた。

ヒグマの行動を理解することが重要

講師を務めたのは『もりネット』代表、『ヒグマの会』副会長の山本牧さん。道や旭川市のヒグマ対策、朱鞠内湖の事故では関係者の要請を受け、現地の捜索やヒグマの捕獲に専門家として携わっている。

講演の冒頭、来場者に、釣りをするかしないか、ヒグマを見たことがあるかの2点をたずねた。すると、来場者71人中、42人が釣り人で、ヒグマの目撃については、56人もの手が挙がった。関心が高い釣り人が多かったとはいえ、ヒグマがかなり身近なものになっていることがうかがえる。

山本さんは、「出没というのはあまり好きな言葉ではないんです」と語り始めた。「ヒグマは出たり消えたり、わいて出るものではなく、クマなりの目的があって歩いている。たとえば、食べたい、怖いものから逃げたい、繁殖行動をしたいなど。クマ対策においては、その一連のものを理解すること、〝どんなクマがなぜ?〞を念頭におくことが重要になる」。

講演では、そのために役立つ基礎知識が紹介された。以下、その要旨を紹介する。

講演会の模様

釣り人をメインの対象にしたヒグマのセミナーが開かれた。短めの告知期間、積雪期の開催だったが、全道各地から多くの釣り人が集まった

朱鞠内湖の釣り人が襲われた事故について

朱鞠内湖の事故現場は、水際から背後の森まで100m近く距離がある、開けた空間だった。このため、バッタリ遭遇したわけではなく、ヒグマの側から接近した可能性が高い。最初に襲われたと思われる現場から少し離れた場所にネットが落ちていた。これらの状況から、ランディングの最中、しゃがんで夢中になっていたところを接近、ヒグマに驚き、逃げた。その際、つい走ってしまい、それが次の攻撃を誘発してしまったと考えられる。

ではなぜヒグマは接近したのか?好奇心、エサに惹かれて、攻撃など、さまざまな理由が考えられる。朱鞠内湖はマナーのよい釣り人が多いが、ウグイを陸に捨てるなどの行為が事故以前にあった可能性を指摘する声も。そんな行為があれば、釣り人が来れば魚が置いてある、というふうに学習してしまう。リリースの失敗も同様、ヒグマの誘引につながりかねない。さらに、しゃがんでいる人間を積極的に襲った可能性もある。事故の数日前や前年の秋にも、釣り人に接近するヒグマがいた。

現場付近に現れるクマは、遺体のそばにあった足跡と個体のサイズが似ていたこと、現場に執着している、人を恐れないなどの行動から、問題のある個体と判断。赤外線カメラを積んだドローンで居場所を確認しつつ、ハンターに情報を伝えながら駆除に至った。ドローンを使った駆除はおそらく国内では初の事例。

事故後の2023年秋、命とフィールドを守る対策『朱鞠内湖ルール』が作られた。ルールは単独行動は原則禁止、必須の携行装備品(スマートフォン、撃退スプレー、発炎筒など)、カップラーメンを含む調理の禁止などがある。

朱鞠内湖

朱鞠内湖で2023年5月、ヒグマによる釣り人の死亡事故が起きてしまった。釣り人の危機感はかつてないほど高まっている

人間の事情、ヒグマの変化

札幌市のヒグマの目撃情報を見ると、山すそに多い。目撃されるのは、若いクマと親子グマ。クマ社会では弱い立場のクマが多い。これは、安定したところには大型のオスグマがいて、人間よりおじさんグマのほうが怖い。それで山すそに住みついている。これが札幌の状況。

今、人とクマの距離感が非常に縮まっている。その理由のひとつは緩衝帯の喪失。農村が過疎高齢化で人が減っている。次に、捕獲圧の低下。クマを撃つハンターが少なくなっている。その結果として、警戒心が薄く能天気な、畑の作物に依存するクマが増えている。つまり、クマの数が増えただけでなく行動が変わり、その理由はクマの側ではなく、人間社会の変化にある。そこにクマが入り込んでいる。

クマの生息域の拡大には3つの段階がある。最初は、若いクマがうろちょろする。2番目は、オスグマがメスを捜し、用心深い大型のクマが歩き出す。第3段階になると、メスグマが定着し、子育てをし始める。札幌は第3段階まできている。これは特殊かつ危険な状態で、それなりの対策が必要。しかし、その対策を単純に全道に広げるのはクマにとって過剰な圧力になる。地域それぞれの状況をみて考える必要がある。

現在クマは、1990年から2倍ちょっとくらいになっている。でも実感は2倍どころではない。おそらく数が2倍、行動も2倍くらいおかしくなって、2×2で4倍くらい、とんでもないことが起きている。

ヒグマの食性と生きるカタチ

ヒグマはかつて、サケやエゾシカを自由に食べていたはず。それが食べられなくなって100年くらい経っている。エゾシカについてはかつて、「シカなんか見たことない」という時代があった。シカやサケという栄養価の高い越冬前の貴重な食料を食べられなくなったクマが生き延びたのは、野生動物界では希有なこと。そういう意味では、主要な食物の柱を2つ失っても生き延び、人間の弱みにつけ込んで繁栄しているヒグマは、なかなか手ごわい生きものといえる。

動物は頭蓋骨から生きるカタチ、つまり食性や行動が見えてくる。ヒグマの頭骨をみると、鼻面が長い。鼻が大きいというのがひとつのポイント。雑食で〝探す動物〞。学習能力と食べ物の柔軟性、記憶力をもつ。春は山菜、夏に穀物、秋に木の実、ときどきサケもいただいて……。その暮らしぶりや、臼歯をもっている点も人間に近い

匂いは食べ物を探すのに非常に大事。トウキビが熟れてきた、海岸にイルカが打ち上げられた、サケが上ってホッチャレになっているとか、それは、何kmも先から匂いが情報を運んでくれる。目や耳より鼻にたよることが、雑食の生活を支えている。そうした学習能力が今、畑荒らしにつながっている。

近年、冬眠しないクマ、シカを追うクマ、それに伴い、ここ10年くらい、銃声に近寄るクマが現われている。鉄砲の音は、自分をねらう危険な音ではなく、おいしいシカの切れ端を置いていってくれる音になっている。このため、爆竹を鳴らすとよってくるケースもあるという。

ヒグマに襲われる4つのケース

ヒグマ事故の発生状況で多いのは、「狩猟・駆除」(41%)、「山菜きのこ採り」(38%)が多く、「山林作業」(8%)と続く。「釣り」と「登山」はそれぞれ3%と比較的少ない。釣りや登山は決まったところを歩くことが多く、ヒグマにすればある程度予測がつく。山菜採りにおける、ランダムに歩き、下を向いて地べたに集中しているような状態ではリスクが高い。

また、事故が起きたケースは、主に4つに分類される。最も多いのは「バッタリ遭遇」。山菜採りでヤブのなかを歩くときなど。釣りでも、渓流で釣り上がっているときなどはあるかもしれない。出遭ったとき、心の準備ができておらず思わず叫んだり、逃げたりすることで事故に繋がる。

2番目は「子グマを守る」という行動。これは非常に厄介。3番目は「好奇心で接近からの攻撃」。朱鞠内湖の事故は、これに近い状況だったのかもしれない。4番目は「積極的な攻撃」。ケースとしては、シカを埋めた土まんじゅうに近づくと、何もしていなくても攻撃を受けることがある。臭い匂いがしたら行くのはやめておこうと考えたほうがよい。

具体的な釣り人のヒグマ対策

ここからは講演だけでなく、ヒグマ研究の第一人者である北海道野生動物研究所の門崎允昭(かどさき まさあき)さんから過去に聞いた知見も交えて、釣り人が実践すべき具体的なヒグマ対策をまとめた。

ヒグマと遭遇しないための努力を

人々がヒグマを恐れるように、ヒグマにとっても人間は恐ろしい存在。基本的にはヒグマも人の気配を察知すると危険を回避しようと離れていく。

「クマに自分が見つけられる前に、先にクマを見つけるような歩き方、進み方をするべきです。クマがいるかもしれない場所、背丈の高い草が密集している場所などでは歩みを停めて周囲を確認する。渓流釣りに入る場合にはホイッスルを携行するといいでしょう」と門崎さんは語る。

クマ鈴もクマ対策としてはお馴染みのアイテムだが、川沿いなど流れの音がある場所、あるいは風の強い日は聞こえづらい。ホイッスルを5分か10分に2〜3回でも吹いて歩くほうが効果的だという。

遭遇してしまったら

万が一ヒグマに遭遇してしまっときのNG行為は3つ。走って逃げる、騒ぐ、荷物を残す。ヒグマから距離を取ることは重要だが、ヒグマには逃げる対象を追いかける傾向がある、距離が離れていれば足早に離れてもよいが、背中を見せて走って逃げるのは絶対にやめよう。

また、近い距離で大きな声を出せば、ヒグマが興奮して攻撃的になってしまう恐れがある。荷物を残さないのは、自分を守るだけでなく、次に来た人を守るため。人に近づけばエサが手に入ると学習してしまう。

積極的に襲ってくるクマには…

基本的には人の存在を認識すればヒグマも離れていくことが多い。しかし、ヒグマの行動理由次第では積極的に近寄ってきたり、攻撃してくる可能性もゼロではない。そんなときの保険として持っておきたいのはクマ避けスプレーだ。

知床財団では、ヒグマに対してクマ撃退スプレーを何度も使用し、効果的に追い払っているという実績もある。しかし、クマ避けスプレーは、風向きを考慮した上で噴射しなければならず、ヒグマに当てるには比較的近距離で使わなければいけないなど使い方が難しい面も。正確に噴射するために、商品の説明をよく読み、事前にイメージトレーニングをしておきたい。

また、最終手段としてナタも有効だと門崎さんは言う。ご自身も調査の際には必ず携行しているようだ。

「ナタを持って反撃したことで助かった事例が複数あります。哺乳類は全身の皮膚に痛覚神経があるため、ナタで反撃すると痛いと思ってそれ以上攻撃してこなくなります。」

複数人行動のほうが事故率が低い

事故の際、複数と単独で、事故率と死亡率に大きな違いがある。単独だと事故率、死亡率とも高い。複数だと事故発生件数が少なく、死亡率も低い。これはヒグマへのアピール、お互いの助け合い、レスキューを行なえるため。朱鞠内湖で「単独行動は原則禁止」というローカルルールが設けられたのは、こうした理由による。

また、仲間がいれば手をつなぐのも効果的。これは一人が逃げ出してヒグマを興奮させるのを防ぐほか、人間が二人いるとクマには大きな生きものに見える。手をつないでいる状態での事故はほとんどないという。

いずれにしてもヒグマが出る領域へ入るときは事前の情報収集を怠らず、「ヒグマに遭遇しないための最大限の努力」と「万が一遭遇した場合の心構え」の両方を持つことが大事。また、当たり前だがヒグマのエサとなるゴミを残していくのは絶対にやめよう。リリース時に魚を弱らせてしまうのも、魚が岸に打ち上がりヒグマを釣り場に寄せる原因になるので気をつけたい。

最後に講演での山本さんの言葉を紹介して、この記事の締めくくりとしたい。

「野山に入る釣り人や登山者は、役所も守ってくれず、自分と仲間で守るのが基本。幸いクマはむやみに攻撃的な生きものではない。そのなかで、自分たちで距離を取るのが大事ではないかと思っています。」

ヒグマ
ヒグマ<写真提供:門崎允昭さん>

※このページは『North Angler’s 2024年6月号』を再編集したものです

ファインテールビギンズのインプレ│実釣を通して解説します

編集部 2025年2月10日

メジャークラフトの『ファインテール ビギンズ』は、入門機種の域を超えた性能と、すぐれたデザイン性を誇る。同シリーズを手がける石塚恒さんが十勝川水系を訪れ、秋らしいグッドコンディションのニジマスをキャッチ。そのクオリティーの高さが、遺憾なく発揮された。

同シリーズを手がける石塚恒さんが十勝川水系を訪れ、秋らしいグッドコンディションのニジマスをキャッチ。

協力=メジャークラフト株式会社

所有欲を満たす入門機種

入門機種は手に取りやすい反面、性能がイマイチというのは過去の話。メジャークラフトの『ファインテールビギンズ』は普及価格帯のロッドでありながら、「キャストのしやすさ」、「ルアーの操作性」、「魚をしっかり掛けること」を追求している。つくりに一切の妥協がなく、最初の一本に選べば、永く信頼できる相棒になってくれるはず。

快適な使用感を実現させるべく、ブランクスのメイン素材に採用したのは中弾性カーボン。マイルドかつスムーズな曲がりをめざした結果、キャストフィールが爽快で、魚の引きに追従する使いやすいロッドに仕上がっている。また、ガイド設定にも注目したい。富士工業製のステンレスKフレームを搭載し、セッティングは上位モデル同様のオリジナル多点ガイド。これらが感度向上およびライントラブルの軽減に貢献している。

スペックだけでなく、ロッド選びの際には見た目(デザイン)も大切な要素だ。本体そのものは使っているうちに身体になじんでくるものだが、デザインに関しては購入時から変わらない。そこで『ファインテールビギンズ』は、ロッドの〝顔〞ともいえるグリップ周りにこだわり、天然木のリールシートが高級感を演出。さらに、ジョイント部やガイドスレッドに施したワインレッドのカラーリングも実にシブい。デザイン性の高さはハイエンドモデルと比べても遜色なく、所有欲を満たしてくれるだろう。

『ファインテールビギンズ』は、豊富なラインナップも魅力。小渓流から本流、湖にいたるまで、さまざまフィールドに対応したレングスとパワーのなかから自分に最適な一本を選択できる。あるいは手持ちのロッドで補いきれない部分を埋める〝サブ機〞としても、大いに活躍してくれそうだ。

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グリップ周りはとくにこだわった部分。リールシートに天然木を採用し、デザイン性を高めている

 

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ジョイントやガイドスレッドに施されたワインレッドのカラーリングが高級感を醸し出す。普及価格帯でありながら、性能、見た目ともに一切の妥協はない

 

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バット部は同社『トラウティーノ ストリーム』に近いオリーブ色。“Finetail”のロゴが映え、まさにネイティブトラウト用ロッドにふさわしい外観

 

 

秋の良型ニジマスをいなす

10月中旬、『ファインテール』シリーズを手がけるメジャークラフトの石塚恒さんと、十勝川水系を訪れた。午前6時の気温はわずか2℃。かなり冷え込む朝だったが、河原の木々は紅葉が始まったばかりで、橋の上から見る限り落葉の流下は少ない。この状況ならシンキングミノーを使った釣りも充分に楽しめそうだ。先行者の姿は見当たらなかったため、ゆっくりと準備を整え、午前6時半に入渓した。

石塚さんが手にするロッドは『ファインテールビギンズFFB-B4102UL』。渓流域における近距離のタイトなキャストから中距離まで対応できる、ちょうどよい長さのベイトモデルだ。「ルアーの重さをしっかりと感じながらキャストできるレギュラーテーパーのブランクスで、4〜6㎝のミノーを意のままにアクションさせられます。また、バットパワーがあるので、不意の大型魚がヒットしても安心です」と石塚さんは話す。

しばらく雨が降っていなかった影響で、この日の川は渇水気味。おそらく魚が瀬に付くような時季でもないので、少しでも深いポイントを探しながら遡行する。その途中、石塚さんに晩秋のねらい方についてうかがった。「積極的にベイトを追うというよりも、むしろ流れてくる陸生昆虫などを深場で待ち受けて捕食している印象です。ルアーを素早く動かすのではなく、確実に見つけてもらえるようスローに、じっくり誘うことを意識しています」

重要なのは魚の目の前にルアーを通し、リアクションバイトを促すイメージ。その点、水平姿勢のシミーフォールが十八番で、〝食わせの間〞がつくれる『エデン50S』は適役である。案の定、結果が出るまでにさほど時間はかからなかった。

ヒットしたのは岩盤のえぐれが形成する深み。いわば教科書どおりのポイントだが、丁寧なアプローチが実を結んだ。アップに投げた『エデン50S』をボトムバンプさせながら、最深部で2度、3度と跳ね上げたときだった。

「いいサイズ!」

石塚さんの声が弾む。掛かった瞬間の重量感から、大ものであることは明白であった。ところが、鮮やかなレッドバンドが水中に映るやいなや、そのニジマスは猛烈なダッシュを見せる。それでも『ファインテールビギンズ』は、決して主導権を渡さない。魚の急な走りに追従し、柔軟に曲がり込んで抵抗をいなす。そしてネットに収まったのは、50㎝クラスの見事なニジマス。ひし形で幅広な体躯が、コンディションの素晴らしさを物語っていた。

あえて繰り返し強調するが、『ファインテールビギンズ』は入門機種である。しかし、石塚さんが良型のニジマスを釣りあげたことからも分かるように、充分なパワーを兼ね備えている。性能、デザインともにエントリークラスの域を超えたロッドといってよいだろう。

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秋のニジマスは逞しく美しい。赤く染まった頬が紅葉を彷彿とさせる

 

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良型とのファイトでも主導権を渡さない。急な走りに追従し、柔軟に曲がり込む

 

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10月中旬、朝のようす。河原の木々は色づき始めたばかりで、落葉の流下は少なく、シンキングミノーでも快適に釣りができた

 

North Angler's 記事一覧

 

※このページは『North Angler's』を再編集したものです。

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レイクショアジギングの有効性

編集部 2025年1月23日

レイクショアジギングのやりかたや魅力をご紹介します

レイクショアジギングの全容を紹介

文章◎古川慎也

遠浅の地形ゆえ

道東でサケのシーズンが終盤を迎える頃、私にとって一年の締めくくりというべき釣り”レイクジギング“がスタートする。メインとなるフィールドは、国内屈指のカルデラ湖の一つである屈斜路湖。手つかずの雄大な自然が残るロケーションは素晴らしく、盛期になると道内のみならず全国からアングラ—が訪れる。水温の低下とともにショアからのキャスティングで届く範囲内をニジマスが回遊し、例年10月中下旬から釣れ始める。

今でこそ屈斜路湖に足しげく通っているが、十数年前まで、秋/冬はもっぱら湿原河川で釣りを楽しんでいた。理由は明快。「湖は釣れない」と思っていたからだ。いくらロケーションがよくても、アングラーである以上、やはり釣行時は魚に出会いたいもの。

転機になったのは、かつて本誌で掲載していた湖のジギング記事。その舞台になっていたのは、道内有数のメジャーレイクである支笏湖。私の住んでいる地域からは遠くても、”ヒン卜“を得られた。屈斜路湖は一部のインレットを除いて遠浅な地形が目立つだけに、ジグとのマッチングがよいのではないかと思ったのだ。

海アメ&海サクラマスのジャンルでは、ほぼジグオンリ—の私。だが昔、湖でジグを投げる発想は全くなく、7~8フィートのミディアムクラスロッドを相棒に、20g未満のミノーやスプーンを投げていた。湖には大ものが潜んでいるのは疑いようがなく、「いつの日かロッドが大きく絞り込まれるのでは……」という期待感とは裏腹に、満足な釣果を得ることはできないでいた。それが、ジグを使うようになると劇的に状況が変わった。

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ジグがハマる理由

なぜ、ジグが有効なのか。比較的魚の付きやすいインレットは例外として、湖の釣りは回遊している魚のバイトを待つスタイルになりがち。とくに回遊性の高いニジマスはなおさらだ。そして回遊するコースはカケアガリ(=ブレイクライン)が中心。前述のように、遠浅のポイントが多い屈斜路湖において、沖めに形成されるカケアガリに届けられるジグの遠投性の高さは強力な武器になる。

次にジグの形状。見てのとおりシンプルな形状ゆえ、縦(水深)にも横(面)にも対応する。広大な湖では、ルアーの存在を見つけてもらわないことには始まらない。その点、サーフェス&バーチカルという立体的な組み立てのできるジグの優位性は際立つ。

天候については、風が吹いて波立っている条件で圧倒的に実績が高い。波により水中酸素が撹拌されることで魚の活性を上げ、かつ警戒心が薄れるのだろう。しかし、そうした悪天候時はキャストやリトリーブがしにくいのがネック。「釣れるけど厳しい……」。このトレードオフな関係性を打破するのにも、シンプルで高比重なジグの持ち味が活きる

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形状による操作の違い

ジグを選ぶ際、皆さんは何に重きを置いているだろうか?私が重視するのは「スローのスキル」である。ゆっくりと巻いてもアクションしながら泳ぎ切る最低値……すなわちスローリトリーブヘの対応力だ。

高活性時はファーストリトリーブでバイトしてくることもある。ただ速巻きの場合、水流や水圧などにより、大概は暴れながら動く。それをアクションと一括りにするのはどうかと思ったが、ひとまず暴れながらでもアピールしていることにしよう。

一方で、スローはどうか。ジグによっては全く動かず、リアが垂れ下がった状態のまま水平移動していると思われる。気温、水温の低下する季節柄、どちらかというとスロー域でヒット率が高く、そのスピードでのスイミングアクションが試される。

基本的な操作はタダ巻き。この場合は、メインベイトとなっているワカサギに近い、スリム&ロング形状のジグを選ぶ。縦の誘いが発生しないタダ巻きによるリサーチでは、いかに平面上を広範囲に探れるかが重要。このことから遠投性が高く、ナチュラルなウオブリングでアピールするリアバランスの出番。反面、アクション主体のメソッドなら、立体的に攻略することが可能。この場合、ロッドアクションに追従した動きを出しやすいセンターバランスを選ぶ。

ウエイトはシルエットやバランスを問わず30g前後。シルエットはなるべくベイトに合わせても、ナチュラル系カラーはほとんど使わない。魚に見つけてもらうことを最優先にアピール系をチョイスする。私のルアーケースはアカキン、ピンクベースばかり(笑)。

(1)

スピンリーフ。センター寄りのバランスで、ウオプリングよりもロールが強く、その名のとおりスピンするような動きでアピールする。そのため、比較的縦の動きに対してよく反応するアメマスのヒット率が高い

 

レンジは水温で変わる

ジグをそろえたら、後は実釣だ。いろいろと書いたが、晩秋/初冬、最も実績が高い操作は表層のタダ巻き。間違いなく一番釣れると感じる。表層で釣れるのは、ニジマスの適水温が関係していると思う。この時季、表層の水温はニジマスの好む10~15℃の範囲になりやすい。であるなら表層にねらいを定めるのが理にかなっている。

タダ巻きでのリトリーブスピードはスローが中心だが、使用ジグの形状などにより若干異なる。確実にジグがアクションするスピードを見極め、いかにスロー域の最低値まで寄せられるかがキー。

一方、まだ水温が高めに推移している時季や、逆に水温が低くなる冬期は、適水温を求めてトラウトの回遊レンジは下がる。その際は、バーチカルな縦の誘いが効き、操作法は以下のような感じ。①ジグをポトムまで一気に落とす、②着底→ジャーク1回、③→リトリーブ5巻きを繰り返して徐々にレンジを上げる。なお、ボトムレンジのみを探るなら、ボトムハンピングのイメージで、軽くジャークして跳ね上げる→リトリーブ5~10巻き→フォール→着底という流れでねらう。

縦の誘いで留意すべきは、着底(ボトムタッチ)したらすぐにジグを跳ね上げること。オフショアのジギングにも同じことがいえるが、フォール時にチェイスしていたとすると、着底後すぐに動きを与えないと魚に見切られやすいと思う。

湖流にも注目してほしい。海サクラなどショアの釣りと同様、やはり流れが利いている状態が好ましい。全く利いていないスカスカな日もあるが、そんなときはラン&ガンし、少しでも手もとに重みの伝わるポイントを探すしかない。

湖流は横(面)だけでなく、縦(水深)でも変化がある。表層は利いていなくても、カウントを刻んで各レンジを探ると違いが分かるはず。この際にもジグは頼りになる。シンプルな形状ゆえ、湖流がないと手もとに引き抵抗を全く感じない。反面、湖流があると雑味なく素直に伝わってくる。フォールに優れる特性から、縦の湖流変化にもいち早く気づくことができる。

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タックルで重視すべき点

タックルは海アメ&海サクラマスと同じでOKだが、湖はオーバーハングなどでバックスペースの取りにくいポイントが少なくない。あまりにロングレングスのロッドだとキャストフィールの低下を招き、存分にポテンシャルを発揮できない。通常は10~11フィ—卜、取り回しを考慮すると9フィート前後が扱いやすい。リールはスプール径が大きいほうが、わずかでも飛距離が伸びる。ロッドのレングスを問わず4000番前後を組み合わせている。

いろいろと書き綴ったが、私の釣りに対する座右の銘は「一期一会」。相手(魚)ありきで成立する趣味であり、結局のところ「魚がいるかいないか」、「活性が高いのか低いのか」が一番釣果を左右する要素だ。年中魚と戯れていると、ターゲットの釣れぐあいやシーズンのインアウトから、意識せずとも季節の移り変わりを実感できる。しかし近年、そのサイクルが変化している。地球温暖化の影響と一言では片づけられないのではなかろうか。持続可能な釣りのため、環境問題にもしっかりと向き合っていきたい。®

1-Jan-21-2025-05-53-09-1771-AM

 

 

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アキアジ用タコベイト4選│ヤマシタ、フジワラ、がまかつなど

編集部 2024年12月9日

北海道独自の発展を遂げてきた鮭釣り。ここではサケ(アキアジ)狙いに使えるタコベイトを4種類紹介します

鮭釣りのタコベイトををまとめました

文章◎編集部

タコベー ヤマシタ

タコベー

リニューアルしてカラー一新

サケ釣り愛好者なら釣法を問わず、誰もがお世話になっている同社のアイテムだが、このほどアキアジ専用『タコベー』がリニューアル、カラーが一新された。北海道・東北限定モデルで3種類がラインナップ。1.5号のみの1本針は、磯や港内のウキフカセ釣りに最適。段差針は活性の低いサケ特有のもたれるようなアタリをフッキングに持ち込みやすい。平行針はどんなエサも付けやすい仕様

●サイズ/全長:1.5号/45mm、2号/60mm、2.5号/75mm●カラー:8色●価格:オープン

 

 

リアルオベーション勝タコ フジワラ

リアルオベーション勝タコ

鮭勝に装着して釣果UP

『鮭勝』にベストマッチするよう開発されたタコベイト。FWI(ピンクグロー)はオールラウンダー、F2(ピンクブラック)はフレッシュな魚や高活性時向き、FW3(ブラックグロー)はスレた魚や激戦区攻略に、FW4(ブラックピンク)は日中に有効、FW5(ブラックブルー)は状況不問の実績色、FW6(グローピンク)はグローとケイムラのダブルアピール、FW7(YPゼブラ)は時間帯に関係なく目立つカラー

●サイズ:2号、2.5号、1本針2号●カラー:FW1/2/3/4/5/6/72号、FW1/3/6(2.5号/1本針2号)価格:オープン

 

 

G-トレーラーくわせ2寸フェザーダブル がまかつ

G-トレーラーくわせ2寸フェザーダブル

最近のトレンドを身に着けて

ウキルアー釣りで近年、注目度が高くなっているフェザータイプのトレーラーを装着。フェザーはアピール度を追求し、2色のパターンを採用。カラーはピンク、赤、夜光ピンク、ピンク夜光線、赤夜光線、黒夜光線、レッド/ピンクの全7色。フックは『くわせアキアジ』18号を採用し、刺さりのよさに定評のあるナノスムースコート。フック交換が容易なマジックアイ、結節力の高い根巻き仕様

●サイズ:1.5寸、2寸●カラー:1.5寸=7色、2寸=11色●価格:693円

 

G-トレーラーくわせダブル がまかつ

G-トレーラーくわせダブル

刺さりとアピールを追求

渋い状況でもフッキングに持ち込みやすい段差2本バリタイプのウキルアー用。フックはナノスムースコートを施した『くわせアキアジ』で、1.5寸に18号、2寸に20号を採用。蛍光紫ラメ仕様に加え、キラキラ輝いてアピールするフラッシャーのスカートも備えてサケを誘う。フックのアイとスプリットリングの装着がスムーズに行なえ、スプリットリングの変形を最小限に抑えられるマジックアイを搭載●サイズ:1.5寸、2寸●カラー:1.5寸=7色、2寸=11色●価格:693円

 

 

 

 

 

 

 

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アキアジ用ルアー14選│爆釣できる鮭釣り道具を探そう

編集部 2024年12月6日

北海道独自の発展を遂げてきた鮭釣り。ここではサケ(アキアジ)狙いに特化したルアーを種類紹介します

鮭釣りのルアーををまとめました

文章◎編集部

サーモンロケットTG ダイワ

サーモンロケットTG

食い渋る状況も得意

大勢のアングラーが並ぶ釣り場で遠くに飛ばせることは大きなアドバンテージ。遠投性能を追求すると高比重タングステンに行き着くのは当然だ。このルアーは鉛製サーモンロケットの体積を40%減少させてコンパクト化に成功。圧倒的な飛距離でライバルに差をつけられるだけでなく、スレたサケにも威力を発揮。2024年の新色はインディゴバック、ブラックシェルB、ブルーバックG、ミラーピンクゼブラ

●サイズ: 40g、 45g、 50g価格: 2,255 ~ 2,640円

 

 

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サーモンロケット ダイワ

サーモンロケット

その名に恥じない飛距離

高比重な鉛製でロケットというネーミングどおり遠投性能が高く、沖のサオ抜けエリアをねらえる。ただ重いだけではなく、よりスプーンに近い形状で、さらに裏面に凹みを設けてアクションの鈍化を抑えているのが特徴。一般的な肉厚スプーンとは異なり、魅惑的なアクションでサケにアピールする。2024年の新色はインディゴバック、ブラックシェルB、ブルーバックG、ミラーピンクゼブラ

●サイズ: 40g、 45g、50g価格: 1,430 ~ 1,815円

 

 

アキアジクルセイダーW ダイワ

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NEWカラー4色が登場

「サケ用ルアーといえばコレ」というほどの大定番。あらゆる釣り場に対応し、豊富なカラーで状況も問わない。今季は既存の18色に加え、W-インディゴバック、ブラックシェルB、ブルーバックG、W-ミラーピンクゼブラの新色が追加。初期から後期まで安定して釣れるのは赤系とピンク、後期に実績があるのがダーク系、オホーツクで人気のブルー系、太平洋の定番である赤ドット。これらを目安に使い分けたい

●サイズ: 35g、 40g、 45g、 55g価格: 1,430 ~ 1,815円

 

 

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鮭男爵ラウンド/スリム ジャクソン

鮭男爵ラウンド/スリム

河口や波風の強い条件で◎

鉛製のフラットボディーが目を引くルアー。コンパクトで空気抵抗が少なく、遠投性能の高さは疑う余地がない。潮が速くても浮き上がりにくく、とくに波風のある状況で頼りになる。スローリトリーブ時は水流を片方向へ流そうとし、タコベイトとエサが付いた高負荷状態でも動ける力を生みだす。樹脂ミラーやマイラーシート仕様でフラッシング性能も優秀。ラウンドとスリムの2モデルがラインナップ

●サイズ:ラウンド=45g、 スリム=45g・50g●価格:1,430円

 

 

鮭将軍 ジャクソン

鮭将軍

ナギの状況はおまかせ

反りを持たせたボディー形状などにより、ベタナギの港内といった止水でのアピール力を追求したルアー。超デッドスローで巻いてもアクションし、水流の受けと抜けがバランスよく入るため、イレギュラーに回転してアピールを続けられる。タコベイトの動きをよりダイナミックに演出できるのも特徴。同社『鮭男爵』シリーズと使い分けることで、あらゆるサケ釣りシーンに対応する。全長は75mm

●サイズ:40g、45g、50g、55g●価格:40g・45g=1,870円、50g・55g=1,980円

 

 

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リアルオベーション鮭勝 フジワラ

リアルオベーション鮭勝

銀粉カラーで銀ピカゲット

道南のサケ釣りスペシャリスト「かっつ」こと、畑澤勝博さんが監修したルアー。英字では“SAKE-KATZ”。素材に低比重のZAMS合金を採用し、超スローリトリーブで誘うことが可能。アクションを重視したワイドボディーは波形で潮を受けやすく、水を横に逃がしてわずかな潮流でもユラユラ揺れてアピールする。セットするフロートは小型を推奨。今季は人気の銀粉カラーが3年ぶりに復活した

●サイズ:45g、55g●価格:オープン

 

 

ティアーサーモンタイニー45 ブレイクスルアーズ

ティアーサーモンタイニー45

さらに進化したダウンサイズモデル

高比重合金&フラット形状を採用した『ティアーサーモン45』のアクションを継承しつつ、ボディーサイズをコンパクトにしたモデルがこれ。重心をわずかに後方に設定することで、驚くほどの飛距離とキャストフィールの向上を実現している。ダウンサイズながらもデッドスローでしっかりとアクションし、さまざまなシチュエーションで使いやすい

●サイズ:45g価格:オープン

 

 

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ジアキア45SC ブレイクスルアーズ

ジアキア45SC

こだわり抜いた素材・強度

発売から|シーズン目を終えた『ジアキア45SC』は、特殊形状により水流をバランスよく受け流し、止水でもすぐれたアクションを発揮する。サケの警戒心を刺激しないよう水になじみ、よりナチュラルな水押しを実現すべく素材に低比重合金(LSG)を採用。後期の渋い状況でも持ち味が活きる。堅固な塗装強度も定評があり、タフに使っても安心

●サイズ:45g●価格:オープン

 

 

ノースXシェル フィールドハンター

ノースXシェル

耐久性の高さは随一

魚だけでなく人も虜にする美しい天然日本アワビをまとい、ハードなコーティングが施された人気サケ用スプーン。空気抵抗を抑えた形状で遠投性能は高く、水絡みのよさにも定評がある。スローかつイレギュラーにサケを誘える一本だ。2024年はS.コーチグロー/ブラック、S.コーチピンク/ブルー、S.コーチブルー/ピンクのニューカラー3色が登場。ますますローテーションの幅が広がるだろう

●サイズ:40g、45g、50g、55g●価格:40g・45g=1,870円、50g・55g=1,980円

 

 

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ぐるぐるサーモン リセント

ぐるぐるサーモン

回転の効果を世に知らしめた

2007年のリリース後、全道各地から釣果情報が寄せられ、瞬く間にブレイクしたサケ用スプーン。以後、ワイドモデルなどバリエーションが充実し現在にいたるが、今もファンは多い。その名のとおり、スローリトリーブでボディー全体がぐるぐると回転するのが最大の特徴で、サケの活性を問わず威力を発揮する。写真はノーマルモデル。カラーバリエーションが豊富なのもうれしい

●サイズ:35g、45g、55g●価格:35g=1,100円(ノーマル/ワイド)、1,540円(ダイヤ)45g=1,210円(ノーマル/ワイド)、1,650円(ダイヤ)55g=1,320円(ノーマル/ワイド)、1,760円(ダイヤ)

 

 

サモメタ/セミロング エンドウクラフト

サモメタ/セミロング

独特な形状で一世を風靡

2015年、“ウキルアー釣り専用ジグ”とうたって登場。スクリューのような左右非対称の形状はサケ釣りシーンに一石を投じ、10年近く経った今も釣れるルアーとして高い支持を受ける。スローリトリーブ時はしっかり水を噛み、回転しながらジグザグにスラロームしてアピール。『同セミロング』は独自の3D形状を継承しながらサーフでの使用を意識。スリムでテール側に重心を設け、安定して飛距離が伸びる

●サイズ:35g、45g、55g、65g●価格:1,408~1,848円

 

 

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ジアキアノーススタイル45LSG ルアーズケミスト

ジアキアノーススタイル45LSG

SNSや口コミで人気沸騰

話題の北海道メーカーがリリースするサケ用ルアー。発売から4シーズン目を迎えた『ジアキアノーススタイル45LSG』は、SNSや口コミで着実に知名度を上げてきた。年ごとに新色のテストを重ね、トレンドカラーを生み出している。素材には低比重合金(LSG)を採用し、よく水になじみ、ナチュラルな水押しを実現。今季もシーズン序盤から、高い実績を叩き出している

●サイズ:45g●価格:オープン

 

 

Parato Type AK カルテラス

Parato Type AK

超スロー巻きなら一番手

同社のルアーといえば、低比重の樹脂素材を用いているのが一番の特徴。金属製ルアーに比べるとスローフォール&スローリトリーブはお手のもので、サケ釣りに抜群の効果を発揮するのは明らか。アキアジモデルはワイドなティアドロップ型。タコベイトを装着してもすぐれたアクションを引きだせるが、ルアー単体で使うのも面白そうだ。ウエイトは45gと52gの2種類。全長はどちらも100mm

●サイズ:45g、52g●価格:1,870円

 

 

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サーモンコンタクト 岡クラフト

サーモンコンタクト

期待のニューモデル

海アメ・海サクラマスの開拓者として知られる岡貞光さんプロデュースの新作。氏はサケ釣りも大好きで、いつかサーモンスプーンを作りたかったという。波受けをよくし、超スローリトリーブでもユラユラと動くようワイドボディーに設定。空気抵抗の大きさを考慮し、素材は比重のある銅を採用した。フロント側のラブリーなハート模様がかわいい。今季の生産数は少ないので、欲しい人はお早めに

●サイズ:45g●価格:1,430円

 

 

 

 

 

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アキアジ用ロッド5選│ダイワ、メジャークラフト、テイルウォークなど

編集部 2024年12月5日

北海道独自の発展を遂げてきた鮭釣り。激しいファイトで抵抗するファイトに似合わない小さなアタリ。現在は数多くの専用タックルがリリースされている。ここではロッドを紹介する。

鮭釣りのロッドをまとめました

文章◎編集部

ダイワ・シルバークリーク AK (アキアジ)

シルバークリーク AK (アキアジ)

鱒釣りのテイストを宿して

抵抗の大きなウキルアー仕掛けをより遠くに届けられ、小さな前アタリをとらえる繊細なティップ、強引なやり取りを可能にするバットパワーを実現した専用ロッド。エサの匂いが付いても洗えるEVAグリップ、グローブをはめてキャストしてもシートが緩みにくいダウンロックのグリップなど細部までこだわっている。ガイドセッティングはハードな使用を想定し、耐久性を重視したステンレスフレームSiCリングKガイド。ラインナップは狭い船上でも使いやすい102MH、オールマイティーな120H、70gのルアーまで対応する130Hの3モデル。サケ・マス釣りのテイストを感じるデザインもうれしい

 

 

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ダイワ・ピュアリスト AK

ピュアリスト AK

ビギナーでも投げやすい調子

従来のロッドより実釣性能にこだわった調子が特徴。ベリー部の張りを落とし、誰もが曲げやすく、遠投できることを追求した。フッキング後はロッド自体が引きをいなすことで、魚が暴れにくくランディングをスムーズに行なえるだろう。ラインナップは3モデル。106MH-2は港内の使用も想定したショートレングスの2ピース。116H-3はあらゆるフィールドで活躍するオールラウンダーで、ソフトティップはフカセ釣法でも持ち味が活きる。126H-3は遠浅の海岸で立ち込んでねらうときに向き、長いウキルアー仕掛けでも飛距離を伸ばしやすく、沖を回遊するフレッシュな個体も視野に入れられる

 

 

テイルウォーク ケイソン ギンセイ TZ

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エキスパートも納得の一本

『ケイソンギンセイ』シリーズのDNAを受け継ぐハイグレードモデル。全道各地で激戦を征してきたトルクフルなマテリアルを継承しつつも、キャスト時の振り抜けをよくし、ブレ防止効果が望めるチタンフレームトルザイトリングを搭載。リング内径の広さを活かし、『同プラス』とほぼ同径ながらガイドをワンサイズ下げることに成功。さらなる軽量化を実現し、終日振り続けても疲労感が少ない。11.6フィートでルアーMAX70gというスペックは、沖の跳ねを攻略したいエキスパートに最適。身体の一部に当ててのファイトを想定したEVA製グリップエンドを採用、移動時に便利なフックキーパー付き

 

 

テイルウォーク ケイソン ギンセイ プラス

テイルウォーク ケイソン ギンセイ プラス

全モデルMAX70g

同ブランドは長年にわたり数多くのサーモンロッドを送りだしてきたが、その破断強度データをフィードバックし、サーフの遠投に最適なスペックを集約して飛距離アップをかなえたスペャルモデルがこれ。ブランクスにはパワフルなファイトを受け止めつつ、傷や衝撃に耐える表面加工を施し、ゴリ巻きや強引なランディング時も安心感が高い。ラインナップは4モデル。106Hと116Hは王道サケロッドとしての懐の深さを感じる2本。126Hは大遠投が可能なシリーズ最長モデル。110H-P3はコンパクトな仕舞寸法で大ものねらいにピッタリな3ピース。とくにヘビースプーンを多用するアングラーに

 

 

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メジャークラフト・「三代目」クロステージ 北海道サーモン

「三代目」クロステージ 北海道サーモン

あらゆるシーンを見据えた4機種

軽さと強度をコンセプトに開発。軽量かつパワフルなブランクスにイト絡みを軽減するKガイドを搭載し、汚れや耐久性にすぐれたEVA素材のグリップを採用。ラインナップは4モデル。CRX-1002は機動力を重視した2ピース。取り回しのよいレングスでライトウキルアーからルアー単体、船上からの跳ね撃ちにも適している。CRX-1103は3ピースにありがちな持ち重りを軽減し、コンパクトな仕舞寸法も魅力的なオールラウンダー。CRX-1203はウキ下を長くしたい場合に向き、手前の波をかわしやすいモデル。CRX-1303は圧倒的な遠投性能を秘め、不意のビッグサーモンにも主導権を握らせない

 

 

 

 

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アキアジのブッコミ釣りのやり方│投げ釣りで釣る方法とは?仕掛けから釣り方まで解説

編集部 2024年11月6日

ブッコミの魅力再発見。アキアジを狙うための仕掛けからテクニック、探り方まで幅広く解説しています。北海道のサケをねらう参考にしてください。

アキアジ春期講習

写真・文=横川英樹

プロローグ

オホーツク海に秋の風が吹き始める頃、サケを釣るために遠方より訪れるファンでサーフはにぎわう。日の出とともに現われる無数の投げザオのシルエットは圧巻だ。そんなサケ釣りのようすは、オホーツクの秋の風物詩としてメディアでも紹介されるようになった。

サケの投げ釣りは、古くから「ブッコミ」と呼ばれ親しまれてきた。

 

砂浜

朝焼けに向かってフルキャスト。数ある釣法のなかでも、ヘビーなタックルを片腕にする投げ釣りはダイナミック。独特な面白さがある

 

釣り人

鬼アワセで確実にフッキングに持ち込む、札幌市の古井星次さん。軟らかいロッドはしなる分、フックまで力が伝達するのにタイムラグが発生する。逆に硬いロッドは力が伝わりやすく、アワセはゆっくり徐々に加重するイメージで行なう

 

サーフに複数のロッドを並べて、エサを付けた仕掛けを投げた後は、チェアに座ってサオ先に出るアタリを待つスタイル。そのため、アグレッシブなルアーフィッシングに対して、「静の釣り」と認識されることが多い。しかし、水面下では自作のオリジナル仕掛けを駆使し、積極的に魚と駆け引きをする「攻めの釣り」であることはあまり知られていない。

サケがエサをくわえるとロッドの先端が大きく揺れ始める。それを見た瞬間、アドレナリンが全開で噴出する。ちゃちなサオ立てならば一発でL字型に曲げられることもある豪快なアタリ。サーフの砂を勢いよく蹴飛ばしながら一気にロッドまでの距離を縮める。ロッドを手に取ると同時にリールを軽く巻き、たるんだラインを回収する。ラインにかかるテンションが抜けているとフッキングがあまくなるからだ。ここまでの動作が完了したら、いよいよロッドを頭上に立てるようにしてフッキングに持ち込む。「ギュン」とカーボンロッドがしなり、「ドン」と重たい手応えを感じたら魚が乗ったことを確信する。

「ヒット!」と叫びたい気持ちを抑えつつ、垂直付近まで立てたロッドをさらに後方へ引いて荷重する。ロッドのしなりが限界まで達したら、フックはもう貫通しているはずだ。もし、沖に跳ねるサケの白い魚体が見えたらフレッシュな個体と確定する。40号の三角オモリをいとも簡単に引きずりながら暴れるサケとの格闘が始まる。

 

サーフ

今シーズンの初ものとファイト中

 

サケ

見事な魚体が、今年も秋の到来を告げた。この日は3尾ゲットして定数釣りを達成

 

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サケ釣りのルーツ

無差別な乱獲や密漁が原因となり、人工ふ化事業を行なってはいたものの、北海道のサケ資源は長い間低迷していた。記録によると、1970年頃から徐々に回復傾向を示し始め、およそ80年ぶりに1千万尾を超えたのが1975年。以降、1981年に2千万尾、1985年に3千万尾、1990年に4千万尾、1994年には5千万尾を超えた。北海道の海岸でサケが釣れ始めたのは1979年頃。サケ資源の回復した時期と重なっている。

「サンマの餌でよく釣れる」。これに釣り人が気づくと、道東のサーフでは投げ釣りでサケがあがった。これをきっかけに道内全域に広がり、サケ釣りブームが到来した。当時、サケ釣り専用のタックルや仕掛けはなかった。そのため、他魚種のタックルを流用したり、自作したりしながら試行錯誤を繰り返し、北海道独自のサケ釣りスタイルが確率されていった。

 

エサ・投げ・仕掛け

見出しタイトルはオホーツクの名人から教えていただいた名言だ。どれかひとつおろそかにしても成立しないのが投げ釣りの奥深さであり、面白さでもある。フィールドではまれに巨大な群れに遭遇することがあり、入れ掛かりになって2桁釣りを楽しめることもあった。しかし、そのような好条件は年に一度あるかないかのレベル。たいていの場合は、マヅメと時合(魚が食べる時間帯やタイミング)の短時間での勝負になる。その日、そのときの条件により、釣果が左右されるのは事実。安定した釣果を上げるには、条件にマッチした釣り方に変えられるかどうか。アングラーの引き出しの数にかかっている。条件とは主に、次の7項目を指す。

 

①天候(気温、気圧、波高、風向、風力、雲量など)

②真水(河口・沼・湖との距離、湧水の有無)

③光量(マヅメから日中の時間、南中高度)

④水深(遠浅か深場か)

⑤水温

⑥海水の透明度

⑦潮回り(月齢、大潮~小潮、潮止まり)

 

これらは同じフィールドでも刻々と変化していく。とくに時合の見極めはマズメに次ぐ最も重要な要素である。フィールドでは常に周りの状況を観察するようにしている。観察する項目は次の9つ。

 

①キャスト距離(遠投or近投)

②ヒットポイント(魚道)

③回遊周期(何分おきに釣れるか)

④回遊方向(左右どちら側から釣れるか)

⑤群れの密度(一度の通過で何尾釣れるのか)

⑥魚体のサイズや色(新しい群れか古い群れか)

⑦オス・メスのヒット率

⑧仕掛けのマッチカラー

⑨エサの種類

 

これらをチェックすることで、短時間で通過する群れの動きを読み、数少ないチャンスを逃さないようにしている。

釣行風景や釣果は、すべてデータとして記録している。スマホ画像は高画質なうえに日付や時刻、位置情報も同時に記録され、後で振り返るときに重宝する。魚のコンディションとヒット仕掛け、その日の条件などと合わせて分析したり、統計したりできるので大変便利だ。現代のサケ釣りは、情報収集能力と分析力が釣果アップの鍵となる。

カタクチイワシ

打ち上がったカタクチイワシ。沖でサケに追われたベイトが逃げ惑った証。この現象が見られると翌朝の好釣は確定したようなもの

 

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エサが付いているかどうか

エサの種類は実に豊富で、アングラーがそれぞれのお気に入りを用意する。サンマ、カツオ、エビ、フクラギ、イカなどは入手しやすく、人気、実績ともに高い。鮮魚店やスーパーでできるだけ新鮮なものを入手し、オリジナルレシピで加工しているアングラーも少なくない。これらは遠征先の釣具店やホームセンターなどで、生から塩締めまでさまざまな加工品を購入できるので便利だ。サケの群れ、気象などの条件、釣り方の違いによっては、その日、そのときの「アタリのエサ」があることは確かだ。しかし、「どのエサが最も釣れるか」にこだわるより、「エサが付いているかどうか」のほうがサケ釣りにおいては重要視される。そのため、エサ替えと投げ返しを頻繁に行なっている人に釣果がかなわないこともある。やはり、仕掛けにエサが付いていなければ、釣れる確率は極端に低くなる。逆に、ほんの少しでもエサが付いていれば釣れる確率は高くなる。

時合や群れが回遊する直前にエサ交換を済ませておくことはセオリー。エサのサイズも重要で、大きすぎるとエサ取りを集魚してしまうので注意。エサがなくなるまでの時間を逆算し、交換するタイミングを決めるようにしたい。

群れが回ってきたときは、迷わず「生エサ」を使うようにしている。生エサの身や血合いから出る臭いや脂が、サケを集魚すると考えられる。そして、なぜかメス率が高いという実績がある。エサの身が厚く重たいと、メスが通りやすいボトム付近をフロート仕掛けが漂うことによると考えられる。群れがいないときは、エサの消耗を最小限にするため、持ちのよい塩締めを使うのがベター。最後に、餌は鮮度が大切。クーラボックスは必須アイテムだ。

 

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カケアガリにセットする

サケはシーライスを嫌うため、ジャンプして水面にお腹をぶつけたり、カケアガリの壁に擦りつけたりするので腹が赤くなっていく。つまり、サケの群れはカケアガリに沿って河口と沖を回遊していることになる。したがって「魚道」となるカケアガリを見つけ、そこへ正確に仕掛けをセットできるかどうかが釣果の差になる。地形や波の立ち方、離岸流などを観察すると、割りと簡単にカケアガリを見つけられる。ただし、そこへピンポイントでキャストすることはベテランでも難しい。

そこで、コツさえつかめば誰でもできる簡単な方法を紹介したい。まずは、ねらったカケアガリよりも遠くへキャストする。次に、手前に引いてきてポイントに仕掛けをセットする。このときは海底の地形を想像しながら、ロッドを手前に引くようにしてオモリを滑らせるのがコツだ。

砂の改定には必ず「引っかかる場所」がある。そこが、カケアガリ。リールで巻き取るように引こうとすると手感が鈍るので注意してほしい。また、三角オモリは平坦な砂底を滑らせやすく、傾斜地にくると角が引っかかりカケアガリを見つけやすい。投げ放しでは偶然カケアガリに入るかもしれないが、潮で流されでもしない限り、魚道にセットすることはできない。ポイントの選定から釣りはスタートしている。

仕掛け

 

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仕掛けのレシピ

投げ釣りの仕掛けは、市販品が少ないこともあり、自作して楽しむファンが多い。一般的なのは、幹イトにピンやビーズなどを固定し、ハリスの先にフロートなどの装飾を施すドウヅキ仕掛け。フロートの自由な動きを演出するため、ピンやビーズなどを固定しない遊動式仕掛けも人気がある。

港や堤防からの釣りは水深があるため、タナの調整がしやすいように幹イトを長くし、固定するピンの位置をフィールドで調整できるようにした仕掛けも見かける。また、ライセンス船の電動リールによる深場の釣りで使われる仕掛けのように針数を2~3本に増やし、より幅の広いレンジで群れをとらえようとする場合もある。

 

固定式仕掛け

遊動式仕掛け

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ウキルアー

発泡

フロートを「発泡ルアー」として考えると釣りを組み立てやすいだろう。シルエットはベイトを模して、カラーなどにもこだわってみるとよい

 

てんびん

遊動式仕掛け。上のビーズを固定。下のオモリまでの間をVピンが遊動する。フロートの泳ぎがよく食いはよくても、ピン固定式のドウヅキに比べて向こうアワセにはなりにくい。アワセが遅れないようにしたい

 

V字ピン

金属製の自作Vピン。空中と水中で姿勢が安定しやすく、ハリス絡みを最小限に抑えられ、フロートの泳ぎが安定する効果がある。脚の長さは7㎝程度

 

スイベル

金属製Vピンにスプリットリングとスイベルを装着し、ハリス側に付けたスナップスイベルと接続する

 

ダブルフロート

自作ドウヅキ仕掛けはダブルフロート仕様。金属製の自作Vピンをビーズで固定。完全固定式と異なり、ピンの幅5㎝ほど動き、フロートの泳ぎがよくなる。「半遊動式」ともいえる。プラスチック製のYピンは軽く、動きすぎてハリスが絡みやすくなる

 

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ルールとこれからのサケ釣り

昨年、斜里町でサケ釣りに関するローカルルール策定のためのムーブメントを知った。そこでルール策定に先駆けて、フィールドで試してみようと思った。賛同してくれた友人とともに、「マイ・ルール」(ロッドは2本、キープは1日3尾、釣果は自宅でのみ消費)を設定し、今までとこれからのサケ釣りを実践して比較、分析することにした。

結論からいうと、デメリットよりもメリットを実感できた。メリットは次のとおりだ。①ゲーム性の向上(情報収集・分析・戦略の楽しさ)、②エサの消費量が激減、③エサ替えの効率化、④仕掛けとハリの消費量が減少、⑤タックルの軽量化、⑥スレに強い(ロッド間隔が広い)、⑦ポイント移動が簡単、⑧場所取り不要(すき間に入りやすい)、⑨釣果に大きな差はない(以前の6本ザオとの比較)、⑩遠投と近投のコントロールが向上、⑪調理のレパートリーが増えた、⑫さばく手間が減った。

強いてデメリットを挙げるとすれば、①仕掛けの選択肢が減少(これはダブルフロートシステムで改善)、②知人にお裾分けができない、③6本ザオのほうが釣れそうな心理的優位性

今シーズンは、斜里に続いて小清水町と網走市にもサケ・マス釣りのルールができた。本格シーズンを迎えたが、私がフィールドで見る限り、ルールを守って釣りを楽しんでいるファンは多い気がする。一方で、古参のベテランほど長年の習慣を変えられないそうだ。

「釣り人がサケ・マス資源を地域とともに持続的に利用するために必要なルール」、「このルールが守られない場合は、より厳しい罰則について、国や道などと協議を行いたい」(網走海浜サケ・マス釣りルール(案)のパブリックコメントから)。ルールは守ることを前提に策定されている。「ルールに罰則がなければ守らなくてもよい」などと安易にとらえると、サケ釣りができなくなるかもしれない。一度禁止になると元に戻らないのは、網走港の立入禁止などの前例がある。そして前例がなく、国や道、自治体との協議が必要な岸釣りのライセンス制の実施は困難が予想される。アングラーはこれからのサケ釣りを考え、行動していくことが求められている。北海道のサケ釣りが、どのように変容していくのか、しっかり見届けたい

海辺

今年から斜里町、小清水町、網走市の海岸では、サケ釣りをするとき1人サオ3本というルールが設定された。海岸の風景は変わりつつある

 

 

 

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※このページは『North Angler's』を再編集したものです。

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【ダイワ】シルバークリーク スピナーのインプレッション

編集部 2024年7月19日

ワームを用いるのなら、ジグヘッドリグなどが定番のヒラメ釣り。そんななかで、ダウンショットリグを用いて釣果を上げている釣具屋店員さんに話を聞いた。

スイベル一体型シャフトが採用されたクレビスタイプのスピナー

写真=齋藤義典 解説=嶋田 淳一(石狩市)

いつもクマとの遭遇にビビりながらも、渓流釣りは楽しくて止められず、7~8月はヤマメとニジマスを追いかけている。トラウトを初めてヒットさせたのがスピナーというのもあり、使用機会は年々少なくなりつつも、ココゾという場面では手が伸びる。本音をいうとスピナーは「エサ」と思うほどよく釣れる。回転時の波動の強さとブレードの輝きは、数あるルアーのなかでも抜群のアピール度。あの小さなシルエットながら、水中での存在感はかなりのものだろう。

そんな特性からヤル気のある魚に効くのは間違いないが、何といってもネックになるのはイトヨレだ。今でこそスイベルを装着したスピナーが主流になり、多少は抑えられるものの完全になくなるわけではない。だからこそ、ココゾの場面でしか手が伸びないのだ。

いろいろ使ったが、多用するのはボディーの重いタイプ。私の場合、スピナーは数釣りのルアーと思っていない。ミノーに反応しない大ものにねらいを定めて使用する。早瀬のなかで浮き上がりにくく、ピンスポットで沈められる。昔なら『パンサー』などが該当するが、国産では少なかった。そんななか登場したのが『シルバークリークスピナー』。ナス型オモリのようなボディーを備え、現代ふうのローリングスイベル一体型シャフトを採用し、最初見たとき「コレだ!」と手に取った。さらに6gまであるのもよかった。たった1gの違いでも流れが複雑な渓流だと差が出る。中規模河川を釣り歩くときは6gを必ず携帯している。

意外かもしれないが、着水時から勝負は始まっている。なぜならブレードをキラキラさせながら落ちていくと、魚からすると相当インパクトがあると感じるため。線の釣りだと思われがちだが、ねらったスポットに正確に落とすのが大切。そして速やかに立ち上げてブレードを回すことで魚が食いついてくる。

もう一つスピナーの利点は、小さいためフッキングがよいこと。ポイントによっては一発で決めないといけない場面があるが、そんなシーンでは頼りになる。

 

 

 

 

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※このページは『North Angler's(ノースアングラーズ) 2024年8月号』を再編集したものです。

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ヒラメ釣りでダウンショット?!そのセッティング方法とは?

編集部 2024年7月18日

ワームを用いるのなら、ジグヘッドリグなどが定番のヒラメ釣り。そんななかで、ダウンショットリグを用いて釣果を上げている釣具屋店員さんに話を聞いた。

リグを極力移動せずレンジキープをするならダウンショット

Photo & Text by Hiroki Hirasawa

追い食いは期待薄

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風穴孝洋さんはどんなターゲットをねらうときも、魚の生態を調べることから始め、それをふまえて釣りを展開している。ヒラメに関しては、「基本的には底にいて上を見ながらエサを探していて、あまり底べったりをねらう意味がない。捕食レンジは底から50㎝~1m。これより上がるとバイトは減ります。また、瞬発的な力はあり、一気に5~6m泳ぐことができても、乳酸が出やすく連続遊泳に耐えられない。コツンとショートバイトが伝わって巻き続けても、次のアタリが出ないのは連続遊泳できないからだと思います」と話す。重要なのは捕食レンジを保ちながら誘うこと(=レンジキープ)だが、連続遊泳が難しいとなると追い食いはあまり期待できない。つまり、リグを極力移動せずにレンジキープするのが理想的。ここでダウンショットリグの持ち味が発揮される。

まずシンカーが仕掛けの最下部に付き、フックが上にくるリグの構造上、レンジを任意の長さで固定できるのが魅力。リーダーは捕食レンジに合わせるが、ラインがリトリーブ時に斜めの角度で入ることをふまえ1~2mの長さにしている。

 

 

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スナップを介す

シンカーは感度のよさからジカリグ用として市販されている多面体構造を使用するが、沈下スピードの速さを重視するならスティック型でも構わない。ウエイトはフィールドやロッドのスペックにもよるが、14~45gまでそろえれば港からサーフまで対応できる。

 

デコイシンカー・タイプドロップ

多面体構造のシンカーはデコイ『デコイシンカー・タイプドロップ』14〜45gを使っている

 

フックはラインに直付けではなく、スナップに通すのが風穴式。このシステムならフックはもちろんリーダーのセットも簡単。ワームの下部につかうラインのフロロカーボンではなくナイロンラインを接続すれば、仮に根掛かりしてもロストするのはナイロン部分のみになる。

 

ワーム、スナップ

スナップを使用すれば当然だかワームの交換も簡単だ

 

岩礁帯や根周りではシンカーがスタックして根掛かりすることはあっても、よほど高低差のあるポイントでない限り、フックが底に干渉することは少ない。根掛かりは最小限に抑えられるだろう。

港の水深の深い外海側や船道を探るときは28g前後のシンカーを選択するが、港内で浮かせて誘いたいときはジャーク&フォールを行なう。そんな場面ではフォール時のアピールがよくなる軽めがハマり、14g前後に手が伸びるが、シンカーを素早くチェンジできるのもこのリグの利点だ。

 

スナップ

スナップは、がまかつ『音速パワースナップ』#S(破断強度60lb)またはM(同80lb)を使用している

 

 

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フックは刺さり重視

フックが刺さり込んで起こる根掛かりの心配がなければ、オフセットタイプではなく、ハリ先がむき出しになるタイプを使える。そのほうがショートバイトに対してのフッキング率は確実に高くなる。フックはストロングワイヤーのロングシャンク、ストレートタイプを愛用している。なお、キャストのしやすさからワームの上部に位置するリーダーはフロロカーボン50~60㎝と短めで、ワームの下に位置するリーダーの長さは上部の倍くらいの長さにする。下部はナイロンがよいだろう。このラインシステムなら大物が掛かっても安心だ。

ハリ、フック

フックはデコイ『ワーム4ストロングワイヤー』#2/0を活用している

 

超低速を維持できる

ヒラメの付き場がわからない場合、広範囲を探るべく遠投してスイミングでねらう。あまり追い食いが望めないヒラメに対し、ダウンショットなら低速を維持してスイミングできるのも大きな利点。そしてスイミング中にバイトが伝わったら、巻くのを止めてステイ(ポーズ)させた後、その場でロッドアクションを加えたい。

「バイトが出たピンスポットで、リグを止めた状態で誘える」。これこそダウンショットリグの真骨頂といえ、一度ワームに興味を示したヒラメは何度もバイトしてくるという。だとしたら「アタリがあるのに乗らない」という現象を減らせるだろう。

ロッドアクションについては、なるべく移動距離を抑えたシェイキングを推奨。軽くロッドティップを震わせてワームを躍らせると魚にスイッチが入るようだ。もしくはリーダーをたるませたり、張ったりする操作を繰り返すのも有効らしい。

ただし、欠点もある。それはキャストから回収までテンポよくとはいかず、とにかく手返しが悪いこと。「1投を終えるまで、けっこうな時間を要します」。それでもヒラメのいるスポットさえ分かれば、ヒット率の高さは疑いようがない。ショアのヒラメは広範囲を探るほうが釣果を得られる気がし、重いシンカーを付けるアングラーはとても多い。ただ、そうすると速く巻かなければならず、みすみすヒラメが食うチャンスを逃しているとも考えられる。また、手前のポイントを探るのがおろそかになりがち。「ヘビーシンカーだと、取りこぼしている魚は結構いるはず。ダウンショットはフィネスの局地」という。

 

砂浜

サーフでも活躍する。苦手とするシチュエーションは底の高低差がある岩礁帯くらい

 

 

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激シブが得意

超のつくスロー域のスピードで誘うため、ワーム選びは重要だ。「テールの形状とカラーがミソ」と話し、サーチベイトとしてチョイスするのは、一番動きがよくアピール度の高いカーリーテール。「バクンと食ってきたら高活性と判断できます」。反応がなければシャッドテールに替えてアピールを落とす。それでもダメなら食い渋る状況で効くピンテールの出番。カラーもワームと同様、アピールを落としていく。「最初から地味なカラーを選ぶと、活性の高低をつかみにくい」。ピンテールの透過系を食ってくるときはタフな日と想像できるが、今回紹介したリグはそんな状況を得意とする。

 

ワーム、色

 

ワームの考え方と同じで、最初に派手な色を選び、地味系にシフトしていく。派手系の一番手はチャート系や、シルエットのはっきりするソリッドブラック。チャートでも風穴さんは黄緑を好む。中間に位置するのがパンプキンなど。地味系として挙げるのは、グレースモークといった実際の小魚に近いナチュラルカラー

 

 

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※このページは『North Angler's(ノースアングラーズ) 2024年8月号』を再編集したものです。

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