小物釣りほど釣趣と釣果にこだわりたい。創意工夫で小さな魚体から大きな満足を得られるからだ。何年やっても飽きることがなく、毎年のように発見があるハゼ釣り。今回は浅場のハゼを、ノベザオのミャク釣りでちょっと本気でねらってみよう!

文◎坂本和久 写真◎月刊つり人編集部
小物釣りマニア。ハゼの魅力に本格的に取り憑かれて四半世紀。浅場のノベザオのミャク釣りから、深場を長ザオとPEラインでねらう落ちハゼ釣り、チョイ投げまで、初夏から真冬まで一年の半分以上をハゼ釣りに費やす。創意工夫で小さな魚体から大きな満足を得ることをモットーとする。著書に「水郷・首都圏お手軽釣り場めぐり60」など。
目次
一年の半分以上楽しめるハゼ釣り
初夏から年明けまで楽しめる小物釣り界の人気者ハゼ。浅場にいる初夏のデキハゼから夏ハゼ、秋分の日の頃からは彼岸ハゼ、晩秋から初冬にかけて水温の低下と共に少しずつ深場へと落ちていく落ちハゼ、そして最後は冬場のケタハゼと、実は一年の半分以上もの長きにわたって楽しめるハゼ釣り。
浅場に群れる夏ハゼは食欲旺盛でエサに飛びついてくる面白さがあり、季節が進むに従ってハゼのサイズが大きくなってくると釣りごたえと食べごたえが増す。と同時に、今度はアタリの出方が逆に小さくなって難しさも増してくる。だから余計に面白くなる。
駆け引きの奥深さと、釣り人だけが味わえる滋味
そんなハゼの魅力に本格的に取り憑かれて四半世紀。難敵ハゼとの駆け引きは何年やってもアツくなる。場所や季節によってもその難しさが違うので、その対応力も必要となってくる。
さらにハゼは釣って楽しいだけでなく、食べても大変美味しい!小型は空揚げが最高だし、良型の天ぷらも絶品である。刺身、骨せんべい、柳川鍋など多彩な料理で味わうことができる。しかも、魚屋さんで見かけることはまずない。この滋味を味わえるのはまさに釣り人の特権なのだ。
ノベザオでミャク釣りのススメ
小物釣りだけに軽くて繊細なノベザオでこそ釣り味が増す。ノベザオでハゼを釣るにはウキ釣りとミャク釣りの2通りの釣り方があり、どちらも楽しいのだが、僕はミャク釣りをおすすめしたい。理由はミャク釣りのほうがアタリを素早く感じてアワセが入れられるので数を釣るのに向いているからだ。とくに初夏から初秋のハゼは食欲旺盛。ウキにはなかなか出ないアタリも、ミャク釣りなら瞬時に感じ取り、即アワセで掛けることも可能なのだ。
サオは短くて硬調子の渓流ザオが有利
使用するノベザオは、長さは2~4.5mが使いやすい。秋が深まり、ハゼも深みに落ちてしまったらそれよりも長いサオを使う。夏から初秋の、東京周辺の運河や河川なら3~3.6mの出番が多く、使い勝手もいい。
僕自身、その釣り場で可能なかぎり一番短いサオで釣るようにしている。そのため、3mのサオで釣っていて、手前にハゼが多いと感じたら2~2.4mのサオに変更することも少なくない。短くて軽いほど感度が高まり、手返しがよくなるからである。
ノベザオにもヘラブナ用など軟らかい胴調子のものもあるが、僕が勧めるのは渓流ザオの硬調。渓流ザオの中でもいわゆる源流ザオと呼ばれるイワナねらいに適した先調子のサオは小さなアタリでも感知しやすく、素早くアワセも決めやすいからだ。
仕掛けとハリ
ミチイトはフロロカーボンもしくはナイロンの1~1.2号をサオいっぱいに取る。その先から中通しオモリ0.5号を通し、オモリ抜け防止の貝殻ビーズに通してから自動ハリス止を結ぶ。中通しオモリの上ずり防止としてガン玉3号を打っている。
ハリは細軸で蛍光玉が付いているオーナーばりのハゼライトを好んで使用している。夏ハゼにはハゼライト5号(ハリス5cm)が合い、これからハゼが大きくなればハゼライト6~8号(ハリス5~10cm)と変更していく。
エサの使い分けと装餌法
エサはアオイソメが一般的であるが、近年の僕のお気に入りはアカイソメ。なんでもアオイソメの中から赤みの強いものを選んでいるそうで、赤みが強いイソメは柔らかく食いがよいと感じている。夏ハゼには小さく、落ちハゼにはボリュームを持たせてアピールするのがセオリーだ。
右)シーズン後半または食い渋ったときの装餌法
手感度と目感度でアタリを捉えるコツ
シーズン初期、秋口までのハゼのアタリはすぐに出るものと念頭においてほしい。この時期のハゼは基本的に争うようにエサを食べるからすぐにアタリが出るはずなのだ。僕はせっかちだからオモリ着底後、待っても10秒まで。僕の頭の中ではオモリが着底した時点でハゼはエサを食っていると想定していて、着底直後から5秒以内で合わせられる体勢になっている。その後アタリがなければ空アワセを入れることで再度エサの存在をアピールする。
空アワセを多用し、目印でアタリの出方を見る
僕がビギナーにハゼ釣りを教えるのは「アタリはすぐに出る」ことと「合わせる頻度を多くする」という二点だ。すると「アタリがなくても合わせるんですか?」と聞かれるが答えはイエス。僕はアタリがなくても頻繁に空アワセをする。それが誘いになるし、アワセを入れたことで居食いに気づくかもしれないからだ。
アタリの出方はブルブルッやブルッと手にはっきりと伝わってくるものもあれば、コツッと小さく伝わるアタリ、さらにコッと微かに出るアタリなどさまざまだ。中には居食いといって手には感じないものもある。この時に役立つのが目印だ。僕の仕掛けには目印が欠かせない。渓流用の化繊目印を上下に5個ずつ、計10個付けている。
目印が教えてくれる情報と、誘いの入れ方
ミャク釣りというと手感(=手に伝わる感度)でアタリを取る釣りと思われがちだが、手感では分からないアタリが目印にはハッキリ出ることがある。目印がスッと引き込まれるアタリや目印が横に移動するアタリのほか、オモリを着底させたままミチイトをたるませていても、目印をセットしておけば目感(=目に伝わる感度)でアタリを察知できることが多い。
さらに、目印本来の目的である、仕掛けがどの場所に入っている、どんな状況か(落下中か流されているかなど)を知ることもできるので大変便利。
手感であれ目感であれ、何か違和感を察知したら躊躇なく合わせよう。釣果が増すこと間違いなしだ。
ハゼが多く、コンスタントにすぐアタリが出る釣り場では、振り込み直しが誘いの代わりになるが、食い渋りやハゼが少ない釣り場ではサオ先を上下させてトントンとオモリを小突く誘いは有効だ。小突きの最中にコツッとか、かすかに重さを感じたらすかさず合わせよう。何尾か釣るとアタリが遠くなるから一歩でも二歩でも左右に動いてスレていないハゼを釣りたい。
※このページは『つり人 2026年10月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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