たくさん釣れたハゼ、どうしてる?すぐに食べる絶品レシピはもちろん、長期保存できる「甘露煮」や「オイル漬け」、「焼き干し」まで、ハゼの旨味を余すことなく味わう方法を伝授。基本の下処理から学ぶ、ハゼ料理の完全ガイドです。
目次
- ハゼの下処理とさばき方
- 基本の下処理:臭みの元「ヌメリ」を取り除く
- 小さいハゼ(10cm前後)のさばき方
- 大きいハゼ(15cm以上)のさばき方
- ハゼ料理の定番!唐揚げ
- 調理のポイント
- 作り方
- 辛さがやみつきに!大人のハゼ南蛮漬け
- 材料
- 作り方
- 美味しく仕上げるコツ
- 揚げたて最高「ハゼの天ぷら」
- 材料
- 作り方
- カラッと揚げる最大のコツ
- ワインが進む!“スペインバル”の味「ハゼのアヒージョ」
- 材料
- 作り方
- 庶民派江戸前丼!ハゼの甘辛丼
- 材料
- 作り方
- 美味しく仕上げるコツ
- 意外な組み合わせが絶品!ハゼと夏野菜のカレー風味ヨーグルトサラダ
- 材料
- 作り方
- 美味しく仕上げるコツ
- 旨味が溶け出す!ハゼの野菜スープ
- 材料
- 作り方
- 美味しく仕上げるコツ
- チーズ香る!洋風おかず「ハゼのピカタ」
- 材料
- 作り方
- おすすめの食べ方
- 旨味凝縮!酒のアテに最高な「ハゼの蒲焼き」
- 材料
- 作り方
- 時間をかける価値あり!長期保存可能な「ハゼの甘露煮」
- 材料
- 作り方
- 3ヶ月保存OK!本格オイル漬け「オイルハーゼン」
- 材料
- 必要な器具
- 作り方
- 仙台の味をアレンジ!ハゼの「簡易焼き干し」と絶品ハゼ蕎麦
- 材料
- 作り方
まとめ◎編集部
ハゼの下処理とさばき方
釣ったばかりの新鮮なハゼ。その上品な味わいを最大限に引き出すには、丁寧な下処理が欠かせません。ハゼは泥底に棲んでいるため、特有の「ヌメリ」に臭みの原因が含まれています。
ここでは、その臭みをしっかり取り除く基本の下処理と、ハゼの大きさに合わせた最適なさばき方を分かりやすく解説します。
基本の下処理:臭みの元「ヌメリ」を取り除く
まず、すべてのサイズに共通する最も重要な工程が「塩もみ」です。ボウルにハゼを入れ、粗塩を多めに振って揉み込むと、ヌメリが浮き出てきます。これを2〜3回水で洗い流し、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取れば、臭みのないクリアな味わいになります。
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小さいハゼ(10cm前後)のさばき方
10cmに満たない小ぶりのハゼは、骨が柔らかいため、頭から丸ごと食べられるのが魅力です。
処理: ウロコを取り、お腹を小さく切って内臓をかき出すだけで完了です。気になる方は頭も落としましょう。
おすすめ料理: 唐揚げや南蛮漬けにすると、骨までサクサクと美味しくいただけます。
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大きいハゼ(15cm以上)のさばき方
15cmを超える良型のハゼは、中骨がしっかりしているため、ひと手間かけて「背開き」にするのがおすすめです。
処理: ウロコ、頭、内臓を取り除いた後、背開きは背中から包丁を入れて中骨に沿って身を開きます。中骨を取り除くことで、火の通りが均一になり、身がふっくらと仕上がります。
おすすめ料理: 定番の天ぷらはもちろん、塩焼きなどにしても、ホクホクとした食感を存分に楽しめます。刺身にしても美味しい魚ですが、汽水域で釣れたハゼは「有害異形吸虫」という寄生虫がいる場合があるので注意が必要です。
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ハゼ料理の定番!唐揚げ
ハゼ料理の定番といえば、やはり唐揚げは外せません。特に10cm未満の小さなハゼは、下処理も簡単で、頭から骨まで丸ごと美味しくいただけるので最適な調理法。揚げたてのサクサク食感と、ハゼの上品な旨味が口いっぱいに広がる絶品レシピをご紹介します。

調理のポイント
ハゼの準備: 前の章でご紹介した方法で下処理を済ませ、水気をしっかり拭き取っておきます。(※15cm以上の大きなハゼは、骨が硬いため背開きにしてから揚げるのがおすすめです)
衣: 揚げる直前に小麦粉を薄くまぶし、余分な粉はしっかりはたいておきましょう。カレー粉や青のりなどを混ぜて、風味を変えるのも楽しいアレンジです。
作り方
1.揚げ油を170℃の中温に熱し、衣をつけたハゼを入れます。最初は泡が大きく出ますが、衣が固まるまでむやみにかき混ぜないのがコツです。
2.水分が抜けて泡が小さくなり、ハゼがカリッと揚がって浮いてきたら、一度バットに取り出します(揚げ時間の目安は5~6分)。
3.バットで3〜4分休ませた後、油の温度を180〜185℃の高温に上げ、1分弱さっと二度揚げします。
4.二度揚げすることで、骨までサクサクになり、食感が格段に良くなります。
5.最後にしっかり油を切り、熱いうちにお好みで塩を振れば完成です。
もちろん二度揚げをしなくても美味しく食べられますが、この一手間で、まるでお店のような食感に仕上がります。そのまま食べるだけでなく、多めに作って人気の南蛮漬けなどにアレンジできるのも唐揚げの魅力です。
レシピ◎葛島一美
辛さがやみつきに!大人のハゼ南蛮漬け
ハゼの唐揚げをアレンジした、もう一つのおすすめが「南蛮漬け」です。今回は、青トウガラシをたっぷり使った、ただのピリ辛ではない"マジ辛"な大人向けのレシピをご紹介。キリッとした辛さが後を引き、お酒のおつまみには最高の一品です。

材料
ハゼ(中小型) … 食べたいだけ
紫タマネギ … 1/4個
ニンジン … 1/3本
ピーマン … 1個
青トウガラシ … 3本~(お好みで調整)
小麦粉、揚げ油 … 適量
〈南蛮酢〉
水 … 180cc
寿司酢 … 90cc
白だし … 90cc
砂糖 … 大さじ1
※南蛮酢は「水2:寿司酢1:白だし1」の比率で覚えれば、作る量に合わせて簡単に調整できます。
作り方
1.野菜と南蛮酢の準備: 紫タマネギとピーマンは薄切り、ニンジンは千切りにします。ニンジンは軽く塩もみし、20分ほど置いてから水洗いして水気を絞ります。青トウガラシは細かく刻みます。
2.ボウルに〈南蛮酢〉の材料をすべて入れてよく混ぜ、砂糖を溶かします。準備した野菜と青トウガラシも加えて混ぜ合わせておきます。
3.ハゼの下処理と唐揚げ: ハゼはウロコと頭、内臓を取り除いて水洗いし、しっかりと水気を拭き取ります。全体に薄く小麦粉をまぶし、180℃に熱した油できつね色になるまでカラリと揚げます。酢によって骨まで柔らかくなるので、南蛮漬け用に揚げるなら二度揚げは不要です。
4.漬け込み: ハゼが揚がったら油を切り、熱いうちに(2)で準備した南蛮酢にどっぷりと漬け込みます。
美味しく仕上げるコツ
揚げたてのハゼをすぐに漬け込むことで、味がしっかりと染み込みます。出来立ても美味しいですが、この南蛮漬けの真価は翌日以降に発揮されます。冷蔵庫で一晩、二晩と寝かせることで、味がなじんでまろやかになり、旨味も一層深まります。
辛いのが苦手な方は、青トウガラシの量を減らすか、種を取り除いた鷹の爪で代用して、お好みの辛さに調整してください。
揚げたて最高「ハゼの天ぷら」
ハゼ料理の王様といえば、やはり「天ぷら」は外せません。サクッと軽い衣に包まれた、フワフワの白身はまさに絶品。揚げたてを塩や天つゆでいただくのは、釣り人ならではの最高の贅沢です。
一見難しそうに見えますが、いくつかのコツさえ押さえれば、お店のような本格的な味に仕上がります。
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材料
ハゼ … 4~5尾
市販の天ぷら粉 … 適量
小麦粉(打ち粉用) … 適量
揚げ油 … 適量
作り方
1.ハゼの下準備: 天ぷらに最適な「背開き」にし、中骨を取り除きます。キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取っておきましょう。
2.打ち粉をする: 揚げる直前に、ハゼ全体に薄く小麦粉をまぶし(打ち粉)、余分な粉を軽く手ではたいて落とします。この一手間で衣が均一に付き、剥がれにくくなります。
3.衣にくぐらせる: 市販の天ぷら粉の表示に従い、冷たい氷水で衣を作ります。氷水を使うことで、よりサクッとした食感に仕上がります。(3)のハゼを衣にくぐらせます。
4.揚げる: 180℃の高温に熱した油に、ハゼをそっと滑り込ませます。薄い白身のハゼはすぐに火が通り、表面に浮き上がってきます。衣がカラッと固まったら、揚げすぎないうちに素早く引き上げましょう。
カラッと揚げる最大のコツ
ハゼの天ぷらを成功させる秘訣は「高温・短時間」で揚げることです。火を通しすぎると、せっかくのフワフワとした身が硬くなってしまいます。衣がサクッと揚がったら、すぐに油から引き上げる勇気を持ちましょう。
レシピ◎編集部
ワインが進む!“スペインバル”の味「ハゼのアヒージョ」
スペイン料理屋や、イタリアンでもお馴染みのアヒージョ。ハゼで作ると、ワインの進む絶品おつまみに大変身します。アヒージョは炒めものではなく、ニンニクの香りを移したオリーブオイルで具材をじっくりと「煮込む」料理。ハゼの上品な旨味がオイルに溶け出し、バルのような本格的な味わいが手軽に楽しめます。
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材料
ハゼ … 5~6尾
マッシュルーム … 3~4個
ニンニク(スライス) … 1片
鷹の爪 … 1本
オリーブオイル … 適量(具材が浸るくらいたっぷり)
塩、コショウ … 各少々
(お好みで)エビ、アサリ、ミニトマト、ブロッコリーなど
作り方
1.下処理: ハゼはウロコ、頭、内臓を取り除き、背開き(またはぶつ切り)にして水気を拭き取っておきます。
2.香りを出す: 小さめのフライパンやスキレットに、オリーブオイルをたっぷり(具材が浸るくらい)注ぎ、スライスしたニンニクを入れてから火にかけます。弱火でじっくりと加熱し、ニンニクの香りをオイルに移します。
3.煮込む: 香りが出たら、下ごしらえしたハゼとマッシュルーム、鷹の爪を入れます。塩、コショウで味を調え、ハゼがほんのりきつね色になるまで煮込みます。
レシピ◎佐貫裕一
庶民派江戸前丼!ハゼの甘辛丼
カラッと揚げたハゼを、さらに贅沢に味わうなら「甘辛丼」がおすすめです。香ばしい唐揚げを甘辛い特製ダレにくぐらせ、炊き立てのご飯の上へ。シャキシャキの白髪ネギとショウガが良いアクセントになった、どこか懐かしい味わいの江戸前風どんぶりです。

材料
ハゼの唐揚げ … 食べたいだけ
炊き立てのご飯 … 丼1杯分
〈甘辛ダレ〉
醤油 … 50cc
みりん … 25cc
砂糖 … 大さじ1
日本酒 … 50cc
水 … 50cc
〈薬味〉
長ネギ … 7~8cm
ショウガ … 適量
白ゴマ … 適量
作り方
1.タレを準備する: 鍋に〈甘辛ダレ〉の材料をすべて入れ、一度火にかけて煮立たせ、アルコールを飛ばしておきます(煮切り)。
2.薬味を準備する: 長ネギは芯を取り除いてから繊維に沿って細切りにし、「白髪ネギ」を作ります。ショウガも同様に細切りに。どちらも氷水に数分さらしてシャキッとさせ、その後しっかりと水気を切っておきます。
3.仕上げる: 揚げたてのハゼの唐揚げの油をよく切り、(1)のタレに10~20秒ほどさっと浸して味を絡ませます。
4.丼に盛ったご飯の上にタレを絡めたハゼと白髪ネギを乗せ、仕上げに白ゴマを振り、ショウガを散らせば完成です。
美味しく仕上げるコツ
揚げたての熱々のうちにタレにくぐらせるのが、美味しく作るポイント。ただし、長く浸しすぎると衣のサクサク感が失われてしまうので、あくまで「さっと」絡める程度に留めましょう。薬味を氷水にさらす一手間で、食感が格段に良くなります。
レシピ◎葛島一美
意外な組み合わせが絶品!ハゼと夏野菜のカレー風味ヨーグルトサラダ
ハゼ料理のレパートリーに、夏野菜をたっぷり使った爽やかなサラダはいかがでしょうか。カラッと揚げたハゼにカレー粉で風味をつけ、ヨーグルトベースのドレッシングで和える、新感覚の一品です。
ほのかなカレーの香りが食欲をそそり、ヨーグルトの酸味が全体をさっぱりとまとめます。作りたてよりも、少し時間を置くのが美味しくなる秘訣です。

材料
小型のハゼ … 30~40尾
ナス … 2本
ピーマン … 2~3個
玉ネギ … 1/2個
〈カレー揚げ衣〉
小麦粉 … 大さじ3
カレー粉 … 小さじ2
〈ヨーグルトドレッシング〉
プレーンヨーグルト … 大さじ4
レモン汁 … 大さじ1~1.5
オリーブオイル … 大さじ3
粒マスタード … 大さじ1~1.5
砂糖 … 小さじ1
おろしニンニク … 小さじ0.5
塩 … 適量
作り方
1.ドレッシングを作る: ボウルに〈ヨーグルトドレッシング〉の材料をすべて入れ、よく混ぜ合わせます。味見をしながら塩で味を調えます。
2.野菜を準備する: ナスとピーマンは細めのくし切り、玉ネギは薄切りにします。ナスは水に浸けてアクを抜き、玉ネギは水にさらしておきます。
3.野菜を加熱する: ナスとピーマンの水気を切り、それぞれ別々にラップで包みます。電子レンジ(600W)でナスは約2分、ピーマンは約1分加熱し、そのまま5分ほど置いて蒸らします。
4.ハゼを揚げる: 下処理をしたハゼの水気をしっかり拭き取ります。〈カレー揚げ衣〉の材料を混ぜ合わせ、ハゼにまんべんなくまぶし、油でカラリと揚げます。
5.和えて寝かせる: (1)のボウルに、揚げたてのハゼ、蒸したナスとピーマン、水気をしっかり絞った玉ネギをすべて入れ、ドレッシングと優しく和えます。
美味しく仕上げるコツ
このサラダは、作ってから2~3時間ほど冷蔵庫で寝かせるのが最大のポイント。時間を置くことで味がよくなじみ、ヨーグルトの酸味でハゼの中骨が柔らかくなって食べやすくなります。翌日までが一番の食べごろです。
レシピ◎葛島一美
旨味が溶け出す!ハゼの野菜スープ
ハゼの唐揚げを使った、少し意外なアレンジレシピがこちらの「野菜スープ」。コンソメベースの優しいスープにハゼの唐揚げを加えることで、魚介の豊かなだしが溶け出し、驚くほどコク深い味わいに変化します。
作ってすぐにでも美味しくいただけますが、少し時間を置くことで真価を発揮する、旨味たっぷりのスープです。

材料
ハゼの唐揚げ … 30~40尾
ジャガイモ … 2個
ニンジン … 1本
玉ネギ … 1/2個
キャベツ … 3~4枚
トマト … 1個
水 … 700~800cc
コンソメの素 … 2個
オリーブオイル … 大さじ1
塩、コショウ … 少々
乾燥バジル … お好みで
作り方
1.野菜を切る: トマトは湯むきをして種を取り除きます。ジャガイモ、ニンジン、玉ネギ、キャベツ、トマトをすべて1cm角に切りそろえます。
2.炒めて煮る: 鍋にオリーブオイルを熱し、ジャガイモとニンジンを軽く炒めます。水を加え、野菜が柔らかくなるまで中弱火で煮込みます。
3.スープを仕上げる:(2)の鍋にトマト、キャベツ、コンソメの素を加え、さらに10分ほど煮込みます。塩、コショウで味を調えます。
4.ハゼを加える: 最後にハゼの唐揚げを加え、さらに数分間煮たら完成です。お好みで乾燥バジルを振ってお召し上がりください。
美味しく仕上げるコツ
このスープの醍醐味は、ハゼから染み出す出汁にあります。完成後すぐでも美味しいですが、火を止めてから半日ほど寝かせるのが断然おすすめ。ハゼの旨味がスープ全体に行き渡り、奥深い味わいへと変化します。
レシピ◎葛島一美
チーズ香る!洋風おかず「ハゼのピカタ」
和食のイメージが強いハゼですが、洋風の味付けも相性抜群です。粉チーズを混ぜ込んだ卵液を絡めて焼き上げる「ピカタ」は、お子様から大人まで、みんなが喜ぶイタリアン風の簡単おかず。
ビールのおつまみにはもちろん、夕食のメインディッシュとしても活躍します。お好みのソースで楽しめるのも魅力です。

材料
良型のハゼ(背開きにしたもの)… 7尾程度
鶏卵 … 1個
粉チーズ … 大さじ2
小麦粉 … 適量
サラダ油(またはオリーブオイル)… 大さじ1
バター … 1片(お好みで)
塩、コショウ … 少々
市販のチリソースやトマトケチャップなど … お好みで
作り方
1.ハゼの下準備: ハゼは天ぷらにする時と同様に「背開き」にします。身の両面に軽く塩、コショウを振って下味をつけます。
2.衣の準備: ボウルに鶏卵を溶きほぐし、粉チーズを加えてよく混ぜ合わせておきます。
3.焼く: (1)のハゼに薄く小麦粉をまぶし、余分な粉をはたきます。次に、(2)の卵液をたっぷりと絡ませます。
4.フライパンに油をひいて中弱火で熱し、ハゼを並べ入れます。両面に薄くきれいな焼き色がつくまで、じっくりとソテーします。
5.仕上げにバターを1片落として全体に絡めると、さらに風味豊かになります。
おすすめの食べ方
ピカタは、合わせるソースで色々な味が楽しめます。定番のトマトケチャップやチリソースはもちろん、意外にもショウガ醤油のような和風のタレにもよく合います。ぜひ、お好みの組み合わせを見つけてみてください。
レシピ◎葛島一美
旨味凝縮!酒のアテに最高な「ハゼの蒲焼き」
ハゼの旨味を極限まで凝縮させた、「逸品」と呼べるのがこの蒲焼きです。
ウナギのような身の厚さや脂はありませんが、その分、ハゼ本来の風味が際立ちます。ご飯に乗せる丼ものにするよりも、香ばしいタレの味と締まった身の旨味は、まさにお酒のアテにぴったり。ハゼと甘辛いタレの相性の良さを実感できる一皿です。
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材料
大型のハゼ(背開きにしたもの)…3尾程度
ハゼの頭や中骨…適量
市販のうなぎのタレ…適量
作り方
1.ハゼの下準備: 型の良いハゼを選び、「腹開き」にして中骨を取り除きます。
2.一夜干し: 開いたハゼを冷蔵庫で一晩干します。この工程で余分な水分が飛び、旨味が凝縮されます。
3.「ハゼ出汁」を作る: 蒲焼きのタレを伸ばすための出汁を作ります。捌いた時の中骨や、天ぷらなどで使ったハゼの頭を捨てずに取っておき、こんがりと焼いてから水で煮詰め、旨味を抽出します。
4.蒸す: 一夜干しにしたハゼに竹串を打ち、ザルなどを使って蒸し上げ、身をふっくらとさせます。
5.白焼き: 蒸し上がったハゼを、まずはタレをつけずにそのまま「白焼き」にします。
6.タレ焼き: 市販のウナギのタレを3で作った「ハゼ出汁」で伸ばします。これを刷毛でハゼに塗り、焼く作業を3回ほど繰り返します。
7.最後に仕上げの焼きを入れて、香ばしく照りが出れば完成です。
レシピ◎バッス吉
時間をかける価値あり!長期保存可能な「ハゼの甘露煮」
じっくりと時間をかけて作る伝統の「甘露煮」。手間がかかる分、骨まで柔らかく、旨味が凝縮された絶品の保存食が出来上がります。
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材料
ハゼ(素焼き・乾燥させたもの) … 20尾
昆布 … 1枚
梅干し … 1個
お酢 … 小さじ1
トウガラシ … 少々
〈煮汁〉
水 … 100ml
酒 … 大さじ4
みりん … 大さじ3
醤油 … 大さじ2
砂糖 … 大さじ4
作り方
1.下準備: 内臓とウロコを取って下処理したハゼを「一夜干し」にし、次にオーブントースターでじっくりと「素焼き」にします。さらにラップをせずに冷蔵庫で半日~1日乾燥させます。
2.煮込み: 鍋底に昆布を敷き、乾燥させたハゼとすべての材料・調味料を加えます。穴を開けたキッチンペーパーで落し蓋をし、蓋をして弱火で2~3時間煮込みます。
3.水分を飛ばす:次に蓋を外し、さらに弱火で水分が飛ぶまで2~3時間じっくりと煮詰めます。水分が飛んだら食べる分以外は小分けにして、冷凍しておけば長期間美味しく食べられます。
レシピ◎谷ノ上和史
3ヶ月保存OK!本格オイル漬け「オイルハーゼン」
釣ったハゼを、骨まで美味しく、しかも長期間楽しむための本格保存食「オイルハーゼン」をご紹介します。これは、ハゼを塩水ワインに漬け込み、乾燥させた後、圧力鍋を使ってオリーブオイルで間接的に煮込む、手間暇かけた逸品です。
完成したオイルハーゼンは、ご飯のおかずやお酒のおつまみはもちろん、パンにレタスやオニオンスライスと一緒に挟んで「ハゼバーガー」にするのも絶品です。冷蔵庫で約3ヶ月の長期保存が可能なのも大きな魅力です。
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材料
・ハゼ(中~大型) … 食べたいだけ
・ワイン(甘口ロゼ、白ワインなど、お好みで) … 適量
・塩 … 適量
・ハチミツ … 少量
・オリーブオイル … 適量
〈スパイス・ハーブ類〉
・トウガラシ … 1~2本
・月桂樹(ローリエ) … 1~2枚
・キャラクウェイシード、ニンニクチップなど … お好みで
必要な器具
・圧力鍋
・耐熱ガラスの容器(圧力鍋に入るサイズ)
・乾燥器(ドライフルーツメーカーなど) ※無い場合は下記コツ参照
・大きめのビニール袋
・アルミホイル
・ザル(圧力鍋の底に敷く用)
作り方
1.ハゼの下処理: 唐揚げと同じ要領で、ハゼの頭を落とし、内臓と黒い内膜をきれいに取り除きます。キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取ります。
2.漬け込み: 大きめのビニール袋にハゼを入れます。別の容器でワインに塩と少量のハチミツを溶かし(舐めて少ししょっぱい程度が目安)、ハゼが浸るくらいまで袋に注ぎます。
3.袋の空気をできるだけ抜き、口をギュッと縛って冷蔵庫で2時間ほど寝かせ、味を染み込ませます。
4.乾燥: ハゼを取り出し、キッチンペーパーで水分を拭き取ります。乾燥器に入れ、約40分、手で触って身が締まった感じになるまで乾燥させます。冷蔵庫でラップをせずに一晩感想させてもいいでしょう。
5.容器に詰める: 耐熱ガラス容器に、乾燥させたハゼを隙間なく並べます。お好みのスパイス・ハーブ類を加え、ハゼの身が空気に触れないよう、オリーブオイルをヒタヒタになるまで満たします。
6.間接加熱: 耐熱容器にアルミホイルで厳重に蓋をします。圧力鍋の底にザルを逆さまに置き、ザルが水没しない程度に水を張ります。ザルの上に耐熱容器をセットします。圧力鍋の蓋を閉めて火にかけ、沸騰して圧力がかかり始めてから40分間加熱します。火を止めたら、圧力が完全に下がるまで自然冷却します。冷めたら冷蔵庫で保存します。
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レシピ◎岡田隆
仙台の味をアレンジ!ハゼの「簡易焼き干し」と絶品ハゼ蕎麦
仙台の伝統的なハゼの保存食が「ハゼの焼き干し」。本来は遠火の強火でじっくり焼き、木枯らしで乾燥させるものですが、現代の家電(オーブンと冷蔵庫)を使って手軽に再現が可能です。この簡易バージョンならオーブンの小窓から焼け具合をチェックでき、失敗が少ないのが魅力。焼き干しから取る出汁は、ハゼの旨味が凝縮され絶品です。そんな「簡易焼き干し」の作り方と、それを使った「ハゼ蕎麦」をご紹介します。
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材料
【焼き干し用】
ハゼ(中型) … 食べたいだけ
酒 … 適量
塩 … 適量
【ハゼ蕎麦用(1人分)】
ハゼの焼き干し … 3尾
水 … 350cc
酒 … 大さじ2
醤油 … 大さじ1
塩 … 小さじ1/2
茹でた蕎麦 … 1人前
生卵、ネギ…トッピングにお好みで
作り方
【簡易焼き干しの作り方】
1.下処理:ハゼはウロコを落とし、内臓、胸ビレ、腹ビレを取り除いてきれいに洗います。バットなどに酒と塩を入れ、ハゼを30分ほど漬け込みます。
2.素焼き:120℃に予熱したオーブンに入れ、まず20分間焼きます。一度オーブンから取り出し、30分ほど休ませて粗熱を取ります。再び120℃のオーブンで、さらに20分間焼きます。
3.感想:オーブンから取り出して完全に冷まし、ラップをかけずに冷蔵庫に入れます。1~2日「冷乾燥」させれば、「簡易焼き干し」の完成です。完成した「焼き干し」は、下記の蕎麦だけでなく仙台雑煮の出汁や甘露煮、骨酒などほかの料理にも使えます。
【ハゼ蕎麦の作り方】
1.出汁を取る:鍋にハゼの焼き干し3尾、水350cc、酒大さじ2を入れ、そのまま一晩冷蔵庫に置いてゆっくりと戻します。
2.つゆを作る:翌日、鍋をそのまま弱火にかけ、沸騰させないようにじっくりと煮立てて出汁を取ります。醤油大さじ1、塩小さじ1/2で味を整え、「つゆ」を完成させます。
3.蕎麦にかける:器に茹でた蕎麦を盛り、2のつゆをかけます。お好みで、出汁を取った後のハゼ、生卵、刻みネギなどを乗せてお召し上がりください。
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レシピ◎高橋邦宏
※このページは『つり人』に掲載された記事を再編集したものです。


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