気軽に親子で楽しめるオイカワ釣り入門その2(全3回)

都会にも近い水辺で楽しめるのが、関東ではヤマベの愛称でも親しまれているオイカワの釣りだ。週末の一日、ピクニック気分の気軽な釣りにチャレンジしてみよう。

浅い流れで気軽にトライ。親子で満喫、里のオイカワ釣り

写真と文◎葛島一美　　

この記事は『つり人』2018年11月号に掲載したものを再編集しています。

人里の清流。都会にも近い水辺で楽しめるのが、
関東ではヤマベの愛称でも親しまれているオイカワの釣りだ。
週末の一日、ピクニック気分の気軽な釣りにチャレンジしてみよう。

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ポイントは動きのある浅瀬。流速に合わせウキ下を調整

「オイカワはチャラ瀬や平瀬のような、水深30～40㎝以下の浅い瀬を好み、足首程度の深さでも釣れます。そこで釣り方によらず、まずは深すぎない場所で、水面がザワザワしている流れを選び、あとはフカシ釣りなら仕掛けを上手に振り込んで流速に任せて下手まで流してください」と由紀夫さん。

「オモリなしの軽い仕掛けを水中で漂わせながら流すには、ウキ下をねらう水深の１・５～２倍にするのが目安です。仮に水深20㎝の流れなら、ウキ下を30㎝にして、あとは流れがより速いポイントなら40㎝前後まで伸ばしてください」とアドバイス。

お母さんと夏奈ちゃんも、開始からしばらくすると順調に釣果を伸ばした。

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道具

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オイカワ釣りには清流タイプの万能振り出しザオがよく、3.9 ｍを中心にして3.5 ～4.5 ｍがあれば万全

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ハリス付きのハリはヤマベ用２・５～４号のほか袖型の同号でもよい

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松本さん自製仕掛け。右は瀬ウキ付きの蚊バリ仕掛け、その隣が羽根ウキのフカシ＆ミャク釣り兼用仕掛け。左の2つは玉ウキと羽根ウキを組み合わせたフカシ仕掛け

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生かしビクは腰に下げるアユ友釣り用の友バッグ（写真左）か引き舟が使いやすい。緩やかな流れではズック式網ビクでもよい

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白サシを入れておく首掛け式のサシ入れは必需品。プラスチック製の安価なものでOK

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基本のフカシ仕掛けは玉ウキ１個のみだが、松本さんは羽根ウキも1～ 2 個配列し、視認性とアタリを取る感度を向上させている

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万能な白サシは硬い頭のチョン掛け。乳白色の体液が薄らいできたら交換すること

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ヒラタなど川の石をめくって採取できるカゲロウの幼虫は胴のチョン掛けで使う。手足がもげやすいが魚の食いは抜群だ

川を変えてピストン釣りを楽しむ

すると越辺川で２時間ほど楽しんだところで、夏奈ちゃんが「夏が終わっちゃうから、あの釣りもやりた～い」とリクエスト。移動したのは越辺川の支流で東松山市を流れる都幾川の月田橋下だ。〝あの釣り方〟とは、流れの中に立ち込んで行なうオイカワのピストン釣りである。

ピストン釣りは、１・５～１・８ｍの短ザオに、サオよりも１ｍくらい長いミチイトとハリを結んだ単純な仕掛けで楽しめる。エサは川の石に付いている川虫かフカシ釣りでも使う白サシをハリに刺せばよい。

ねらう場所はフカシ釣りや蚊バリ釣りと同じで、やり方はひざ下あたりまで川に入ったら下流を向き、水中に突っ込んだサオの先を前後に動かす。すると水中を動くエサを見つけたオイカワが、ググッと向こうアワセで掛かってくる。

ピストン釣りは手も足も水に浸かるので、どちらかというと夏場に楽しい釣りだが、もちろん秋にやってもＯＫ。「原始的な釣り方ですが、こちらもやってみるとその面白さに大人もハマりますね（笑）」と由紀夫さん。

この日の第２ラウンドは、家族３人が並んで30 分限定のピストン釣り競争となった。　はたしてウイナーは夏奈ちゃん。「うちの娘は晩秋の10月まで、いつもこんなふうに川に立ち込んでオイカワを追いかけています」と苦笑いの紀子さん。

　午前中いっぱい、いろいろなオイカワ釣りを堪能した後は、みんなが楽しみにしているお母さん手作りのお弁当タイム。大好物の鶏の空揚げと稲荷ずしを頬張りながら、「来週はまたオイカワ釣り？　それとも旧中川のハゼ釣り？　どっちでもお父さんに付き合うよ～」とのたまう夏奈ちゃんに、思わず顔を見合わせたご両親なのだった。

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川を変えて30 分限定のピストン釣り競技スタート！ハリにエサを付けたら、このように下流を向いてサオ先で川底をこするように動かせばよい。ただし、前に動かす時は、サオ先を少しだけ川底から浮かせること。それによってサオ先を折ってしまわないようにする

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「ピストン釣りは大好きで得意！」という夏奈ちゃん

埼玉県／越部川・宮下橋

交通◆関越自動車道・坂戸西スマートIC から県道39 号を埼玉医大方面に向かい、約5km 先の川角小学校手前の交差点を右折すると約500 ｍで宮下橋

埼玉県／都幾川・月田橋

交通◆関越自動車道の東松山IC からR254 東松山バイパスを利用。小川町方面に向かい、約4km 先の東武東上線つきのわ駅入口の信号を過ぎた次の信号を左折すると約1.5kmで月田橋

次回は東京近郊オイカワ釣り場マップを紹介します！

『令和版東京近郊キラキラ釣り場案内60 Part2』

月刊『つり人』誌上で小もの釣り場記事を長年執筆している釣り人による、超人気の首都圏近郊淡水・汽水小もの釣り場ガイドブック令和版第２弾！掲載釣り場は2021年の前著と重ならないように配慮し、両方揃えると120前後もの近郊フィールド情報を得られることになる。今回も、東京都心部、水郷周辺、千葉、埼玉、神奈川県など60の釣り場を厳選してピックアップ。釣り場のようすがひと目で分かる写真付きで、釣り方を含めていねいに解説。春夏秋冬の季節別に釣り場を紹介する構成で、タナゴ、フナ、テナガエビ、ヤマベ、ハゼなどのフィールドが登場。ファミリーで楽しめるところから熱心なファン向けの釣り場まで、魅力あふれる「困った時はココ！」に行けばＯＫの釣り場ガイドブック。

『令和版東京近郊キラキラ釣り場案内60』

気軽に楽しめる首都圏の淡水・汽水の小もの釣り場を、現地のようすが分かるカラー写真と地図付きで、おすすめの季節別に紹介。釣り場のポイントはもちろん、釣り方もていねいに解説しています。主なターゲットは、タナゴ、フナ、ヤマベ、ハゼ、テナガエビ。小もの釣りをこよなく愛する著者が、自分の足で一つ一つ丹念に釣り歩いた特選ガイドブックです。また本書は「令和版」と銘打ち、平成時代（2018）の前著とは重ならないように釣り場を選定しています。

令和版困った時はココ! 関東海のキラキラ釣り場案内60 (東京湾・相模湾・駿河湾・常磐・房総)

気軽に楽しめる首都圏の海釣り場を、現地のようすが分かるカラー写真と地図付きで詳しく紹介。釣り場のポイントはもちろん、釣り方も丁寧に解説しています。投げ釣り、磯釣り、ルアー釣りを中心に手軽な堤防のサビキ釣りまで。そのエリアに精通した5名のエキスパートが自分の足で一つ一つ丹念に釣り歩いた特選ガイドブックは確実に役立つ完全保存版です。また本書は「令和版」と銘打ち、コロナ禍でも密になりにくい、また、閉鎖などの憂き目にあっていない釣り場を選定しています(令和3年6月現在)。

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