都会にも近い水辺で楽しめるのが、関東ではヤマベの愛称でも親しまれているオイカワの釣りだ。週末の一日、ピクニック気分の気軽な釣りにチャレンジしてみよう。
浅い流れで気軽にトライ。親子で満喫、里のオイカワ釣り
写真と文◎葛島一美
この記事は『つり人』2018年11月号に掲載したものを再編集しています。
人里の清流。都会にも近い水辺で楽しめるのが、
関東ではヤマベの愛称でも親しまれているオイカワの釣りだ。
週末の一日、ピクニック気分の気軽な釣りにチャレンジしてみよう。
すぐそこのフィールドで楽しめるオイカワ釣り
夏の暑さが一段落していた9月上旬。
埼玉県に住む松本由紀夫さんファミリーがやって来たのは、荒川水系入間川の支流にあたる越辺(おっぺ)川。 ターゲットは関東では昔から〝ヤマベ〟の名前で親しまれてきたオイカワだ。
「オイカワの釣りは、初夏から晩秋までロングランで楽しんでいます。自宅のある行田市から1時間弱のドライブで行けるので、本当に手軽な釣りですね」 という由紀夫さんは、小もの釣りの経験が豊富。季節を問わず、各所に足を伸ばしている。
この日選んだ釣り場は、東毛呂山町にある宮下橋の上下。「清流のオイカワ釣りならどこでも通用する釣り方は、まずごくシンプルな玉ウキ仕掛けのフカシ釣りですね。
そこで今日も女房と娘は基本どおりのフカシ釣りでねらってもらい、私は蚊バリの流し釣りを試してみようと思います」とのこと。
都会にもこんな水辺は意外にある
「ヤマベ(オイカワ)はこうやって釣るんだぞ~」と、蚊バリの流し釣りでさっそくヒットさせる由紀夫さん
秋は「ヤマベ、小ブナ、ハゼの3種の釣りが忙しいですね」と松本さん
おすすめはフカシ釣り
この日の川は、数日来の雨で約10㎝水位が高かった。それでも辺りは見渡す限りチャラ瀬と平瀬の穏やかな浅い流れが続く。 「水色は薄く色付いたササニゴリ。これはオイカワ釣りでは魚の警戒心も薄れて最高の条件です」と由紀夫さん。
そう話しつつ、蚊バリ仕掛けを振り込むと、1投目からさっそく8㎝ほどのオイカワがヒットした。サオは川幅にマッチした3.9mを使っている。
一方、妻の紀子さんと小学生5年生の夏奈ちゃんが手にするのは、より取り回しがしやすい短めの3.5mザオ。こちらはエサ(白サシ)を使ってのフカシ釣りだ。
釣り方の詳細は図のとおりだが、初めのうちは流すたびにアタリがあるものの、どうやら幼いミニサイズが突っついているらしく、なかなかハリ掛かりしない。
それでも真剣な表情で玉ウキを見つめていた夏奈ちゃんが、やがて「やったぁ~」と黄色い声を張り上げた。 かわいらしい笑顔とともに掲げて見せてくれたのは、初ヒットの本命オイカワである。
銀色のオイカワが元気に躍る!
実は夏奈ちゃん、お父さんと2人で一年中、それも毎週のように小もの釣りにいそしんでいる。 レパートリーはオイカワのほか、フナ、ハゼ、テナガエビ、ワカサギと多彩。前週には下町を流れる旧中川で、ハゼの束釣り(123尾)も達成。 正真正銘のスーパー釣りガールなのだ。
そんな家族を少し離れた位置から見守りつつ、蚊バリの流し釣りで黙々と数を重ねる由紀夫さん。 「もう少し大きくなったら、娘にも蚊バリの流し釣りの面白さを味わってもらいたいと思 っています。でも今のところ、5~8本の蚊バリが付いたロング仕掛けを振り回すのはやはり難しい。
これからファミリーフィッシングで、ヤマベ釣りをやってみたいという方には、やはり 白サシをエサに使ったフカシ釣りがまずはおすすめですね」
次回はオイカワ釣りに必要な道具とねらう場所について解説します。