カワムツなどの(チャブ)はエサ釣りでよく釣れるが、好奇心も旺盛でルアーにも好反応を示す。小物釣りにゲーム性がプラスされたこの釣りに注目
カワムツ、オイカワ、ウグイといった日本の身近なコイ科の魚は、英名で「チャブ」と呼ばれる。エサ釣りの対象として親しまれているが、彼らの旺盛な好奇心はルアーにも向けられ、好反応を示すターゲットだ。
今回は、このチャブをルアーで狙うゲーム性の高い釣り「チャビング」に注目。身近な魚が刺激的なゲームフィッシュに変わるこの釣りの魅力を、タックルやルアー、具体的な釣り方まで含めて解説する。
文と写真◎編集部
チャビングの魅力
カワムツ、オイカワ、ウグイなど川の小物と呼ばれ、エサ釣りで手軽に楽しめるターゲット。英名だとすべてチャブ(Chub)が付くコイ科の魚で、これらをルアーでねらってみようというのがチャビングである。
チャブたちは清流から住宅地の脇を流れる用水路まで幅広く生息している。カワムツやオイカワは20cm、ウグイは30cmあれば立派な大物で、普段は水生昆虫を食べている。好奇心旺盛で、キラキラと光るものに興味を示す。エサ釣りをしていても、金バリやヨリモドシを使うとわらわらと集まってくるようすが多く見られる。そんな習性を持つチャブたちはルアーフィッシングの好ターゲットなのだ
しかし、意外と一筋縄ではいかないことも多い。20cm近い大型はルアーを見つけると猛追してきてヒットに持ち込みやすいが、チャブの多くは10~15cm程度の小魚。いくら小さいルアーとはいえバイトさせてフッキングさせるのは案外難しい。そこがこの釣りの面白さでもある。魚はたくさんいて追ってくる。だけど掛けられない。いかにバイトさせてヒットに持ち込むかという駆け引きも身近な場所で手軽に楽しめるのが魅力だ。

チャビングのタックルとルアー
チャビングを楽しむにあたり、特別なタックルは必要ない。ロッドは軽量ルアーを投げられるUL クラスのルアーロッドであれば釣りは始められる。リールも1000~2000番クラスの小型スピニングリールで充分で、ラインはナイロンやフロロカーボンの3ポンド程度でOK だ。
ただし、この釣りは手軽に楽しめるというのが魅力のひとつ。そのためにはパックロッドや振出ロッドなど、コンパクトでどこでも持ち出せるものほどよい。RGMのSpec.2 4.0/4.6 は仕舞寸法28.8cmとコンパクトになるのでカバンの中に入れておけばちょっと気になるポイントを見つけた時にサッと探ることができる。

ルアーは小型スプーンやスピナーなど
使用するルアーだが、まずはスプーンが手軽でおすすめだ。3g未満の小型のものであれば使いやすいはず。小さくすればするほど反応は得やすいが、飛距離が出なくなるので川の規模も踏まえてちょうどよい塩梅を見つけたい。ほかにもスピナーや小型ミノーにもアタックしてくるのでいろいろ試してみるのも面白いだろう。

釣り方の基本はアップで投げて反応をチェック
チャブたちは川の状況によって付き場が変わりやすい。季節や水温によって流れの速い瀬に散らばっていたり、淵に固まっていたりする。魚がいればチェイスなど何らかの反応が見られるはずなのでとりあえず投げてみよう。キャスト方向は基本的にアップやアップクロス。着水したら流れに乗せつつ、ねらいのポイントを速く通り過ぎないようにただ巻きする。ダウンで投げる場合はルアーが軽くなるほど流れから飛び出しやすくなるので要注意である。
水深は膝下もあれば泳いでいる可能性は充分ある。ルアーを底に当てないようにレンジキープしながら探っていこう。岸際も丁寧に探ると意外な場所から飛び出してくることも多い。ライズが見られればチャンス到来。周辺を丁寧に探ってみるとよいだろう。
ちょっとした空き時間や半日休みでも思い立ったらすぐに行けるような身近な場所をチャブたちは泳いでいる。お手軽ながらもゲーム性もあるチャビングを始めてみてはいかがだろうか。

※このページは『つり人 2023年9月号』を再編集したものです。