エリアトラウトの名手でもある遠藤肇さんは夏にはアユルアーをやり込んでいる。カラーによって10対0もあり得るというそんな遠藤さんのカラーローテ術を聞いた。
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解説◎遠藤肇 写真と文◎月刊つり人編集部
埼玉県深谷市在住。第12回トラウトキング選手権でトップマイスター(総合優勝)の称号を手にした。JACKALL TIMON F&Cフィールドスタッフ。大芦川、C&Fフィールドビレッジをホームに OFCカップなどでも優勝。エギング、ヤエン、ショアジギング、カヤックなど釣りなら何でも好きなマルチアングラーでもある。4年ほど前からアユルアーの沼にハマり、アユシーズンは毎週末釣行するほど。
目次
- アユルアーにおけるカラーローテの重要性
- 繊細な世界で戦う名手が組み立てる合理的なカラー選択
- 次の一手を決めるためのパイロットカラー
- 「透銀利根鮎」がローライトで強い理由
- アクションと流れに合わせたルアーのローテーション
- 反応が変わったときはUV系または反射系へ
- アピール力の高いUV系カラーの使いどころ
- 日光が射す状況で効くメッキ系と、揃えるべき3系統
- 膨張色系「西湘パール鮎」の出し時
- 透過系「ゴースト多摩鮎」の出し時
- 今季初釣行、午前中だけで18尾の釣果
- セオリーどおりの「透銀利根鮎」で1投目からヒット
- セオリーを飛び越えて選んだ「西湘パール鮎」が的中
- 「ゴースト多摩鮎」でも1尾追加、合計18尾で見えたカラーの差
アユルアーにおけるカラーローテの重要性
第12回トラウトキング選手権でトップマイスター(総合優勝)に輝いた実績をもつ遠藤肇さんが、夏になるとどっぷり浸かっているのがアユルアーゲームだ。昨年もアユルアー特集で同行取材させてもらったが、今回はカラーをテーマに、酒匂川で遠藤さんと落ち合った。エリアトラウトではカラーは大きく注目される要素だが、アユルアーではどうなのか。
「すごく差が出ますよ。カラーの差で10対0もあり得ます。たとえば連発して釣れているときに、時合だろうからほかのカラーも試してみようとチェンジしたとたんアタリが止まってしまったり、もとのカラーに戻したらまた連発しだしたり、ということがよくあります」
エリアトラウト名手が組み立てる合理的なカラー選択
ルアーを泳がすレンジをセンチメートル単位で微調整し、ロッドの角度一つでスイム姿勢を変えてアジャストしていく繊細な世界で戦ってきた遠藤さんにとって、アユルアーにおけるカラーローテも次の展開を見据えた合理的な理由で組み立てられている。
ただしエリアトラウトほど多くのカラーが必要となるわけではないようだ。その日の正解にたどり着く道は、驚くほどシンプルなものだった。前置きが長くなったが、遠藤さんのアユルアーのカラーローテの実践法を教えてもらおう。
次の一手を決めるためのパイロットカラー
遠藤さんはその日の朝イチに投げてサーチしつつ反応を探るパイロットカラーを決めている。遠藤さんの監修のもと今年新たにオトリミノーシリーズへ追加された「透銀利根鮎」カラーだ。遠藤さんのホームである利根川の名前が入っているが、他の川でもまずはこれを投げる。
「透銀利根鮎」がローライトで強い理由
「日が出ていない光量が少ない時間帯用に、メッキ系ではない明るいカラーが欲しかったんです。メッキ系は光を通さないので、影の側が暗く見えてしまう。そうなると反応があってもどの要素が効いて釣れたのかぼやけてしまいます。『透銀利根鮎』は艶消しのシルバーで光を反射しつつ、透過ボディーでローライトでも明るく見える。そのアピールを生かして広い範囲から反応を拾いつつ、次の展開につなげるためのカラーです」
アクションと流れに合わせたルアーのローテーション
ちなみにルアーはオトリミノースリム104がファーストチョイスとなる。アクションが弱いと判断すればより大振りに泳ぐオトリミノーへ、流れが速くて泳ぎが破綻してしまう筋をねらうならオトリミノーバイブ98または同ヘビーへ、とルアーも適宜ローテーションしていく。
反応が変わったときはUV系または反射系へ
カラーに話を戻すと、「透銀利根鮎」で反応が出ているなら日中まで、そのまま使い続けるのもアリ。反応が悪い、またはもっとペースを上げられそうと感じたらローテーションしていくが、次に投げるのは主に2種類の系統だ。
アピール力の高いUV系カラーの使いどころ
ひとつは「UVフラッシュ鮎」などのUV系。紫外線に反応して蛍光を発するUVカラーは、エリアトラウトでもアピール力が高いカラーとしてお馴染み。アユルアーでは光量が少なく、「透銀利根鮎」でもアピールが足りていないような状況で目立たせられる。
「ただそういった理屈抜きでUV系がハマるときもあります。昨年はシーズンの後半、天気関係なくずっとUV系が釣れていました。それも利根川、相模川、富士川など川をまたいで同じ傾向があったんです。理由はわかりません。今シーズンも改めて試してみたいことです」と遠藤さん。
日光が射す状況で効くメッキ系
もうひとつは「EH利根鮎」などのメッキ系のフラッシングカラーだ。これは日光が射し込んでいる状況で適切なアピールができる。
まとめると遠藤さん流のカラーローテを参考にするなら、準備すべきカラーはパイロットとしての「透銀利根鮎」、その次の一手として「UV系」「メッキ系」があるとよい。
膨張色系の使いどころ
では、それ以外の系統のカラーに出番はないのかというと、もちろんある。たとえば、今年の新色として膨張色系カラーの「西湘パール鮎」、透過系カラーの「ゴースト多摩鮎」が追加された。
膨張色系カラーは、濁りが入ったときに自然なアピールで目立たせられるカラー、という考え方が基本となる。「西湘パール鮎」の監修を担当したのは酒匂川のローカルアングラーで、今回の取材にも同行してくれた及川一義さん。「濁りの中でボワ~っと目立つカラーが欲しかったので、チャートではなくパールを全体に入れたカラーにしてもらいました」と及川さんは話す。
ところが実際に使ってみると平時でもよく掛かった。そんなことから西湘エリアでのご当地カラーとして大きな期待が寄せられている。
透過系は群れアユねらいに効果的
「ゴースト多摩鮎」は、遠藤さんのエリアトラウト仲間でアユルアーも一緒にやり込んでいる黒野浩二さんが監修したカラーだ。グリーンに透けているボディーが特徴的な地味系カラーで、一見すると出し時がわかりにくいかもしれないが、遠藤さんは今回の取材でこのカラーでもキャッチしている。遠藤さんの「ゴースト多摩鮎」の出し時は、ズバリ群れアユねらい。周囲に溶け込むカラーなので、群れの中を通してもアユを散らしにくく、じゃれつくアユを掛けていきやすいのがこのタイプのカラーなのだ。
午前中だけで18尾をキャッチした、酒匂川釣行でのカラーローテ例
酒匂川に釣行したのは6月6日。遠藤さんにとっては今シーズン初釣行。午後にショップのイベントをひかえていたことから午前中だけの勝負となった。
朝イチに入ったのは報徳橋下流の根固め工のブロックが入れられたスポット。前述の及川さんによれば常に下流からアユが供給され、ここで足を止める場所になっているとのことだ。
セオリーどおりの「透銀利根鮎」で1投目からヒット
遠藤さんは自身のセオリーどおり「透銀利根鮎」のオトリミノースリム104をキャスト。点在する石が作る流れの変化をかすめるようにダウンクロスでリトリーブしてくると1投目からヒットした。ルアーが進むスピードは秒速10cmくらい。まだ水温は上がっていないはずだが、止めなくても2尾目、3尾目と掛かってくる。
セオリーを飛び越えて選んだ「西湘パール鮎」が的中
さらに数尾を追加したところで、カラーチェンジ。この朝は曇天だったのでUV系に手を伸ばすかと思いきや、セオリーを飛び越えて「西湘パール鮎」に替えた。本来濁りに強いカラーだが取材数日前に通過した台風による影響はもう残っていないように見える。その一方で、膨張色のアピールもローライトな状況には効果的だ。そして酒匂川の実績カラーということも後押しした。セオリーはあくまで指針であればよいのだ。
するとこちらでもペースを落とさずに掛かり続ける。そればかりか1投1尾に迫るペースで掛かったタイミングもあった。時合によるものかもしれないが、さすがご当地カラーといったところ。
「ゴースト多摩鮎」でも1尾追加、合計18尾で見えたカラーの差
その後、「せっかくだから『ゴースト多摩鮎』でも釣ってみよう」とカラーチェンジし1尾を追加。こちらはローライトに地味なカラーの組み合わせとなったことと、ねらっているのが群れアユではなかったことからペースはやや下がった。カラーによる差が出たと言っていいだろう。これが逆転する状況もあるはずである。
終わってみれば合計18尾が引き舟に収まっていた。河川や時期によってもアタリカラーは変わってくることがある。闇雲にルアーを選んでしまえばドツボにハマってしまうことも。そんなとき遠藤さんのカラーローテを思い出してほしい。
※このページは『つり人 2026年8月号』に掲載した記事を再編集したものです。



