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編集部2025年6月6日

アユルアー(アユイング)完全ガイド【仕掛け・ルアー・釣り方・装備まで解説】

アユ PICKUP 魚種別釣りガイド

夏の風物詩、アユを手軽に釣れるとあって近年盛り上がっているアユのルアーフィッシング「アユルアー(アユイング)」。自身もアユルアーにハマっているという浅井雅久さんに装備からポイント選び、釣り方まで教えてもらった

夏の風物詩、アユを手軽に釣れるとあって近年盛り上がっているアユのルアーフィッシング「アユルアー(アユイング)」。自身もアユルアーにハマっているという浅井雅久さんに装備からポイント選び、釣り方まで教えてもらった

写真と文◎編集部

アユルアーの装備・服装

アユ釣りは6月から解禁になる川が多く、7月、8月と真夏に盛期を迎える釣りだ。この釣りは川に立ち込んで行なうが、濡れないウエーダーよりもあえて濡れるウエットスタイルのほうが川の涼しさをダイレクトに感じられる。腰辺りまで深く立ち込むこともよくある友釣りファンは保温性に優れたアユタイツを履くが、アユルアーでは深くても膝上程度なことがほとんどなのでウエットウエーディングスタイルで楽しむ人が多い。

アユルアーの装備一覧

解禁初期や曇りの日など、肌寒い時はウエーダーだと快適に楽しめる。ただし、ウエットウエーディングよりも水の抵抗を強く受けるため、早い流れに入りにくかったり、長時間の立ち込みは疲れるのがやや難点だ。

ウエーディングシューズはフェルト底

ウエーディングシューズのソールはフェルト一択。アユの釣り場は渓流以上に川底が滑るため、ラジアルソールでは非常に滑りやすい。「川歩きに自信がない人はウエーディングスタッフと呼ばれる杖を用意しておくとより安心です」と浅井さんはアドバイスする。

ウェーディングスタッフ

ウエーディングスタッフがあると川歩きが楽になる。コンパクトウェーディングスタッフ(フォックスファイヤー)なら釣りの最中は畳めるので邪魔にならない

タモや引き舟などその他の道具

タックルやルアーのほかにもアユをすくうタモ、キープするための引き舟、タモを差したり引き舟を繋ぐ腰ベルト、鈍ったハリなどのゴミを収納するマナーケースはアユ釣りに欠かせないアイテムなので用意したい。

ネット

タモを流してしまうことがあるのでドローコードは重要。浅井さんおすすめはTMC マルチクリップネットコード(ティムコ)

アユルアーのタックル&ルアー

続いてアユルアーに必要なタックルやルアーについて紹介する。

ロッドに大切なのはバレにくい柔軟性

近年の盛り上がりによって、アユルアー専用ロッドも増えてきた。共通して言えるのは9フィート前後のロングロッドであるということ。広く探るためのリーチとアユの引きを受け止める溜め代がこの釣りでは必要となる。他のロッドで代用する場合は長さ重視でシーバスロッドやエギングロッドが使われていることも多いが、アユを釣るには硬く身切れによるバラシが多い。しなやかなティップを持ち、軽量な専用ロッドを使うことで、キャストやトレースコースの精度が高くなり感度も向上するため、一層アユルアーが楽しくなるはずだ。

リールは2000~2500番台

スピニングリールは2000~2500番程度のモデルが適している。流れの早い川でクロスへキャストする時はラインスラックを素早く回収する必要があるため、ひと巻き80cm以上のハイギヤモデルがおすすめだ。ベイトタックルを使う場合はベイトフィネスリールなど軽量なルアーを扱えるモデルがよい。

アユ用のルアーを用意

ルアーはアユ用とされているものを用意すればOK。浅井さんのおすすめはAyu Game シュマリ(ティムコ)の110FとMR88Fだ。シュマリは元々サクラマスなどの本流トラウト用ミノーだが、ローリング主体のアクションで流れの中でも姿勢を崩しにくいため、瀬の中を泳ぐアユをねらうにも使いやすい。

シュマリ

シュマリは相模川における定番ルアーのひとつ

「シュマリは一般的なミノーシェイプでクセが少なく、引き抵抗が軽くて一日中使っていても疲れません。広範囲をキャストして探るような釣りでもテンションやレンジを細かく調整しやすいです」

シンカー

シュマリはウエイトチューンで真価を発揮する。110Fには1.2g、MR88Fには0.9gのシンカーが推奨

フックはハリスを介して付ける

アユルアーでは友釣りと同じように、ルアー( ≒オトリ)とハリの間にハリスを介している。ハリの種類には大きく分けてチラシとイカリがあるが、浅井さんはタモ入れ後の手返しのよさからイカリを愛用。使うハリのサイズは7〜7.5号を基準にしている。ハリスの長さはイカリの場合5~8㎝程度が目安。ただし、遊漁規則によってハリス長が決められている場合もあるので留意しておこう。

ハリ

バレにくいチラシはまずは一尾釣りたい初心者におすすめ。慣れてきたらイカリも使ってみよう

ポイント選びは重要

アユのルアー釣りは友釣りと同じようにアユのナワバリ本能に訴える釣りだ。そのため、野アユがナワバリを作る場所をねらうのがセオリーとなる。ナワバリが作られやすいのはアカと言われるコケが生えている石。水通しのよい瀬には新鮮なアカが付きやすいため、ナワバリ意識の強いアユも多い。

早瀬はもちろん、膝下程度の水深しかないチャラ瀬や深いトロ場でもアユは泳いでいるが、ルアーでねらうのであれば水深1m以下の流れの利いた瀬が初めは釣りやすいだろう。一つの瀬の中でも流れの強弱があり、アユが釣れやすい筋が日ごとに違うのでルアーの引き抵抗を意識して探ってみると釣果に繋がりやすい。

川

アユは強い流れでも泳いでいる。ここはさすがに……と思っても一度通してみよう

浅井さんが通う相模川のような人気河川では自由に釣り歩くことができず、一ヵ所で粘ることも多い。トラブル防止のためにも釣り人の間に入ったり川を横切る場合は必ず周囲の人に挨拶をすること。アユルアーは立ち位置よりも下流側を探る釣りであるため、先行者の下流側に入る際はキャスト範囲を考慮して無理に入らないようにしよう。また、川ごとや曜日でも釣り場の混み具合は異なる点も留意したい。

竿抜け

一見流れが緩いように見えてもルアーが泳ぐなら勝機あり。サオ抜けになっていることも多い

アユルアーの釣り方

野アユにルアーを追わせるにはナワバリになるべく長く留まることが大切。そのため、ルアーがゆっくりトレースできるダウンやダウンクロスで探っていくのが基本だ。キャスト範囲は概ね20m以内。5m程の近距離でもOK。石周りなどねらう目標を定めて丁寧に周辺を探るのが理想的な釣り方になるので、あまり遠くに投げるとコントロールが難しくなってしまう。

ダウンクロス

平瀬はポイントが絞りにくいが、ダウンクロスで広範囲に探ると効率よくねらえる

ルアーが石に当たるようにトレース

キャストしたらイトフケを取って素早く底を取る。コツン、コツンとソフトタッチでルアーが石に当たるようにトレースするのがキモでリトリーブスピードの加減やロッドの角度でレンジを調整していく。

「一回もボトムに当たらない中層は浅すぎ。ゴリゴリと常に底に当たるようでは潜りすぎです。リーリングで調整しきれない場合はレンジの異なるルアーに交換するか、ねらう流れを変えましょう」

この釣りはボトムを探るため根掛かりも多い。ただ、コツさえ知っていればイラストに示したように、フローティングタイプのルアーなら大抵は簡単に外れる。恐れずにいろいろなポイントを探ってみよう。

ポイント移動も有効

アユをルアーでねらうならフットワークを軽くしたい。よりよいポイントを求めて広く釣り歩いたほうが活性の高いアユに出会う確率は高くなるからだ。釣り場が混雑していて移動が難しい場合は前後左右に数歩動いてみるだけでもルアーのトレースコースが変わって反応が得られることも多い。

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釣り人が多い川ではトラブルにならないよう充分な距離を取り、隣に入ったり川を横切ったりする場合挨拶を忘れずに

引き抜くまで油断禁物

アタリは明確で石に当たった時とは違うのですぐに分かるはずだ。アワセは特に必要なく、掛かればロッドが引き込まれる。もし掛からなかった場合でもその周辺を重点的に探るとよいだろう。掛かってもロッドを立てるのはNG。水面でアユが暴れるとバレやすくなるのでロッドを寝かせたまま流れが緩いほうへ誘導しながら寄せてくる。ラインの長さがロッドの長さと同じくらいになったらロッドを立てて引き抜き、タモで受ける。

掛かってからの一連の流れで難しいのは引き抜くまでのやり取り。ダウンで掛けているので無理にリーリングをして流れに逆らえば負荷が強すぎて身切れしてしまう。かといってゆっくりやればいいかというとそれも身切れに繋がる。この駆け引きがハラハラドキドキで面白い。ルアーやタックル、やり取りもまだ発展途上ながら着々と面白くなってきているアユのルアー釣りに挑戦してみてはいかがだろうか。

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各河川の遊漁規則を確認しよう

アユルアーを楽しむうえで注意したいのが各河川の遊漁規則。川を管轄している漁協によって、可能な釣法や区間、仕掛けまで細かくルールが設けられている。遊漁規則や案内をホームページに掲載している漁協も多いので釣行前に確認しておこう。また、釣りをするには入漁券が必要となる。日釣券もしくは年券を購入してから釣り場に立つようにしよう

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釣りを始める前に確認しておきたいこと

・リールザオでの釣りがOKかどうか

・使用可能なハリの数やハリスの長さ

・キャスト可能範囲

※このページは『つり人 2024年8月号』を再編集したものです。

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