夏の風物詩、アユを手軽に釣れるとあって近年盛り上がっているアユのルアーフィッシング「アユルアー(アユイング)」。自身もアユルアーにハマっているという浅井雅久さんに装備からポイント選び、釣り方まで教えてもらった。

解説◎浅井雅久
写真と文◎月刊つり人編集部
相模川を中心にアユルアー(アユイング)を楽しむアングラー。
目次
アユルアーの装備・服装|ウエットウエーディングが基本
アユ釣りは6月解禁の川が多く、7~8月の真夏に盛期を迎える。川に立ち込んで行なう釣りだが、濡れないウエーダーよりもあえて濡れるウエットスタイルのほうが川の涼しさをダイレクトに感じられる。腰まで深く立ち込むことも多い友釣りでは保温性に優れたアユタイツを履くが、アユルアーは深くても膝上程度がほとんどなので、ウエットウエーディングスタイルで楽しむ人が多い。

解禁初期や曇りの日など肌寒いときはウエーダーのほうが快適だ。ただしウエットウエーディングより水の抵抗を強く受けるため、早い流れに入りにくく長時間の立ち込みは疲れるのが難点。
ウエーディングシューズはフェルト底一択
ウエーディングシューズのソールはフェルト一択。アユの釣り場は渓流以上に川底が滑るため、ラジアルソールでは非常に滑りやすい。「川歩きに自信がない人はウエーディングスタッフと呼ばれる杖を用意しておくとより安心です」と浅井さん。
タモ・引き舟などその他の道具
タックルやルアーのほか、アユをすくうタモ、キープ用の引き舟、タモや引き舟を装着する腰ベルト、鈍ったハリなどのゴミを収納するマナーケースもアユ釣りに欠かせないアイテムだ。
アユルアーのタックル&ルアー選び
続いてアユルアーに必要なタックルやルアーについて紹介する。
ロッドに大切なのは"バレにくい柔軟性"
近年の盛り上がりでアユルアー専用ロッドも増えてきた。共通するのは9フィート前後のロングロッドであること。広く探るリーチと、アユの引きを受け止める溜め代が必要となる。シーバスロッドやエギングロッドで代用されることも多いが、アユを釣るには硬すぎて身切れによるバラシが多い。しなやかなティップを持つ軽量な専用ロッドなら、キャストやトレースコースの精度、感度も上がり一層楽しくなるはずだ。
リールは2000~2500番台のハイギヤが基本
スピニングリールは2000~2500番程度が適している。流れの早い川でクロスへキャストする際はラインスラックを素早く回収する必要があるため、ひと巻き80cm以上のハイギヤモデルがおすすめ。ベイトタックルならベイトフィネスリールなど軽量なルアーを扱えるモデルがよい。
アユ用ルアーのおすすめ|シュマリの110F・MR88F
ルアーはアユ用とされているものを用意すればOK。浅井さんのおすすめはAyu Gameシュマリ(ティムコ)の110FとMR88F。元はサクラマスなど本流トラウト用ミノーだが、ローリング主体のアクションで流れの中でも姿勢を崩しにくいため、瀬の中を泳ぐアユねらいにも使いやすい。
「シュマリは一般的なミノーシェイプでクセが少なく、引き抵抗が軽くて一日中使っていても疲れません。広範囲をキャストして探るような釣りでもテンションやレンジを細かく調整しやすいです」
フックはハリスを介して装着|イカリ or チラシ
アユルアーでは友釣りと同様、ルアー(≒オトリ)とハリの間にハリスを介す。ハリの種類は大きくチラシとイカリに分かれるが、浅井さんはタモ入れ後の手返しのよさからイカリを愛用。サイズは7~7.5号、ハリスの長さはイカリの場合5~8cm程度が目安だ。ただし遊漁規則によってハリス長が決められている場合もあるので留意しておきたい。
ポイント選びが釣果を左右する|アカの付いた瀬をねらう
アユのルアー釣りは友釣りと同様、アユのナワバリ本能に訴える釣りだ。野アユがナワバリを作る場所をねらうのがセオリーで、ナワバリが作られやすいのはアカと呼ばれるコケが生えた石。水通しのよい瀬には新鮮なアカが付きやすく、ナワバリ意識の強いアユも多い。
早瀬はもちろん、チャラ瀬や深いトロ場でもアユは泳いでいるが、ルアーでねらうなら水深1m以下の流れの利いた瀬が初めは釣りやすい。一つの瀬の中でも流れの強弱があり、釣れやすい筋は日ごとに違うので、ルアーの引き抵抗を意識して探ると釣果につながりやすい。
混雑時のマナー・立ち位置の考え方
浅井さんが通う相模川のような人気河川では自由に釣り歩けず、一ヵ所で粘ることも多い。釣り人の間に入ったり川を横切る場合は必ず周囲の人に挨拶をすること。アユルアーは立ち位置より下流側を探る釣りなので、先行者の下流側に入る際はキャスト範囲を考慮し無理に入らないようにしよう。川ごと・曜日でも混み具合は異なる点も留意したい。
アユルアーの釣り方|トレースとやり取りのコツ
野アユにルアーを追わせるにはナワバリになるべく長く留まることが大切。ルアーがゆっくりトレースできるダウンやダウンクロスで探るのが基本だ。キャスト範囲は概ね20m以内、5m程度の近距離でもOK。石周りなど目標を定めて丁寧に周辺を探るのが理想で、遠くに投げすぎるとコントロールが難しくなる。
ルアーが石に当たるようにトレースする
キャストしたらイトフケを取って素早く底を取る。コツン、コツンとソフトタッチでルアーが石に当たるようにトレースするのがキモで、リトリーブスピードやロッドの角度でレンジを調整していく。
「一回もボトムに当たらない中層は浅すぎ。ゴリゴリと常に底に当たるようでは潜りすぎです。リーリングで調整しきれない場合はレンジの異なるルアーに交換するか、ねらう流れを変えましょう」
この釣りはボトムを探るため根掛かりも多いが、コツさえ知ればフローティングタイプのルアーは大抵簡単に外れる。恐れずいろいろなポイントを探ってみよう。
ポイント移動も有効
アユをルアーでねらうならフットワークを軽くしたい。よりよいポイントを求めて広く釣り歩くほうが、活性の高いアユに出会う確率は高くなる。釣り場が混雑して移動が難しい場合も、前後左右に数歩動くだけでルアーのトレースコースが変わり反応が得られることが多い。
引き抜くまで油断禁物|身切れを防ぐやり取り
アタリは明確で、石に当たったときとは違うのですぐに分かるはずだ。アワセは特に必要なく、掛かればロッドが引き込まれる。掛からなかった場合はその周辺を重点的に探るとよい。掛かってもロッドを立てるのはNG。水面でアユが暴れるとバレやすくなるので、ロッドを寝かせたまま流れが緩いほうへ誘導しながら寄せる。ラインの長さがロッドの長さと同じくらいになったらロッドを立てて引き抜き、タモで受ける。
掛かってから難しいのは引き抜くまでのやり取り。ダウンで掛けているため、無理にリーリングして流れに逆らえば負荷が強すぎて身切れしてしまう。かといってゆっくりやりすぎてもそれはそれで身切れにつながる。この駆け引きがハラハラドキドキで面白い。ルアーやタックル、やり取りもまだ発展途上ながら着々と面白くなってきているアユのルアー釣りに挑戦してみてはいかがだろうか。

各河川の遊漁規則を確認しよう
アユルアーを楽しむうえで注意したいのが各河川の遊漁規則。川を管轄する漁協によって、可能な釣法や区間、仕掛けまで細かくルールが設けられている。遊漁規則や案内をホームページに掲載している漁協も多いので釣行前に確認しておこう。また、釣りには入漁券が必要となる。日釣券もしくは年券を購入してから釣り場に立とう。

釣りを始める前に確認しておきたいこと
- リールザオでの釣りがOKかどうか
- 使用可能なハリの数やハリスの長さ
- キャスト可能範囲
※このページは『つり人 2024年8月号』を再編集したものです。

