私が楽しんでいる千葉県のハゼ釣りは、ひとつの川で終わらない。9月に外房・南白亀川で幕を開け、10月から11月にかけて木戸川へバトンが渡り、12月には利根川が年越しシーズンへと引き継ぐ。三つの川を追いかければ、実に4ヵ月以上にわたってハゼ釣りを楽しめる計算だ。
いずれのポイントも、きちんとした駐車スペースが確保され、消波ブロックの上や危険箇所に立ち込まなくても楽しめる整備された護岸ばかりを選んで紹介してみたい。そのいずれもがノベザオ一本あれば挑める手軽さがあり、ファミリーや初心者、シニアまで幅広く受け入れてくれるのが、外房~利根川のハゼ釣りリレーの魅力だ。今回はそれぞれの特徴と、駐車場やアクセスまで含めた実用情報をお伝えしよう。

レポート◎関口隆(ハゼ釣り情報局)
千葉県千葉市在住。ハゼ釣り情報局メンバー。外房の南白亀川をホームグラウンドにハゼ釣りを楽しむ
目次
南白亀川(9~11月)首都圏屈指のデカハゼ河川
シーズン序盤の主役は、白子町を流れる南白亀川(なばきがわ)だ。ポイントは新旭橋・旭橋から上流の護岸で、両護岸とも足場が整備されており、老若男女が安心してサオをだせる。駐車は左岸に約15台、少し歩けば白子自然公園に約200台(無料)と余裕がある。圏央道・茂原北ICから近く、アクセスもよい。
南白亀川のハゼは「デカハゼ」「マッスルハゼ」と呼ばれるほどの大型ぞろいで、ピーク時は20cm前後が当たり前に釣れ、条件が合えば100尾以上の束釣りもねらえる数釣り場でもある。身は肉厚で、天ぷらはもちろんフライや刺身にも化ける。
おすすめはノベザオのミャク釣りかウキ釣り
おすすめの釣り方は1.8~5.4mのノベザオを使ったミャク釣り、またはウキ釣りで、いずれも深場のデカハゼとの引き合いが最大の醍醐味だ。岸際の足もとから約4m沖のカケアガリまでがねらいめになる。リールザオを使ったチョイ投げで広範囲を探るのも有効だ。
仕掛けはミチイトがPE0.8号、リーダーはフロロカーボン1号、オモリ1号、ハリはささめ針の『キスリベロⅡ』と『アスリートキス』の6~7号を使い分けている。食い渋り時やデカハゼ相手で絶対にバラしたくないときは刺さり重視のキスリベロⅡ、消耗の多い釣り場で大量に使うときはコスパ重視のアスリートキスだ。
エサはイソメ・ジャリメ。周辺に釣具店がなく自動販売機も売り切れが多いため、エサは事前に用意したほうが無難だ。
2025年の水潮から回復。釣行前のチェックと食事処
なお2025年は9月上旬の集中豪雨で水潮により酸素濃度が低下したため魚類全般が大きなダメージを受ける壊滅的なシーズンだったが、2026年はほぼ回復しており7月時点で14cmクラスのマッスルハゼが順調に育っている。このまま成長すれば9月からは例年どおりのデカハゼが期待できる。なお「南白亀川 水位」で検索すれば河川状況とライブカメラ映像が見られるので、とくに大雨の翌日は釣行前に川の状態を確認しておくと安心だ。
釣行の合間の食事なら、「そば処川岸」(そば・海鮮、月・火定休)、川のすぐ近くにある「味浜亭」(洋食・定食、水曜定休)がある。遠方から食事だけを目当てに訪れる客もいる人気店なので、釣行の予定と合わせて営業日を確認しておくと安心だ。
木戸川(11~12月)穴の隙間から引き抜くスリル
11月に入るとデカハゼのバトンは山武市を流れる木戸川へ。ポイントは河口から緑海橋までの、整備された消波ブロック帯と砂地の河口域だ。産業道路の突き当たりにあり、駐車禁止の心配もない。圏央道・山武成東IC、または九十九里有料道路終点から片貝経由の一般道でアクセスできる。
ここでの主流の釣り方は消波ブロック帯での穴釣りで、隙間に虫エサを落として誘う。穴釣りといっても消波ブロックに乗っての釣りではなく足場のよい護岸から消波ブロック側の穴を探る安全な釣り。水深わずか10cmの穴に仕掛けを落とせば、20cm超のデカハゼが連発する。そのサイズを隙間から引き抜く瞬間はスリリングの一言だ。
タックルは南白亀川と共通。穴釣りに慣れないならチョイ投げから
サオは潮位に応じて150~210cm、ミチイトは消波ブロックへの擦れに強いフロロカーボンの1号。オモリ1号、キスバリ6~7号、エサはイソメ・ジャリメと基本装備は南白亀川と共通だ。
消波ブロック帯の対岸の砂地からもチョイ投げや長ザオのミャク釣りで深場のデカハゼはねらえる。実釣の感触では、穴の奥に潜む個体を直接誘える穴釣りに比べると釣果はやや落ちる。やはり、仕掛けの上げ下ろしだけで完結する穴釣りよりも操作がシンプルで、消波ブロックの隙間をねらう細かい誘いに慣れていない人でも手軽に1尾を手にしやすい。穴釣り未経験者なら、まずはチョイ投げで川のようすを探り、反応のよいポイントが見えてきたら穴釣りに切り替える、という組み立て方もおすすめだ。
2025年も安定していた木戸川。食事は橋本食堂と道の駅で
2025年は南白亀川が水潮で大きな被害を受けた一方、木戸川は比較的安定していた。南白亀川から移動してきた釣り人も多く、例年以上の賑わいを見せていた。
食事処は、自家養殖の国産ウナギが自慢の「橋本食堂」(鰻・川魚。水・木定休)と、いわし丼が名物で24時間トイレも利用できる「道の駅オライはすぬま」(レストランのみ月曜定休)の二店がおすすめだ。
利根川(12月~年越し)底力を見せる超ロングシーズン
シーズンの締めくくりは銚子市内を流れる利根川下流をおすすめしたい。ポイントはいくつもあるが、特に右岸の銚子側にある本城ドックから上流に約2km区間続く消波ブロック帯は、Googleマップにも「銚子ハゼ釣り場」として登録されているほどメジャーな利根川を代表するハゼ釣り場だ。護岸沿いの空きスペース各所に駐車できるのも便利。東関道・潮来IC、または圏央道・銚子連絡道路終点の匝瑳ICからアクセスする。
釣り方は木戸川と同じく消波ブロックの底をねらった穴釣りが主流で、消波ブロックの隙間に虫エサを落として誘う。消波ブロック帯の幅が広いため、サオは150~360cmと沖の消波ブロック際もねらえる長めのサオも有効に働く。木戸川同様、消波ブロックに乗ることなく護岸側から消波ブロックの隙間が探れる。
穴釣り以外にチョイ投げ・ミャク釣りも可能だが、木戸川同様、この時期は穴釣りに比べると釣果はやや落ちる。しかしながら消波ブロックの隙間を丹念に探る技術がなくても手軽に楽しめる。利根川は消波ブロック帯の規模が大きい分、ポイント選びに迷ったときの探り方としてチョイ投げ、ミャク釣りを選択するのもアリだ。
2025年は翌2月まで穴釣りを楽しめた
2025年は絶好調で、12月のピークを過ぎてもハゼは深場の穴に留まり、翌2月まで穴釣りを楽しめる超ロングシーズンとなった。利根川のスケールならではの底力といえるだろう。
食事は銚子側に飲食店が充実しているほか、対岸の茨城県神栖市の「やまこ庵 波崎店」(寿司・そば・とんかつ)は私のおすすめ。
三つの川を巡れば、9月から翌年の春先まで
最後に。南白亀川のデカハゼ、木戸川の穴釣りのスリル、利根川の超ロングシーズン。三つの川を巡れば、9月から翌年の春先まで、ハゼ釣りの面白さを途切れず味わえる。整備された護岸を備えたポイントばかりなので、ファミリーや初心者、シニアの方も安心して秋冬の千葉エリアのハゼ釣りを楽しんでほしい。
※このページは『つり人 2026年10月号』に掲載した記事を再編集したものです。


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