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編集部2025年7月4日

【ハゼ釣り攻略】ミャク釣りでアタリを倍増させる秘訣とは? 仕掛けと釣り方を達人が解説

日本の各地で広く釣れるマハゼ。多彩な釣り方はあるものの道具立てがシンプルで、すぐに始められるのが「ミャク釣り」だ。今回はミャク釣りの竿や仕掛け、釣り方といった基本的な情報から、浅場・深場・河口と特徴が異なる3つの釣り場の攻略法まで、釣り場ガイド本も執筆している淡水小物釣りフリークの坂本和久さんに解説していただく。

日本の各地で広く釣れるマハゼ。多彩な釣り方はあるものの道具立てがシンプルで、すぐに始められるのが「ミャク釣り」だ。今回はミャク釣りの竿や仕掛け、釣り方といった基本的な情報から、浅場・深場・河口と特徴が異なる3つの釣り場の攻略法まで、釣り場ガイド本も執筆している淡水小物釣りフリークの坂本和久さんに解説していただく。

写真と文◎編集部

ハゼのミャク釣りに使うのべ竿

竿の長さは、釣り場の規模や水深に応じて1.5mから4m程度のものを使い分ける。基本となるのは、「その場で対応できる最も短い竿を選ぶ」という考え方だ。短い竿ほど軽量で操作性に優れ、アワセの動作がもたつかないという利点がある。もし攻めたいポイントに届かないと感じた時に、改めて長い竿へ変更すれば良い。一本で長さを二段階、三段階と変えられるズーム機能付きの竿は、ポイントを移動した際や、状況の変化に素早く対応できるため非常に重宝する。

竿の素材も重要な選択基準となる。趣のある和竿も根強い人気だが、カーボン製の竿に比べて重量があるため、3.6mを超えるような長尺の竿では、軽量なカーボン製のマブナ竿や渓流竿に分があるだろう。

ハゼのミャク釣りの竿

ハゼのミャク釣り仕掛け

道糸はフロロカーボン1号が標準。ミャク釣りにはウキは使わずに、目印を使ってアタリを取る。視認性の良い渓流用の化繊タイプが適しており、水深の増減のたびに調整しなくて済むよう、5cm間隔で10個ほど付けておくのが坂本さんならではの工夫だ。

ハゼのミャク釣り仕掛け図
ハゼのミャク釣り仕掛け図

中通しオモリを使用した遊動仕掛け

ミャク釣りの仕掛けとしては、下オモリのすぐ上から枝バリを出す胴付きタイプや、小型のハゼ用天秤などの仕掛けも使われるが、坂本さんは遊動式の中通しオモリをセットした吹き流しタイプを使う。

中通しオモリを使用した遊動式の仕掛け

ミチイトはフロロの1号。「根ズレが多い釣りなので、フロロを使ってますね。ですが、正直ナイロンでも変わらない気がします(笑)」とのこと。オモリを即座に変更できないという欠点があるものの、仕掛け絡みが生じにくく、手返し良く釣りを続けられるのが利点だ。

オモリの重さは、水深が浅く着底を感じやすいところでは0.5号、深場で着底を感じにくかったり、流れがあったりするようなポイントは0.8号を使うとよい。さらに重量を追加したい場合にはガン玉を使って調整する。

オモリの色は釣果に直接関係はないが、浅いポイントでは目立つ色(赤や金)を使うと仕掛けの位置が分かるので便利。なおオモリの遊動幅は15cm。オモリ止メとして下にはビーズ、上にガン玉を使っている。どちらも中通しオモリの穴をすり抜けない大きさを使用する。

ガン玉はG1もしくはG2程度でガン玉の大きさによる釣果の違いはないとのこと。またビーズに関しても一応の集魚効果はあるかもしれないが、アピール度を高めるために付けるわけではなく中通しオモリが止まればなんでもよいそうだ。

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ガン玉で遊動幅を調整

ハリスと針

ハリスは0.6〜0.8号。ハリはエサを大きく見せられてハゼの吸い込みがいい、フトコロが狭く軸が長いタイプがおすすめ。坂本さんは袖バリの4号を基本に、ハゼバリなら5~6号、キスバリなら5号を目安に号数はハゼのサイズによって使い分ける。

ハゼ釣りのハリス付き針

ハゼのミャク釣りのエサ

エサはアオイソメが基本となる。ここで坂本氏がこだわるのは、一般的に使われるハリ持ちの良い「頭部」ではなく、食い込みを重視して「胴」の部分を使うことだ。

「ハリ持ちは若干落ちますが、食いは断然、胴がいい! 食ってくれなければ意味がありませんからね」

付け方のコツは、ハリの軸が隠れる程度の長さに留め、タラシ(垂らし)を長くしないこと。これにより、エサの端だけを突かれて取られてしまうのを防ぐ。

アオイソメやジャリメの付け方
アオイソメやジャリメの付け方

アオイソメの他にも、ハゼ釣りに有効なエサはいくつかある。細身で食い込みの良い「ジャリメ」も定番だ。また、近年はミャク釣りにおいて、エサ持ちが良く、手も汚れにくい「ベビーホタテ」も人気を集めている。

ミャク釣りの釣り方とアタリを倍増させるコツ

どんな釣り場でも共通しているのは、仕掛けを投入してオモリが底についてから5秒までが非常に重要であるということ。

「着底してから5秒間は最もアタリが出るタイミングです。でもこの間にアタリを取っていない方が非常に多い。これを取れるか取れないかで釣果が大きく変わってきます」と坂本さん。

常にハゼからのアタリがあると思って、いつでも合わせられるように体勢を整えておく。 オモリが着底してからの5秒間にアタリがない場合はそのまま10秒ほどアタリを待つ。それでもアタリが出ない場合は、空アワセをしてから回収し、少しポイント変えて振り込み直す。

一通り周囲を探り終えてもアタリが出ない場合にはオモリの着底から10秒待った後に誘いを入れよう。

アタリがなければ誘いを入れてみる

誘い方はトントントンとその場で仕掛けを1cmほど上下させる。その時ずっとトントンと動かすのではなく、ちょっと止めたりテンポを変えてみたりと変化をつけるとよい。

20秒くらい誘って、アタリが出なければ、空アワセをしてから仕掛けを回収し、投入ポイントを変える。サオが届く範囲をまんべんなく探ってもアタリがない場合には1、2歩移動する。 このように頻繁に投入地点を変えて、食い気のあるハゼを捜すことが肝要だ。

ハゼのミャク釣り・釣り方のコツ
釣り方のコツ

アタリとアワセ

アタリの出方はさまざまで、「コンッ」や「コツッ」といった手もとに来るアタリもあれば、目印が動くだけのアタリもある。さらに全くアタリを出さずハゼがエサをくわえているだけというパターンもある。そのため着底してから秒待った後や仕掛けの回収時には必ず空アワセをしよう。

ハゼが釣れる時のアタリは小さいことが多い。激しく「ブルブル」っとくるのはハゼがエサをくわえて逃げようとしている時のもの。この段階で合わせても掛からない場合が多い。「ブルブル」の前には必ず手もとに小さなアタリがあるか目印に変化が出るはず。神経を集中してアタリを拾っていこう。

一度でもアタリがあった場合、エサがずれていたり、取られていたりする。 エサがないのはもってのほかだが、ずれているだけでもハリ掛かりは大きく変わってくる。アタリがあったらこまめにエサをチェック。 アタリにならない違和感に合わせるというのも数を釣るうえでは大切なことだそう。

「ミャク釣りをやり込んでいくと、なんか食ってるなあとか、かじってるなあという感覚が分かるようになります。違和感があったら積極的に合わせましょう」。

もしバレてしまっても大丈夫。ハゼは一度ハリ掛かりしても再度食ってくることが多い。この場合、魚が少し移動するので、掛かったポイントの周囲に仕掛けを投入するとよい。

釣り場の特徴による攻略テクニック

浅場・深場・河口といった釣り場による攻略方法も、実釣を通して紹介する。

浅場は見釣りが可能

最初に向かったポイントは浅場の旧中川。この川は上下流部ともに荒川に接続しているが、いずれも水門が閉じてあり潮の干満の影響は受けない。そのため潮回りを気にせずに釣りをすることが可能。オススメのポイントは江東新橋の下流、右岸側にある島だ。 この島は周囲が浅くハゼが溜まりやすいためどこにサオをだしても釣果有望。

またこのような浅場の場合はハゼの姿が見えるので、どのようにエサに集まり、そして食いつくのかを観察しながら釣りをすることができる。まずはこのようなポイントで見釣りをして、水中でのハゼの動きをイメージできるようになろう。

仕掛けを投入する場所は捨て石などの障害物周りが基本だ。 水深が浅いので川底を見て沈んでいる石を捜しながらポイントを打っていく。旧中川は杭の少し手前からストンと深くなっている。 杭の周りではマハゼよりもダボハゼといわれる外道が釣れる場合が多いので手前の浅場をねらおう。

手前を釣るのでサオの長さは短いものがベスト。旧中川では2.1m程度がいい。長いサオは重いのでアワセが遅れたり、手返しが悪くなったりしてしまうので注意。

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浅場はハゼの姿を見ながら釣りができる

深場はハゼの着き場を探す

次に竿を出したのが小名木川。墨田川と旧中川を結ぶ河川で、垂直護岸されており水深が深いことが特徴だ。

坂本さんによると旧中川と同様に潮の干満の影響はほぼないそうだ。ただし、流れが生じるタイミングがあり、そのときにはオモリの重さを0.8号にするなどの対策が必要。川は全体的にほとんど変化がなく、ハゼはまんべんなく生息している。どこでも釣れる可能性がある。

小名木川や北十間川・横十間川のように水深がある河川で釣りする場合は、長ザオの3.6m程度のサオを用意するとよい。 水深が深く、底に沈んでいる障害物などが見えないため、まずは何も考えずに仕掛けを投入する。オモリが着底したらイトを張って待つ。

この時も着底してからの5秒間は全神経を集中してアタリを取る。深場での釣りの場合、目印よりもサオ先を見ていたほうがアタリを取りやすい。 誘ってみてもアタリがない場合は、一度仕掛けを回収し、そこから少し離した場所に再度仕掛けを投入する。このように投入し直したほうが魚の反応が得られる場合が多い。ハゼは密集してることが多く、もしアタリがあったならそのポイントを重点的に探るべし。

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壁際にもハゼが着いている可能性がある。沖から足もとまで丁寧に探ろう

河口は潮の満ち引きを意識

最後は多摩川の河口。先の2河川とは異なり、潮の影響を大きく受ける釣り場だ。干満の差が激しく、干潮時に釣りをするためには干潟を歩く必要があるためオススメしない。

満潮近くであれば、ハゼは足もとまで差してくる。ただし満潮のピーク、潮止まりだとやはり活性が落ちてしまう。 満潮の前後1、2時間、潮がよく動くタイミングをねらって釣りに行こう。

基本的なポイントは桟橋周り。ポイント的には旧中川と同じように浅いが、水が濁っており、底が若干見える程度。 桟橋周りの岩や根の周りをタイトに探っていくことが釣果をあげるコツ。干潮時にどこに岩が入っているかを確認しておこう。

根の周りを攻めるため、根掛かりが頻発する。仕掛けを多めに用意しておくと安心だ。 サオは2.4m程度がちょうどよい。

また多摩川のような大河川はハゼの密度が低く、アタリが出づらいことも。

このような場合にはアタリを待つか、もしくは誘いを掛ける時間を長くするとよい。混んでいるポイントだと移動がままならないので空いているポイントに入り、積極的に動いて魚がいる所を捜そう。

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桟橋のような障害物周りにはハゼが付きやすい

ハゼの持ち帰り方

最後に、公共交通機関での釣行が多いという坂本さんならではの、コンパクトで鮮度を保つハゼの持ち帰り方を紹介する。

坂本さん都内での釣行の場合、すべての道具を一つのバックパックに集約するのが基本スタイル。この術の核となるのが、「クリール(ビク)」「保冷バッグ」「木製のエサ箱」の活用である。

まず、釣りの最中に魚を保管するのが、渓流用の「クリール」だ。「クリール」とは釣った魚を入れておくビクで、これを肩から掛け、保冷剤代わりとなる冷凍ペットボトルを内部に入れておく。釣れたハゼは、その場で手返し良くクリールの中へ投入し、即座に氷締めにすることで鮮度を保つ。

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そして、ポイントを移動する際や帰り支度の際には、クリールの中のハゼをフリーザーバッグへ移し替え、バックパック内の「保冷バッグ」に収納する。この保冷バッグは、釣ったハゼだけでなく、イソメの鮮度保持や飲み物を低温に保つ役割も担う電車釣行の必需品といえる。

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エサの管理は、使用する分だけを「エサ箱」に移し、残りのイソメは鮮度維持のため保冷バッグで保管する。この際、エサ箱は断熱効果が高く内部の温度が上がりにくい木製を選ぶと、エサが長持ちするためオススメ。

※このページは『つり人 2020年10月号に掲載したものを情報更新・再編集しています。

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