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つり人編集部2026年10月22日

【北上川のシーバス】追波川と旧北上川を攻略。湾奥の名手が1匹にたどり着くまで

宮城県石巻市を流れる北上川は多くのシーバスアングラーで賑わう人気フィールド。シーバス激戦区である東京湾奥で蓄えた知識と経験を携えて、前田泰久さんが東北シーバスの総本山へ挑んだ。

著者:月刊つり人編集部

解説◎前田泰久 写真と文◎つり人編集部

東京都出身。東京湾奥をホームとするロコアングラーで、シーバス歴は25年超のベテラン。エクリプスプロスタッフ。

東北シーバスの総本山・北上川とはどんなフィールドか

宮城県石巻市を流れる北上川と旧北上川は、サクラマスでも有名だが、東北を代表するシーバスフィールドでもある。この川の魅力はなんといっても大型魚に出会えるポテンシャルの高さ。80cmクラスどころか90cmを超えるランカーが現実的なターゲットになりうるのが北上川水系の最大の特徴だ。

オカッパリとウエーディング、エリアごとに異なる釣りのスタイル

街中を流れる旧北上川は護岸からのオカッパリが主体。一方、北上川本流はアシ原が広がりウエーディングの釣りが中心となる。主力区間となる北上大堰から河口までの区間は、地元アングラーから追波(オッパ)と呼ばれている。

旧北上川の下流域は護岸されておりオカッパリで楽しめる。石巻かわみなと大橋の上流はガラ掛けといわれるローカル釣法で賑わっていた
旧北上川の下流域は護岸されておりオカッパリで楽しめる。石巻かわみなと大橋の上流はガラ掛けといわれるローカル釣法で賑わっていた

ほぼ初見の状態から始める手探りのポイント選び

「北上川は10年くらい前に案内してもらって釣りをしたことはあるんですが、細かい地形は変わっているだろうし、ほぼ初見の状態です」

そう話すのは東京湾奥シーバスのエキスパート、前田泰久さん。駐車スペースなどはなんとなくわかるものの、具体的な釣れるポイントや釣り方は分からないというほぼ手探りの状態でのスタートだ。

「地元アングラーからはボトム付近でシンペンを転がすとサイズがねらえると聞きましたが、そういう釣りは流すべきピンポイントが分からないとノーフィッシュのリスクが高い。せっかく宮城まで来たからには、一匹釣りたいので、魚の反応が得られるまではポイントも大きく変えながら広く手返しよく探っていこうと思います。反応があれば、そこから判断して大型ねらいにシフトしていけたらいいですね」

シーバスの反応がすぐに出ればいいが、なかなかそううまくは行かない。限られた時間の中で、普段のようすを知らないポイントの見切りをつけるのは難しいものだ。反応がなければベイトの有無と流れの強さで前田さんは判断するようにしているという。

ロッドはコストパフォーマンスの高いアクシアトラックシーバス88MLLと99MMLの2本を用意。飛距離の出しやすい99MMLをメインとして、オカッパリの小場所打ちでは操作性のよい88MLLも使用した。リールは4000番、ラインはPE1号、リーダーはフロロカーボン25ポンド
ロッドはコストパフォーマンスの高いアクシアトラックシーバス88MLLと99MMLの2本を用意。飛距離の出しやすい99MMLをメインとして、オカッパリの小場所打ちでは操作性のよい88MLLも使用した。リールは4000番、ラインはPE1号、リーダーはフロロカーボン25ポンド

バイブレーションの使い分けで根掛かりを回避する日中の釣り

グーグルマップの航空写真をもとに入りやすいポイントを見つけて前日に何ヵ所か回ったものの、どこもシーバスの反応はなく、ベイトが特別多い場所も見つけられなかった。

決め手不足のまま朝マヅメに向かったのは追波エリア中流域にある福地閘門の対岸側。背丈以上に高いアシ原の中を抜けて川辺に立ち込むアシ際にはチラホラとハクの群れが見えた。まずはペンシルベイトを投げてようすを見るが反応はなく、デイゲームの定番であるバイブレーションへ変更。移動しながら手早く探っていく。勾配が小さい北上川は流速こそ遅いものの流れの重みはしっかりと感じられると前田さん。

追波地区の中流域はアシ原が広がるシャロー帯をねらう釣りが主体。この日見えたベイトはハクやハゼ、テナガエビ
追波地区の中流域はアシ原が広がるシャロー帯をねらう釣りが主体。この日見えたベイトはハクやハゼ、テナガエビ

状況把握と地形変化を探るためのウエイト別ルアーセレクト

「日中の釣りで状況把握や地形の変化を探るにはバイブレーションがやっぱり効率的ですね。根掛かりしないように水深や流速に応じて使い分けるので、ウエイトのバリエーションは必須です。今日はスライトエッジ90(18g)、パワースライト85(22g)、パワースライト85ハイビート(19g)の3種類(いずれもエクリプス)を主に使い分けながら探っていきたいと思います」

デイ用ルアーセレクト 右上から下にかけて、アストレイア99F-SSR、パワースライト85ハイビート、パワースライト85、スライトエッジ90、ジンペン105、ラビット109、シリテンバイブ53、ニコバイブ10g、ニコバイブ15g
デイ用ルアーセレクト 右上から下にかけて、アストレイア99F-SSR、パワースライト85ハイビート、パワースライト85、スライトエッジ90、ジンペン105、ラビット109、シリテンバイブ53、ニコバイブ10g、ニコバイブ15g

好条件に見えるシャロー帯で反応がない理由を考える

早巻きやリフト&フォールで300mほど釣り歩いた前田さんは首をかしげた。流れは単調だが利いており、ハクがいる朝マヅメのシャロー帯という、いかにもシーバスが入ってきていそうなポイントだが一向に反応がないからだ。

ここで気になったのが、シジミ漁船が行き来していること。シジミ漁は底を掻いて行なわれているだろうから、泥が巻き上げられるなどしてシーバスも捕食しないのかもしれない。シジミ漁船が減ったころから対岸にアングラーが並び始めたことからもそう考えられた。

上)期待していた朝マヅメは無反応。名産のシジミ漁が関係している可能性がありそうだ
期待していた朝マヅメは無反応。名産のシジミ漁が関係している可能性がありそうだ

流れの変化による一瞬の時合を捉えた一匹

下げ止まり直前のタイミングには対岸アングラーの1人がシーバスを掛けていたが、前田さんにはアタリなし。このポイントで一番期待していた機場からの放水もなく、潮も止まってしまったため移動しようとしていた矢先、突然放水が始まった。流量も豊富で、今までのっぺりとしていた流れに変化ができた。

これをチャンスと捉えた前田さんは、シーバスが流れに寄ってくるまで少し間をおいた。そして流れ込みを横切らせるようにパワースライト85ハイビートをリトリーブすると、一発でヒット! 取り込んだのは60cm弱のナイスサイズだった。

右)突如始まった放水。前田さんはすぐに投げずに周囲のシーバスが集まってくる時間をとっていた
突如始まった放水。前田さんはすぐに投げずに周囲のシーバスが集まってくる時間をとっていた

放水口の直下でエサを待つ個体をねらうイメージ

「周りは着水後すぐ巻き出さないと底に擦るような深さだったんですが、この流れ込み付近だけは掘れていて足もとからしっかり水深がありました。ミノーだと流れの下に入る前に流されてしまうくらい速い流れでもあったのでバイブレーションのまま、放水口の直下でエサが流れてくるのを待っている個体をねらうイメージです。ポイント探しから始めてたどり着いたうれしい一匹でした」

後から地元アングラーに放水について聞いたところ、時間は決まっていないらしく、奇跡的なタイミングだったようだ。

千載一遇のチャンスを見事モノにして喜ぶ前田さん。ヒットルアーはパワースライト85ハイビート
千載一遇のチャンスを見事モノにして喜ぶ前田さん。ヒットルアーはパワースライト85ハイビート

河口部など北上川の定番ポイントもチェック

上げ始めは定番ポイントである河口部でサオをだすことに。河口部は広大だが、流れが絞れているところ、広がっているところなど地形変化が防潮堤から見下ろすとよくわかる。アングラーたちの立ち位置は2ヵ所に集中しており、流れが絞れているところがこの日は人気のようだった。

北上川河口では流れが絞れるポイントにアングラーが集まっていた
北上川河口では流れが絞れるポイントにアングラーが集まっていた

波動の大きいルアーへの交換で上げ潮のシーバスを攻略

前田さんは、一度は流れが広がった場所で投げたが、想像以上に遠浅のため、流れが絞れるポイントへすぐに移動。スライトエッジ90を投げるとワンバイトあったが続かない。次第に風が吹き始めたこともあり鉄板系のニコバイブ15g(ハルシオンシステム)に交換すると、すぐに丸々としたシーバスを掛けた。

「スライトエッジは微細動系のおとなしい動きなので、波動の大きいニコバイブにしたら一撃でしたね。海から上げ潮に乗って入ってくるフレッシュなシーバスならアピールが強いほうが勝負は早いだろうという読みがうまくハマってくれました」

18gあるスライトエッジ90では漂う海藻を結構拾っていたが、15gのニコバイブのほうがレンジは浅いため、海藻を拾わずにルアーを見せ続けられていたこともヒット理由のひとつかもしれない。

北上川河口はシーバスねらいの定番ポイント。前田さんにヒットしたのは見るからに海から入りたての丸々した良型。15gのニコバイブで底を擦らないようにリトリーブしてヒットさせた
北上川河口はシーバスねらいの定番ポイント。前田さんにヒットしたのは見るからに海から入りたての丸々した良型。15gのニコバイブで底を擦らないようにリトリーブしてヒットさせた

夜の旧北上川と翌朝の釣行を終えての手応え

夜の部は旧北上川へ移動。石井閘門周りでは流れにヨレができており時折小さなボイルが見られたのでバロール65(エクリプス)でねらったが、セイゴのショートバイトのみだった。翌朝は旧北上川橋梁や石巻かわみなと大橋周辺を探るも、濁りがひどいせいかバイトは一度もなく納竿となった。

「今回はシーバスの反応が極端に少なく、期待値の高いポイントを見つけられたわけでもないので、掴みどころがないまま攻めきれませんでした。北上川はウエーディングもオカッパリもできて探りがいのあるフィールドだと思います。ランカーをねらいにまた訪れたいですね」

ナイト用ルアーセレクト 右上から下にかけて、バロール130、ドリフトペンシル90、バロール65、バボラ130、TKLM、バロール90
ナイト用ルアーセレクト 右上から下にかけて、バロール130、ドリフトペンシル90、バロール65、バボラ130、TKLM、バロール90

※このページは『つり人 2026年9月号』に掲載した記事を再編集したものです。

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