秋に必釣!落ちアユパターンの超基本
秋に必釣!落ちアユパターンの超基本
この記事は『SEABASS Life No.14』に掲載したものを再編集しています
目次
解説◎浅川和治
シーバスやサクラマス、そしてトラウトの釣りを得意
とする。モーリスフィールドテスター、ジップベイツプロスタッフ
『落ちアユパターン』とは?
秋を代表するベイトパターンのひとつとして知られるのが落ちアユ。各種のベイトが入り乱れる秋ではあるが、アユの遡上する河川ならば、産卵後のアユを捕食する「落ちアユパターン」でエキサイティングな釣りを楽しめる。
浅川さん「アユという魚は年魚。つまり、一年で産卵を終えて世代を継いでいく魚です。その産卵後の体力の弱ったアユが瀕死の状態で流下していく。この状態をシーバスファンの間で『落ちアユ』と呼ぶわけです」
アユは人間が食べても美味しい魚ゆえに、捕食が簡単な落ちアユは、さまざまなフィッシュイーターのターゲットとなる。鳥ではカワウやサギ類、そしてミサゴがねらい、魚ではナマズやシーバスの栄養素となる。まさに大人気のベイトフィッシュだ。
婚姻色が出ると派手な色になる
中洲に数多くのサギがいる時は、付近にアユの群れがいる目安となる
ハイシーズンはいつ?
10月~晩秋までがハイシーズン
パターンの成立には、アユが産卵を終えて流下し始める必要がある。これは、いったいいつ起こるのか。
浅川さん「地域によって異なりますが関東地方だと10月前後からが多いです。全国だと早いところでは9月の終盤から始まり、11月下旬ごろまでが一般的だと思います。ただ、温暖化の影響か、水温の低下が後ろにズレる傾向があり、アユの産卵が晩秋から初冬にかけてというケースも出てきています。実体験として高知県の河川では12月の終わりに、他の釣り方では釣れず、落ちアユパターンだけが成立したこともありました。基本的にピークは10月後半~ 11月いっぱいくらいだと思います」
パターンが成立する河川はどんなところ?
アユがいて、しかもシーバスが存在できる水域
アユが生息する川のどこで落ちアユパターンの釣りが成立するのか。
浅川さん「最も重要なのは、シーバスの遡上能力です。いくら、その場所でアユが産卵して流下していても、そこにシーバスがいなければ落ちアユパターンは成立しません。シーバスの遡上の一番の障害となるのは堰堤です。上流まで遡上したアユも、中流~下流まで川を下ってから産卵しています。その産卵を終えたアユが流下する場所に堰堤がないほうがチャンスは大きいですね」
シーバスの遡上を妨げる堰堤がどこにあるか? 産卵場所がどこにあるか? そして釣りをしやすいロケーションであるか? そこからベストな場所を読み解くのがキモになる。
川が蛇行し、深場と浅場がしっかりあるような川が落ちアユパターンに適している。流下するアユを捕食しやすいことが条件だ
釣りやすいのは朝?夜?
夜。アユの産卵は基本的に夕方~日没後
浅川さん「アユの産卵は、ほぼ夕方から夜半にかけてです。シーバス自体は、産卵が始まる前からアユの群れを意識していると思います。そして産卵後だけでなく、産卵準備のアユをねらったシーバスもいるはずですよね。ただ、産卵後の落ちアユは上流に遡る体力は残っておらず、ピクピクと生体反応を残しながら流下していく。捕食しやすのは、こうした落ちアユが集りやすい場所と時間帯。となると釣りやすいのはナイトゲームですよね」
また夜明け後など、明るい時間帯にも落ちアユの流下はあるだろうが、日が出るとカワウやサギなど鳥類のエサにもなってしまう。夜間はシーバスが落ちアユを捕食しやすい時間帯なのだ。
潮が大きく動く満月まわりはアユも含め、多くの生きものの集中産卵が起きやすい。当然、チャンスになる
次のページでは食わせのテクニックについて紹介します
- 1
- 2