小規模河川なのに、3.2mのロングロッド。PE0.4号という細イト。一見ミスマッチに思えるタックルには、アユルアーで釣果を伸ばすための明確な理由があった。尺アユがねらえる富山県・小矢部川で、DUOスタッフが実践するダウンストリームの釣り方と操作術を解説する。

写真と文◎月刊つり人編集部
1946年創刊の雑誌「月刊つり人」を始め、数々の釣りに関するコンテンツを作成してきたつり人社の編集部。
目次
- 尺アユがねらえるアユルアー河川・小矢部川
- 友釣りでも尺アユが出る富山県の単独河川
- 解禁前の試し釣りで20cmに迫る個体を確認
- 細イトと長尺ロッドで組み立てるアユルアータックル
- 3.2mのロングロッド翠流10.6を小規模河川で使う利点
- PE0.4号でも切られない理由と細イトのメリット
- 最初の一投で18cmクラスの良型をキャッチ
- 底流れに噛ませて、時折ふらつかせるだけの流鮎操作術
- 流鮎110Fを底流れに入れて状態をキープする
- 一点で留め続けず、あらゆる角度から送り込む
- 黄色いリップとロングロッドで平瀬を釣り下る
- 積極的な移動がベターだと実感したラン&ガン
- ルアーに反応するアユはひと握り。先行者の後は厳しい
- 3時間で10尾。解禁後の大アユねらいにも期待
尺アユがねらえるアユルアー河川・小矢部川
アジングからシーバス、オフショアなどあらゆるジャンルのルアーフィッシングを楽しんでいるDUOスタッフの萩原徹さんが、夏になると夢中になってしまう釣りがアユルアーである。
「真夏の日中に涼しく楽しめる釣りは他にないですからね。特に気に入っている川が小矢部川。去年は4~5回は行けたかな。釣れるアユが本当に大きい。僕は最大で28cmまでしか釣ったことがないけど、今年こそ尺を釣りたい。その夢が一番叶う可能性がある川がこの川だと思います」
富山県の単独河川である小矢部川は大きいアユが釣れる川として知られ、友釣りでは解禁初期から中ハリスに1号を使うのが普通という人もいる。シーズン後半には当然のように尺アユも出る川なのだ。大アユを求めて訪れるアユルアーファンも年々増えてきている。
細イトと長尺ロッドで組み立てるアユルアータックル
小矢部川のアユルアー可能区間は小矢部大堰より上流および支流の旅川、山田川、大井川、明神川。萩原さんは福光地区の中心地から少し下った小矢部川本流でサオをだすことにした。
3.2mのロングロッド翠流10.6を小規模河川で使う利点
萩原さんが使用するロッドは翠流10.6(DUO)。3.2mという長さで中~大規模河川で広範囲を探るのに適したロングロッドだが、小矢部川のような小規模河川でもそのリーチを生かせばポイントに近付きすぎずにねらいのポイントをじっくりと探ることができる。ラインはPE0・4号にリーダーはフロロカーボンの6ポンドを1ヒロ半ほど。
「こんなに細くて切られませんか? とよく聞かれるんですが、アユで切られたことはないですね。アユルアーはドラグを使えますから。ニゴイや大型ニジマスが掛かったら慎重にやり取りしないと切れてしまいますが」
と萩原さんは断言する。アユルアーに関しては、ラインは細ければ細いほど水を切りやすくルアーを細かく操作できるようになるため、メリットが大きいと考えている。
ロングロッドを活かす、ダウンストリームで探る釣り
最初にねらうポイントはチャラ瀬がすぼまってトロ場に流れ込む流れのど真ん中。流鮎110F(DUO)を通していくとその流れの脇でキラッと光った。萩原さんは打ち直さずに、アユがヒラを打った位置までルアーを泳がせていくとすぐにケラれた。ハリ先を確認してから再び同じ位置で留めるようにルアーを泳がせると今度はヒット。小気味よい引きを楽しみながら水面まで浮かし、一気に引き抜く。ネットに収まったのは18cmクラスの良型だ。幸先のよいスタートに萩原さんも自然と笑みがこぼれた。
底流れに噛ませて、時折ふらつかせるだけの流鮎操作術
まだまだいるだろうと同じポイントを探るが、反応はない。あまり1ヵ所に固執せず、反応のいい魚を拾っていくことにした。
この日は流鮎110Fを一日通して使用。巻かずとも流れを受けるだけで水を噛んでよく泳いでくれるミノーだ。とはいえ決してサオ先がブルブルと震えるほど泳がすわけではない。表層の流れよりも緩い底の流れにルアーを入れ込めたらあとはその状態をキープすればOK。テンションがフッと軽くなればルアーが底流れに入った証だ。あとは複雑な底流れによってルアーが受ける抵抗が変化して時折ふらっとヒラを打つように動くことでアユを自動的に挑発してくれる。これが流鮎の基本操作だ。
一点で留め続けず、あらゆる角度から送り込む
「ここで重要なのが、一点でずっと留め続けているのはNGということ。ロッドを動かしてねらいのポイントへ前後左右あらゆる角度から送り込んでみてほしいです。特にルアーを持ち上げる動きで掛かることがよくありますよ」
この釣り方はルアーを目視できたほうが操作精度を高められる。流鮎のリップは黄色のため、アングラーがルアーの位置を把握しやすいので使い勝手がよい。また、ダウンで丁寧に探るこの釣りは、ラインを伸ばしてもサオ2本分程度という近距離戦。それ以上ラインを出すと精度が落ちてしまう。ゆえに広範囲を効率よく探るためにはロングロッドが欠かせない。
「平瀬を釣り下るならリールを巻く動作もほとんどいらないです。ねらいのポイントを探ったら、そのまま2歩下りながらゼロテンションにしてルアーを下流に流すだけで次のポイントを探れますからね。でも動かずに左右に動かせる距離は、ロッドの長さで決まります」
積極的な移動で追い気のあるアユを拾う
次のポイントに向かうと流れの中を鋭い閃光が走っている。すかさず流鮎を泳がせるとすぐにヒット。一尾釣った後でもギラギラと光っており、同じ場所へ入れると良型が際限なく掛かってくる。
アユルアーに反応するアユはどのくらいいるのだろうか。たとえば1ヵ所にたくさんのアユがいたとしても、反応してくるのはほんのひと握りだろうと萩原さんは予想する。そしてそのひと握りのアユたちは当然友釣りのオトリにも反応するアユのはずだ。普段アユルアーでなかなか釣れないという人は、アユルアー、友釣り問わず先行者によって追いのよいアユが抜かれた後を一生懸命釣っているだけかもしれない。
この日同行していた友釣りフリークのDUO代表・安達政弘さんが釣った後を萩原さんが探るも……「アタリが一切ありません。焼野原です(笑)」とのこと。積極的なラン&ガンで追い気のあるアユに遭遇することがアユルアーで釣果を伸ばす近道と言えるだろう。
※このページは『つり人 2026年8月号』に掲載した記事を再編集したものです。



