水と魚に、もっと近づきたい。風と水を感じながらペダルを踏むと、船体が軽やかに水面を滑る―。ガソリンにも電気にも依らず、エンジンは自分自身。でも、だからこそ出会える魚がいる。HELLY HANSEN ANGLERが提案する、カヤックフィッシングの世界を覗いてみよう。

文と写真◎Basser編集部
取材協力=HOBIE、山中湖みさき
1986年に日本初のバスフィッシング専門誌として創刊された『Basser』の編集部。バスフィッシングのテクニックだけでなく、日本や本場アメリカのトーナメントシーン、ムーブメントを伝え続けてきた。
目次
- 湖へ漕ぎ出そう バスフィッシングの多様性を楽しむ新しいスタイル
- HELLY HANSEN ANGLERが掲げる「水とともに」という理念
- 「シットオン×フットペダル」タイプがバスフィッシングの最適解か!?
- 乗り降りしやすいシットオンと、両手が空く足こぎペダルのメリット
- スロープもトレーラーも不要、日本の小規模フィールドと好相性
- 今後はHHAとカヤックメーカーがタッグを組んだイベントも
- 各々が感じた魅力 HHAチームが語るカヤックフィッシングの実力
- 移動も小回りも快適なフットペダルの推進力
- レンタルボート以上に感じた足こぎカヤックの安定感
- 「カヤックでしか釣れない魚」がいる理由
- マニュアルな部分も含めて楽しむ乗り物
- オカッパリやボートでは養えない感性が目覚める
湖へ漕ぎ出そう!バスフィッシングの多様性を楽しむ新しいスタイル
バスフィッシングの最大の魅力は、その多様性にあると思う。
時期、フィールドを問わず、これだけいろいろなルアーに応えてくれる魚をほかに知らない。
そのスタイルも様々。地に足付けたオカッパリもいいし、時速100kmを超えるバスボートで広大な水域を駆けるのも最高に楽しい。
HELLY HANSEN ANGLERが掲げる「水とともに」という理念
そんなバスフィッシングを〝カヤック〞で味わってほしい。声を上げたのが「ヘリーハンセン・アングラー」(以下HHA)だ。バスフィッシングに特化したレインウエアなどで近年支持を集めるブランドは、スタイルの提案も積極的に行なっている。「BE WITH WATER(水とともに)」を理念として掲げる同社だけに、「この最高の趣味を、もっと水に近い位置で、水との一体感を感じながら楽しんでほしい」という強い思いがある。
記者は、HHAチーム全体がカヤックスタイルをより深く理解するために行なわれた、山中湖でのミーティングに同行した。
「シットオン×フットペダル」タイプがバスフィッシングの最適解か!?
今回使用したカヤックは、アメリカの老舗メーカー「HOBIE」製のもの。シットオンカヤックにペダルが付属した足こぎタイプだ。
乗り降りしやすいシットオンと、両手が空く足こぎペダルのメリット
下半身をすっぽりとカヤックのなかに入れる「シットイン」に比べて乗り降りが容易で、万が一転覆した際も溺れるリスクが少ないのが魅力だ。フラットなデッキスペースが確保されているため積載性も高く、モデルによっては立つことも可能。さらに、足こぎのペダル(Mirage Drive)という強力な推進力を備えているため、パドリングよりも長距離の移動ができ、何より両手が空くために移動しながら釣りができる。このペダルはペンギンが泳ぐ際の羽の動きを参考にしており、エンジンやエレキのプロペラと比べて水生植物へのダメージが少なくなり自然と調和した釣りができる。
記者も実際に乗って釣りをしてみたが、スピード、小回り、釣りのしやすさなどは想像以上だった。
スロープもトレーラーも不要、日本の小規模フィールドと好相性
荒れることが少ない日本の小規模フィールドにはピッタリだし、揚げ降ろしのためのスロープもけん引のトレーラーも必要ない。水辺の近くまで車でアクセスできれば、マイボードの持ち込みが可能なあらゆるフィールドで釣りを楽しむことができる。
モデルによるが、レンタルボートスタイルに比べれば準備も片付けもそこまで大変なものではないし、収納場所に困るならインフレータブル(空気で膨らませるタイプ)を選べばいい。
今後はHHAとカヤックメーカーがタッグを組んだイベントも
国内ではまだカヤックフィッシングにまつわる情報が少なく、体験する機会もなかなかなかったが、今後はHHAがHOBIEなどカヤックメーカーとタッグを組んでイベントを企画予定。乗れば必ず欲しくなること請け合いだ。
各々が感じた魅力 HHAチームが語るカヤックフィッシングの実力
本日、皆さんでカヤックに乗り湖に浮いたわけですが、率直に感じた魅力を教えてください。
寺崎 ボートより水に近い目線で、フィールドとの一体感がありました。何より、やっぱりガソリンや電気に頼らずに自分の力で動くというのが気持ちよかったです。ボートよりも浅いところにガンガン入っていけるのもメリットですね。
フットペダルは湖上でもワンタッチで取り外せたので、パドルに切り替えれば水深30cmでもイケちゃいますね。
小池 移動や小回りも快適で驚きました。今回使用したHOBIEのカヤックは手もとのコントローラーで進行方向の調整もできて、直進とバックの切り替えも簡単。フットペダルの推進力もすごくて、かなり遠くまで行けちゃうなと。
脚の筋力は腕の3倍と言われてますからね。皆さんのカヤックは撮影用のエレキ艇(54Lb)の最高速よりも明らかに速くて追いつけませんでした(苦笑)
粂 僕はカヤックの上で立ったり座ったりが楽にできるのが嬉しかったですね。
それは粂さんがプロサーファーで、不安定な板の上に乗る達人だからでは?
粂 いやいや(笑)。とくに平底タイプは、正直言って12ftのレンタルボートより安定感を感じましたよ。
「カヤックでしか釣れない魚」がいる理由
吉田 俺は自分でもカヤックを持ってるから、純粋に「カヤックって釣れるの? 釣れないの?」って観点から話そうか。
まさにそれが聞きたかったです。
吉田 釣れるね。と言うより、「カヤックでしか釣れない魚」がいる。機動力はボートが一番だけど、「そこにいる魚」を釣るなら圧倒的にカヤック。これはカヤックで釣りをしてると如実に感じるんだけど、シャローに見えてるバスが近づいても全然逃げないんだよね。ときには、ロッド1本分の距離まで近づいて、クラッチを切ってルアーを落として釣れちゃったりする。それだけボート&エレキとは魚に与えてるプレッシャーが違うんだよね。%20(2).jpg?width=1200&height=675&name=opt-content-DSC_8051%20(%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%82%BA%202)%20(2).jpg)
メリットは多いと。
吉田 いや、釣果や効率だけを考えたらストレスになることももちろんあるよ。風に対してボートポジションや角度を維持しにくいとか、長距離を移動しようとするとやっぱり疲れるとか。でも、むしろそのマニュアルな部分も含めて楽しむ乗り物でしょ。
たしかに、合理性を求めて選ぶものではないですね。日本のフィールドとは相性がよさそうでしょうか。
吉田 そうだね。カヤックのメリットが生きるフィールドが日本は多いはず。
あとは、カヤックでないと気づけないこともあって。たとえば、ルアーにカヤックが引っ張られるくらい引き抵抗を感じたり、湖流もダイレクトに感じるね。座っているからこそ聞こえる音もあるから、オカッパリやボートでは養えない感性が目覚めるというか、大げさじゃなく、これまで知らなかったバスフィッシングの扉が開くと思う。だから、最近ちょっとマンネリを感じている人や、違った楽しみ方を探してる人はぜひカヤックで水に浮いてほしいね。

-Jun-27-2025-08-31-27-6526-AM.jpg)
.jpg)