<img height="1" width="1" style="display:none" src="https://www.facebook.com/tr?id=170559842213036&amp;ev=PageView&amp;noscript=1">
Basser編集部2026年10月10日

【多毛系ワームの使い方】スピナベを追わないバスに効く「パワーフラッフィー」活用法

もはや霞ヶ浦水系で欠かせないルアージャンルとなっている多毛系エラストマーワーム。どんなバスをどういうシチュエーションでねらうのか、あらためて今泉拓哉さんにやさしく解説してもらった。明日から使える強力な手札がひとつ増えますように。

著者:今泉拓哉

解説◎今泉拓哉 文と写真◎Basser編集部

1997年生まれ。東京都出身、在住。エンジン・プロスタッフ。(株)ツネミに勤務しながらJBTOP50に参戦中。2025年度は第5戦霞ヶ浦戦にて初優勝。勢いそのままに河口湖での全日本バスプロ選手権、津風呂湖のジャパンスーパーバスクラシックでも勝ち、メジャー大会3連勝を果たした。今回取り上げるパワーフラッフィーは羽生和人さんと共に監修。

多毛系ワームを使うのは「巻きモノが効きそうなタイミング」

「パワーフラッフィーは釣れる」。今、霞ヶ浦水系を中心にまことしやかにそう囁かれている。MLF霞ヶ浦シリーズの第2戦では優勝したコ・アングラーが、第3戦では3位に入賞した小野将大さんも使用していた。

リザーバーなどに比べ、釣れ筋のルアーがある程度絞られがちな霞ヶ浦水系。そんな折「多毛系」は突如現われ、いまや欠かせないジャンルとなった。今回はその活用法をイチからおさらいし、確実に手駒にしたい。

まず、ずばり「多毛系」はどんなタイミングで使うのだろうか。

今泉「朝夕の涼しいフィーディングの時間や、ローライト、風の吹いたとき、流れの出たタイミング……。簡単に言うと、巻きモノが効きそうなタイミングです。でも、そんなときにスピナーベイトを投げて良い思いをすることって、少なくなってませんか?」

――おっしゃる通りです……。

今泉「そういうスピナベを追い切らない現代のバスを、アピール力を保ったままスローに、横の動きで誘えるのが多毛系ワームです。だから、あくまで釣れるのはエサを食っている個体が多い。釣れたらデカいのもこのルアーの特徴です」

フィネスがジャブなら、多毛系は右ストレート

――フィネスなワームの釣りがボクシングでいうところのジャブなら、多毛系は右ストレート?

今泉「たとえがそれでいいのかわかりませんが(笑)。でも、そういう大振りな釣りのなかではよく釣れる方だと思います。1日10本釣れるようなことは少ないですが、5本釣れて全部キロアップのキッカーだったり。ゼロかイチかのビッグベイトみたいなものではないです」

――ハイアピールでゆっくりな横方向のルアーでいうと、ジグストとも近い気がしますが。

今泉「ジグストよりもスローです。これは最近の霞ヶ浦水系の特徴なんですが、ストライクゾーンがとにかく狭いんですよ。バスがルアーを追ってくるのはアシ際とか杭から、だいたい1~2mまで。その区間をなるべくゆっくりと誘いたいので、よりスローであるのはメリットだと思っています」

バスを手にする今泉拓哉さん
パワーフラッフィーで手にした霞ヶ浦水系のバス

霞ヶ浦水系のトレンドは「中層の時代」へ

そもそも、この多毛系の釣りはどのように発見され、霞ヶ浦水系でどう広まっていったのだろうか?

今泉「それを知るにはまず、ざっくりと霞ヶ浦水系のここ10年を3つの時代に分けて考えてみる必要があります。まずはバスの個体数が多かった時代。このときはルアーをボトムまで落としてからアクションさせるのが常識でした。今でももっともベーシックなワームの釣りですよね。でもそれでは食わなくなってきた。

それを打開するために次は『表層で騙す時代』がやってきました。2019~2023ごろですかね。野良ネズミのブレイク年です。しかし次第にそれもパワーダウンしていって、今到来しているのが『中層の時代』だと思っています」

サマーパターンの定番、矢板。中層に浮くバスを釣るのに、これまではダウンショットやノーシンカーが定番だった。沈むのがゆっくりな多毛系エラストマーワームの登場でレンジキープがより容易に
サマーパターンの定番、矢板。中層に浮くバスを釣るのに、これまではダウンショットやノーシンカーが定番だった。沈むのがゆっくりな多毛系エラストマーワームの登場でレンジキープがより容易に

「ボトムにつかない」のが最近のバスのお気に入り

――近年は川村光大郎さんのジグストなどで一気にマッディシャローの「中層」が注目を浴びましたね。

今泉「そうですね。僕の身内では『1m未満の中層』と呼んでいるのですが、ルアーが『ボトムにつかない』のが最近のバスのお気に入りではないだろうかと。かなり前から小森嗣彦さんがモコリークローのスイミングなどで釣っていたのはその先駆けだったと思います。そこへ多毛系ルアーが登場し、そのレンジが一気に攻めやすくなったという流れです」

――誰がはじめに「多毛系」に目をつけたのでしょうか?

今泉「当時から同時多発的に、何人かの人が気付いていましたね。ライブソナーを使っていると、矢板やドックの中層みたいな変なところに魚が浮いてて、それを釣るために僕はコイケを使ったりしてました。多毛系の元祖です。あとになってみんなも同じことをしていたことがわかったんですけど。トーナメントでみんなが使うようになって一気に広がった感じです」

――面白いですね。リザーバーから多毛系の釣りが輸入されたわけではなく、昨今の霞ヶ浦水系のニーズが多毛系の釣りを生んだのですね。

今泉「藤田夏輝さんがMLFの試合中キングジミーヘンジで釣ったことも『多毛系』ブレイクのキッカケになりました。キングジミーヘンジはマテリアルが柔らかく、エビ食いバスの弱いアタックにも対応したことが大きかったですね」

夏は杭、ドックの壁、鉄板、真珠棚など深さ50cm~1mの縦ストがキー。写真のような1.5m程度の真珠棚なら40~50cmのレンジを通すイメージ。レンジキープしにくい場合はウエイトを7gに変更しよう
夏は杭、ドックの壁、鉄板、真珠棚など深さ50cm~1mの縦ストがキー。写真のような1.5m程度の真珠棚なら40~50cmのレンジを通すイメージ。レンジキープしにくい場合はウエイトを7gに変更しよう

パワーフラッフィーはボリュームとパワーで訴える

――どうして今、数ある多毛系ワームの中で「パワーフラッフィーが釣れる」と評判なのでしょうか?

今泉「ボリュームとパワーですかね。雨や濁りでもう少しパワーが欲しいときや、リザーバーで深いところからバスを呼びたいときにバスへ訴える力があります。状況に合わせてボディをカットし段階的にボリュームを落とせるのも良いですね。羽生(和人)と2人で、ボリュームや水押し、フォール中のアクション、とくにマテリアル(硬度)にこだわって作りました」

パワーフラッフィーはカットしてボリューム調節可。右からオリジナルサイズ、3節分カットver、その切れ端
パワーフラッフィーはカットしてボリューム調節可。右からオリジナルサイズ、3節分カットver、その切れ端

パワーフラッフィーのセッティング

それでは実践編。

まずはパッケージから出したパワーフラッフィーをカットしてボリュームを調整しよう。ボディの節に沿ってハサミでカットすればよいので簡単。今泉さん的に通常時の霞ヶ浦水系では2or3節分カットするのがちょうどよいという。

推奨のリグはフットボールヘッド5gに、ナイロンガード付きマスバリの組み合わせ。真っ直ぐ縫い刺しし、バーサタイルキーパーでワームがズレないよう固定。これがレンジキープしやすく、フッキングもよい。

ロッドはキンキンのファストテーパーでなければOK。レギュラーテーパーで振りやすい長さのM~MH程度のものを選ぼう。チャターやバズベイトなどと同じロッドでできるので便利だ。

ラインはリザーバーで12Lb、霞ヶ浦水系だと14Lbのフロロが推奨だという。

フットボールヘッドに縫い刺ししたパワーフラッフィー
パワーフラッフィー(エンジン)。推奨は縫い刺し。レンジキープしやすくフッキングも決まりやすい。フックにバーサタイルキーパーを装着してズレを防いでいる
シンカー:フットボールヘッドG2 5g/フック:レギュラーガードタリズマン#3/0(フック・シンカーともにリューギ)
チョン掛けしたパワーフラッフィー
何匹か釣って縫い刺しできなくなってきたら、チョン掛けでも使える。フッキング率は多少落ちるものの、上下に頭を振る力は強まるため、よりアピールさせたいときにも

タックル

今泉拓哉さんのタックル(ベイトロッド2本とリール)

[激浅シャロー用]
・ロッド:スペルバウンドコアハイクラス65Mマルチアタック
・リール:STEEZ CT SV TW/ギア比8.1(ダイワ)
・ライン:ソラローム エクスレッド14Lb
・シンカー:バウヘッド3.5g(ザップ)

[通常用]
・ロッド:スペルバウンドコアハイクラス65MH-STデクステリティ
・リール:STEEZ SV TW SLPセミオーダーカスタム/ギア比8.5(SLP WORKS)
・ライン:ソラローム エクスレッド14Lb
・シンカー:フットボールヘッドG2 5g(リューギ)

※ロッドはエンジン、ラインは東レ・モノフィラメント

バスの口に掛かったパワーフラッフィー
どシャローを攻める際はシンカーを3.5gに変更。フックはナイロンガードだが、ワームの毛がある程度ガードの役割も果たしてくれるので少々込み入ったカバーにも投げられる

アクションはアバウトに

今泉「パワーのあるルアーなので、多少アクションがアバウトでも問題なく食ってきます。まず足元で泳がせて、パワーフラッフィーが上下に頭を振る(ヘドバンする)感覚を掴んでください。あとはルアーが見えないくらいのレンジをヘコヘコとアクションして引いてくるだけ。自分に心地の良いリズムでやってみてください」

――(ヘコヘコヘコ……)あれ。案外難しいな。

今泉「『スト』を意識しすぎないように! 引っ張りすぎてルアーが目に見えるレンジに来てしまいます。ラインを弾く感覚でやってみてください」

――(パシパシパシ……)あ、うまくいきました!

今泉「その調子です! カスミで『スト』と『中層』を意識すると難しいので、まずは『ルアーが見えなくなるレンジ』、それから『ボトムを切る(底に着かない)』を意識してみてください」

足元でアクションさせたパワーフラッフィー(4コマ)
まずは足元でアクションさせてみよう。パワーフラッフィーの頭を上下させるのに、そこまでロッド入力は強くなくてもよいことがわかるはずだ
ロッドワークはあくまでアバウト。リズムも高さも、心地よいやり方で。ただし「ルアーが見えなくなるレンジ」、それから「ボトムを切る(底に着かない)」ことは意識しよう。コツはラインをパシパシと弾く要領
ロッドワークはあくまでアバウト。リズムも高さも、心地よいやり方で。ただし「ルアーが見えなくなるレンジ」、それから「ボトムを切る(底に着かない)」ことは意識しよう。コツはラインをパシパシと弾く要領

ほどよく「中途半端」なことで、カバーの魚を引きずり出す

出船してすぐのストレッチを流す今泉さん。連日の暑さがとれた初日で、朝はボイルも起きいかにも釣れそう。

ルアーパワーが強いため、ざっくり撃てばよいからテンポが早い。岸ベタにキャストし、1~3mくらいヘコヘコさせて回収する。

今泉「この釣りの良いところは、ほどよく『中途半端』なんです。最近のカスミはプレッシャーで魚が沖に出ている傾向にあるのですが、そういう魚も拾える。一方、パワーがあるからカバーに入っている魚もおびき出せる。

この『カバーから出てきて食わせる』というのが大事なんです。カバーにいる魚をテキサスで直撃しても最近はあまり食ってくれません。向こうから追わせることが重要です」

キャストがビタビタに決まると、イイ感じに「吊るし」状態が発生するが、定点でシェイクしたりはせず、泳がせながら抜く。あくまでこのルアーは「強い横の動き」で、バスに追わせて食わせるイメージだからだ。バスとの距離、今泉さんのいうところの「騙ししろ」を縮める必要はない
キャストがビタビタに決まると、イイ感じに「吊るし」状態が発生するが、定点でシェイクしたりはせず、泳がせながら抜く。あくまでこのルアーは「強い横の動き」で、バスに追わせて食わせるイメージだからだ。バスとの距離、今泉さんのいうところの「騙ししろ」を縮める必要はない

連続するアシに絡む冠水ブッシュで食った

開始から30分が経過したところで、連続するアシに絡む冠水ブッシュを撃ち1mほど泳がせたら、ラインが手前に走った!

今泉「よっしゃ! これはキロありますよ。普段ならノーシンカーかPEベイトフィネスで撃つようなブッシュから魚が引っ張ってこれた感じですね。この釣りはスポーン前後から10月くらいまで有効なのでぜひ試してみてください。もちろんリザーバーでも超釣れますよ」

巻きモノでは食わない、でも点で食わせるにはバスが動いている。そんなもどかしい隙間を埋めるのが「多毛系」である。「今日は撃ちか? それとも巻きか?」。途方に暮れそうになったときは一呼吸おいて、我々には第3の選択肢があることを思い出そう。

連続するアシに絡む冠水ブッシュ
連続するアシに絡む冠水ブッシュはねらい目。エビが着きやすいからだ。ルアーの色もエビに合わせて白系をチョイスした。中央の冠水ブッシュのちょい沖1mで食ってきた
ボートの上でバスとやり取りする今泉拓哉さん
バイトの出方は3パターン。多いのはバスが反転して「ダン!」と重くなるバイト。次に、手前へ走ってラインテンションがフワっと抜けるバイト。ごくたまに「グググぅー」と重くなるバイト。今回は手前に走った。ハイギアリールを使うのはその対策も理由の一つだ

※このページは『Basser 2026年10月号』に掲載した記事を再編集したものです。

つり人オンラインを検索で優先表示

Googleの検索結果とおすすめ記事欄に、つり人オンラインの記事が表示されやすくなります

Googleで優先するソースとして追加

ブラックバス Basser バス釣り バス釣りルアー別解説 淡水の釣り

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

記事検索

月刊つり人 最新号

つり人 2020年5月号

列島をゆるがすコロナウイルス。けれども、日増しに暖かくなる春の日を、じっと家にこもって過ごすのはやっぱり体によくない。その点、手軽な海の釣りは、風も気持ちよく、大人も子どもも、思い切り深呼吸しながら時間を過ごせる。ウミタナゴ、メジナ、クロダイ、カレイ、アオリイカ、カサゴ……。元気な魚たちが泳ぐフィールドで、がんばろう、ニッポン! そのほか、3名手の渓流解禁レポート、里川で見つかる美味しい道草、みちのくタナゴ旅など旬の釣り満載でお届け。

×
拡大画像