U.S.ダイワとゲーリーヤマモトのコラボレーションで誕生したのがゲーリーマテリアル版ネコストレートとそのボリュームアップ版、ネコファット。そんな注目の新作ソフトベイトはネコリグだけでなく多彩なリグに対応。そこで、発売に先立って赤羽修弥さんにリグ別の使い方を教えてもらいました。
赤羽修弥さんが実釣解説! 注目のコラボベイトのリグ別トリセツ
【PRESENTED BY DAIWA】サイト・ビー=写真と文
リU.S.ダイワとゲーリーヤマモトのコラボレーションで誕生したのがゲーリーマテリアル版ネコストレートとそのボリュームアップ版、ネコファットだ。先行発売されている米国ではB.A.S.S.公式サイトのアイテム紹介記事に掲載されるなど大きな話題になっているのだが、遂に日本発売決定が決まったのだ。 そんな注目の新作ソフトベイトはネコリグだけでなく多彩なリグに対応。そこで、発売に先立って赤羽修弥さんにリグ別の使い方を教えてもらいました。ネコリグ用名作ワームがゲーリーマテリアルと融合
ネコストレートは赤羽修弥さんがプロデュースした、名前のとおりネコリグ用のワームだ。赤羽さんと言えば、霞ヶ浦のプロトーナメント団体W.B.S.で活躍するアングラーであり、Basserオールスタークラシックで史上唯一3連覇を達成したことでも有名。その2勝目と3勝目(2009年、2010年。どちらも霞ヶ浦開催)のメインパターンがネコリグでの沈み物撃ちだった。そんな赤羽さんの監修ならネコストレートの実力は疑いの余地はないだろう。ちなみにその後のオールスターで川口直人さんがメインルアーとして使用し、2013年に3位に入賞している。
Basser2011年1月号より
そんな実績充分のネコストレートのゲーリーマテリアル版が登場し、米国ですでに販売が始まっている。ラインナップはオリジナルとほぼ同じ形状のダイワ×ヤマモト・ネコストレート5.8in&6.5inとボディーを太くボリュームアップしたダイワ×ヤマモト・ネコファット4in&5inだ。
上からオリジナルネコストレート5.8in、ダイワ×ヤマモト・ネコストレート5.8in、6.5in、ダイワ×ヤマモト・ネコファット4in、5in
◆こちらもチェック!
Ultimate BASS by DAIWA Vol.129にて『赤羽修弥の鬼攻め!! NEKO FATが半端ないって。の乱』が公開されています!
赤羽修弥さんの愛用リグ例
ネコストレートの生みの親である赤羽さんはゲーリーマテリアルでできたこれらの新作ソフトベイトをどのように活用しているのか。
●ネコリグ ダイワ×ヤマモト・ネコストレート5.8in
シンカー:バザーズワームシンカーTGネイル3/64oz(ダイワ)
「オリジナルのネコストでもオダなどの沈み物を探るのに愛用しているリグ。ゲーリーマテリアルは比重が高くて形は同じでも強めの水押しが出せるよ。アクションさせたときの動きも違いがあって、こちらはモワワン……と余韻が残るような感じ。水の濁り具合とか状況を見てオリジナルと使い分けてる。素材自体が重いからワンランク軽いシンカーでオリジナルと同じ操作感で使える。フックサイズは#1~2がマッチするんだけど、ガードはブラシタイプがオススメ。経験上、ワイヤーをハリ先に引っかけるタイプよりフックアップ率が高いね」
●スナッグレスネコリグ ダイワ×ヤマモト・ネコファット5in
シンカー:バザーズワームシンカーTGネイル3/64oz(ダイワ)
「バンク際のカバーをネコリグで撃ちたいときはネコファットのスナッグレスネコリグ。ファットボディーならではの強い水押しと存在感で視界の悪いカバーのなかでもバスに見つけてもらいやすい。この手のリグのフックサイズの選び方は、ワームにセットしたときフトコロ部分にワームの厚さの1.5~2倍くらいの余裕ができるサイズがいい。要はオフセットフックと一緒の考え方。この場合は#4/0だね」
●リーダーレスダウンショットリグ ダイワ×ヤマモト・ネコファット4in、5in
シンカー:バザーズワームシンカーTGペアーリング1/8oz(ダイワ)
※スイベル、シンカー、フックをひとつのスプリットリングで接続
「岸沿いのカバーのほか、垂直護岸や杭などの縦スト、ハードボトムのズル引きなど使用範囲が広い。テキサスリグとの違いはフォール。スライドしにくいから護岸際とか真下に落としたいところをよりタイトに撃つことができる。ネコファットの特徴は水中の障害物にぶつかったときにテールがふわっと動いてバスを誘ってくれるところ。ボリューム感が似ているヤマセンコーとはまた別のアピールができるから使い分けで釣果を伸ばせるはずだよ」
●ダウンショットリグ ダイワ×ヤマモト・ネコファット4in
シンカー:バザーズワームシンカーTGネイル1/64oz(ダイワ)
「フォールからシンカー着底時のアクションの変化が食わせどころ。1点にステイさせて食わせるというよりはリアクション的な口の使わせ方をしたいときに使うことが多いかな」
●ネイルシンカー入りワッキーリグ ダイワ×ヤマモト・ネコファット5in
シンカー:バザーズワームシンカーTGネイル1/64oz(ダイワ)
「アフタースポーンの時期や急激な水温変化でタフっているときにスローフォールで口を使わせるためのリグ。フォールはナチュラルだけど、ファットなボディーがウネウネ動くからアピール力は強いほうだね。使うシチュエーションは、杭などの縦ストラクチャーや流れ込みが多い。リザーバーなら岩盤際もこのリグでねらうよ。シンカーが抜けないようにシリコンのリングをセットしているんだけど、フックはこのリングのないところに刺したほうがフックアップ率はよくなる。ただ、ロングキャストが必要なときは身切れ防止のためにリングにフックを刺した方がいいね」
ちなみに、今回の水中映像はすべて赤羽さんにリグを操作していただきました。ありがとうございました。
撮影協力:グローブライド
真夏の霞ヶ浦水系オカッパリで実釣解説!
それでは上で紹介した各リグの使用の実例として、8月14日の霞ヶ浦オカッパリ釣行の模様を時系列で紹介したい。連日の猛暑に加え、お盆休みの真っ盛り。空いている釣り場を見つけるのもひと苦労で、アングラーによるプレッシャーと高水温でタフな状況であることが予想された。それでも赤羽さんは40㎝クラスを2尾キャッチ。清明川、大山、高橋川、北利根川などこの時期の定番である水通しのいいエリアでネコストレート&ネコファットが活躍した。
①朝イチは清明川で橋脚撃ち
使用リグ:ダイワ×ヤマモト・ネコファット5inスナッグレスネコリグ
阿見の駐艇場で赤羽さんと合流し、朝マヅメの時間帯は集合場所からそれほど遠くなく流れのあるエリアということで清明川に向かった。
霞ヶ浦美浦エリアに注ぐ清明川。125号線の橋脚をねらう
赤羽さんがまずキャストしたのはネコファット5inのスナッグレスネコリグ。橋脚の上流と下流の端を重点的にねらう。こういったスポットは水の流れの変化が生まれやすいだけでなく、流木などが引っ掛かりバスの着き場になっていることが多い。
リグをボトムまで沈めてスタックをほぐすようにシェイク。スタックしていない場合はそのままズル引きして障害物を探す。しかし……。
「なんか赤茶色の濁りが入っちゃってるね。昨日の夕立ちで上流の堰を開けたのかも。カラーをチェンジして存在感を増してみるよ」
ネコファットのネコリグは用意したなかでは水押しがもっとも強い部類だが、濁りのなかでさらに存在感を増すためカラーを変更。ここではウォーターメロン系からグリーンパンプキン(+ブラックシード)へチェンジ
このあと岸沿いのカバーも同じリグで軽くチェックして移動。
②大山の水門沖をねらって45cmクラスをキャッチ
使用リグ:ダイワ×ヤマモト・ネコストレート5.8inネコリグ
次にやってきたのは霞ヶ浦本湖・大山エリアの水門。水門の両脇からシートパイルが沖にのびているシチュエーションで、水門直下は砂が堆積していて浅かった。清明川と比べると比較的クリアな水色だったため、赤羽さんはスリムなネコストレート5.8inのネコリグをチョイス。
赤羽さんは①シートパイルの内側、②外側、③水門の前をクロスして沖合をズル引きという順でチェックした
上の写真の③のコースで沖合の沈み石付近を探るとバイトが出た! しかし、高水温の影響で食いが浅かったためか、フックアップしなかった。
ネコリグは食わせの能力に長けるが、リグの構造上ほかのリグよりフッキングが難しい面もある。バスの口の中で運悪くワームが丸まってしまったりするとハリ先が立たないこともあるためだ。アングラーにできるのは確実なフッキングの動作を身につけて成功率を高めること。赤羽さんのアワセ方を参考にしてほしい。
◆赤羽修弥さんのフッキング
右利きの赤羽さんは右巻きのリールを使用する。キャストからズル引きまでは右手でロッドを操作
バイトを感じたらタックルを右から左へ持ち替える。この時間がバスにルアーを食いこませる間になっている。この間をとらずに慌ててアワせてしまうとすっぽ抜けが多発する
ロッドを倒しながらラインスラックを巻き取っていく
ロッドをほぼ水平に倒したところまでラインを巻き取ったら……
身体の重心を後ろに移動させながら(右足のポジションにも注目)、両手で速く強くタックルを引きつけてアワせる
さて、初のバイトを得た後、赤羽さんは水門の反対側に立ち位置を変えて同じ手順で探る。バイトのあった沈み石に再度キャストするともう一度バイトが出た!
今度はしっかりとフックアップに成功
45㎝クラスをキャッチ成功!
きちんとフッキングが決まればこのとおり!
「身体の色が薄いから沖合を回遊していて何かのタイミングで水門沖の変化に立ち寄ったバスかも。フォール中に食っていたみたい」
③高橋川の垂直護岸はリーダーレスダウンショットで
使用リグ:ダイワ×ヤマモト・ネコファット4inリーダーレスダウンショットリグ
お盆休み真っ只中の取材だったため、霞ヶ浦はたくさんのオカッパリアングラーで溢れていた。入れるエリアを探しながら移動していると高橋川に辿り着いた。大山エリアの小規模な水路で、両岸はすべて垂直に護岸されている。
高橋川。垂直護岸のところどころにオーバーハングしたブッシュや係留船などのカバーがある。2015年秋のBasserオカッパリオールスタークラシックでは市村直之さんがナイスフィッシュをキャッチしている
まずはオーバーハングしたブッシュをネコファットのスナッグレスネコリグで撃つ。しかし、プアな岸沿いにある目立つブッシュではプレッシャーのためか思うような反応が得られなかった。
岸沿いの大きなブッシュは先行者も確実にキャストしていることだろう
そこで目ぼしいカバーを撃ちつつ垂直護岸下のハードボトムもねらいながら上流に釣り上がっていくことにした。リグはリーダーレスダウンショットにチェンジ。
「カバー撃つにも相性がいいし、垂直護岸に沿ってまっすぐフォールさせられる。テキサスリグはどうしてもフォールで手前にスライドしちゃうから、水深のある岸ギリギリを撃ちたいときはリーダーレスダウンショットがいいね。基本はボトムについたらロッドをタテ捌きで2~3回ズル引きしてピックアップ。ボトムの凹凸にスタックしたらシェイクして外す」
6~7m離れた対岸をねらって護岸際のボトムの変化を釣る。残念ながら高橋川は不発に終わった
④北利根川のハードボトムはダウンショットリグが活躍
使用リグ:ダイワ×ヤマモト・ネコファット4inダウンショットリグ
太陽がだいぶ高く上った10時30分ごろ、赤羽さんは潮来エリアの北利根川にやってきた。延々とコンクリートの斜め護岸が続くストレッチだが、ねらいは護岸の沖側に隣接しているハードボトムだ。
北利根川。斜め護岸が水中まで続いているが、コンクリートは岸から3m程度。その沖にゴロタ石のハードボトムが接しているスポットがねらい目だ
ネコファットのスナッグレスネコで沖のゴロタを探ると早速バイトが出た。しかしバイトが浅くフックアップしなかった。そこで、ワームはそのままダウンショットリグにチェンジした。
ダウンショットリグに変更する。7㎝のショートリーダー
「このくらいのショートリーダーでも、シンカー着底後はワームがフリーフォールに変化する瞬間がある。そのアクションの変化でリアクション気味にスイッチを入れて口を使わせるねらい」
すると、ねらいどおりバイトが出た。しかし、まだバイトが浅くフックアップに至らない。これはタイミングの問題かもしれないと、お昼休憩もかねて一旦移動。
そして、13時ごろ同じスポットに入り直すと……。
今度は深いバイトが出た!
理想的な場所にフックアップしている。これもキレイな40㎝クラスだった
◆使用タックル
右/ネコストレート5.8inネコリグ用
ロッド:スティーズ681MLMFB-SVスカイレイ・パワープラス
リール:SSエア8.1R
ライン:スティーズフロロType-フィネス10Lb
左/ネコファット4inダウンショットリグ&スナッグレスネコ用
ロッド:スティーズ・レーシングデザイン681M/MLFB
リール:SVライトリミテッド8.1R-TN
ライン:スティーズフロロType-モンスター12Lb
「お盆休みで人が多くて心配だったけど、なんとかネコストレートとネコファットの両方で釣れてよかった~! 厳しいコンディションでも状況にあったリグを使えば結果を出せるんだよね」
ネコリグ用ソフトベイトとして実績のあるネコストレートと“釣れる素材”として広く認知されているゲーリーマテリアルが融合し、さらにネコファットという選択肢も増えた。赤羽さんの言うように、素材の特徴を活かしてオリジナルと使い分けるとさらに釣果を伸ばせるはず。
また、赤羽さんはリグのローテーションの有効性も見せてくれた。とくにネコファットはさまざまなリグで使える汎用性の高さも魅力。タフなフィールドでもリグごとの特性を理解して、最適なものを選べば答えは返ってくる。
ダイワ×ヤマモト・ネコストレート&ネコファットは今冬発売予定。ぜひ今回紹介したリグローテーションを実践してほしい。
◆こちらも要チェック!
DAIWA BASS公式YouTubeチャンネル「Ultimate BASS by DAIWA」では、プロスタッフによる解説や実釣動画が続々公開中!
◆提供=グローブライド
2018/08/31