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編集部2023年5月8日

釣り糸とリーダーの結び方!どれが最強?基本の結びを強度実験も交えて解説/PEラインとリーダーの結び方編

魚種別釣りガイド タックル 知らなきゃ困る超基本

PEラインとリーダーの結び方、基本の4種を詳細解説。釣り歴50年以上のベテランふたりが結んだ強度実験の結果も掲載します。ぜひ参考にしてください。

PEラインとリーダーの結び方の基本と強度実験

つり人編集部=まとめ


 PEラインとリーダーの結び方、基本の4種を詳細解説。釣り歴50年以上のベテランふたりが結んだ強度実験の結果も掲載します。ぜひ参考にしてください。

◆この記事は月刊『つり人』2017年2月号に掲載したものを再編集しています

目次

\こちらも注目! 釣りの結びを動画でチェック/

つり人CHANNEL

YouTube「つり人チャンネル」では結び方動画を続々公開中! 釣り糸とリング(ハリ、ルアーなど)の結び、釣り糸同士の結びなど、まず覚えたい基本の結び方を解説しています。それぞれの結び方の特性や釣り方との相性なども解説欄でご覧いただけます。

つり人チャンネル再生リスト「釣り糸の結び方」


PEラインとリーダーの結び:町屋ノット(変形オルブライトノット)

 沖釣りファンの間で愛用者の多い結び。オルブライトノットの変形である。シンプルなオルブライトノットはイラスト下の動画を参照。
①リーダーの先端を15cmほど2つ折りにする
②先端の輪の中へミチイトを通す
③ミチイトは20~30cm通しておく
④ミチイトを2重になったリーダーの向こう側から手前に回しかける
⑤10回ミチイトを回しかける
⑥巻き終わりを爪を立てるようにして押さえ、今度は先糸の輪に向かって密に巻き戻す
⑦ミチイトを2重になったリーダーの向こう側から手前に回しかける
⑧ここまで10回巻き戻す
⑨ミチイトの端をリーダーの輪の中へ、本線とは逆の方向に通す
⑩このように通っていればOK
⑪ミチイトの本線と端を合わせて持ち、ゆっくり引いてリーダーの輪を絞る。この時左手で重ね巻きした部分を押し込むと形が崩れない
⑫この状態にしてからミチイトとリーダーを強く引く
⑬ミチイトの余りで本線を8~10回編み込む
⑭ミチイト、リーダーの余りをカットして完成



オルブライトノット
 太さの異なる釣り糸同士を結ぶ時に使われるノットです。太い側の釣り糸を折り返し、そこに細い側の釣り糸を巻き付けるので、接続部はどうしても太くなりますが、たとえば仕上げにハーフヒッチを加えることでPEラインとリーダーの接続にも使えるなど応用が利くので覚えておくと便利です。フライフィッシングにおいては、フライラインとバッキングラインの接続によく使用されます。

PEラインとリーダーの結び:SFノット【動画】


PEラインをフロロカーボンやナイロンなどのリーダーに接続するためのノットです。滑りやすいPEラインと他の釣りイトを接続する際は、「摩擦系ノット」が使用されますが、その中でも初期に考案されたものといわれています。細めのPEラインで結びやすく、ガイドの通りも比較的よいため、エギング、ルアーシーバス、タイラバなどに用いられます。

【5段階評価】
結びの速さ:★★★☆☆
結びの強さ:★★★★☆
ビギナーおすすめ度:★★★☆☆

PEラインとリーダーの結び:ノーネームノット

エギングやアジング、メバリングなどでPEとリーダーの結束で愛用者が多い。結び目が小さくキャスト時にガイドが引っ掛かりにくいのがメリット
①リーダーで8の字を作る
②リーダーの根元部が8の字の下側から出ているのでPEも同様に下側から入れてさらに下側に抜く
③PEをリーダーに巻き付けて15回目にハーフヒッチで仮止め
④ハーフヒッチをしたPEを軽く締める
⑤PEをリール側に向かって最初のPEの上に14回巻き付ける
⑥2と同じ方向へ逆からPEを通す。リーダーの根本側は3本になる
⑦リーダーの8の字を先に締める
⑧リーダーの根元部を口にくわえ、PE2本とリーダーの先端部の3方向を締める
⑨メインのPEとリーダーを束ね、PEの先端部を左右交互に4回編み付ける
⑩リーダーの根元部の余分をカット
⑪メインのPEの先端部にPEを左右交互に4回編み付ける
⑫PEの余分をカットして完成

釣り糸の結びが分かる!解説書の決定版 >>

PEラインとリーダーの結び:FGノット

PE(メインライン)とリーダーの結束では最も愛用者が多いといわれる。リーダーにPEを編み付けて締め込む摩擦系ノットのひとつ
①リーダーにPEを最低7セット最高で20セット編み込んでいく。厳密には編み付けというより交互上下に巻き込むようなイメージ。編み付け部分をしっかり指でつまんでPEラインを下に押し込むように引いて締める
②リーダー先端を少し引き出しPE本線と合わせて2本一緒にPEの端糸でハーフヒッチで止める
③リーダー本線とPE本線をゆっくりと引き、編み付け部分を締める④リーダーの先端にPEを沿わせ、PEの端糸でハーフヒッチを5~10回行なう
⑤リーダーの端を2~3㎜残してカットし、ライターなどで焼き玉を作る
⑥PE本線にハーフヒッチを5~6回行ない、最後にエンドノット(PRノット⑦参照)をしてから端糸をカットして完成

PEラインとリーダーの結び:PRノット

丸橋さんいわく専用のノッター(結び器具)を使わなければできないが、これほど高い平均強度を得られるPEの結びはないという。構造は単純でリーダーにPEを巻き付けて折り返してからも巻き付け、ハーフヒッチで仕上げる。ボビンノットと言う人もいる
①リールに巻いたPEの先端をノッターに通し、ボビンに10回程度巻き付ける。抜けないように調整
②ノッターはリーダーから離れるとテンションが均一にかかりにくい。ラインに密着するようなぐあいに調整
③PEラインを下から手前に向けて回転させながら巻き付けていく
④左側に7~10cm巻き付けたPEを右側に巻き重ねる。なによりも密に巻き付けるのが大事だ
⑤巻き付け幅は長いほど抜けにくく高い強度を得られるが、長すぎるとキャスト時に支障がある
⑥リーダーの端糸とPE(メインライン)を重ねてハーフヒッチを4回程度行なうい、余分なリーダーをカットして焼き玉を作る
⑦メインラインにPEの端糸をハーフッチで5~6回行ない、最後にエンドノットをしてから余分な糸をカットして完成

PEラインとリーダーの結び:強い結びは? 強度実験の結果

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 PE同士の結びに始まり、PE1.5号にリーダーとしてフロロカーボン3号を結束。町屋ノット、ノーネームノット、FGノット、PRノットと強度を測定した。

―――平井さんはPEに縁がないとおっしゃっていましたね。

平井 PEはパスです(笑)。なにしろ滑る素材の糸で非常にややこしい結びが多いでしょう。船釣りもルアーも私はやりませんから正直に言って縁がない。

丸橋 ほんとに結びが滑るんだよなあ。

―――今回は試しにPE同士を結んでいただきました。まれにですが船釣りでは高切れした糸を補充する時や、投げ釣りではチカライトのPEとミチイトのPEを結ぶ時に使います。図Gがそうですが……。

044_053_G_2

丸橋 見事に途中で抜けたでしょう。前にも試したことがあって、どんな結びをしても抜けてしまう。今回は「ブラッドノット」と、ナイロンとフロロの結びで強度の高かった「三原結び」の2つの結びを試していますが、どちらも結んだ両端の端糸に2重のコブを作りました。やはり、案の定結び目はすぐにほどける。コブに引っ掛かって少し持ちこたえるけど、やがては抜ける。PEは糸に弾力があるというか、潰れても戻るんです。だから結束しきれない。

―――なるほど。投げ釣りのエキスパートに聞いたのですが、根掛かりが外れない時は、チカライトから抜けたほうがいいといっていました。高切れするとミチイトの損失が大きい。なにしろ飛距離を出しますからね。投げる時はチカライトの結び目はリールの中に巻きこんであり負荷が掛かりにくいんです。どんな結びをしているかというと、電車結びの人が多いようです。抜けにくくするため細いミチイト側の巻き数は多いみたいですけどね。次にPEとリーダーの結束結果。図Hです。

丸橋 船釣り、ルアー釣りに革命を起こした糸がPEです。強度はすごい。今回実験した糸はバリバスの「アバニジギングパワーブレイドPE Ⅹ8」。1.5号で30ポンド。約13kgの強度に耐えられます。ちなみにリーダーに使ったフロロカーボン3号(ハードトップ磯プレミアムハリス)の強度を測ると、約6kg。バランスの悪い組み合わせですが、結束強度を測る分にはいいでしょう。

電子版もあり!釣り糸の結び「完全」トリセツ >>

―――まず試したのが町屋ノットです。非常にシンプルで作りやすい結びですけど、実験結果は強いですよね。

丸橋 これはオルブライトノットの変形ですね。太さや質の違うライン同士を結ぶのに適した結びで非常に強い。町屋ノットは初めて結んでみたけどね、誰もがどこでも結びやすいし、とてもいい。巻き数は上10回、下10回。この巻き数を多くするとPEが締まりきらずに弱くなるかもしれないけどこの回数で充分でしょう。リーダーを折り返しているだけだからPE本線は潰れにくいし抜けにくい。納得の強度が出ましたね。

―――ただしリーダーを折り返すことによって、その部分が分厚くなります。結び目を巻きこんでキャスティングするとガイドに引っ掛かるのが難点。その点ノーネームノットは結び目が小さく、エギングファンをはじめ多くの人が愛用する結びです。

丸橋 僕が慣れていない結びということもあるけど、安定した強さが出にくい印象は受けました。ちゃんとPEの色が変わるまで締めきらないとリーダーの8の字部分に負荷がかかる。結び目の中で切れることが多かったよね。

―――ノーネームノットは標準偏差にバラつきがあります。その点FGノット、PRノットは安定して強い。

丸橋 PRノットは完璧だね。ノッターを使わないとできない結びだけど、誰もがこの器具を使えば、大抵100%の強度が出る。多少巻き方が雑でもかなりイイ線いく。いまのところ最強のPE結びだと思います。注意すべきはリーダーにPEを巻き付ける長さ。これが短いと抜けちゃう。今回は最初に2㎝の長さを巻き付けたけどリーダーから抜けちゃって測定不能。最低7㎝以上の巻き付けが必要です。

―――試した4つの結びのうち、FGとPRは5回ともすべてリーダーから切れましたね。100%強度でしたが、FGのほうが若干弱い数値が出ました。ちなみにルアーマンの間では、PRは巻き付け部分が長いのでガイドに引っ掛かりやすくキャスティングには向かないという人もいます。キャスティングはFG、船下のジギングなどバーチカルな釣りはPRというぐあいに使い分けているそうです。

▼釣り糸の結び方! どれが最強? 基本の結び18個を強度実験も交えて解説
・第1回 ハリと釣り糸の結び方&釣り糸とリング(金具)の結び方編
・第2回 釣り糸と釣り糸の結び方編
・第3回 PEラインとリーダーの結び方編


「号数」と「ポンド(LB)」の表示の違いとは?

 号数とは釣り糸の太さを表す指標である。0.165mm直径の糸の断面積0.021382...を基準として、糸の断面積がその何倍に相当するかを表わしている。つまり、糸の断面積の倍数表示と考えればよい。たとえば3号であれば、糸の断面積は0.021382×3=0.064147...。糸の直径に直すと0.285mmになる。
 ポンドとはラインを強さで表す指標。1ポンドは453.592g。4ポンド(lb)と記されているラインは、だいたい1.8kgまで引っ張られると切れる。どのクラスの魚をねらうのかを定めてラインを選定するので、分かりやすいといえる。

PEラインのここが気になる:ハーフヒッチと強度の関係

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PE本線へのハーフヒッチは慌てずゆっくり。きつく締めすぎないように

 PEとリーダーの結束にはすっぽ抜け防止でPE本線にハーフヒッチを行ない仕上げる結びが多い。しかしこの工程がPEの強度低下につながるのではないかと編集部では気になった。
 特にハーフヒッチを結び目に寄せる時はヘタをするとPE間に摩擦が起きやすい。そこで、FGノットの最後の仕上げで実験! PE本線のハーフッチを0回、5回、10回というぐあいに結び分けてみたところ、いずれも強度は変わらず。
「PE本線に巻き付けるハーフヒッチは引っ張られた時に絞り込まれる結びではありません。摩擦を恐れるなら、濡らしてから締めること。締めるというよりも、結び目に寄せるくらいの力加減でソフトに行なうといいでしょう。実験では強度が変わりませんでしたが、最後に本線にハーフヒッチをして仕上げないと、魚が暴れた時にリーダーの端糸が本線に擦れると思います。それが原因で切れることもあるでしょう」と丸橋さん。

PEラインのここが気になる:絡んだ結び目が強度低下の原因に

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 エギングやジギングなど、フケ(ラインスラッグ)を利用してルアーや餌木を跳ね上げる釣りでは、PEに結び目ができることがある。これができると果たして強度が落ちるのか。
 試したのはブラッド・ドロッパー・ループ(ドウヅキ仕掛けで枝スを結ぶために作るチチワ結び)。この結びができたPEと、結びをほどいた後のPEの強度を測ってみると、コブができたPEは強度が落ちる。もとの強さが約13kgの負荷に耐えられるPE。それが、コブができると約5kgまで落ちる。コブをほどいた糸は約6kgの強度であった。
「PEは結ぶと強さが半減するといわれています。結びコブができるとやはり半分以下の強度しか出なくなる。もっとも、知らぬ間にできる結びコブがどんな構造なのかによっても強度は変わります。この数値はあくまで参考程度」

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ブラッド・ドロッパー・ループでコブを作って実験。イカ釣りのツノなどを結ぶ時に使う枝ス用の結びである

▼釣り糸の結び方! どれが最強? 基本の結び18個を強度実験も交えて解説
・第1回 ハリと釣り糸の結び方&釣り糸とリング(金具)の結び方編
・第2回 釣り糸と釣り糸の結び方編
・第3回 PEラインとリーダーの結び方編


 

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