日本中のフィールドで釣れに釣れている虫ルアーのチョウチン(吊るし)だけど、なんだか難しそうで、僕にはできる気がしません。けど、バイトシーンが丸見えで、なおかつサイズも数もねらえるのであれば、ぜひ挑戦したい!房総リザーバーのエキスパート・羽生和人先生にタックルセレクトから秘密のアクションまで虫ルアーのすべてを教わってきました。
羽生和人×房総リザーバー(三島湖) ブーンの吊るし(チョウチン)で本気食いを誘う秘密のアクション
【PRESENTED BY エンジン】編集部=写真と文
つり人社ウェブ担当のアライです。日本中のフィールドで釣れに釣れている虫ルアーのチョウチン(吊るし)だけど、なんだか難しそうで、僕にはできる気がしません。
けど、バイトシーンが丸見えで、なおかつサイズも数もねらえるのであれば、ぜひ挑戦したい!
房総リザーバーのエキスパート・羽生和人先生にタックルセレクトから秘密のアクションまで虫ルアーのすべてを教わってきました。
先生(左)◆羽生和人(はぶ・かずひと)1982年生まれ。亀山湖や三島湖などの房総リザーバーに精通するスペシャリスト。「エンジン」ブランドでロッドやルアーの開発にも携わっている。もちろん虫ルアーは大得意
生徒◆アライ
日々更新業務などを行っている。つり人社ウェブ担当。ホームは牛久沼でムシルアーとは縁遠い釣り人生を送ってきた。パワーフィネスも虫も触ったことがないということで今回の生徒役に選ばれた
ひと口に「虫ルアー」といってもさまざまなタイプがある。今回はオフセットフックやマスバリを合わせて使うワームタイプが主役だ。写真は羽生先生の自信作、ブーン(右)とブーンチン(左) 三島湖で虫ルアーにトライ! まずは上流へ
【準備編】で虫の基礎知識を教わったアライさん。いよいよ三島湖で実践だ! 取材を行なったのは5月末。バスの産卵がひと段落したタイミングだ。取材2日前には大雨が降っていた。
どこに吊るすべきか!?
上流に到着すると川幅が5~10mになり、ところどころにレイダウンや崩落、ブッシュがあった。
そうこうしているうちに超ゴージャスな崩落系のカバーに到着!
吊るす場所の条件
①枝は細くて硬いものがベスト
枝が軟らかいと虫ルアーを動かしにくい。硬く、なおかつバスを掛けた瞬間の衝撃で折れてくれる細い枝がベスト。ランディング率が高い。枝が太い場合はバスを吊るした状態でこちらから迎えに行こう
②虫の真下の水中がごちゃごちゃしすぎていない
これは単純な話で、枝などが入り組みすぎているとバスが虫ルアーを食うときの通り道が確保できない。魚が無理な態勢になりやすくミスバイト率が上がる
③シェードもしくは浮きゴミ、浮き草がある
天井付きのカバーはバスが安心できるため移動中の魚が立ち寄りやすい。なかでも厚すぎない浮きゴミ(草)は最高。虫ルアーのシルエットがぼやけて、バスは気になってついつい口を使いたくなってしまう。フローティングカバーをうまく使うことで警戒心が強いバスも騙しやすい。「ゴミは味方です。使わない手はない!」と羽生先生。ゴミがなければ水面の枝などに虫ルアーを添わせてシルエットをボカす手もある
④バスを掛けたあとに獲れない場所はNG
カバーの奥をねらうチョウチンでは多くの場合掛けたバスを迎えに行く必要がある。船で突っ込んでも届かない奥で掛けるのはリスクが高すぎるので、ある程度手前で長時間誘って外におびき出すのが得策だ
⑤キャスト後に虫ルアーが水面までスムーズに落ちないときはキャストし直す
虫が水面まで落ちにくい場所は同時にアクションがつけにくい場所でもある。入れ直すのが得策だ
①枝は細くて硬いものがベスト
枝が軟らかいと虫ルアーを動かしにくい。硬く、なおかつバスを掛けた瞬間の衝撃で折れてくれる細い枝がベスト。ランディング率が高い。枝が太い場合はバスを吊るした状態でこちらから迎えに行こう ②虫の真下の水中がごちゃごちゃしすぎていない
これは単純な話で、枝などが入り組みすぎているとバスが虫ルアーを食うときの通り道が確保できない。魚が無理な態勢になりやすくミスバイト率が上がる ③シェードもしくは浮きゴミ、浮き草がある
天井付きのカバーはバスが安心できるため移動中の魚が立ち寄りやすい。なかでも厚すぎない浮きゴミ(草)は最高。虫ルアーのシルエットがぼやけて、バスは気になってついつい口を使いたくなってしまう。フローティングカバーをうまく使うことで警戒心が強いバスも騙しやすい。「ゴミは味方です。使わない手はない!」と羽生先生。ゴミがなければ水面の枝などに虫ルアーを添わせてシルエットをボカす手もある ④バスを掛けたあとに獲れない場所はNG
カバーの奥をねらうチョウチンでは多くの場合掛けたバスを迎えに行く必要がある。船で突っ込んでも届かない奥で掛けるのはリスクが高すぎるので、ある程度手前で長時間誘って外におびき出すのが得策だ ⑤キャスト後に虫ルアーが水面までスムーズに落ちないときはキャストし直す
虫が水面まで落ちにくい場所は同時にアクションがつけにくい場所でもある。入れ直すのが得策だ
チャプッ!!
なんといきなりバイトが! ただしアライはびっくりアワセしてしまい乗せることができなかった。
虫ルアーの吊るしはサイトフィッシングでとくに有効。カバーについたバスはねらいめ
サンドバーをフラフラするバスは虫ルアーの吊るしではねらわない。羽生先生はダウンショットリグやノーシンカーリグで釣る。この魚がカバーに立ち寄ったときが虫の登板機会だ
吊るしを行なうのは有望なカバーのみ。移動の際はブーンのドックウォークで手早く流した
たとえばこのブッシュは5回入り直した。初回と3回目、5回目にバイトあり。バスは動いているのだ 秘密のアクションとは
ミスバイトの原因はアクションにあると羽生先生は指摘。なぜ?
同じ姿勢のまま上下動するブーン
起き上がりこぼしのように暴れるブーン。腹で水を叩いているのがわかる。腹側に塩が入れられているブーンチンだとこのアクションを出しやすい
◆握り方
羽生先生はノーフィンガーでグリップを握っている。最もシェイクしやすい持ち方だからだ。グッと握りこむのではなく、かる~く持つのが大事。ロッドを生き生きと揺らすことができ、虫ルアーのアクションに躍動感が生まれやすい。グリップエンドをヒジに添わせると疲れにくい
◆ロッドの角度
吊るし時は時計の針でいう10時または2時の角度で虫を操作する。これよりティップが低いとラインと枝の接点が広くなりすぎてスムーズにアクションさせにくい。逆にこれより高いとフッキングが決まらない
【動画】この日の指導風景を動画に収めました。アクションやリズムを動画でチェックしよう!
羽生先生が動かす虫ルアー。強く水面を押していることが波紋から伝わってくる。小さい虫だが、こう動かすことでアピール力がアップするのだ。「今日は濁り気味なのでいつもより強く叩くことを心掛けています。あとはバスの反応を見ながら微調整すればOK。虫の吊るしはバスとの会話です」と羽生先生 教わった動かし方を練習するアライ。しばらくうまくできなかったが、ちょうど疲れてきたくらいで急に虫ルアーがイキイキしはじめた。
するとバイトが……!
1度目は乗らなかったが、そのままチョウチンを続けていると2度目、3度目のバイトが! そしてついにフッキング成功! ランディングしたバスは40cmアップだった。
ブーンチンの吊るしで1尾目をキャッチ!
1尾目の壁を越えたあとはコンスタントにキャッチ成功! 重さがあり投げやすいブーンチンは吊るし初心者のアライにも優しかった
釣りまくるアライ。「虫ルアーは痩せたバスが食う」というアライの思い込みは間違っていた! アワセとファイト
出た! と思ったら即アワせてOK
バスが吊るされる状態になったら……
ボートで迎えに行こう。決して無理に寄せようとしてはいけない 結果、この日アライはブーンチンのチョウチン(吊るし)で6尾のバスをキャッチ。すべての魚がグッドコンディションの1kgオーバーだった。「今日がムシルアーデビューだったのに近年でいちばんいい釣果になりました」とアライ。「吊るしのアクションはコツを覚えるのにちょっと時間がかかりましたが、ぎこちないロッドワークでも自重のあるブーンチンはおどろくほどよく動いてくれました。牛久沼でもやってみるのだ!」と意気揚々と帰路についたアライさんでした。(おわり)
夕マヅメはガラリとシチュエーションを変えて本湖の岩盤へ。ボートを離してブーンオリジナルのドックウォークで誘った。「夕方は岩盤の沖をクルーズするバスがいるはず」と羽生先生
これまでは教え役に徹していた羽生先生だったが、アライが充分に釣ったので夕方はブーンをキャスト。すぐに50cmクラスをキャッチ!
この日お世話になった「石井釣舟店」 ◆提供=エンジン
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2019/06/10
