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編集部2021年12月16日

五十嵐誠さんに訊く!バス釣りにおける、水温に応じたフロロカーボンラインの使い分け

ブラックバス Basser バス釣り バス釣りルアー別解説

五十嵐誠さんは、水温に応じてフロロカーボンラインを使い分けているという。その方法について詳しく伺った

切っても切れない「ライン」と「水温」の関係

写真と文◎編集部

この記事はBasser2017年2月号の記事を再編集しています

五十嵐誠さんは、水温に応じてフロロカーボンラインを使い分けているという。その方法について詳しく伺った

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水温でラインの硬さが変化する!?

 バスフィッシングに用いられるラインには、代表的なものでナイロンライン、PEライン、フロロカーボンライン(以下フロロ)がある。とくに近年のバスフィッシングシーンで最も使用されているのがフロロだ。

 フロロは「ポリフッ化ビニリデン」というプラスチックの一種が原料。ラインの特性としては、水に沈む比重の高さや、感度と耐摩耗性に優れている点が挙げられる。また、フロロのなかにも硬めのラインと軟らかめのラインがある。硬めのものは初期伸度が低いのが一般的で、高い感度を生かしてカバーフィッシングなどで使われることが多い。軟らかめのものはしなやかさを生かしてキャスティング主体のハードベイトで用いられるのが一般的だ。

 しかし、これらとは別の理由でフロロを使い分けているのが五十嵐誠さんだ。何を基準に「シューター」と「FCスナイパー」を使い分けているのか。

igarashi-line-pe-web (4)ベイトタックル、スピニングタックルにかかわらず五十嵐さんは通年フロロカーボンをメインで使っている。水温に応じて「シューター」と「FC スナイパー」を使い分ける

五十嵐「まず、僕はルアーや釣り方を問わず、バスフィッシングではフロロカーボンラインを使うことがほとんどです。巻き物も含めて、メインとして使っているのは『シューター』。耐摩耗性に優れていて、低伸度で感度が高く硬めの使用感。強度面でとても安心して使えるラインです。しかし、水温がひと桁になる時期に限定して言えば『FCスナイパー』を使う頻度が上がります。JBTOP50のシーズン中はそういった状況があまりないので、トーナメント期間中は『シューター』、オフシーズンのガイドなどでは『FCスナイパー』といった感じですね。

 使い分けの理由は、ラインの硬さにあります。僕はラインの専門家ではないのであくまで感覚的な話になってしまいますが、『シューター』を冬期に使うと少し硬めに感じることが多く、逆に真夏に『FCスナイパー』を使うといつもより軟らかくて伸びるような感覚があったりと、水温によってラインの硬さが微妙に変化している気がします。これはライトラインでも太めのラインでも共通して言えることです」

 年間300日もの時間を湖上で過ごす五十嵐さんは、水温の違いによるラインの状態変化を敏感に感じ取っているようだ。しかし、このような変化は実際に起こり得るのか。五十嵐さんの「感覚」について、サンラインの社員である和田誠さんに聞いてみた。

 

サンライン和田「たしかに五十嵐さんの言うとおり、ラインの硬さが水温によって変化することはあります。しかし変化といってもわずかなものですので、それを感じとって使い分けているとはさすがにトップトーナメントアングラーですね。

 ひとつ補足すると、水温よりも気温によって受ける影響が大きい場合もあります。たとえば、真夏の水温はどれだけ上がっても30℃前後ですが、ボートデッキ上に長時間置かれたリールの温度は軽く50℃を上回ります。当然、スプールに巻かれているラインはその影響をモロに受けますから、使用感に変化が出ることは充分考えられます。

 フロロカーボンラインの硬さや伸度は、大まかに言うとどれくらい素材にテンションをかけた状態でラインとして製品化するかによって変わってきます(同じ素材を使った場合)。素材を引っ張った状態でラインにすれば伸びシロの少ない低伸度で高感度なラインができます。反対に、素材にテンションをかけなければ伸びシロが残るため、比較的しなやかなラインが作れます。弊社の製品で言えば、『シューター』が前者、『FCスナイパー』が後者ですね」

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ライトリグ、ノーシンカーリグでは使い分けで釣果に差が出る

 また五十嵐さんいわく、温度の違いによるラインの性質変化は使用感だけではなく釣果にも関係してくるという。

五十嵐「先ほどは使用感の違いといった感覚的な話でしたが、ライトリグやノーシンカーリグに関してはこの使い分けが釣果に差として現われるものだと考えています。巻き物や重めのシンカーを用いたリグではあまり関係ありませんが、ライトリグやノーシンカーリグはルアーのアクションにラインの影響が強く出ます。低水温期などルアーにナチュラルなアクションが求められることが多い状況では、よりしなやかな『FCスナイパー』のほうがそういったアクションが出しやすいです。

 このように、ラインにはフロロカーボンひとつとってもそれぞれに個性があって、最適な使いどころがあります。そのラインの良し悪しや使いやすさをひとつの状況で判断せずにいろいろな状況で使ってみれば、また違った表情を見せてくれたりします。その差は僅かなものかもしれませんが、細かな使い分けが次の1尾に繋がってくると思いますよ」

 

シューター・FC スナイパー( サンライン)

igarashi-line-pe-web (2)巻き物にも使いやすいしなやかさ

フロロカーボンの特性である感度と耐摩耗性を確保しつつも「しなやかさ」を持たせることで、キャストでの飛距離を稼ぎたいファストムービングルアーでも扱いやすい。五十嵐さんはそのしなやかさを生かして、ラインが硬くなりやすい冬期に使用することが多い。1 ~ 30Lb。オープン価格

シューター( サンライン)

igarashi-line-pe-web (1)低伸度による感度の高さと耐摩耗性能を追求

感度と耐摩耗性に優れたフロロカーボンライン。FC スナイパーに比べて低伸度かつ硬めの設計で、五十嵐さんのトーナメントトレイルを支えるメインラインだ。Lb ごとに使用状況を想定し、最適な伸度設計がなされている。これは「シューター・FC スナイパー」にも共通の特徴。3 ~ 30Lb。オープン価格

 

 

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