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編集部2017年1月30日

川村光大郎×高滝湖 食わせとナチュラルリアクション :第3回(全4回)

Basser バス釣り

この記事では、2010年2月に行なった高滝湖でのオカッパリ取材の模様を紹介しよう。 第3回は、取材当日の川村さんの釣りを時系列で追いながら、「食わせ」のテクニックを解説する。

低水温期に有効な食わせの釣り

Basser編集部=写真と文

バスの口を閉ざす重圧(=プレッシャー)には、低水温に代表される環境要因とアングラーによる人的要因の2種類がある。
そのいずれにも対応して難解な状況下でも確実にバスを手にするのが川村光大郎さんだ。
この記事では、2010年2月に行なった高滝湖でのオカッパリ取材の模様を紹介しよう。
第3回は、取材当日の川村さんの釣りを時系列で追いながら、「食わせ」のテクニックを解説する。


この記事はBasser2010年4月号に掲載したものを再編集しています。

食わせ
●ノーシンカーリグの表層シェイクとデッドスティッキング


 メインの「撃つ」「落とし込む」釣りではないが、それらのメリットを理解するうえで、まずはトップウォーターの釣りに触れたい。

 水面はバスを騙しやすいゾーンである。浮いているルアーは、バスにその全体像を把握されにくい。水中の生き物にとって水面は「壁」であり、バスはそこを獲物を追い詰める場所として利用している。その習性から表層付近のルアーに対してはスイッチが入りやすい。そして、ラインの存在をバスに認識されにくい(これがあとの項でマイクロピッチシェイクのキモにも繋がってくる)。

 さて、取材時の川村さんの釣りを時系列に沿って紹介しよう。

 2010年2月8日の高滝湖は快晴無風で、夜明けの気温はマイナス3℃、本湖の水温は3.8℃。川村さんがまず向かったのは養老川最下流部、ベンドのインサイド(立ち位置)からチャネルへ緩やかに傾斜するスポットだった。

k-002 辺りが白く凍りつく早朝。「ちょっと待っててもらっていいですか」と記者を制し、姿勢を低くしてそろりと水辺に向かう川村さん。ファーストキャストは水辺の手前3mから

k-003 表層の水温3.8℃。正直「この状況で水面に出るはずがない」と思ったのだが……

 使ったルアーは、マスバリにワッキー掛けしたマイラーミノーのノーシンカーリグ。いくらマヅメとはいえ、そしてバスがフィーディングしていそうな場所とはいえ、正直、「3℃台の水温でトップに出るわけがない」と思ったのだが……。


 川村さんのトップウォーター・ワーミングは、デッドスティッキングが基本である。ルアーの良し悪しが釣果に直結するこの釣りは、マイラーミノーが得意とするところだ。

「そうはいっても、ず~っと放っておいたらソフトベイトはプラスチックですからね。バスがエサだと認識してくれません。なので、たま~にピクピクと動かして水面に波紋を広げてあげます」

 キャストしたら、ラインをなるべく水面に浸けないようにロッドを立てて構え、まずはデッドスティッキング。バスの反応がなければ、ティップを震わせて、ラインを細かく波打たせ、その揺れをルアーに送り込んで水面に波紋を広げる。ルアーを動かそうとするのではなく、ラインを操作するのがコツだそうだ。

 そして、水面が割れた。水面への接近を川村さんに制されていた記者からは見えなかったが、先に浮上してきた50㎝クラスがバイトしようとした瞬間、不意に現われた40㎝クラスが横取りしたのだという。

k-001
「余裕があったら、ルアーをピックアップして40㎝クラスのバイトをかわして、改めて大きいほうをねらうという手もあるんですけど……、時期が時期ですからね。今日の僕には無理。デコるかもしれないと心配していたくらいなので、釣れる魚をありがたく釣らせてもらいました」

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●マイラーミノー・ノーシンカーリグ用タックル
※当時の釣りを今(2017年)するなら……
ロッド:スティーズ641LFS-SVキングボルトF-スペック
リール:イグジスト2505F-H
ライン:スティーズフロロType-フィネス3Lb
すべてダイワ

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 バスの立場で考えてもみてほしい――ドタバタと何かが地面を叩く振動が水中へ伝わってきたあとで、ボチャン!と飛んできたエサっぽいモノに食いついたら、空気中に引っ張り上げられてしまった。同じことが何度か起こる。ドタバタの前に少し離れたところからバタンという振動も伝わってきた。バスは、ドタバタとバタンとボチャン!を危険を報せるサインとして学習する。サインというよりサイレンといったほうが正確かもしれない。
 ドタバタはアングラーの足音であり、その前のバタンは車のドアを閉めた音、ボチャン!はルアーの着水音である。
 アングラーはバスを釣りたくて水辺に立つのに、「今から飛んでいくのはハリが付いたニセモノだから食べちゃダメだよ」とバスに向けてサイレンを鳴らしてからキャストしていることがある。そういう矛盾が、川村光大郎の岸釣りにはない。
 地に足を着けて釣るからこそのメリットを生かし、デメリットを逆手にとってバスの裏をかく。グッドサイズのバスをたくさん釣りたい川村光大郎が、試行錯誤を繰り返しながら体得してきたオカッパリの方法論と技術をまとめた一冊。



  
 

 
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2017/01/30

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