編集部2019年5月24日

毛バリをくわえる魚が見たい! ドライフライテンカラゲームのイロハ :前編

ヤマメ イワナ マス 河川・湖の釣り 魚種別釣りガイド

今、水面に毛バリを流してイワナやヤマメをねらうドライフライテンカラが人気です。『月刊つり人』2019年7月号でも特集されているように、水面に落ちて魚のエサになる昆虫が増えるこれからの季節はまさに好機。

用意する毛バリは3種類でOK

つり人編集部=写真と文

つり人増刊『渓流』2019春号で登場した伊藤菜雪さん。家族でキノコ採りや釣りに行くという。今回は福島の渓流でテンカラを楽しんだ

今、水面に毛バリを流してイワナやヤマメをねらうドライフライテンカラが人気です。水面に落ちて魚のエサになる昆虫が増える夏はまさに好機。今回はこれからドライフライテンカラを始めてみたいという人向けのハウツー記事をお届けします。
水面を割って飛び出す渓流魚を見るのは、テンカラの醍醐味。今シーズンは、エキサイティングなテンカラゲームを満喫しましょう!


◆後編「キャスティングとアプローチの基本



エサ釣りでは味わえないテンカラの醍醐味


 テンカラの毛バリといえば、基本的にはボディー(胴)があり、さらにハリ軸にはハックル(ミノ毛)が巻かれたシンプルな構造が多い。ハックルが若干アイ側に傾いたものは逆さ毛バリといわれ、定番毛バリとして思い浮かべる人が多いはずだ。

 源流テンカラの名手で、「渓の翁」と呼ばれる瀬畑雄三さんの毛バリも、だいたいはこのタイプ。ハックルにこだわりはないようだが、ボディーには自己融着テープを巻いている。理由を聞くと、そのほうが素早く沈んでくれるからだという。テンカラでは、このように毛バリを沈めて釣るケースが多い。特に逆さ毛バリの場合、水流を受けたハックルが水中で動き、それが魚を誘うという人もいる。

tenkara_11 これからの季節は、テンカラの盛期。陸生昆虫が増えると、水面を流れるエサを食べる魚も増える

 魚の気分というのは移ろいやすいもの。同じ日、同じ川、同じ場所でも、タイミングしだいでは水面のエサをパクパク捕食したり、あるいはじっと底に沈んでいたりする。毛バリは浮かせることも、沈めることも可能なので、単純に魚を釣ることを考えるなら、状況に応じて流すタナを変えるのが望ましい。

 とはいえ、浮かせた毛バリで釣ることにこそ、無上の喜びを見出す人もいる。ゆっくりと流れる毛バリを見ていると、突然飛沫が上がり、魚が飛び出す……。エサ釣りではまず味わえないこの瞬間こそ、テンカラの醍醐味といえるからだ。

 ここでは浮かせた毛バリで釣るテンカラ=ドライフライ・テンカラについて、基本を解説したい。



毛バリの選び方。用意したいドライフライ3選


 毛バリには多くの種類があり、そのチョイスは頭を悩ませるもの。しかし基本的には、よほどサイズが合っていないとかでない限り、だいたいの毛バリで魚は釣れる。最初はあまりこだわる必要はない。

 とりあえず何を選べばよいか分からない場合は、釣具店に市販のセットが売られているので、それを選ぶのもよい。フライフィッシングのコーナーでは、バラ売りで購入できる場合もある。

 浮かせることを考えると、定番といえるのはまずパラシュートフライ。ただしこれは、基本的には自然に流すことが前提になる毛バリだということは頭に入れておこう。

tenkara_04 パラシュートフライの例。ポストと呼ばれる目印があるおかげで、視認性がよい。誘いをかけるのには向かない。これからの季節に威力を発揮するのが、アリを模した毛バリ。そのほかにも色やサイズなど、各種用意するとよい

 おすすめなのは、エルクヘア・カディスと呼ばれるパターン。作り方は別の記事(2019年7月号p30~)で詳しく解説するが、視認性もよく、浮力もある。また毛バリを動かしても魚が食い付くので、その点でもテンカラ向きといえる。なおエルクヘア・カディスは、沈んでしまっても釣れることが多い。

tenkara_02 エルクヘア・カディスは、ボディーに巻いたハックルにより高めに浮く。クロカワムシの成虫であるヒゲナガカワトビケラなどは、水面を滑るように移動するが、それを模して誘いをかけても効果的な毛バリだ

 もうひとつ用意したいのが、いわゆる伝統的なテンカラ毛バリ。ボディーがあって、ハリ軸にハックルが巻いてあるタイプだ。ハックルの種類や量によって、沈める毛バリにもなるが、張りのあるハックルを少し多めに巻くと浮きやすくなる。

tenkara_05 テンカラ毛バリのなかでは定番のひとつが、このようにハックルとボディーだけのシンプルなタイプ。これはハックルに剣羽根を用いたパターン

 ドライフライ・テンカラの初心者は、まずはこの3パターンを用意して釣りに臨むとよい。なお色は各種あったほうがよいが、最初は黒っぽいものと、白っぽいものの明暗2種を用意するのがおすすめ。

 サイズも悩むところだが、フライフックでいう12番(#12などと表記されている)を中心に、大小いくつかそろえておけば安心だ。

キャスティングとアプローチの基本」へ続く……




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