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ヘラブナ釣り/身近な管理釣り場でチャレンジ :後編

ハリスとエサの調節を覚えよう

つり人編集部=写真と文
118-121-herabuna-kouhen_cs6 (1)_1 これぞヘラブナ!という体高。日差しはすでに春の気配

前回、茨城県の友部湯崎湖を舞台に、編集部員が入門したヘラブナ釣り。
今回は同じくレンタルタックルを用意している千葉県の「清遊湖」で第二ラウンド。
引き続きチョウチンのセット釣りで、ピカピカの新ベラを手にすべくチャレンジ!


この記事は『つり人』2016年4月号に掲載したものを再編集しています。

チョウチンのセット釣りをおさらい


 ヘラブナ釣りの入門者でも「一尾を手にしてみたい」ということでお届けした前回のレポート。挑戦したのは8尺(約2・4m)の短ザオを使った「チョウチンのセット釣り」だ。今回の清遊湖でも、ビギナーを念頭に用意されているレンタルタックルは8尺ザオ。仕掛けもチョウチンのセット釣り用になっており、つまり同じ条件で釣りができる。右も左も分からない状態での入門は済ませたので、「前よりもビシバシ当たるのでは」と内心期待して出掛けたのだが……これが前回以上に苦戦した。

 チョウチンのセット釣りについて少しおさらいしておくと、セット釣りとは、上バリに練りエサで作るバラケ、下バリには軽く吸い込みのよい固形の食わせエサを付ける釣り方。エサ持ちがよいため、水温が低くなり、ヘラブナの動きが鈍くなってアタリが出るまでに時間の掛かる季節でも有効な釣り方だ。それでいて、水温が高くなりヘラブナの活性が上がる季節にも通用するということで、きちんとマスターすれば一年を通じてヘラブナ釣りが楽しめる(はず)!

 このセット釣りをチョウチン仕掛けで行なうのは、同じ場所にバラケを打ち続けるという、ヘラブナ釣りの基本がビギナーでも実践しやすいため。また、そもそもサオが短めなので、ある程度の深さをねらううえでもチョウチン仕掛けの都合がよくなる。

仕掛けはオモリ調整済み


118-121-herabuna-kouhen_cs6 (2)_1 柔軟なノベザオが大きく曲がれば気持ちイイ

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (3)_1 118-121-herabuna-kouhen_cs6 (4) 入門者も歓迎してくれる「清遊湖」は広い池に370 名分の釣り座がある

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (5) 先代の作った釣り場を継ぎビギナーも応援してくれる渡辺泰寛さん

 清遊湖のレンタルタックルは3セット。ほとんどのお客さんは自前のタックルを使うベテランだが、事前に予約しておけば安心だ。仕掛けの付いた8尺の並み継ぎザオ、サオ掛け、タモ、座布団、エサを作るための用具一式(エサボウルと軽量カップ)が1500円で借りられ、あとはおすすめのエサ(バラケ用と食わせ用)を購入する。

 釣りをする時は靴を脱いで座布団の上に座るのが定番のスタイルなので、靴下は暖かい厚手のものを履いて行こう。暖かいオーバーソックスがあるとなおよい。

 釣り座はタックルを借りる際にアドバイスしてもらう。今回は池の中央に浮かぶ桟橋の、さらに中央寄りの位置が空いていたのでそこで釣った。釣り場に入る時は周囲の人への挨拶も忘れずに。他にも桟橋を歩く時は極力魚を警戒させないよう、なるべく音を立てずに静かに移動しよう。

 釣る場所が決まったら、座布団を敷き、サオ掛けを取り付け、サオを継ぎ仕掛けをセット。指定水量を守ってバラケを作ったら、エサ落ちメモリを調整すれば釣りの準備は完了だ。手拭きタオルも1つは用意しておきたい。エサ落ちメモリの調整とは、前回も説明したとおり、エサが何もないハリだけの状態で、ウキのトップの下から3分の1ほどが沈むようにオモリの量を調整すること。今回借りたタックルでは、あらかじめこの調整がなされていたが、たとえば途中で大きさや重さの違うハリに交換した時は、エサ落ちメモリに変化がないか確認する。

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (6) 右利きの場合、釣り座の左側にエサ、手拭きタオル、タモを配置すると勝手がよい。ヘラブナ釣りではサオ先を水中に入れるのでサオ受けは斜めにセットする

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (7) 118-121-herabuna-kouhen_cs6 (8) ウキはまずしっかりなじませるのが基本。その後、水中でバラケが溶けるにしたがい、トップがゆっくりと一定の速さで上がって来る状態が釣りやすい

ハリスを長くする


 釣り始めはとにかくウキをしっかりなじませる。特に釣り始めは魚を寄せることに専念し、トップが沈み切っても構わないのでエサ打ちを繰り返す。トップが途中で戻ってしまうなら、バラケを練る回数を増やしてエアを抜く。反対にいつまでもウキが上がってこない場合は、練り込む回数を減らしてバラケ加減を調整する。釣りの最中はこの調整がいつもできるよう、常に自分がエサを練った回数を覚えておく。

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (9) その日の状況に合わせてハリスの長さを変えるだけでも効果がある

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (1)
 やがて魚が寄り始めれば、何かしらの反応がウキに出始めるはず……なのだが、この日はまったく動かない。放射冷却の影響か場内の水温計を見ると4℃とかなり低い。前回は開始から30分ほどでサワリがあったのに……。そこで、周囲のベテランの方にアドバイスを求めると、「ハリスを伸ばすのも1つの手」という。

 あらかじめセットされていた仕掛けは、上ハリスが5㎝ほどで、下ハリスが40㎝ほど。これはセット釣りの標準的な設定の範囲内だが、低水温で活性が下がったヘラブナたちは、密度の濃いエサの近くになかなか寄ってこないことがあるという。そのような時は、ハリスを長めにするとヘラブナの存在が感知しやすくなり、さらにエサの落下速度が遅くなって、動きの鈍くなったヘラブナでも追いやすくなるといったメリットも出てくる。また、バラケの密度が薄い所に食わせエサが入るといった効果も生じる。

「それだけ粘って全然当たらないなら、思い切って70㎝くらいにしてごらん。それで反応が得られるようになれば、徐々に短くして行けばいい」とのこと。さっそく実践してみたところ……待望のサワリが出た!

鳴かぬなら、誘ってみようも利き目あり


 ウキがようやく動き始めたところで、この日初めてのアッパーカット(下アゴへのスレ掛かり)。「魚はやっぱりいたんだな~」と思いつつ、しかし後が続かない。しばらくするとまたウキが沈黙する。すると「少し誘ってみて」とまたまた天の声。ヘラブナ釣りで誘い? と戸惑うが、セット釣りでは常套手段の1つで、ウキがなじんだあとにサオを短いストロークで手前に引き、また戻してウキ(実際には水中の仕掛け)を動かしてやると、エサが動いて誘いになるという。この日、少し離れた釣り座でアタリを連発している人がいたのだが、その人も見ているとウキがなじんだ直後から盛んにサオを揺すっていた。「タテ誘い」といって、現在のヘラブナ競技会でも流行りのテクニックだという。誘いは一度だけでなく、ウキがなじんだら間隔を空けて2~3回連続してやってよい。

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (2)

ピカピカヘラブナ来る!


 下ハリスを長くし、誘いも織り交ぜて、待望のアタリが出たのはようやく午後1時。ゆっくりと上がってきたウキのトップが「ツン」と1メモリほど沈みこんだ。「来た~! これはちゃんと食ったのに間違いない~」と思わず叫ぶ。すると背後からは「今日はその1ピキが貴重だぞ~、ちゃんと写真撮れよ~(笑)」とこれまた別のベテランさんの加勢の声。よく走りタモに収まったのは、体高も立派な白銀ボディーのヘラブナであった。時間をかけてたどり着いた魚だけにずっしりと重い。その後、口掛かりでもう1尾を追加した。

今後の課題はエサ


 少しは流れが分かってきたヘラブナ釣り。とはいえ、当たり前だが道のりは長い。端的に拙さを実感するのが手の汚れ。周囲のベテランさんは手がとてもきれいだ。自分はといえば、両手とも練りエサがこびりついている。バラケもなかなか思いどおりに付かない。慣れが一番とはいえ、ヘラブナ釣りではエサの付け方(形)をコントロールできるようになるのも技術の1つという。

118-121-herabuna-kouhen_cs6 (12) ヘラブナ釣りではバラケのコントロールが非常に大切だ。まずは毎回「何回練ったか」を数えながら釣りをしよう


バラケの形と効果 118-121-herabuna-kouhen_cs6 (4)_1 左:涙型、適度にバラケやすい標準形
中:丸型、球体は水の抵抗を受けにくいので積極的にバラケさせたい時は不向き
右:角型、涙型を基本に一部を角張らせるとさらにバラケやすくなる
※いずれの場合もチモトはしっかり押さえる


エサの種類 麩エサ:現在のヘラブナ釣りで多くの場合ベースとなるエサ。食用の麩を細かく砕いたもので、硬さや粒子の大きさの違いによりさまざまな種類がある。水中で溶けて広がるようすが植物プラクントンの漂っている状況を演出する
マッシュ(マッシュポテト):ジャガイモをすり潰して乾燥させたもの。麩エサ以前はヘラブナ釣り用エサの主流
グルテンエサ:マッシュポテトとグルテン粉をブレンドしたもの
さなぎ粉:蚕の蛹を乾燥粉末化したもの。集魚材としてベースエサに加える
ペレット:魚粉などを使った魚の養殖用の飼料。集魚材としてベースエサに加える
※ セット釣りではこのほかに固形の食わせエサを使う



 また、バラケそのものを自分で配合する技もぜひ覚えたい。現在のヘラブナ釣りで、バラケのベースとなっているのは「麩エサ」。これだけでも各社から多数の商品が発売されている。ベテランは複数の麩エサをブレンドしたうえで、さらに「さなぎ粉」や「ペレット(魚粉)」などの集魚材も加えている。集魚材は魚を寄せる効果だけでなく、バラケに重さを与える効果もある。釣り場でおすすめされる入門者向けのエサで釣りに慣れたら、釣具店や周囲の釣り人のアドバイスも参考に、ぜひ自分なりのブレンドにもチャレンジしたい。

 3月を過ぎ、日照時間も長くなって春本番になれば、いよいよヘラブナたちの活性も高まる。そうなればビギナーでもさらにアタリが取りやすい。レンタルタックルでいち早くイロハを覚えておけば、ヘラブナビギナーもロケットスタート間違いなしだ!

清遊湖
●住所:千葉県柏市金山206-1 ℡04・7193・1255
●利用時間:(3 ~ 9 月)6:00 ~ 16:00※日祝は15:30 まで/(10 ~ 2 月)6:30~ 15:30 ※ 日祝は15:00 まで 年中無休
●料金:(平日)1 日2100 円、半日1570 円/(日祝)1 日2570 円、半日2100 円 ※ 女性・中学生以下は平日1 日1050 円、日祝1 日1550 円
●アクセス:常磐自動車道・柏IC から約30 分
118-121-herabuna-kouhen_cs6 (11) 118-121-herabuna-kouhen_cs6 (10) 清遊湖の昼弁当は美味しいと評判。あらかじめ受付で申し込み、旗を立てておけば釣り座まで届けてくれるから釣りにも集中できる


118-121-herabuna-kouhen_cs6 (13) まず1 尾を経験するなら道具立ても実はシンプルなのがヘラブナ釣り。何しろ釣り場が多いので、新しい釣りにチャレンジしたい渓流ファンや船釣りファンにもおすすめ!

2017/2/24

最新号 2017年9月号

特集は「いつものせせらぎのその上流へ! ステップアップ源流釣り入門」。巻頭の舞台は東京近郊だが、車止から2時間ほどで本格的な源流が味わえる秩父源流・赤沢谷。焚き火を囲みながら仲間とすごす時間は格別。一度味わえば源流の虜になること間違いなしだ。そのほか、野営術、ロープワーク、ビギナーにも優しいおすすめ源流など、源流入門者をトータルでサポート。今年の夏は身近にある非日常の世界に足を踏み入れてみてはいかがだろうか? 第2特集は「夏の自由研究もお任せ! 親子で楽しむ魚釣り&虫取り超入門」。ザリガニ釣り、オイカワのピストン釣り、カジカ釣り、昆虫採集、ハチの子取りを解説。ほかにも旬の釣りをたっぷり紹介!
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