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編集部2024年3月7日

解禁初期の渓流釣り場の選び方

ヤマメ 魚種別釣りガイド

渓流のルアーフィッシングはピンポイントにキャストできればとにかく嬉しい。チェイスが見えればさらにワクワク、ヒットさせれば最高の瞬間を手に入れられる。そのためにもタックルは妥協せず納得いくものを揃えたい。ここでは春先に効果的な2つの愛用ルアーの使い方について解説したい

渓流のルアーフィッシングはピンポイントにキャストできればとにかく嬉しい。チェイスが見えればさらにワクワク、ヒットさせれば最高の瞬間を手に入れられる。そのためにもタックルは妥協せず納得いくものを揃えたい。ここでは春先に効果的な2つの愛用ルアーの使い方について解説したい

文◎九嶋貴文 写真◎九嶋貴文、編集部

水量が少なく水温が上昇しやすい川

水量が少なく水温が上昇しやすい川

私が住む秋田県の渓流解禁日は4月1日と遅い。それでも、春と呼ぶにはまだまだ早すぎる景色で、辺りには残雪も珍しくなく、雪解けの透き通った水が太陽でキラキラと輝きながら静かに流れ下る。

はやる気持ちと少しの不安を抑えながら、きっと目覚めている魚たちに出会えるはずと期待して入川する。半年以上の禁漁期間が明けての第一投目は今シーズンの行方を占うかのような気持ちになり、ねらったスポットにルアーがちゃんと入ってくれればと緊張するものだが、今年もそんな気持ちになるのはまだ先のことだ。

例年シーズン初期の頃はまだ水温も低く、フィールドによっては水量が多いところもあるためエリア選択が重要になる。雪代の影響も考慮して、比較的小さめの渓流で活性の上がる時間帯を意識して釣るようにしたい。そもそもシーズン初期は川の中のあちこちに魚がいる状況ではなく、秋に産卵のために上流へ遡ったままその沢の流れにいることが多いと考えられる。そのため、本流筋よりもむしろ枝沢のほうが魚影も濃くヒットチャンスに恵まれやすい。そして低活性の魚を攻略するためにはやや水深のあるポイントを探ることが攻略のヒントにつながる。

解禁当初の場所選択では、水量が少なく水温が上昇しやすい川が必須条件になり、同じような河川規模でも魚の反応が全く違う状況が大いにある。私の地元河川でも早春からサビの少ないぷっくりとしたきれいな魚体が釣れ、時にはライズする姿を見ることも少なくない川がある。そうした間違いなく活性の高い魚がいる川で釣ることが、シーズン最初の魚を手にする近道になるのだ。

 

解禁当初は水量が少なく水温が上昇しやすい川に絞っている

解禁当初は水量が少なく水温が上昇しやすい川に絞っている

 

水深のある大場所は盛期になってからねらうようにしている

水深のある大場所は盛期になってからねらうようにしている

 

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リフト&フォールも効果的

リフト&フォールも効果的

大場所はじっくり時間をかけて探りたいが、初期はそのやり方に少しアレンジが必要になる。シーズン盛期と大きく違うところは数投目のキャストでもヒットチャンスがあるということ。魚が定位する場所を見極め、間合いを取った立ち位置からピンポイント目掛けて正確なキャストからのリトリーブアクションが必要な一発勝負の攻め方ではなく、ひとつのポイントでもコースを変えてみたり深さを変えてみたりと、納得がいくまでなるべく多くキャストしてみる。たとえミスキャストをしても初期なら気にする必要はない。次のキャストをキメれば大丈夫。キャストの数が多いほどチャンスがあると思ってもいいかもしれない。盛期の攻め方を点とするなら初期はじっくり面で攻めればいいのだ。

場所によっては生命反応が感じられないほど静寂したところも少なくないが、そんなときこそ焦らずじっくりと丁寧に面で広く探ろう。

ここからはもう少し具体的に説明してみたい。

魚が定位しているであろうスポットを特定できれば話は早いが、低水温時は状況に応じて魚が定位する場所が変化する。水深のある底近くのときもあれば意外に流速のある筋やヒラキに出ているときもある。ルアーに反応する場所もいろいろあるのだ。

ポイントに近づく際に注意したいのは、手前のカガミの部分。ここにいる魚に気づかれてしまってはその後のヒットチャンスはほぼ期待薄である。もし定位している魚影を確認できたならその行動範囲にルアーを通すのだが、初めは少し遠目へキャストしてじっくりルアーをアピールさせる。その反応を見てフッキングのチャンスをつくるのだ。ヒラキにいる場合、ヤマメは底近く、イワナは水面近くにいることが多く、水深があればヤマメは中層に、イワナは底近くに定位しがちだ。

これを理解したうえで、水深に関わらずオールマイティーに使え、初期の渓流でもしっかり活躍してくれるシンキングミノーが、Viva の「プエラノ」だ。大きな目の可愛いらしい見た目とは裏腹に、キビキビした動きでアピール力も高く、ロッドアクションに連動したレスポンスのよさで釣り人の意思が伝わりやすいのが特徴である。

45Sは4.3g、50Sは5.3gのウエイト。魚が定位するタナでレンジキープがしやすく、重さの分だけリトリーブ中やアクション時もしっかり水を掴んでくれるため、動きが手もとに伝わってくる感触が心地よい。

プエラノはロングキャストもしやすいため、立ち位置もほぼ変えずに広く探ることができるのはもちろんのこと、反応がなかった場所をダウンキャストで誘っても安定した泳ぎでヒットにつながるときがある。盛期でも二度、三度とヒットチャンスをつくってくれる頼れる存在だ。コスパもよくカラーバリエーションも豊富なため、アピール系のカラーとナチュラル系のカラーをケースに揃えて、状況によってカラーローテーションをしながら当たりカラーを見つけたい。

フィールドで立ち位置が決まれば、まずはアピールが強めのチャート系カラーを結んで反応を見てみる。初期はスローテンポの組み立てがよく、リトリーブスピードやトゥイッチもスローを意識する。ヤマメはヒラ打ちに反応しやすい魚だが、まだ低活性で動きが鈍いため、そうした速いアクションがかえってプレッシャーになる。

ポイントが淵ならレンジも重要になるが、ヘビーシンキングのプエラノならイメージしたレンジをトレースしやすい。テクニックのひとつとして上下方向のアクションも有効である。ピッチの短いリフト&フォールも食い気を誘うアクションになるため、初期の流れが緩い場所や淵など水深がある場所を立体的に攻略できる。直線的なリトリーブで反応がイマイチの時はぜひやってみてほしい。

 

ヤマメは連続トゥイッチによるヒラ打ちにも反応しやすいが、初期はリトリーブスピードやトゥイッチもスローテンポがいい

ヤマメは連続トゥイッチによるヒラ打ちにも反応しやすいが、初期はリトリーブスピードやトゥイッチもスローテンポがいい

 

大きな目玉のシンキングミノーである「プエラノ」(Viva)はロッドアクションに連動してキビキビと動き、釣り人の意思が伝わりやすい。4.3gの45 Sと5.3 gの50Sの2 サイズ

大きな目玉のシンキングミノーである「プエラノ」(Viva)はロッドアクションに連動してキビキビと動き、釣り人の意思が伝わりやすい。4.3gの45 Sと5.3 gの50Sの2 サイズ

 

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着水してすぐ釣れる動き

着水してすぐ釣れる動き

もうひとつおすすめしたいルアーはスピナータイプの「プライザー」だ。シャフト軸がオフセット形状でウエイトを下部に寄せることでブレードが安定して回転する工夫がされている。ウエイトが3.5gあるためキャストも安定し、着水からすぐに回転を始めるため狭いポイントでもしっかりアピールできる優れもの。シーズン初期の低活性な魚にも静かに、かつ大胆にアピールをしてくれる。

盛期でもミノーにスレ気味な魚の目先を変えて使うときも多く、ルアーローテーションには欠かせないアイテムだ。テフロンコーティングされたフックの刺さりも抜群だが、フックはシャフト軸とリングで接続されているため簡単に交換可能なのも嬉しい。

状況にマッチしたルアーに向かって急にアタックする魚の姿が水中に見えたときは息が止まる瞬間だ。ドキドキしながらのリトリーブはたまらなく楽しい。もしチェイスがなければどんどん違うポイントやレンジにキャストしてみよう。

タックルは5フィート前後のウルトラライトアクションが使いやすく、私の場合はキャストのしやすさと掛かってからのやり取りの楽しさからグラスロッドを愛用している。リールは小型で軽量なほどルアーの重さを感じてキャストもしやすい。ラインはトラブルの少ないナイロン系の5ポンドクラスを使っている。

地元の北秋田は3月並みの気温。暖冬の影響でほぼ雪がないお正月を過ごした。これからの積雪次第だが、例年どおり解禁時には水量の少ない枝沢を探しながら、お気に入りのルアーをキャストしようと思っている。

 

シーズン初期から活躍すること間違いなしのプライザー

シーズン初期から活躍すること間違いなしのプライザー

 

 

 

 

※このページは『つり人2024年3月号』を再編集したものです。

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