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編集部2024年2月2日

カワハギ釣りの基礎と応用│ゼロテンション釣法ならアタリが明確

カワハギ 魚種別釣りガイド

ホバリングしながらついばむようにエサを食べるカワハギはアタリがとても繊細でエサを取るのも上手。指先、手のひら、穂先に感覚を集中させてわずかな反応をとらえるのが楽しい釣りだ。そんなカワハギのアタリをしっかりと感じ取るためのコツを高槻慧さんが教えてくれた。

ホバリングしながらついばむようにエサを食べるカワハギはアタリがとても繊細でエサを取るのも上手。指先、手のひら、穂先に感覚を集中させてわずかな反応をとらえるのが楽しい釣りだ。そんなカワハギのアタリをしっかりと感じ取るためのコツを高槻慧さんが教えてくれた。

写真と文◎編集部

そう簡単には掛からない!悶絶の釣り

冬季のカワハギは栄養をキモ(肝臓)に溜め込むという特徴があり、そのキモが非常に美味。醤油に溶いて刺身をにつけて食べると他では味わえない濃厚な冬の味覚を楽しめる。肥大化したキモを持つ、いわゆる「キモパン」と呼ばれるカワハギを釣ることができるのが晩秋からのシーズンだ。「カワハギはその美味しさも人気の理由の一つですが、釣趣もとても魅力的です。口先が器用でついばむようにエサを食べるため、アタリがあってもエサだけが取られてしまう場合も多いです。合わせるのが難しい魚ですが、コツさえつかめばカワハギ特有のゴンゴン!という引きを楽しむことができます。船釣りのターゲットとしては珍しく、釣った尾数を競うトーナメントが開催されているほどテクニカルな釣りです」

こう語るのは高槻慧さん。カワハギは海底付近でホバリングしながら仕掛けの動きに追従し、おちょぼ口でエサをついばむ。また、咥えたアサリの中に硬いもの(ハリ)を感じるとすぐに吐き出してしまうらしい。明確なアタリが出にくいうえに掛けにくい。そんな反応に悶絶しながら仕掛けや誘い方を工夫するのが楽しい釣りだ。

そう簡単には掛からない!悶絶の釣り

マルチに沖釣りを楽しむ高槻慧さんはカワハギ釣りもエキスパート

 

今回は神奈川県横浜市の平潟湾の老舗船宿である一之瀬丸から出船。メインとなったのは東京湾のカワハギ釣り場として有名な竹岡沖だ。

「例年10~翌1月末までカワハギ乗合が人気です。特に11月半ば以降は美味しいカワハギの最盛期で、入門にはもってこいです。冬の海上は寒いのでしっかりと防寒してきてくださいね」

こう語るのは船長を務めた西村幸治さん。常にお客さんを気遣ってくれる優しい船長だ

お世話になった西村幸治船長

お世話になった西村幸治船長

 

今回高槻さんが使用したサオは「極鋭カワハギ EX AGS MC」。一般的なカワハギ用サオに比べて穂先がしなやかで、小さなアタリも目感度で掛けにいくことができる調子だ。初めてのサオには掛けやすさと感度のバランスがよいMHパワーのカワハギ専用サオを選ぶとよいらしい。

柔軟な穂先が小さなアタリを増幅する

柔軟な穂先が小さなアタリを増幅する

 

PE ライン1号を巻いた小型ベイトリールを組み合わせる。カワハギ用の仕掛けは全長が短いため、根ズレに弱いPE ラインを保護するためにもリーダーは必須。14ポンドのフロロカーボンを1m ほど接続しよう。仕掛けは市販の完成仕掛けと25~30号のオモリを用意した。カワハギは口周りが硬く、ハリ先が鈍りやすいため、替えバリは多めに持って行く。バラシが連発する場合やフグなどの歯が鋭いゲストを掛けた後は必ず交換しよう。エサはアサリのムキ身を塩で締めたもので、一之瀬丸では氷とともに用意してくれる。

用意した仕掛け。オモリは「快適船シンカーS K」の25 ~ 30号(船宿の指定した号数)、仕掛けは「快適カワハギ 幹糸仕掛けⅡ」、替えバリは「D-MAXカワハギ パワースピード」(いずれもダイワ)。替えバリはたくさん使用するため多めに持っておく。食いが渋った時は「カワハギヒラヒラ集寄」や「カワハギピラピラ集寄」、「カワハギラトル集寄」(いずれもダイワ)などの集寄が活躍する

用意した仕掛け。オモリは「快適船シンカーS K」の25 ~ 30号(船宿の指定した号数)、仕掛けは「快適カワハギ 幹糸仕掛けⅡ」、替えバリは「D-MAXカワハギ パワースピード」(いずれもダイワ)。替えバリはたくさん使用するため多めに持っておく。食いが渋った時は「カワハギヒラヒラ集寄」や「カワハギピラピラ集寄」、「カワハギラトル集寄」(いずれもダイワ)などの集寄が活躍する

 

カワハギ用のハリは主に2種類。左が吸わせにくいが吐かれにくいハゲバリ(3.5 号)。右が吸わせやすいが吐かれやすいセイゴバリタイプ(7 号)。入門者にはオートマチックに掛かることが多い後者がオススメだ

カワハギ用のハリは主に2種類。左が吸わせにくいが吐かれにくいハゲバリ(3.5 号)。右が吸わせやすいが吐かれやすいセイゴバリタイプ(7 号)。入門者にはオートマチックに掛かることが多い後者がオススメだ

 

ゼロテンションでアタリを感じる!

ゼロテンションでアタリを感じる!

「カワハギ釣りには多彩な誘い方があり、活性や底のようすに合わせて使い分けます。入門者にオススメなのは、アタリが分かりやすくカワハギにエサを吸い込ませやすいゼロテンションの釣りです」

と高槻さん。ゼロテンションとは仕掛けを張らず、緩めずの状態でキープすること。具体的な誘い方の手順は以下のとおりだ。

 

①リールのクラッチを切って仕掛けを投入する

②スプールの回転が止まったら仕掛けが着底した合図。イトフケを巻き取って海底を5回連続して小突く

③ピタリと仕掛けを止め、張らず緩めずの状態で2~3秒キープする。サオのリールの上(グリップから20cmほど穂先側)に手のひらを添えてサオを水平に保ち、アタリを待つ。アタリがなければ②へ戻る

④アタリがあればサオを斜め45度まで持ち上げて聞く。ゴンゴンと引き込まれたらそのまま一定の速度で巻き上げる。重みがなければ②へ戻る

 

穂先が曲がり切らず、戻りきらない状態を保つことでゼロテンションをキープできる。船の上下の揺れに合わせて腕を上下させ、穂先の曲がりぐあいを一定に保つことが重要だという。

「カワハギは好奇心が旺盛な魚です。②の動作できらめいたオモリに集まり、③のタイミングでエサを口に含むというイメージで誘ってみましょう。アタリはリールの上に添えている手にチクッとした金属的な感触があった後に穂先が不自然に動くことが多いです。活性が高い状態であれば金属的なアタリで合わせてもよいですが、まずは穂先にアタリが出るまでじっと待ってみてください」

サオを水平に保つのが基本の構え。リールの上に手を添えるとわずかなアタリも感知しやすい

サオを水平に保つのが基本の構え。リールの上に手を添えるとわずかなアタリも感知しやすい

 

アタリがあったら聞くイメージでサオを45度くらい起こす

アタリがあったら聞くイメージでサオを45度くらい起こす

 

ゴンゴンと引き込まれたら口切れしないようにゆっくりと一定の速度で巻き上げる

ゴンゴンと引き込まれたら口切れしないようにゆっくりと一定の速度で巻き上げる

 

ラインを張らず緩めずの状態でキープする。船 の揺れを体の動きで相殺するイメージでゼロテンションを保とう

ラインを張らず緩めずの状態でキープする。船 の揺れを体の動きで相殺するイメージでゼロテンションを保とう

 

 

カワハギが多く棲息しているのは砂地。トラギスやベラなども同じようなエリアに棲息しているため、ゲストが多いのもこの釣りの特徴だ

「モゾモゾッとしたアタリはカワハギのものである可能性が高いですが、慣れるまではゲストのアタリとの見分けが難しいと思います。はじめのうちはアタリがあったら積極的に合わせてみるとよいでしょう」

と高槻さん。ゲストの活性が高く、すぐにエサを取られてしまう場合は以下の対処法を試してみよう。

 

• 誘いの後に底から10~20cmオモリを持ち上げてアタリを待つ

• 一度仕掛けを大きく持ち上げてから別の位置に入れ直す

• オモリを底から浮かせた状態で誘い、アタリも宙で取る

 

また、カワハギはアサリのキモが大好物。エサ取りにしつこくアタックされてエサがほぐれてしまう、またはキモが取れてしまう と本命のアタリが出にくくなる。定期的に仕掛けを回収し、エサを確認するとよいそうだ。

 

掛かっているのは本命か⁉

竹岡沖は砂地にツブ根が点在するエリア。特にカワハギが群れやすいのは根の周辺だと高槻さんはいう。

「仕掛けを動かしていると、オモリの着底時にカツンとした感触があるタイミングがあると思います。見つけたら重点的に探ってみてください」

砂底でのアタリが遠のいた時は常に海底を小突き続けながら根を探すのも手。船の上下や海底の起伏に合わせてサオの角度や送るラインの量を常に調整し、小突きからすぐにゼロテンションの状態に移行するのが重要だという。

最後の流しが始まった直後、高槻さんのサオが弧を描いた。ゴンゴンとサオを絞りながら上がってきたのは今日イチの良型。キモパンの23cmクラスだった。

「カワハギの引きは特徴的です。掛けた直後はゴンゴンと引き込みますが、中層あたりからは抵抗しなくなります。ゲストか本命か、ドキドキしながら巻き上げてくるのもこの釣りの魅力の一つだと思います」

高槻さんは合計で32尾のカワハギを釣りあげ、食べる分のみキープして残りはリリースすることに。深場から釣りあげた場合は水圧の変化によって腹が膨らんで自力で潜れなくなってしまう場合がある。バケツの中で浮いてしまっているようであればエア抜きをしてからリリースするのがよい。

エア抜きは専用のニードルを使って行なう。腹の下部に刺して空気を抜いてやると元気な状態でリリースすることができる

エア抜きは専用のニードルを使って行なう。腹の下部に刺して空気を抜いてやると元気な状態でリリースすることができる

 

入門にもってこいのベストシーズンは12月末ごろまで楽しめるそうだ。ゼロテンション釣法をマスターして、繊細なアタリとキモパンの美味カワハギを堪能してみてはいかがだろうか。

 

 

船酔い対策の心強い味方「トリブラプレミアム」

船酔い対策の心強い味方「トリブラプレミアム」

船酔いに苦しむ友人に高槻さんがオススメしている大木製薬の「トリブラプレミアム錠」。予防を目的とした薬で、乗船2 時間前に1 回・1 錠服用するのがオススメだ。

「普段船酔いに苦しむ友人たちが小粒で服用しやすいと口を揃えます」

友人たちが服用しているようすを間近で見ていた高槻さんはこう話してくれた。なお、注意点としては服用直後に眠気が強くなるため、同行者に運転をお願いするか、公共交通機関を利用するようにしよう

 

 

 

 

※このページは『つり人2024年1月号』を再編集したものです。

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