編集部2019年7月29日

釣り場で使える設置型・ワンプッシュ型虫除けをインプレ!

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動が多い釣りの場合、スプレータイプの虫除けを使うのが基本。だが1ヵ所でじっくり粘る釣りや、あるいは源流などで野営する場合は、その場所自体に虫を寄せない工夫が必要だ。

編集部員が大実験! いちばん蚊を寄せ付けないのはどれだ!?

つり人編集部=写真と文


 移動が多い釣りの場合、スプレータイプの虫除けを使うのが基本。だが1ヵ所でじっくり粘る釣りや、あるいは源流などで野営する場合は、その場所自体に虫を寄せない工夫が必要だ。
 ここでは蚊取線香のような設置型、あるいは近年登場した1プッシュタイプの虫除けについて、その実力をテストしてみた。
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ホントに効果が持続するのか


 つり人2019年8月号の137ページで紹介された、驚くべき虫除けの記事を覚えていらっしゃるだろうか。……といってもごく小さく掲載されただけなので、たぶん何のことだか分かる人は少ないだろう。その虫除けとは、『アースおすだけノーマット プロプレミアム』という製品。屋外で、しかも最初に数ヵ所に噴霧するだけで8時間ほどはイヤな虫が寄ってこないという。

 最近は屋外用で、優れた虫除けがいくつか出ている。玄関や軒先にぶらさげておくだけで虫が来ないなど、謳い文句を読む限り、いかにもキャンプで役立ちそうだ。源流などでキャンプをする場合、これまでは蚊取り線香が定番の虫除けだった。もちろんその安定の実力と信頼は揺るがないが、ほかにも選択肢が増えたことはありがたい。

 だが、こういった野外用の虫除けには、疑問も残る。何しろ屋内と違って、閉鎖された空間ではないし、風も吹き抜ける。それでも効果はそんなに持続するものだろうか……? 定番の蚊取線香ならまだ分かる。なにしろ煙が出続けているのだから。でも1プッシュタイプだと……?

 そこで編集部では、ちょっとしたテストを試みることにした。洗濯物を干すたびに蚊に刺される編集部員の自宅の庭先で、各製品を使用して効果を確認しようとしたのである。

 だが、いくらテストのためとはいえ、自分を犠牲にして蚊に刺されるかどうか確認するのは嫌だ。第一、仮に6時間効果が続くかをテストするとして、それを複数の製品で行なうとなると、その間ずっと庭にい続けなければならない。本来なら、それが一番実際の状況に近いのだろうが、ここでは身代わりに蚊のトラップを使うことにした。

 手順はこうだ。まず、何もしない状態で蚊のトラップを仕掛け、一定時間で何匹の蚊が捕まるかを確認する。次に各虫除け製品を使用して、同じ時間で何匹の蚊が捕まるかをテストするのである。

mushiyoke_02 自宅の庭にセットした蚊のトラップ。ティーセットのM-トラップ。粘着面に蚊がくっつく、ハエ取り紙やゴキブリホイホイと同じ仕組みのもの。蚊を誘引するスプレーが付属している。今回は一応、二酸化炭素を出すために炭酸飲料のペットボトルも設置した

mushiyoke_04 トラップで捕まった蚊を6 時間ごとに数え、データを集めた

 これなら一定時間ごとにトラップを確認すれば済む。ただし、この場合トラップに蚊がかからなくても、必ずしも蚊がゼロになったわけではない。トラップは、その場にいる蚊のすべてを捕らえるわけではないからだ。あくまで、何もしていない時より蚊が減ったかどうかの確認なので、仮に今回のテストで蚊がゼロになったとしても、刺されることはあり得る。

 ともあれ、これなら定期的にトラップを見れば結果は出るはず……と甘く見ていたのだが、やってみると一筋縄ではいかなかった。

蚊を増やさねば……


 まず初回のテストとして、何もしない状態でトラップを仕掛けてみた。6時間後に確認すると……捕まった蚊は3匹。これでは虫除けを使ってゼロになったとしても、薬の効果なのか、偶然なのかよく分からない数字だ。しょっちゅう蚊に刺される場所だが、意外と蚊は捕れない。

 いきなり困ったことになったが、まずはトラップの性能をもっと上げる必要がある。まずは蚊を誘引するために、もともとトラップに付属していたスプレーをトラップと周辺に噴霧(最初から使えばよかったのだが……)。さらに蚊が二酸化炭素に寄ってくるというので、炭酸飲料水のペットボトルをトラップの内部にセット。キャップを開けて放置しておくことにした。

 だが、これだけでは心もとない。そこで蚊を増やすため、庭に水を張った容器を置くことにした。種類にもよるが、蚊はちょっとした水溜まりがあればそこに産卵して、2週間くらいで成虫になるという。家人には文句を言われたが、テストのためには仕方がない。幸運なことに近所にボウフラのいる池があったので、そこでボウフラごと水を汲んで庭に置くことにした。

mushiyoke_03 家人に文句を言われつつも、蚊を増やすために水を溜めた容器を置いた。実験期間中は、洗濯物を干すのは記者の役目に……

 苦労の甲斐あって、これで蚊が5~12匹はトラップで捕れるようになった。ばらつきがあるのは仕方がないので、そこは複数回テストを行なうこととにした。

 実験の結果については、次のページを確認してほしい。

虫除け効果テスト


●実験場所:都内某所編集部員自宅庭(2m × 8m)
●平常時にトラップで捕れる蚊の数:10.8匹(6時間・6回の平均)
●トラップの仕組み:粘着式のシートに張り付く蚊の数を計測。簡単に言えばゴキブリホイホイと同じような仕組み(ティーセットM-トラップ使用)

アースおすだけノーマット プロプレミアム

アース製薬

mushiyoke_05
 この製品はパッケージに「1プッシュ式」とあるので、最初は「1プッシュで蚊が来ないの……..」と思ったが、そうではない。屋外で使う場合は「蚊が潜んでいそうな場所(草むら、庭木周り、物陰、地面等)に約1m の距離から1m 幅で1 回ずつ噴霧する」と書かれている。室内とは使用法が異なるわけだ。成分が草木や地面に付着して、効果が持続するようなのだ。
 1回目のテスト時は雨がぱらつく状況だったので、もしかしたら薬が流されてしまったのかもしれない。また、トラップは雨に濡れないように軒下に置いたのだが、雨天時は蚊が軒下に集中して、より多く捕まったのかもしれない。いずれにせよ虫除けの効果は高く、キャンプでの使用もできそうだ。

6時間で捕れた蚊の数
1回目 2匹
2回目 0匹
3回目 0匹
平均……0.67匹

どこでもベープNo.1 未来

フマキラー

mushiyoke_06
 腕や腰に付けることができるタイプ。就寝時はともかく、テント場に着いても多少移動はするので、常に近くにあるこのタイプの虫除けは便利かもしれない。身体に噴霧するタイプの虫除けに近い効果も得られそうだ。
 テストの結果、虫除けの効果は充分だということは分かった。今回はトラップの横に1つだけ置いたので、風向きによって効果に幅があったのかもしれない。
 なおこの製品は電池を使用し、また防水ではない。野外では、その点は注意して使用したい。

6時間で捕れた蚊の数
1回目 1匹
2回目 2匹
3回目 1匹
平均……1.33匹

金鳥の渦巻 蚊取線香

金鳥

mushiyoke_07
 言わずと知れた定番。今回はテストだったので、トラップの横に1 つだけ置いた。実際には、テント場では四隅に各1 つずつ置くことが多い。特にタープで寝る場合は、風が吹き抜けるので、そうしないと意味がない。
 実際、おまけのテストとして四隅に置いたところ、捕れた蚊は0 になった。

6時間で捕れた蚊の数
1回目 2匹
2回目 3匹
3回目 0匹
平均……1.67匹

富士錦 パワー森林香

児玉兄弟商会

mushiyoke_08
 林業などの現場でプロが使うという。蚊取線香と同じく火をつけて使うが、見た目は真っ赤で太く、いかにもパワーアップしたという感じ。野外専用に設計されていて、屋内での使用は「充分ご注意下さい」とある。実際、今回はかなりの効果だった。
 なお、蚊取線香と同様に今回は1つのみ燃やしてテストした。蚊取線香に比べて価格は高めなので、四隅に置くとなると躊躇してしまうかも。

6時間で捕れた蚊の数
1回目 1匹
2回目 0匹
3回目 0匹
平均……0.33匹

総評

テストを行なった結果、どの製品も屋外でかなりの効果があることが分かった。ただ屋外で使う以上、やはり風向きや天気によって効果に差が出るようだ。

『アースおすだけノーマット プロプレミアム』は効果が高く、あちこちに噴霧しておけばよいので楽だ。蚊取線香のように途中で火が消えるとか、蹴っ飛ばしてしまうような心配もない。

『どこでもベープNo.1 未来』は、身につけておけるのがよい。直接身体にスプレーするタイプの虫除けと、特定の空間で防虫する対応との中間点に位置するような製品だ。ただし雨天時の使用、または水辺では、濡れるのに注意したい。

『金鳥の渦巻 蚊取線香』は、やはり安心感がある。ただし火を使う点には注意が必要。『富士錦 パワー森林香』は、その名のとおりパワーアップバージョン。ここぞという場面で使ってみたい。ちなみに実験中、近くにいると少し喉が痛くなることがあった。強力なだけに、使う環境には注意したい。

 個人的には、これまで蚊取線香オンリーだったが、状況に応じて使い分けるのも悪くなさそうだ。

 最後に、これはすべての製品にいえることだが、効果が強いということは環境への影響も大きいはず。特にこれら虫除けの成分は、昆虫はもちろん魚にも影響が大きいようだ。その点は配慮して使いたい。

この記事は月刊『つり人』2019年9月号でも読むことができます。

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2019/7/29

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