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編集部2021年9月13日

秋の小川で出会える小魚 前編

河川・湖の釣り 全国おすすめ釣り場 河川/湖沼

流れが比較的穏やかで、小規模な川というのは、子どもの遊び場としても最適だ。 特に岸がコンクリートで固められていない川では、魚だけではなく、実に多くの生物が見られる。 生きものにやさしい環境がどんなものなのかを知るうえでも、格好の学び舎なのである。

多彩なターゲットがねらえる秋の小川で小魚と遊ぶ

まとめ◎編集部  

この記事は『つり人』2018年11月号に掲載したものを再編集しています。

 流れが比較的穏やかで、小規模な川というのは、子どもの遊び場としても最適だ。
特に岸がコンクリートで固められていない川では、魚だけではなく、実に多くの生物が見られる。
生きものにやさしい環境がどんなものなのかを知るうえでも、格好の学び舎なのである。

 

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ほとんど止水のような平地の小川。護岸工事がされていなければ、植物も魚種も豊富になる

 

あなたにとっての小川は……?

 「小川」といって思い浮かべる風景 は、人によってさまざまだろう。そのままの意味でいえば小さな川ということになるだろうが、それが都市部なのか田舎なのか、あるいは下流域なのか上流域なのかで、だいぶイメージは変 わる。ここでは清流と呼ばれるような中流域から、平野部を流れるほとんど止水に近いような川について、そこに棲む釣りのターゲットを紹介したい。 そもそもこのような中〜下流域の小 規模河川は、都市部では三面護岸に工事がされているケースが多い。それで もたくましい魚、たとえばコイなどは生息しているが、決して豊かな生物相が見られるわけではない。当然、釣り場としの魅力もだいぶ減じてしまう。

 一方で、コンクリートで固められて いない川の場合、流れが緩いためにさ まざまな植物が繁茂し、昆虫類や貝類、カエルなどの両生類などが多く棲 む。魚にとっても、棲み心地のよい環境になるわけだ。

 小川というのは、子どもたちにとっても魅力的な遊び場だ。もちろん安全には配慮しなくてはならないが、釣りはもちろん、ガサガサを楽しんだり、ビンドウで魚を採ったり、ザリガニやカエルを追いかけたりできる。

 川が多く、しかも稲作文化によって水路も多い日本では、小川は最も身近な釣り場のひとつ。いつも通り過ぎてしまう近所の流れにも、きっとたくさんの魚が泳いでいるはずだ。今度の週末、あなたも橋の上からそっと覗いてみてはいかが?

 

秋の小川で出会える魚

小川で釣れる小魚をご紹介します!

 

アカヒレタビラ

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●分布:宮城県、福島県、関東地方に分布。
●大きさ:最大8cm に達する。
●釣期:一年中釣ることができるが、最盛期は春から初夏。
●棲んでいる場所:平野部の河川・湖・池沼に棲む。

肩部に明瞭な暗青色の斑点(タビラ斑)を持つ。ほかのタナゴ
類もそうだが、生きた二枚貝に産卵する魚。アカヒレタビラの場
合は、イシガイやドブガイ、カワシンジュガイに産卵する。そのた
め、生息のためには二枚貝がいることが欠かせない。

 

 

アブラハヤ

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●分布:日本海側では青森から福井にかけて、太平洋・瀬戸内側では青森から岡山までの河川。
●大きさ:最大で約15cm。
●釣期:春から秋にかけての比較的温かい時期。
●棲んでいる場所:河川の上流部から中流にかけて。場所によっては池や沼の岸付近でも見られる。

はっきりいって、釣れてもあまり喜ばれないことが多い。しかし清流域のミャク釣りで比較的簡単に釣れるので、子どもたちの遊び相手としては楽しめる。

 


アブラボテ

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●分布:濃尾平野以西の本州、淡路島、四国の瀬戸内側、九州北部、長崎県壱岐・五島列島福江島に分布。
●大きさ:最大で7cm に達する。
●釣期:一年中釣れるが、最盛期は冬から春。
●棲んでいる場所:丘陵地帯や平野部を流れる細流や湧水、用水路に棲む。

マツカサガイ、ドブガイなどの二枚貝に産卵する。オスはナワバリ意識が強い。油のような色合いと、ぼてっとした腹のふくらみが和名の由来といわれる。

 

カネヒラ

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●分布:濃尾平野以西の本州、九州北部に自然分布するが、霞ヶ浦周辺に移植されて関東平野に定着している。
●大きさ:最大12cm に達する。
●釣期:年中釣ることができるが、最盛期は春から秋。
●棲んでいる場所:河川下流の緩流域とそれに続く用水路、平野部の大きな湖沼に棲む。

秋に繁殖期を迎えるタナゴなので、今の季節にねらう人が多い。タナゴのなかでは大型で、婚姻色も美しい。飼育するファンも多いようだ。

 

ウグイ

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●分布:琉球列島を除く日本各地の河川や湖沼。
●大きさ:30cm 前後から、最大で約50cm。
●釣期:周年だが、禁漁区・禁漁期間に注意。
●棲んでいる場所:河川の上流域から下流の汽水域、山上湖などに幅広く生息する。


アブラハヤ同様にあまり喜ばれない魚かもしれない。だが産卵期のウグイを好んで食べる地域もあり、味は決して悪くない。ヤマメやイワナと同等か、それ以上に好む人もいる。二度揚げにして甘辛いタレを絡めたり、甘露煮にすると美味だ。

 


カワムツ

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●分布:富山県および静岡県天竜川水系以西の本州、四国、九州に分布する。アユの放流に混じって、そのほかの地域にも広がっている。
●大きさ:10 〜15cm。オスのほうがメスよりも大きい。
●釣期:3 〜9 月。
●棲んでいる場所:河川の上〜中流域に見られ、淵など流れの緩やかな場所を好む。また、物陰に隠れる性
質がある。そのほか湖沼にも生息。


あまり食用にされず、釣ってもだいたいリリースされる魚。雑食だが、動物食性が強く、毛バリによく反応する。そのため渓流が禁漁になる時期、テンカラの練習台としては貴重な魚かもしれない。

 

 

次回は小川で出会える魚後編です

 

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