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編集部2024年7月4日

SATOYAMAタナゴ竿の選び方と使い方ガイド

タナゴ 魚種別釣りガイド

小さなポイントを探り歩きながら愛らしい在来タナゴとの出会いを楽しむ、まるで宝探しのような里川の釣り。今回はタナゴ釣りを愛して止まない水廣昭次さんの釣行にお邪魔した

小さなポイントを探り歩きながら愛らしい在来タナゴとの出会いを楽しむ、まるで宝探しのような里川の釣り。今回はタナゴ釣りを愛して止まない水廣昭次さんの釣行にお邪魔した

写真と文◎編集部

「里山コンセプト」シリーズ

「里山コンセプト」は里山の小物釣りを楽しむためのシリーズ。在来タナゴをメインターゲットとしているが、山間部から河口まで幅広い小物釣りにも好適だ

 

SATOYAMAタナゴ竿

「SATOYAMAタナゴ竿」は140、160、180、220、260cmの5通り。140、160、180cmモデルはタナゴとの繊細なやり取りを存分に味わえる細身・軽量設計。220、260cmモデルは振り込みや流しなどの基本動作や強風時の仕掛け操作がしやすい張りが強めな調子だ。一日中握っていても疲れにくいグリップ形状やイト絡みを低減する回転トップが採用され、元ザオは光の当たり具合で色が変化するマジョーラカラーで塗装されている。

 

サオケース

仕舞寸法は25cmで統一されているため、1つのサオケースで持ち運べる

 

SATOYAMA斜め通しシモリ仕掛け

「SATOYAMA斜め通しシモリ仕掛け」はタナゴ釣りに精通した職人さんが一つ一つ手作りで製作している仕掛けだ。斜め通しの親ウキと7つのシモリ玉が繊細なアタリを表現してくれる。親ウキのトップは視認性が高い赤と黄色の2通り。ボディーカラーとシモリ玉の配色はランダムであるため、お気に入りのウキを見つけてほしい。仕掛けの全長は190、230、270cmの3通りがラインナップされ、190cmの仕掛けはミチイトをカットすることで短いサオにも使用することできる

 

SATOYAMA観察撮影ケース

「SATOYAMA観察撮影ケース」は日本製の高強度アクリル素材を使用した観察ケース。飛び出しを防止する上蓋や魚が向きを変えにくい薄型設計によって写真を撮るのも簡単。背面はクリア、ブラック、ホワイトの3通りがラインナップされ、魚の体色や撮影場所に応じて選びたい。前面には10cmまでの目盛り付き

 

フナ

在来タナゴねらいの要素を重視したサオだが20cmクラスまでのフナやオイカワ、カワムツなどのコイ科の小型魚、テナガエビ、ハゼねらいにも使えるような設計となっている。20cmクラスのマブナの引きもしっかりといなせる

 

 

実際に使ってみた

お宝スポットを探し歩く

人の生活と自然が混ざり合う、日本の原風景ともいえる里山。その中を流れる小さな水路や河川にはタナゴ類やオイカワ、カワムツ、コイ、ナマズなどの多彩な淡水魚が潜んでいる。

「里山の釣りのおもしろさは自分の足でポイントを探り歩き、お目当ての魚が潜むポイントを見つけた時の快感にあります。どんな小さなポイントでもサオをだしてみて、どんどん新しいポイントを開拓していくのには、ほかの釣りでは味わえない宝探しのような楽しさがありますね」

こう語るのは大阪府寝屋川市在住の水廣昭次さん。水廣さんがいう「里山の釣り」とは山間部から河口部にかけて、人間の営みの中を流れる水辺を探ることを指しているが、特に気に入っているのは滋賀県・琵琶湖周辺の河川や水路で行なう在来タナゴねらいだ。20年ほど前からこのエリアに通い込み、この宝探しの虜になっているという。ハイシーズンとなるのは3〜6月とお盆過ぎから11月の期間。この期間中、水廣さんは毎週のようにサオをだして新たなポイント開拓に勤しんでいる。

日本最大の湖である琵琶湖に注ぐのは一級河川だけでも117本を数える。その豊かな水量は農業用水や生活用水に使用され、人間の生活はもちろん、水生生物のゆりかごとなる張り巡らされた水路を形成している。今回訪れたのは水廣さんが特によく足を運ぶという湖北エリアの田園地帯。休日の釣行に同行させてもらい、楽しみ方や基本的な探り方を教わった。

 

 

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マクロな視点でポイントを探す

今回の釣行で水廣さんがメインターゲットとして据えたのはヤリタナゴとアブラボテ。産卵のために本湖から水路や小規模河川に入り込んできている

個体をねらう。在来タナゴは流れを好むため水の動きがある小川や水路を中心に巡るのがコツだという。周辺に水門や河川との合流があれば魚と出会える可能性は高い。水がよどんでいるところや平坦な砂地、水深が15cm以下のポイントは魚影が薄いのでパスしてもよい。

魚の付き場を探るにはマクロな視点でポイントを分析することが重要。水草の隙間や小さな流れのヨレや巻き返し、沈み物の前後左右、少しでも掘れている箇所のカケアガリや落ち込みの泡の下など、目の前のポイントの中にある微小な変化をよく観察し、丁寧に探ってみよう。

反応は仕掛けを投じてからすぐに出る場合がほとんど。オカメタナゴの場合は何度かエサを打っていれば群れが寄ってくる場合が多いが、ヤリタナゴやアブラボテは水草や石積みの隙間、沈み物などのストラクチャーに身を寄せながら流下してくるエサを待っていることが多い。ストラクチャーの大きさはバスケットボール大くらいが理想的だ。また、水が澄んでいればヒラを打つ姿も見える。何度か仕掛けを入れても反応がない場合は早い段階で見切りをつけてねらうポイントを変えるか、移動するのがよい。

「本湖付近の水路や河川でコイやナマズなどの大型の魚が産卵行動を行なっている時は小さな魚も入り込みやすい状況になっている可能性が高いといえます。自分がねらっている本命以外の魚も観察し、どんどんヒントを得ていきましょう」

 

 

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身軽に動ける道具立て

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腰を据えてじっくりとアタリと向き合うオカメタナゴやクチボソなどの小物釣りスタイルとは違い、水廣さんの場合はアグレッシブなランガンスタイルで釣りを展開する。当日はあいにくの天気だったため長靴とレインウエアを着用していたが、晴天時はラフなスニーカースタイルにリュック一つの装備で問題ない。ポイントは車で移動する場合や徒歩で何ヵ所かを巡る場合がある。いずれにしても頻繁に移動を繰り返すため、すぐに荷物を出し入れしてスムーズに釣りが開始できるシンプルな装備が好適だ。リュックの中にはサオ、仕掛け、エサ箱、根掛かり外し、観察ケース、折り畳みバケツ、ラインカッターなどが入っている。エサはアカムシと黄身練りを用意した。

 

 

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180cm前後のサオが扱いやす

使用したサオは「SATOYAMA タナゴ竿」。用意したのは140、160、180、220、260cmの5通り。140、160、180cmモデルはタナゴの小気味よい引きを存分に味わえる胴調子、220、260cmモデルは振り込みや流しなどの基本動作や強風時の仕掛け操作がしやすい先調子だ。

「腰を据えて足もとの群れを寄せるオカメタナゴの釣り方とは違い、流れの中や沖のポイントをねらう釣り方がメインとなります。はじめは一般的な水路や小川で手前から沖までをバランスよく探りやすい180cmを選ぶとよいでしょう」

足もとのポイントをじっくり探る時は160cm以下を、仕掛けを長い距離で流したい時やポイントが遠い場合は200cm以上をチョイスする。

 

 

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自然に流れるエサを演出する

水廣さんは釣り場に着いたら最初にウキ下の長さを決める。消しゴムを約7mm角に切ったものをハリに刺して仕掛けを沈め、底から10〜15cmほどの高さにハリが来るように親ウキとシモリ玉をずらす。

 

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7mm角に切った消しゴムをハリに掛けて深さを調べ、ウキ下を底から10 〜15㎝に調整する。シモリ玉や親ウキを動かす時は仕掛けを濡らしてから行なうとミチイトへのダメージが軽減される

 

次は仕掛けのシモリ具合の調整。シモリ具合は板オモリを少しずつカットしていくことで設定する。仕掛けができるだけゆっくりと沈んでいく重さにするのが基本だが、引き込まれてしまうほどの流れの中を釣る場合はエサを付けた状態でようやく沈んでいくくらいの重さに調整する。強風時はミチイトが風に引っ張られた状態でもじんわりと沈んでいくくらいの重さにするとよいという。仕掛けの調整が終わったらエサを付ける。アカムシの場合は2匹使用し、胴の真ん中にハリを刺す。体液が抜けてきて透明になってきたら交換の合図だ。

 

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アカムシは胴の真ん中を刺してハリ付けする。濁りが強いポイントでは2 匹掛けにするとアピールが強くなる

 

黄身練りはチューブから出し、ハリ先にまとめるようにして付ける。

 

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黄身練りはポンプから押し出してハリ先にまとめる。今回は黄身練り(マルキユー)を使用

 

「アタリを出すためには魚がエサを食べやすい、ゆっくりとした沈下速度でエサを流すのがキモです。沈むのが速すぎたり流れで仕掛けが浮き上がったりすると反応が悪くなります」

水廣さんが実践している基本的な誘い方は以下のとおりだ。

 

1、上流側に仕掛けを投入する

2、仕掛けが沈み切ったら親ウキが再び水面直下にくるようにサオ先を跳ね上げる

3、仕掛けが流れ、浮き上がる直前まで

4、2を繰り返す

 

アタリは親ウキにはっきりと出る場合が多いが、シモリ玉が揺れるだけの場合もある。少しでも違和感があったら鋭くアワセを入れるようにしよう。

 

 

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積極的な移動が釣果に直結する

当日、午前9時頃から安曇川河口部付近で釣りをスタート。前日から降り続く雨と田んぼの代掻きの影響で、水廣さんが目星を付けていた水路にはカフェオレのような濁りが入っていた。約30分間アタリがない状態が続いたが、湖に向かっていた流れが緩やかに逆流し始めた直後、10cmほどのヤリタナゴのメスが顔を見せてくれた。

 

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流れが緩んだタイミングで釣れたのは10cmのヤリタナゴのメス。親ウキを一気に持って行くようなアタリが痛快だと水廣さん

 

「本湖に近いエリアは湖流の影響で流速や流れの向きが変化することがあります。このような状況変化はチャンスになる場合が多いと感じています」

その後巡ったポイントも増水と濁りがきつい状況だったが、水廣さんはアタリが遠い中でももくもくと足を動かした。日没まで長浜エリアに掛けて釣り場を点々とし、婚姻色が美しいオスのヤリタナゴやぼってりとした魚体が愛らしいアブラボテ、ホンモロコ、オイカワ、カワムツなどに出会うことができた。

代掻きも落ち着き始めるこれからがまさにベストシーズン。里山で流れるゆったりとした時間の中、夢中になれる小さな宝探しの旅に出かけてみてはいかがだろうか。

 

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丸っこい体型と体表の艶が可愛らしいアブラボテ

 

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ヤリタナゴやアブラボテは流れのヨレや水草の影、沈んでいる石の近くに潜んでいる。マクロな視点でポイントを分析し、仕掛けを流すのがキモだ

 

 

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※このページは『つり人 2024年7月号』を再編集したものです。

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