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編集部2023年4月27日

潮干狩りの全てが分かる!時期・道具・コツ・持ち帰り方を徹底解説

海の岸釣り 魚種別釣りガイド アサリ

一年の中でも、大きな引き潮が日中にやって来る春。 そこで楽しめるのが潮干狩りだ。 海の恵みを自分で獲るワクワク感は格別。 春の大潮にあわせて、近くの海岸に出掛けてみよう。

〝潮干狩りの超人〟こと原田知篤さんが解説!

解説◎原田知篤 写真◎編集部

 

愛用の熊手と網を手にする原田さんは元プロのオーボエ奏者で横浜在住。趣味が高じて〝潮干狩りの超人〟と呼ばれている

一年の中でも、大きな引き潮が日中にやって来る春。
そこで楽しめるのが潮干狩りだ。
海の恵みを自分で獲るワクワク感は格別。
春の大潮にあわせて、近くの海岸に出掛けてみよう。


潮干狩りの基礎知識

シーズン:3~7月。なかでも大きく潮が引く4~5月の中潮~大潮の日が最適
場所:潮干狩りができるのは太平洋側。施設のある潮干狩り専用の海岸がおすすめ
時間帯:少しずつ沖に出て行ける干潮2時間前くらいからが最適
料金:場所によるが400~1800円程度。持ち帰りは2㎏まで無料が多い
アドバイス:潮干狩り場周辺は車が非常に混む。公共交通機関がおすすめ



潮干狩りで使う道具たち


118-121-shiohigari_cs6 (2) 潮干狩りはリュック一つで気軽に出かけられる遊び。獲った貝を持ち帰るためのクーラーもリュックの中に入れている

118-121-shiohigari_cs6 (5) とりあえずアサリを獲るなら熊手と網があればOK。最小限の道具で楽しめるのも潮干狩りの魅力

118-121-shiohigari_cs6 (3) 超人のリュックの中身はこの「7つ道具」
上段左から……マテガイ獲り用の塩、砂出し用の海水を持ち帰るためのペットボトル、小型クーラー
下段左から……マテガイ用ジョレン、忍者熊手、貝網、タオル

118-121-shiohigari_cs6 (6) 裸足の潮干狩りは足で大地や貝を感じられるのがメリット。通はこちらを好むが、岩場や護岸にある牡蠣殻には注意。小さな子どもならやはりウオ―タシューズなどを履くと安心

ファミリーみんなで楽しめる潮干狩りの完全ガイド!


春から夏が旬の海遊びの大定番「潮干狩り」。小さい子どもがいても家族全員で楽しめる安全さと美味しさが魅力です。美味しいアサリをザクザク採る基本から、〝超人〟として知られる名手の裏ワザ、さらにアサリのほかにも楽しい、アカニシ、マテガイ、アナジャコなど他の貝や生きものの採り方まで大公開。もちろん、採ったアサリを美味しく食べるために必要な砂抜き・塩抜きなどの後処理、美味しい料理方法もしっかり掲載しています。そして、潮干狩りはなんといっても、「いつ出かけるべきか」を正確に把握することが大切。巻末に収録した「2019年度版 潮干狩りカレンダー」をチェックすれば、日本全国の海辺で潮干狩りを楽しむのに最適な日がひとめで分かります。さあ、令和の海遊びは潮干狩りで始めましょう!

定価:本体648円+税
AB判68ページ

 

アサリの見つけ方

118-121-shiohigari_cs6 (4) やって来たのは横浜市の金沢八景にある「野島公園」。右手奥に人が並んでいるが、「アサリロード(アサリのある筋)」はこのように海岸線に沿って走っていることが多い。ただし、他の場所にもアサリはいて、手前の岩陰をねらう手もある

POINT! アサリの目
118-121-shiohigari_cs6 (7) 潮干狩り場に着いたら「アサリの目」を捜す。水管を引っ込めた跡(穴)でも見つかれば、そこにアサリが必ずいる証拠。穴がたくさんあれば、そこがアサリの集合場所だ

118-121-shiohigari_cs6 (8) よく見ると2つの小さな穴がくっついて出来ている



POINT! アラムシロガイ

118-121-shiohigari_cs6 (10) 海の掃除屋アラムシロガイが集まっている場所もアサリがいる可能性が高い。アラムシロガイは小さな巻貝で、生きものの死骸に取り付いて集団で食べる。見つけたらそっと取り付いている相手を見てみよう。もしアサリだったら、その近くには元気なアサリもいる可能性が高い

118-121-shiohigari_cs6 (11) これがアラムシロガイ。やはりアサリ(左)に付いていた。ちなみにこんなに小さな巻貝だが、アラムシロガイもたくさん獲ればよい出汁が出て美味しい。集団で食事をしているので、数を揃えるのも小さい割に容易だ


118-121-shiohigari_cs6 (13) 海草アマモの下はアサリが獲りにくいため、ねらう人が少ない。そのため最後までアサリが残っている可能性がある。手足にアマモが絡みつくが、気持ち悪がらずに挑戦してみるとよい

118-121-shiohigari_cs6 (16) 奥の波打ち際に比べて圧倒的に人がいないアマモの草原だが、アサリはここにもたくさんいた。アマモは花も実もなる陸の草の仲間で、コンブやワカメなどの海藻とは異なる。こうした場所にはメバルやヤガラなどの幼魚も多く、別の意味でも楽しい潮干狩りになる

118-121-shiohigari_cs6 (23) アサリは集団で固まっているので、ポイントを見つけたら集中的に探って一帯のアサリを全部獲るつもりで掘る。ポイントを見つけるまでは、動き回りながら熊手で探していく。アサリの殻のガリガリという音が熊手の先から伝わってきたら、大漁への知らせだ

118-121-shiohigari_cs6 (14) よい型のアサリが獲れた時には人に見せたくなる!



POINT! アサリとシオフキの見分け方

118-121-shiohigari_cs6 (17) 左のシオフキと右のアサリは大きさが似ているので間違えやすい。シオフキは殻に爪を立てるとツルっと滑るが、アサリにはヤスリ状のギザギザがあってガリガリという感触が伝わる。シオフキは身も小さく砂も抜けにくいので、持ち帰る人はほとんどいない

118-121-shiohigari_cs6 (18) 表面の質感のほかに、蝶番から見るとシオフキはボールのように膨らんで丸い形状なのに対し、アサリは平べったい。太ったアサリが獲れたと喜んでいるとシオフキだったりする

118-121-shiohigari_cs6 (15) アサリの模様は千差万別で一つとして同じ模様がない。ここにあるのはすべてアサリ。シオフキなど他の貝と迷った時も模様の有無を見る。模様がないものはアサリでない可能性が高い

118-121-shiohigari_cs6 (19) 複数のアサリの中に1つだけシオフキが混じっている。さてどれでしょう? 正解は手前右の茶色い貝。模様が少なくて怪しかったら、迷わず殻に爪を立ててみる

118-121-shiohigari_cs6 (20) 大きさにドキッとするのが大きく白いカガミガイ(奥)。アサリと比べると大きさがよく分かる。身の黒い部分を取り除くと食べられる

118-121-shiohigari_cs6 (21) 潮干狩りの外道3兄弟。左からシオフキ、バカガイ、カガミガイ。どれも砂抜きに一手間掛かるので持ち帰らないことが多い

118-121-shiohigari_cs6 (22) 外道3兄弟を横から眺める。写真では確認しづらいが、バカガイとシオフキは蝶番の役目を果たすじん帯が外からは見えない(アサリは見える)。実際殻を閉じる力も非常に弱い。カガミガイは力持ちで殻も強いし貝柱の力も強い

『困った時はココ!東京近郊キラキラ釣り場案内60』
「ドーム、ボート、氷上 鈴なりを作る最新スタンダード」をぎっしり詰め込んだ 月刊『つり人』で、首都圏近郊小もの釣り場の紹介記事を長年執筆してきた著者が、 その圧倒的な釣り場情報量をはじめて一冊にまとめた! 東京都心部、水郷周辺、千葉、埼玉、神奈川県まで60の釣り場を厳選してピックアップ。 釣り場のようすがひと目で分かる写真付きで、釣り方を含めていねいに解説しています。

マテガイは塩を使って獲る!


118-121-shiohigari_cs6 (24) 潮が完全に引いている場所ではマテガイが獲れる。ただし、マテガイ獲りは禁止されている潮干狩り場も多いので指示に従うこと

118-121-shiohigari_cs6 (25) 水が完全に引いた場所で、ジョレンを使って砂の上を削ると、マテガイの穴が顔を出す。マテガイの穴は真っすぐで穴の内面がツルツルになっているので、慣れればすぐに他の穴との区別がつく

118-121-shiohigari_cs6 (27) これがマテガイの巣穴だ。ジョレンで砂の表面を削りとると、マテガイの穴が出てくる。穴を上から見て、穴の中の海水がわずかに見えるのがベストの掘りぐあいだ



118-121-shiohigari_cs6 (28) 穴を見つけたらそっと塩を入れる。そのために先端の尖った入れ物が役に立つ。穴の中の海水に塩が溶けていくと、潮が満ちて来たと勘違いしたマテガイがビックリして出てくるはず

118-121-shiohigari_cs6 (29) 数秒で出てくることもあれば、数分かかることもある。マテガイの穴と信じたら、しばらく待ってみよう。ちなみに潮が引いていく時のほうがマテガイが顔を出しやすいようだ

118-121-shiohigari_cs6 (30) マテガイが顔を出してきた。この状態では充分に殻をつかめず逃げられてしまう可能性が高い。焦らずにもう少し待つ

118-121-shiohigari_cs6 (31) マテガイが完全に姿を現わしたらすぐに殻をつかむ。マテガイは鳥などにねらわれると、先端の水管部分を自切(じせつ)し、本体は穴に潜って逃げる術を持っている。この時も一応危険は感じていたようで、水管の先に自切する部分が見えていた

118-121-shiohigari_cs6 (32) チャンスを逃さず、大きく出てきた瞬間にしっかりつかんで引っ張ろう。マテガイが抵抗するのは元気な証

118-121-shiohigari_cs6 (33) 東京湾のマテガイとしてはまずまずの型。マテガイは砂をかまないが、砂の奥深くに棲んでいるのでアサリと同様、きれいな海水に数時間入れておくとアクが抜けて美味しくなる

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砂抜き用に現場の海水を持ち帰るべし!


118-121-shiohigari_cs6 (35) 潮干狩りを終えたら、家に帰ってから「砂抜き」をするための海水をペットボトルに入れて持ち帰る。この時に需要なのは、アサリと海水を別々に持って帰ること。よほど家が近い場合を除いて、海水に浸したままバケツで持って帰るのはアサリが弱りやすい

118-121-shiohigari_cs6 (36) 砂抜きにはアサリ2㎏に対して、海水2リットルが必要。重いので持って帰るのに躊躇するかもしれないが、アサリが住んでいた場所の海水は砂の抜けが抜群。労力を惜しまず持ち帰りたい

118-121-shiohigari_cs6 (37) アサリは水から出してクーラーに入れる。クーラーは小型のもので充分。クーラーの底には汚れた水が溜まりやすいので、新聞紙を敷いておくとよい



118-121-shiohigari_cs6 (38) アサリをパンパンに入れないようにする。新聞紙と保冷剤を入れるスペースを残しておくこと。欲張るとアサリが弱ってしまう

118-121-shiohigari_cs6 (39) アサリの上に新聞紙を乗せる。これは保冷剤がアサリに直接当たって、冷たくなりすぎるのを防ぐため。魚と違ってこの状態でもアサリは生きている

118-121-shiohigari_cs6 (40) 最後は新聞紙の上に保冷剤を乗せる。保冷材がないクーラーはただの箱になってしまうので忘れずに

118-121-shiohigari_cs6 (41) 家に帰ったらザル(スノコになるもの)を敷いたトレイなどにアサリを入れ、持ち帰った海水を注いで砂抜きを行なう。スノコを入れるのは吐いた砂が下にたまって、アサリに再び吸いこまれないようにするためだ。アサリは明るいと砂を吐きにくいので、この時は上に新聞紙を掛けるとよい。持ち帰った海水なら面白いように砂が抜ける。あとは美味しく食べればOK!

この記事は『つり人』2018年5月号でも読むことができます。

2019/4/17

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