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イワナ・ヤマメ・マス釣り/10分で分かる! テンカラキャスティング:後編

基本に加えて覚えておきたい上達のコツ

文◎吉田孝 写真◎浦壮一郎
030-033-tenkara-cast_cs6 (4) テンカラのキャスティングは短い練習でも確実に身に付けられる

渓流釣りの中でもすっかり人気を高めているテンカラ。なかでもテクニック面でカギとなっているのが、毛バリを思った場所に振り込むキャスティングだ。「ねらった場所を外さずに」「毛バリを静かに着水させる」ことができれば、どのように投げてもよいが、そこには基本的な考え方や投げ方がある。数多くの入門者に「魚が釣れるまで」をアドバイスしてきた吉田孝さんが、ビギナーにも理解しやすく、明解かつ基本的なキャスティングをレクチャー。

この記事は『つり人』2017年3月号に掲載したものを再編集しています。

後ろを勢いよく、ピタッと止める


 前回はキャストの基本的な部分を解説した。今回はその内容を意識したうえで、テンカラのキャスティングを上達させるためのいくつかのコツを解説したい。

 1つ目は「後ろ振りで初速をつける」ということ。テンカラでは、後ろへサオをハネ上げる際に、ラインが後方にしっかり伸びるように勢いをつけないと充分なキャストができない。後方でラインがしっかり伸び切らないと、前振りに移る際に、ラインの重さがサオに乗らないのでサオが曲がらず、結果、前方にラインが伸びなくなり、毛バリも飛ばなくなってしまうのだ。

 2番目は、サオを振り終えた時に、サオ先を「ピタッと止める」ということ。後ろ振りと前振りのどちらにもいえることだが、ラインの重さを感じながら、サオを止めるタイミングを取るようにすると上手くいくと思う。

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 そして3番目は、「前振りに力を入れ過ぎない」ということ。ルアーのキャスティングのように前振りの時にスナップを利かせる、あるいは投げ釣りのように力を入れると、テンカラでは逆に毛バリが飛ばなくなってしまう。力を入れるのはバックキャストの時にハネ上げる時だけで、前に振る時はサオを止めるタイミングのみを考え、そのことに意識を集中するとよい。力加減は「後ろ7割、前3割」という感じだ。

 もう一度おさらいすると、
「後ろへのハネ上げ→12時の位置でサオを止める→ラインが後方にスルスルと伸びていく→伸びきる手前で前振りに移行→10時(2時)の位置で前に倒したサオを止める→ラインとハリスがほどけるように伸び、最後に毛バリが着水する」

 これが一連の形となる。

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効率よく練習するには


●毛バリをつけて練習する 
たかが毛バリの重さで…と思うかもしれないが、キャスティング時の毛バリの重さや空気抵抗は、使用する毛バリによってずいぶんと変わるものだ。ハリスも毛バリも付けないで練習するよりも、実際に使用する毛バリをハリスに結んで練習しよう。その際、特に釣り場ではない所で練習する場合、周囲にいる人やモノに引っかからないよう、毛バリのハリ先を切り落とし、危険のないようにして行なおう。

●後ろ振り時にラインの動きを目視して確認する
実際の釣りでは振り込むポイントを目で見て定め、そこに毛バリを振り込むようにするのだが、練習の時には後方に伸びていくラインを目で追い、ライン→ハリス→毛バリが順序よく伸びているかを確認しよう。先にも述べたが、バックキャストが上手くいかないと、サオを前方に振り下ろしても、きれいに仕掛けが伸びていかず、仕掛け全体が失速し、クシャクシャになって着水することが多くなってしまう。

●毛バリ先行で静かな着水を
 ある程度自分のキャスティングの形が決まったら、後は自分自身で力を加減し、「毛バリ先行、静かな着水」を心がけるように練習しよう。キャスティングの最終的な目標が、「毛バリをねらった場所に正確に振り込む、しかも静かに」ということになるので、それができるようになってから、それぞれの釣り場や釣り方に応じた振り込みを作り上げていけばよい。


 ねらった場所に毛バリを運ぶことができれば、ヤマメやイワナといった渓流魚を自分の手で釣りあげることはけっして難しくない。ぜひ、シンプルで楽しいテンカラキャスティングに挑戦してほしい。

030-033-tenkara-cast_cs6 (2)_1 よしだ・たかし
1960 年生まれ。埼玉県所沢市在住。長年、バスフィッシングや渓流のフライフィッシングなどに親しんだのち、テンカラを始めてそのシンプルさと奥深さに入れ込む。以来、釣りはテンカラのみ。現在は「吉田毛鉤会」を主宰し、東京奥多摩の「TOKYOトラウトカントリー」を主な会場にテンカラ教室を開催している

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2018/1/30

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