燻製は難しそうに見えるが実はお手軽な料理だ。必要な時間は2日。そのほとんどが乾燥と漬け込む時間だ。淡白な身に桜のチップの香りが移ったマスの身は非常に美味。東京の水道橋でアウトドアカフェを営む岡野永佑さんに作り方を聞いた。
目次
はじめに道具を揃えよう!燻製に必要な器具は4つ
食べ物を煙で燻す「燻製」には、冷燻・温燻・熱燻という3つの方法がある。長時間を要する冷燻・温燻とは異なり、初心者にとって最も簡単なのが、高温の煙で食材を一気に燻す「熱燻」だ。家庭のガスコンロやカセットコンロで手軽にでき、わずか15〜20分程度で完成する。今回は、この熱燻のやり方を紹介しよう。
燻製を作るには、水・塩・砂糖などを合わせた「ソミュール液」に食材を漬け込み、しっかりと乾燥させた後、煙で燻す工程が必要になる。
用意する材料自体はシンプルだが、乾燥させるためのネットや、燻すための専用器具が必要になるため、まずは道具を揃えておきたい。
燻製器(スモーカー)

熱燻の場合は、コンロにかけられる鍋型の燻製器を使用する。また、室内で燻製を作る場合は、その中でも煙が漏れない密閉型を選ぼう。庭など屋外で作れる場所があれば隙間が空いているタイプでも問題ない。岡野さんは頭の付いた魚をまるまる1尾入れることができるコンパクトスモーカー(スノーピーク)を使用しているが、直径が小さい燻製器を使う場合は頭を取るなど工夫するのがいいだろう。
スモークチップ

燻煙材は熱燻の場合、細かい木片の「スモークチップ」を使用する。スモークチップはサクラやリンゴなど様々な香りがあり、複数をブレンドして自分好みの香りを追求できるのも燻製の面白さだ。自分なりにこだわってみるのもよいだろう。ちなみに、岡野さんのおすすめはSOTOの「スモークチップス さくら」。
なお、直接火を点けて長く燃やす「スモークウッド」はという商品もあるが、こちらは主に「温燻」で使うための燻煙材だ。購入時に間違えないよう注意しよう。
乾燥用アイテム

燻製を成功させるカギは「乾燥」にある。煙をかける前に表面の水分をしっかり抜いておく必要があるため、乾燥用のアイテムも揃えておきたい。岡野さんは爪楊枝で腹を開き、たこ糸で吊るして風通しのよい日陰で乾燥させているという。
ほかにも、ベランダで干すなら干物用の網を使ったり、冷蔵庫内で手軽に水分を抜ける食品用脱水シートを活用したりするのもおすすめだ。
燻製前の準備!魚(ニジマス)の下処理手順
燻製調理に入る前に、まずはニジマスの下処理から解説していく。
1.肛門に刃先を入れてエラの手前まで進める

2.刃先でエラを切ったら手で外す

3.内臓を手で千切って抜く

4.水で洗いながら血合いを爪先で取る。鱗の処理はしなくてもOK。気になる人は取るのもアリ。ヌメリに関しては取ると乾燥時間が短くなるが、そのまま干しても問題ない(脱水シートを使う場合はヌメリを取る)

いよいよ実践!渓流魚の燻製手順とソミュール液の作り方
ここからはソミュール液の漬け込みから乾燥、燻製までの手順を解説する。
材料(4〜6尾分)
ニジマスなどの渓流魚…4〜6尾
ソミュール液(燻製の前に漬け込むタレ)の材料は以下
- 水……750ml
- 塩……40g
- 砂糖……25g
1.水、塩、砂糖をフリーザーバッグに入れて混ぜてソミュール液を作ったらニジマスを入れる。フリーザーバッグの空気を抜いて全体が漬かるようにしてタッパーに入れ蓋をしたのち冷蔵庫に一晩置く

2.ニジマスをフリーザーバッグから取り出し、キッチンペーパーで腹の中までしっかりと水分をふき取ったら、腹と顎にたこ糸を通して結ぶ


3.爪楊枝を折って腹を広げるようにして固定するをする

4.風通しのよい場所に吊るし、中まで乾燥するのを待つ。ときおり触って確認をする。触ってもベタつかなければ乾燥したといえる。乾燥具合は好みにもよるので、さらに乾燥させてもよい

5.換気扇を回し、サクラのチップをひとつまみ(約5g)入れて燻製器をセットする。強火にかけ、蓋を開けた状態で煙が出るのを確認したら、強めの中火に変えて蓋をして15分待つ

6.目が真っ白になっていることと腹の端やヒレが焼けていることを確認したら完成。充分に火が通っていない場合はさらに5分燻すとよい

