2024年6月1日、北陸・東北を除く多くの河川で全国的にアユ釣りが解禁となりました。つり人オンラインでは栃木から熊本まで13の注目河川をピックアップし、漁協・おとり店・釣具店・有名ロコなど河川をつぶさに見守っている有識者に聞き取り取材。解禁直後の釣況をまとめました。
全国有名河川の解禁当初の状況を、地元の有識者に聞きました
編集部=まとめ、写真提供=相模川第一漁業協同組合
2024年6月1日、北陸・東北を除く多くの河川で全国的にアユ釣りが解禁となりました。つり人オンラインでは栃木から熊本まで13の注目河川をピックアップし、漁協・おとり店・釣具店・有名ロコなど河川をつぶさに見守っている有識者に聞き取り取材。解禁直後の釣況をまとめました。
栃木県/那珂川・黒川・鬼怒川:
神奈川県/相模川
東京都/秋川
山梨県/桂川
岐阜県/長良川
滋賀県/安曇川
奈良県/天ノ川
和歌山県/古座川
鳥取県/日野川
高知県/仁淀川・四万十川
熊本県/球磨川
栃木県/那珂川・黒川・鬼怒川
那珂川は例年並みの賑わい。場所ムラはあるものの黒羽地区より上流や余笹川、箒川などの支流で好釣果が上がっている。アユは大きくて18cmくらいだ。黒川は解禁直後に釣り人が多く入り、平均20~30尾、多い人で60~70尾の釣果が上がった。解禁日以降はだんだん釣れにくくなっているが、5~20尾の釣果は望める。鬼怒川は柳田大橋~鬼怒大橋の区間が人気。大きくて19cmほどのアユが釣れている。解禁日から天然アユが掛かっているので今後に期待が持てそうだ。
(栃木県水産試験場・高木優也さん)
那珂川の水況は昨年よりはすこし渇水気味。支流の武茂川と箒川に放流されたアユは強くて元気だったようで、箒川はトップの人で30~50尾、武茂川ではトップの人で20~30尾、平均で10~15尾は釣れていた。一方で本流の下流部の釣果は平均5尾くらいにとどまっている。
(那珂川南部漁協組合長・岡崎孝さん)
神奈川県/相模川
座架依橋から昭和橋までのアユルアー区間では、解禁日はつねに80人程度の釣り人がひっきりなしに入っていた。30尾超の釣果を得た人もいて、20尾超えの人も4、5人いたようだ。天然遡上のアユはまだ13~14cmくらいの小ぶりなサイズなので、友釣りではあまり追いが立っていない状況。ただ、海老名の大堰では500万超の遡上を確認しており、水温が上がってくれば好釣果が期待できる。
(相模川第一漁協・我妻竜雄さん)
東京都/秋川
連日、平均30~60尾ほどの好釣果に恵まれており、中には90尾以上という釣果を出した釣り人もいるそう。平均サイズは約17cm、最大サイズは21cmだ。水況は平水時より10cmほど高いが濁りはない。イチ押しポイントは漁協前から小峰オトリ店前の区間。
(小峯オトリ店さん)
山梨県/桂川
解禁日は多くの人で賑わい好釣果が出たが、その日の夜の大雨によって現在は平水時の2倍程度増水している。釣れているアユのサイズは20cmほど。魚影が濃いためどのポイントでもまんべんなく釣果が期待でき、鳥沢と猿橋周辺は入川しやすくオススメだ。増水時や濁りがきつい時は支流の鶴川もよい。釣れるサイズは15cmほどだが数釣りが楽しめる。
(ホソダ釣具店さん)
岐阜県/長良川
解禁直前の大雨でアカが飛んでしまったものの、解禁日には上流部エリアを中心に約2400人の釣り人が訪れた。当初の釣果は10~20尾だったが、6月5日現在は約30尾ほどの釣果に回復している。オススメのエリアは大和町から上流と支流の吉田川。
(郡上漁業協同組合・白滝治郎組合長)
滋賀県/安曇川
解禁前の大雨による増水でアカが飛んでいるが、水量は平水時+10cmほどまで落ち着いた。現在はよく釣れた人でも10尾くらいの釣果だが、河川状況が回復し水温も上がれば徐々に釣果が上向くだろう。釣れているサイズは13~17cmだ。
(村上おとり店さん)
奈良県/天ノ川
解禁日から例年どおり賑わいを見せている。14~20cmのアユがよく掛かり、多い人は40尾ほどの釣果を上げたそうだ。九尾(つづらお)ダムより上流は水量が安定しており、まんべんなく釣れている。ダムより下流は西ノ谷との出合い付近がねらいめだ。
(大和屋旅館さん)
和歌山県/古座川
遡上状況が例年と比べてあまりよくないためか釣り人は少なめだが、20~30尾の釣果が出ている。サイズも17~20cmと大きめだ。日によって釣れる場所と釣れない場所がハッキリと分かれている場合が多いためこまめに釣り場を変えるとよい。
(田上オトリ店さん)
鳥取県/日野川
日野川の遡上状況はここ3年間でいちばんよい。昨年10月の調査結果があまりよくなく心配していたのだが、汲み上げで4t超え。サイズは小さめだが、そのぶん数がたくさん。例年だと最上流と最下流に釣果が集中する日野川だが、今年は全域にアユが見える。解禁日の上流部では竿3本分の間隔で釣り人が入っており、最大で70尾釣り上げた人も。サイズは14~17cm。下流では竿2本分間隔でにぎわっていたが、釣果は良い人で30尾ほどだったようだ。
(瀬田匡志さん)
高知県/仁淀川・四万十川
本流は濁流で釣りにくい状況だが、6月第一週の週末くらいから三谷~三石エリアを中心に期待できそう。解禁直後は支流の上谷川川、土居川、長者川などの釣果がよく、束釣りに迫る釣果を出している人もいた。釣れたアユのサイズは17~20cm程度だ。
(内山顕一さん)
熊本県/球磨川
解禁直後は大幅に増水していたが現在は落ち着いている。例年に比べて放流量と遡上量が少ないが、ここ数年は初期が厳しく8月に入ってから好転する傾向があるため今後に期待したい。初期でも釣果が望めるのは支流の川辺川。水が綺麗でアユが美味しいと評判だ。
(丸山水産さん)