シーバス用のリールにはタフさが必要だ。高強度のアルミボディーにタフデジギアを搭載の高コスパ・堅牢スピニングリールは、財布のヒモが固い今どきアングラーの救世主となるか?編集部員が実際に使ってみた
リールにこだわりの編集部員が検証!
写真◎塚田智 文◎編集部
ソルトはタフさが絶対必要
リールに求められる「タフさ」を向上させる設計に、金属製ボディーや頑丈なギアの搭載といった要素があるが、2万円台中盤の価格帯で手に取りやすいダイワ「レグザ」もそんなシリーズだ。堅牢なアルミ製ボディーに、強い負荷がかかる使用環境でもへこたれない「タフデジギア」を搭載。かといって鈍重なリールでは決してなく、ローター部分が「ZAION V」という軽量なカーボンハイブリッド樹脂素材で成形されていて、金属ボディーとの複合設計なのが特徴である。
大きな回転パーツであるローターが軽くなれば慣性も小さくなるので、この手のリールにありがちな巻き出しの重み感も解消される。実際、手に取って巻いてみると軽やかな回りだしでピタッと止めてみてもブレが少なく、繊細なリトリーブができそうだ。
ここでふと気になったことがある。
金属製ボディーのリールがパワフルなのは、負荷がかかった際のゆがみが生じにくいからだ。これを剛性が高いなどと表現する。巻き上げ時に抵抗がかかるとどんな丈夫なリールでもボディーがわずかに変形しギアの噛み合わせが多少変化するものだ。やわなリールだとこのズレが大きく、ハンドルを回す力がロスされるので非力なリールに感じてしまう。一方、金属製ボディーで剛性が高ければ、そのゆがみは小さく、力が効率よく伝達されるのでグイグイ巻けるのだ。
で、レグザのローターなのだが……。
「ZAION V」がダイワの技術力を結集した高強度のカーボン複合素材といっても、ボディーのアルミとは異素材の組み合わせだし、せっかくの剛性が犠牲になってしまわないのだろうか?
それを検証するため、今号のシーバス特集にかこつけ木更津某所に向かった。
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余裕の巻き上げ。ハイギアモデルでもファイトに不安なし!
結論からお伝えしよう。筆者は40㎝クラスのキビレと60㎝クラスのシーバスをヒットさせた。
良型のシーバスだった
ダッシュされればドラグを出されることもあったが、ヒットからランディングまでハンドルを巻き続けて寄せることができた。スピニングリールでのゴリ巻きでは、魚の抵抗以上にハンドルが重くなり「ぐぬぬ……」と手が止まってしまうのがありがち。だが、レグザではそんな剛性不足を一切感じることなく、このサイズの魚をキャッチできたので驚いた。しかも使っていたのはギア比6.2:1のハイギアモデル(LT3000-XH)だったのである。
不安は杞憂だった。レグザの「エアドライブローター」は、金属に比肩するほど強度をもつ「ZAION V」を、構造力学の先端理論で球体から切り出したような新形状に設計されている。軽量化を追求しながら高いレベルの剛性を実現しているというが、それをまさに体験できた釣行となった。
中~重量級のソルトゲームの頼れる相棒として、自信をもってオススメできる。
別日に釣行した編集長・サトウがキャッチした70cmオーバーのヒラスズキ。23 レグザLT4000-C でこの魚を筆頭に複数尾のシーバスをキャッチ。「カキ瀬に走られないように強引なやり取りをしたが巻き上げパワーは申し分なかった」と語った
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※このページは『つり人 2024年12月号』を再編集したものです。