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編集部2024年1月16日

バス用ワームがアジングで人気爆発!イージーシェイカーの魅力

アジ 全国おすすめ釣り場 愛媛

アジング用ワームとして爆発的な人気が出たイージーシェイカー。元々はバス用だったこのワームがアジたちを狂わせる理由は何だろうか

アジング用ワームとして爆発的な人気が出たイージーシェイカー。元々はバス用だったこのワームがアジたちを狂わせる理由は何だろうか

写真と文◎編集部

全国で人気爆発中のストレートワーム

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たくさんのメーカーからさまざまな形状のアジング専用ワームが登場しているなかで、今人気を集めているのがケイテックからリリースされているイージーシェイカーというストレートワームだ。昨年に2.5インチ、今年は3インチが登場し、もうイージーシェイカーしか使わないというアジングファンもいるほど。何がそこまで魅力的なのか、どういった特徴があるのか、その秘密を探るべく、河口湖の近くに本社を構える製造元のケイテックへ足を運び、代表の馬路久史さんに話を聞くと意外な答えが返ってきた。

「実は私たちも何でこんなにアジに効くのか、よくわかっていないんです」

ケイテックはバスフィッシング用のワームを製造しているメーカーで、イージーシェイカーもバス用として開発されたものだ。まさかアジングという用途で人気が出るとは考えてもいなかったという。

ただ、イージーシェイカーだけでなくソルトウォーターの釣りで有名なクレイジーフラッパーもケイテックの製品だ。フリーリグを使ったチニングでよく釣れることから愛用者は多いが、メーカーからソルトアングラーに向けたプロモーションは一切していないと営業担当の中川隆紀さんは話す。

「弊社はバス用品メーカーなのでソルトウォーター系で契約しているテスターさんもいません。イージーシェイカーの3.5インチはギガアジがよく釣れる秘密兵器としてユーザーさんの間で口コミによって静かに広がっていきました」

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インタビューは河口湖近くにあるケイテック本社にて行なった。右が代表の馬路久史さん、左が営業担当の中川隆紀さん

 

ダウンショットリグ用として開発

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イージーシェイカーは元々バスフィッシング用に作られた細かいリングボディーが特徴のストレートワーム。バストーナメンターであり数多くの名作ルアーを生み出したケイテックの創業者、故・林圭一さんがデザインし、2016年から発売されている。コンセプトはダウンショットリグで水平姿勢を保ち続けて誘えるワームで、当初、サイズのラインナップは3.5、4.5、5.5インチだった。アジングで使われていたのは一番小さい3.5インチ。それでも一般的なアジングワームと比べればかなり大きい。

発売当時、バス用のワームは塩の結晶が混ぜ込まれたワームがポピュラーだった。塩を入れる理由はワームの比重を上げてノーシンカーでも飛距離を出したり速く沈めたいからだ。しかし、塩入りのワームをダウンショットリグで使うとフックを支点にどんどん尻下がりになってきてしまう。

「アングラーとしては水平状態のまま小魚がホバリングしているかのように動いてほしいのに、イメージと実際のアクションが乖離してしまうんですよ」

と馬路さんは話す。この問題を解決するためにイージーシェイカーは塩なし(ノンソルティ)で作られており、比重が軽くなって水平姿勢をキープし続けてくれるのだ。

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「天然イカフレーバー」は抽出物ではなく、イカの身が混ぜ込まれている(着色の都合上、入っていないカラーもあり)

 

さらにダウンショットリグではシェイクして上下に細かく動かすことも多い。テールだけを極端に細くしたりしてしまうとそこには動きがなくなってしまう。ロッドで入力したアクションをテールの先までしっかり伝わらせるためになだらかなテーパー構造を採用しているのも一般的なアジングワームにはない特徴のひとつ。水平姿勢のキープ、細かいロッド操作によるアクションの伝達が求められるのはアジングも同じだ。

ケイテックでは、ワームの特性(形状や用途)に合わせて素材の硬さを変えているという。イージーシェイカーはとても軟らかい。そのため、動きがより艶めかしくなるだけでなく、アジの小さな口でもワームが折れ曲がってすっぽりと中に入ってしまうため、見た目によらずフッキングはよいそうだ。

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ケイテックではそれぞれのワームに適した素材の硬さを追求し、自社工場で生産を行なっている。イージーシャイカーはかなり軟かめの素材でできている

 

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イージーシェイカーの軟らかさを象徴する一枚。アジがバイトすると折りたたまれて口の中に入るため、ワームが大きくても問題なく上顎にフッキングできている

 

 

アジングで使われるようになったキッカケ

アジングはスローリトリーブやフォール、シェイクとストップが基本の釣り方となりバスフィッシングに近いと中川さんは言う。前述したイージーシェイカーの特徴を踏まえればアジにも効果がありそうなことは納得できるだろう。とはいえ、1.5~2インチ程度のワームが一般的に使われるアジングに対して3.5インチのワームを使ってみようとはなかなか思いつかない。

中川さんいわく、イージーシェイカーがアジに効くということを最初に気付いたのは岩本憲司さんというアジングフリークだそうだ。岩本さんは居住地の大阪からアジングが盛んな愛媛まで年中ほぼ毎週通い込み、今まで数多くのギガアジを釣ってきた。

「デイで見えアジを釣る時にいろいろなワームを試した結果、群れの中に入れた時にアジが逃げない唯一無二のワームがイージーシェイカーの3.5インチでした」

岩本さんによると、アジングで使うワームに必要な要素はフリーフォール時にスパイラルしないことと、水平に近い姿勢を保つことだという。一般的なピンテールのようなテールが細いものはフォール速度が速く回転しやすく、ストレート系では硬いものが多くフッキングが悪かった。イージーシェイカーはこの条件をクリアできていて、一度食ったらなかなか離さないのだとか。また、リブが深いことで水噛みがよく手前に寄りにくいこともいい点だという。この釣れっぷりを中川さんに伝え、2.5インチの発売に繋がったのだ

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全身に深いリブがあり(リングボディー)、複雑な水流を生む

 

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前方にはフックを真っすぐ通すガイドラインにもなるスリットが入っている

 

中川さんも岩本さんも3.5インチはギガアジねらいのほかに、サーチに使うのもおすすめだと言う。

「よく飛んで最初のフォールだけでバイトがあります。10~15cmのアジは掛からないですが何度もアタックしてきますし、20cmのアジなら掛かります」

 

 

ボリューム感を活かした新サイズで広がる選択肢

ギガアジねらいのワームとして3.5インチの実力はお墨付きだが、昨年リリースした2.5インチはどう使うのがいいのだろうか。岩本さんはフォールとアクションを織り交ぜた一般的なアクションでも使いやすくなり、やはりよく釣れると言う。

ハリ持ちが気になる場合はロングシャンクのフックを使うとよいそうだ。中川さんによるとバチコンでも人気とのこと。

また、2.5インチはアジングを意識した派手なカラーもラインナップされている。3.5、2.5と来れば次は1.5インチか? と思いきや今年発売したのは3インチだ。その理由を中川さんはこう話す。

「アジングにおけるイージーシェイカーの魅力は大きさとボリューム感だと思っています。それでも誰もが手に取りやすいサイズが欲しいとなって2.5インチが誕生しました。もっと小さくすることも考えましたが、ボリューム感を求めているユーザーの選択肢を増やすために中間の3インチをラインナップに加えました。2.5〜3.5インチのカラーを増やしたのもローテーションの幅を広げるという意味合いからです」

アジングはまだまだ発展途上。いつものワーム、いつもの釣り方に囚われず、ぜひビッグワームをはじめとした新しいことにトライしてほしい。ルアーフィッシングならではの創意工夫と発見に心が躍るはずだ。

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アジングを意識した4 色のグロー系が2.5、3、3.5 インチに追加されている。左からオレンジゴールドダストグロー、グロー、オレンジシャートリュースグロー、ピンクシルバーグロー

 

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 実際に中川さんがアジングで使用しているケース。左上が2.5、左下が3、右が3.5 インチだが、横に入っているシンカーと比べると大きさに驚く。ジグヘッドはロングシャンクのものが目立つ。手前はスーパーラウンドジグヘッド(ケイテック)で中川さんは0.9gをよく使うとのこと。フックサイズは2.5 や3 インチには# 4、3.5 インチには# 3がちょうどいい

 

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中川さんおすすめのカラーは紫色のようなモーニングドーン。「濃いピンクだと考えてください。デイでもナイトでもよく釣れます」

 

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オカッパリよりも少し大きい3インチのワームが主流のバチコンでも全国各地で人気が高い

 

岩本憲司さんのギガアジ攻略法

ここで紹介するのはあくまで一例。ビッグワームの可能性も含めて創意工夫を楽しんでほしいと岩本さんは話す。ワームはもちろんイージーシェイカーの3.5 インチ。合わせるジグヘッドは0.9gを軸に0.3 ~1.8gくらいまでを使い分ける。岩本さんが重視しているのはフリーフォール時に回転せずに水平姿勢に近い状態で沈んでいくセッティングだ。キャストしたらボトムに着底するまでフリーフォール。イージーシェイカーなら最初のフォールで食ってくるそうだ。極力ラインの動きを見て変化があればアタリなので合わせる。着底したら大きく持ち上げてまた落とす。細かいシェイクなどはあまりすることはなく、この繰り返しでバイトがあるとのこと。

 

 

 

 

※このページは『つり人2024年1月号』を再編集したものです。

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