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編集部2023年11月7日

PEとリーダーの間に「スペーサー」という太いPEを挟む理由

シイラ ヒラマサ 釣りの仕掛け集 ブリ

少ないチャンスタイムを逃さんとキャストを繰り返す。根に潜られないようにヒットした大物と全力で格闘する。いずれにせよ信頼のおけるタックルやノットが欠かせない。安心材料のひとつにスペーサーというラインシステムがある

少ないチャンスタイムを逃さんとキャストを繰り返す。根に潜られないようにヒットした大物と全力で格闘する。いずれにせよ信頼のおけるタックルやノットが欠かせない。安心材料のひとつにスペーサーというラインシステムがある

写真と文◎編集部

トラブルを防ぐスペーサー

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湘南エリアを中心に多彩な釣りを楽しむ沼田純一さん。全国の磯からヒラマサを10 年ほどねらい続けている

 

現代のソルトルアーではほぼすべてのジャンルで、細くて強度の高いPE にナイロンやフロロカーボンのショックリーダーを組み合わせるラインシステムが一般的だ。ショートリーダーの場合は結び目がガイドより外側にあるため特に問題はないが、ロックショアの場合は根ズレ対策の観点からリーダーは最低でも2ヒロ以上と長くとる必要があり、どうしてもキャスト時にガイド内に結び目が入ってしまう。すると、その硬い結び目がガイドを抜ける際に暴れてPE がガイドに絡みやすくなってしまい、ライントラブルが増えがちになる。知らぬ間にエアノットができてしまっていたり、バットガイドに絡んでラインブレイクしてしまい再度ノットを組んでいる間にチャンスタイムを失うばかりか、ジグが自分に飛んでくることもあり非常に危険な場合もある。原因としては細いPE と太いリーダーのギャップが結び目を暴れさせてしまうからだそうで、沼田さんはPE とリーダーの間にスペーサーと呼ばれる太いPE を挟むことでギャップを小さくしてトラブルの発生や重症化を高確率で抑えているのだ。

 

 

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2倍の太さがスペーサーの目安

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沼田さんはリーダーもスペーサーもFG ノットで結束している。硬くなる結び目をなるべく小さくすることでトラブルの発生率も下がるとのこと

 

スペーサーの一番の役割はキャスト時のライントラブルを回避するということだが、他にも根ズレへの安心感やキャスト時に指を掛ける部分の傷みが減るというのもメリットだと沼田さんは考えている。デメリットとしてはノットがひとつ増えるのでシステムを組むのに少し時間が掛かることと、飛距離が多少落ちることが挙げられるが、大きな差が出るわけではないため、気にならないという。

沼田さんのスペーサーシステムは次のとおり。メインラインは5号を基準としており、スペーサーはPE の10号(メインラインの2倍の号数、5×2=10号)を4ヒロ、リーダーは100ポンド(メインラインの20倍のポンド数、5×20=100ポンド)を2ヒロ、を目安にしているとのこと。

たとえばより大物がねらえる状況であればメインは6号、スペーサーは12号、リーダーは120ポンドにすることもあるそうだ。ちなみに、使うスペーサー用のラインも太いPE であればなんでもよいわけではないようだ。「スペーサーにはある程度の張りが欲しいと考えています。太さのギャップを埋めるスペーサーですが、硬さのギャップも小さくできるとさらにいいからです」

 

 

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ラインの特徴を活かす

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沼田さんが信頼しているラインたち。スペーサー用には張りがあり耐摩耗性の高いアバニキャスティングPE SMP(上)、メインライン用にはカラーリングシステムで潮の変化などを視覚的につかめるアバニジギング10 × 10 マックスパワーPE X8(左)、リーダー用にはしなやかで直線強度の高いオーシャンレコードショックリーダー(右)を使っている

 

沼田さんがスペーサーに使っているラインはアバニキャスティングPESMP(バリバス)で、張りがあるだけでなく高い耐摩耗性を持っていて水に馴染みやすいステルスグレーカラーなのもリーダー近くで使うラインとして気に入っているポイントだそう。ちなみにメインラインには視覚でも情報が得られやすいカラーリングシステムが特徴のアバニジギング10×10マックスパワーPE X 8(バリバス)を愛用している。リーダーはジグタックルにはフロロカーボン、プラグタックルにはナイロンを使っていて、同じ太さでも他のラインよりもワンランク強度が高くしなやかなオーシャンレコードショックリーダー(バリバス)がプラグの動きを殺すこともなくてお気に入りとのこと。

メインラインとスペーサー、スペーサーとリーダーのどちらもFG ノットで結束しており、なるべく結び目をコンパクトにすることでガイドを通る時の暴れを小さくできるようだ。ルアーとの結束はダブルニットノットを使うのが沼田さん流。

ラインシステムは長さや結束方法などアングラーによって十人十色だ。キャストの癖や使うタックル、多用するルアーでも最適解は変わってくるはず。ラインに限らず、自分なりの信頼できるタックルバランスを見つけだしていくということもこの釣りにのめり込む魅力のひとつと言えるだろう。ぜひ自分に合ったラインシステムを構築する際にはスペーサーも検討してみてほしい。

 

 

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メインラインに求める要素

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沼田さんはジグもプラグも使うが、どのタックルでもメインラインにはアバニジギング10×10 マックスパワーPE X8(バリバス)を採用している。このラインは高強度であることはもちろん、名前の由来にもなっている10 m× 10 色のカラーリングシステムが役立っていると言う。ジギングの場合、着底まで当然カウントダウンはするものの、ライン放出の速度を視覚でも把握できることで、チャンスタイムである潮の変化がさらに分かりやすくなると沼田さんは言う。また、このラインはPE でありながら張りが少しあるため、プラグを使う場合にはその張りがライントラブル防止に一役買っているようだ。

 

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※このページは『つり人 2023年11月号』を再編集したものです。

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