2019年8月23~25日、岐阜県・長良川で行なわれた33回目の「ダイワ鮎マスターズ」は上田弘幸さんの優勝で幕を閉じました。同大会で上田さんは瀬田匡志さんと並ぶ3度目の頂点、V3を達成。
岩を舐めるように乗り越えるオトリ操作が特徴の新釣法を動画でチェック!
つり人編集部=写真と文
2019年8月23~25日、岐阜県・長良川で行なわれた33回目の「ダイワ鮎マスターズ」は上田弘幸さんの優勝で幕を閉じました。同大会で上田さんは瀬田匡志さんと並ぶ3度目の頂点、V3を達成。
初優勝した2008年22回大会ではソリッド+単線メタルによる「垂直引き」操作が話題になり、2度目の優勝2016年30周年記念大会では下ザオからの広角引き「強制横出し」が注目を集めます。
2008年22回大会の全記録を掲載した鮎マスターズ22
同じく2016年30周年記念大会の模様を掲載した鮎マスターズ30。詳細はこちら
そして2019年はノーマル仕掛けのゴリ引き操作でオトリに石を乗り越えさせる「強制ボルダリング引き」を披露。
ボルダリングとはご存知、2020年東京オリンピック競技のひとつスポーツクライミングです。
岩を乗り越えさせるようにオトリを引き上げるようすがボルダリング(岩登り)のようでもあることから命名。
またボルダリングは最低限の装備で行なうクライミング。
上田さんの釣法は背バリやオモリを使わないノーマル仕掛け。
ごくシンプルな仕掛けで、オトリを浮かさず石を乗り越えさせるのもボルダリングっぽいストイックさがあります。
イヤイヤをしているオトリは流れの抵抗が強い、もしくは進行方向に石などの障害物があり、前に進めない状態であることが多いです。
ダイワ鮎マスターズ今大会の舞台になった長良川は石が大きく、オトリを引き上げると石にぶつかり動きにくい。
上田さんはオトリのイヤイヤを無視してサオ先を水面ギリギリまで下げテンションを掛け続けます。
イトがゴリゴリ擦れるのを感じながらもサオの2番、3番が曲がるほど負荷を強くするとそのうちオトリはイヤイヤをしながらも石を乗り越えるのです。
石を乗り越えている最中のオトリを橋の上から見たところ、ヒラを打つような恰好で魚体をくねらせギラギラと閃光を散らし石の上を舐めるように乗り越えていました。
このアクションが野アユを挑発するようです。
現在のアユ釣り競技会シーンで最も先鋭的と言っても過言ではない上田釣法。
その片りんを、ユーチューブでご覧ください!
遂に発売!
『最強のリアクション誘発! 強制ボルダリング引き 上田弘幸』
このDVDをご覧になった方は、オトリを引き上げ続ける上田弘幸さんの姿を目に焼き付けることになる。流れの筋に合わせてきっちりじんわり引き上げる、上飛ばしで丁寧に泳がせる。そんな優しく見える操作はひとつもない。イトを緩めず、オトリを止めない。サオの2番、いや3番まで曲げる。鬼のような引き加減で瀬を探る釣りに刮目してほしい。
2019/8/27