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編集部2017年9月25日

秋のハゼ釣り/落ちハゼをねらうチョイ投げテクニック

ハゼ 魚種別釣りガイド

岸まで潮が満ちた時間帯はカケアガリねらいでコンスタントに当たった ハゼは晩秋の10 月以降、深みに下り始める。するとリールザオに軽いオモリを組み合わせた「チョイ投げスタイル」の好機到来だ。落ちハゼの釣り場が多くある千葉県内房木更津エリアを舞台に、手持ち1 本ザオで探り歩く実践的なノウハウをご紹介しよう。

岸まで潮が満ちた時間帯はカケアガリねらいでコンスタントに当たった

おすすめ時期:9~10月

葛島一美◎文・写真

ハゼは晩秋の10 月以降、深みに下り始める。するとリールザオに軽いオモリを組み合わせた「チョイ投げスタイル」の好機到来だ。落ちハゼの釣り場が多くある千葉県内房木更津エリアを舞台に、手持ち1 本ザオで探り歩く実践的なノウハウをご紹介しよう。

この記事は『つり人』2016年11月号に掲載したものを再編集しています。



動き始めたハゼをねらい撃ち


 今回、チョイ投げ釣り場に選んだ内房木更津周辺は、梅雨時のデキハゼから師走のケタハゼまでフルシーズン陸っぱりのハゼ釣りが楽しめる。

042-046-choinage-haze_cs6 (1)_2 小型漁船の係留桟橋が立ち並ぶ長浦水路の成教橋付近。溝下橋にかけて水深がある船道が通っており、好ポイントが続く

042-046-choinage-haze_cs6 (5) 係留桟橋との隙間はロープの残骸などの根掛かりゾーンだが、桟橋や障害物が格好の隠れ家を提供しハゼの魚影も濃い

 夏に岸寄りの浅場にいたものが、徐々に深場に移動する、いわゆる〝落ちハゼ〟釣りのシーズンは10~11月の晩秋から初冬にかけて。9月の彼岸を迎えると水温の低下を察知してハゼが深みに下り始める。ただ、深みといってもこの時期のハゼは水深2~3m以内にとどまる個体が多い。

 今回訪れた釣り場の1つである長浦水路は、奈良輪漁港とともに小型漁船が出入りする係留場所になっており、船道を中心とした水路の深みにハゼが集まってくる。

 もう1つの木更津港は、何本もの水路が流入し、落ちハゼが溜まる木更津周辺随一の大場所。港内にはタンカーなど大型船が出入りできるほどの船道が通っていることから、その周辺に形成されたカケアガリや起伏のある底が落ちハゼにとって絶好の付き場になっている。

042-046-choinage-haze_cs6 (16) チョイ投げなら高い足場からの釣りも自由自在だ

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おすすめのロッドとラインシステム


 使用するのは終日持ち歩いても疲れないオモリ負荷の軽いリールザオ。全長2・1~2・8mクラスで、オモリ負荷1~5号の先調子が目安。最近のチョイ投げ専用をうたったルアーロッドなどいろいろ使えるが、意外に面白いのがソリッド穂先の付いた繊細な先調子の堤防・小磯用小ものザオだ。

042-046-choinage-haze_cs6 (18) 今回使用したチョイ投げロッド3 本。上段=ダイワ「せとうち」、中段=プロックス「小技 磯」、下段=ANA 釣り倶楽部オリジナルのルアーロッド

 ロッドに組み合わせる小型スピニングリールは1500~2500番がちょうどよく、PEライン0・4~0・6号をスプールの指定キャパシティーどおりに巻く。

 たとえば長浦水路の場合、水路伝いに10m付近までのニアポイントをねらう場合はリーダー(先イト)がなくても大丈夫。ただし、根掛かりが多い釣り場や、思い切ってフルキャストを試みる時には、フロロカーボン1・5号40~50㎝を接続しておいたほうが安心だ。

仕掛けは小型のL字テンビン


 落ちハゼ用の軽量仕掛けは、L字固定型ミニテンビンを使った、1~2本バリが基本。ナツメ型オモリの中通し仕掛けは絡みが多く、また、キス用の片テンビンだと空気抵抗・水抵抗とも大きく、細く繊細な穂先がセットされているチョイ投げザオでは誘いの操作がしづらくなる。

042-046-choinage-haze_cs6 (20) ハゼばかりでなくいろいろな魚種がねらえるチョイ投げ専用のL字固定型ミニテンビン各種と改良型ハリス止メテンビン

042-046-choinage-haze_cs6 (21) 落ちハゼ用にはハリス付きの袖バリ5 ~7 号を準備し2本バリにする

 ミニテンビンのオモリ号数はニアポイント用に1~2号、遠投用には3~4号を選ぶ。ハゼばかりでなくメバルやシロギスを意識したチョイ投げ専用のL字固定型ミニテンビンが各種市販されている。

 0・4~0・6号のPEラインを使用すると、オモリ2号の軽いミニテンビンを力まずに投げても20m前後の飛距離は充分出る。さらにオモリ4号にスイッチしてフルキャストすれば、軽く30mを超えるはずだ。

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仕掛けひと工夫


 1~2本バリの仕掛けは小型スナップスイベルかチチワでテンビンにセットするものが多い。ただ、筆者はここでひと工夫。仕掛けの脱着をより簡単にするため、“ハリス止メテンビン”に改良して愛用している。

 作り方はごく簡単。まずテンビンのアーム部分の先端をペンチでカット。そこに自動ハリス止メを結んだホンテロン2号3~4㎝を根巻きイト(筆者はナイロン0・2号)で巻き上げてハーフヒッチ2~3回で止めたら、最後に瞬間接着剤で固定する(イラスト参照)。

042-046-choinage-haze_cs6 (2)
 ハリは袖5~6号の出番が大半で、18~ 20 ㎝級の大型ハゼがそろう時には7号も使う。0・8~1号のハリス付きをそのまま利用し、2本バリ仕掛けは一般的な枝バリ式または長短ハリスの段差式に作る。ただし根掛かりが多い釣り場やビギナーファンは1本バリが扱いやすい。

042-046-choinage-haze_cs6 (6) 例会中のベテランファンが釣りあげた木更津の18cm級ジャンボハゼ。10 月以降なら3~4割方が全長15cm 以上の天ぷらサイズになるはず

042-046-choinage-haze_cs6 (17) 定番の陸っぱりハゼ釣りスタイル。釣ったハゼが傷まないよう、凍らせた500mlのペットボトルを入れた渓流用ショルダービクとエサ箱を組み合わせ、手持ち1本ザオで探り歩く

アオイソメエサの付け方
042-046-choinage-haze_cs6 (7) 落ちハゼ初期の10 月中や活性が高い時は通し刺しにし、タラシは1cm 前後と短めにするとよい

042-046-choinage-haze_cs6 (8) 食いが渋くなる場合はタラシ2~3cm と長めにし、軟らかい胴体の部分を多用する

042-046-choinage-haze_cs6 (9) 落ちハゼ後期の11月に入ったらアピール度を高めるため房掛けにする。通し刺しに続いて2~3cmに切った胴体の真ん中を1 ~2 本プラスするとよい


数を伸ばすテクニック

チョイ投げハゼのねらい方 042-046-choinage-haze_cs6 (1)

 長浦水路など川幅数10mの水路群の落ちハゼ釣りは、少しずつ水深が深くなっていくカケアガリの中段あたりから船の通行路である最深部の船道(別名・ミヨ筋)までの深みがメインポイント。とはいえ、ハゼは潮の干満や時期によって居心地のよい場所を選んで移動するので、その日その時で変わる落ちハゼの付き場を探り当てることが釣果を伸ばす第一歩である。

042-046-choinage-haze_cs6 (3) 朝方の満潮時に入れ掛かりを見せてくれたのは坂本和久さんと金森健太郎さん

釣り場の干満差

写真は長浦水路の成教橋付近で、土手下まで潮が満ちている満潮時と平場が干上がった干潮時を比べたもの。小型漁船の航行が多いことから水路中央部の船道は掘り下げられており、落ちハゼにとって棲みやすい環境になっていることが分かる。初めての釣り場を訪れる際には、干潮時に到着し、底の状態を確かめておくことが非常に役立つ

042-046-choinage-haze_cs6 (15) 042-046-choinage-haze_cs6 (14)

042-046-choinage-haze_cs6 (4) ポイントを移動して浮戸川合流点の新田橋付近をねらう。長浦水路の新田橋~成教橋~溝下橋の区間には袖ケ浦港に流れ込む水路が3本あり、それぞれの合流点が大本命ポイント

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 落ちハゼねらいのチョイ投げの基本的な攻略法は、イラストに挙げるABCの3パターンの中から選択すると分かりやすい。

 投入する方向は正面ばかりでなく、釣り人が少ないポイントでは左右斜め方向にキャストすると、仕掛けをサビいて探れる範囲が広がる。以下、3つの代表的なパターンを紹介しよう。

〈パターンA〉

 平場の上まで潮が満ちている潮位の高い時間帯や、落ちハゼシーズン中期の10月いっぱいは、ハゼが水深の変化があるカケアガリを行き来するケースが多い。カケアガリの下段に向かって近場ねらいのキャストを試み、カケアガリの中段あたりまで探ってみたい。

〈パターンB〉

 平場とカケアガリの途中まで干上がった干潮時や、初冬11月に入った落ちハゼの後期になると、潮位が高い時間帯でも水路最深部の船道にハゼが身を寄せる可能性が高くなる。キャストする範囲は狭い船道に絞り込みたい。さらに食いが渋い場合には、エサのアオイソメを房掛けにしてアピールするのも手だ。

〈パターンC〉

 落ちハゼシーズンをとおして付き場が絞り切れない時は、対岸のカケアガリに向かってキャストした後、船道を通して手前のカケアガリまで広く探ってみる。この方法は対岸から釣りができない場所や、対岸に係留桟橋が並んでおりその間をねらえる場合も有効だ。

 誘い方はいずれの場合も、数10秒間隔で小刻みに仕掛けを軽く跳ね上げ、エサをアピールし続けるのが基本。跳ね上げて着底させた直後にアタリが出る場合が多く、そこで間髪入れずにサオの持ち手を握り直すくらいのグリップ合わせでフッキングを行なう。

 なお、長浦水路に比べて釣り場が開けている木更津港は、ファミリーでハゼの投げ釣りを楽しんでいる人たちが多い。チョイ投げタックルで楽しむ場合は、前述の遠投用のセッティングが向いており、オモリは3~4号にするが、置きザオで楽しんでいる人たちの間に入って邪魔になるのはくれぐれも避けたい。釣り方自体は水路の攻略法と変わらず、10m前後の近場ねらいから30m以上のフルキャストまで、遠近自在に投げまくって食い気のある落ちハゼを拾い釣りして数を稼ぐ。

 心地よい秋の1日、広範囲に探れるチョイ投げのハゼ釣りをぜひお試しあれ。

042-046-choinage-haze_cs6 (10) 中の島大橋内側に広がる木更津港の落ちハゼ釣り場は数ヵ所あるが、親水フェンスが張られた内港公園がおすすめ

042-046-choinage-haze_cs6 (13) 陸っぱりのハゼ釣りが得意な坂本さんは「晩秋以降の木更津界隈は、数釣りもさることながら、落ちのシーズンらしい良型ハゼの居場所を突き止めるのが何より面白い」とのこと

042-046-choinage-haze_cs6 (11) 内港公園は折り畳みイスやデッキチェアでくつろぎながらハゼの投げ釣りを楽しむファミリーの憩いの場。公園入口には数10 台が駐車可能な無料パーキングとトイレがある

042-046-choinage-haze_cs6 (12) 「楽しみにしていた14 ~15cm の良型ハゼが一荷釣り。揚げたての天ぷらは晩秋の味覚です」と金森さん

042-046-choinage-haze_cs6 (1)_1 042-046-choinage-haze_cs6 (2)_1 長浦水路は館山道の木更津北IC または東京湾アクアラインの木更津金田IC を利用。木更津港は木更津北IC か木更津南IC を降りる。電車は長浦水路の場合、内房線袖ケ浦駅から新田橋まで徒歩約1㎞。木更津港は同線木更津駅西口から徒歩15 ~20 分で行ける

2017/9/25

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