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編集部2023年2月24日

シーバス釣り/バチ抜けワーミングで入れ食い間違いなし!

シーバス-川 シーバス-海 魚種別釣りガイド

サイズは選べないものの、アタリの数は圧倒的! 慌てて合わせる必要もないバチ抜けワーミングは今が旬

バチ抜けシーバスの最後の切り札「匂い付きワーム」

つり人編集部=写真と文

サイズは選べないものの、アタリの数は圧倒的! 慌てて合わせる必要もないバチ抜けワーミングは今が旬


この記事は『つり人』2016年4月号に掲載したものを再編集しています。

今春のオススメ! バチ抜けワーミング! これなら入れ食い間違いなし!?


 ソルトルアーフィッシングの代表ともいえるターゲット、シーバス。北海道を除く沿岸各地でねらえる身近な対象魚でありながら、大きいものでは80㎝を超え、メーター前後も釣られているとても夢のあるターゲット。ほぼ通年ねらえること以外にも、海、汽水域、川と、場所を選ばず、昼夜を問わず釣れるのが人気の理由である。ソルトゲームでは定番ともいえるシーバスだが、まだ釣ったことがない人にオススメなのが、ここで紹介する、これからの時期に盛期を迎える「バチ抜け」パターンのシーバスゲームである。

068-071_bachinuke_cs3c (23) シーバスシーズンの開幕を告げる「春のバチ抜け」ゴカイ類が砂底から水面に向かって浮上する現象だ

 「バチ」とは、砂の中に生息するイソメやイトメ、ゴカイ類などの総称である。それらが産卵のために潮が大きく動くタイミングに砂の中から這い出てきて、水面を浮遊して流れてゆく。この状況を釣り人は「バチ抜け」と呼んでおり、アングラー同士の情報交換では「抜けた」「抜けてない」といった使い方をしている。

068-071_bachinuke_cs3c (1) バチの出始め、いわゆるシーズン序盤は少量のバチが底のほうを流れている状況が多い。水面付近で見られるのは、小櫃川では盛期となる2月下旬~3月いっぱい

 冬場に産卵を行なうシーバスにとっては、産卵後の体力回復にもってこいのエサとなるのがバチである。汽水域の河川や運河で主にバチ抜けは起こるため、流れの筋が絞られる場所でじっとしていれば、目の前にバチが流れてくることになる。シーバスにとってこんな楽に食べられるエサはほかにない。そこを逆手にとって、バチに似たルアーでシーバスを釣ってしまおうというのが、シーズナルパターンのなかでも「鉄板」と呼ばれているバチ抜けパターンとなる。

 ただしバチ抜けの釣りは時合が比較的ハッキリしていて、平均2~3時間の釣り。しかもシーズンが進むにつれ、シーバスがルアーにスレてくるケースが見られる。特に人的プレッシャーの高い人気釣り場でその傾向は顕著だ。

 この釣りの定番とされているバチ抜け用各種プラグのほか、スレたシーバスも高確率でヒットするのがワームの釣りである。これを実践するのが、千葉県木更津市で中古釣具店アングラーズショップベースを営む三道竜也さんだ。三道さんが実践するワームを使ったバチ抜けパターンは、ジグヘッド+ワームでのナチュラルドリフトが基本。ジグヘッドとワームの選び方にトラブル回避の工夫は多少あるものの、釣り方としてはボトムを流していくシンプルな釣りだ。

068-071_bachinuke_cs3c (10) 三道竜也
ホームグランドは木更津周辺。小櫃川が好きで東京から小櫃川流域に居を移したほど。ベイトタックルを使ったシーバスゲームや、ビギナーでも釣れるバチ抜けメソッドなどアイデアは豊富。木更津市で中古釣具店アングラーズショップベースを経営する


 三道さんはまずタイドグラフを見て釣行日を事前に決める。その基準は、大潮の最終日~中潮にかけての潮まわりで、満潮が日の入りにあたる日を絞り込む。バチは夜にならないと抜けないのと、流れが強くなる大潮前後に大量に抜けるため、シーバスを釣るのもそのタイミングがねらいやすいというのが理由だ。三道さんのホームエリアである小櫃川のシーズンは、例年なら1月最後の大潮回りから始まって、3月下旬まで。2月の大潮回りがピークとなりやすい。シーズン初期はボトム付近を流れているため、バチが抜けているように見えないが、ボトムを流すとすぐに反応が得られる。いわゆる「底バチ」と呼ばれる状況だ。時期が進むにつれ抜けるバチの量が増えてきて、中層、水面付近でもバチの流下が確認できるようになる。

068-071_bachinuke_cs3c (4) 068-071_bachinuke_cs3c (5) バチ抜けシーズン序盤にもかかわらず、岸際にアングラーが並ぶ。対岸にはいくつものヘッドライトが光る


ワームdeバチ抜け


 「今シーズン最初のバチ抜け釣行ですから、どんな状況か分かりませんが、とにかくやってみましょう」と三道さんは事前に1・3gのジグヘッドにワームをセットしたリグを持ちんでの釣り場入り。まだ日の入り前の時刻に小櫃川の最下流河口部を満潮から下げのタイミングで訪れたが、対岸にはすでに5~6人ほどのヘッドライトが光り、同じ岸際には数人がロッドを振って音を響かせていた。
 
068-071_bachinuke_cs3c (2) バチ抜けの定番とされているプラグ系ルアーの釣りも面白いが、シーズン序盤はワーム系に分がある

三道式バチ抜け用ワームセット法 068-071_bachinuke_cs3c (14) 用意するのはジグヘッドとワーム。ジグヘッドは、がまかつのラウンド25R・1.3~3.5gフックサイズ1/0を準備。ワームは、ソルトウォーターファットホローサンドワーム各色

068-071_bachinuke_cs3c (15) ソルトウォーターファットホローサンドワームは、ケミホタルなどを挿入できるように中身が空洞になっている。この空洞部分を活用する

068-071_bachinuke_cs3c (16) ハリ出しの位置を確認。ジグヘッドのヘッド部分をワームの中に入れてしまうので、写真のように頭揃えで調整

068-071_bachinuke_cs3c (17) ワームをセットしていく……

068-071_bachinuke_cs3c (18) ワームセット終了。ヘッド部分がワームの中に納まっている状態。膨らんでいるジグヘッドのアイ部分を指で押すと……


068-071_bachinuke_cs3c (18) ワームの中からジグヘッドのアイが出てくる。これで完成。これによってワームのズレを防止するとともに、イトとの接続部分が先端でなくなるため、根掛かりが減少。ワームの動きにもアクションを加えやすくなる

068-071_bachinuke_cs3c (21) この三道式では、ジグヘッドのアイ部分の出っ張りの少ないタイプがマッチする。アイの出っ張りが目立つタイプは、ペンチで前側に倒して低くして使うこともできるが強度は落ちやすい

068-071_bachinuke_cs3c (22) 事前に3つほどセットしておけば、あとは釣り場で結ぶだけなのでスムーズに釣りができる

×
068-071_bachinuke_cs3c (20) 通常のセット方法でやるとこのとおり。これだと1キャストごとにワームのズレを修正しなければならない

068-071_bachinuke_cs3c (3) 何尾釣ってもワームがズレないのは三道式ワーミング最大の特徴

 風が沖側から吹いており、水面の流れが逆流しているように見える。最初から沖に向かってキャストすると、沖でヒットしても手前の魚を散らしてしまうという理由から、三道さんは手前から探りを入れる。釣り開始3投目でいきなりのヒット。「小さいですけど、掛かりましたね」40㎝ほどのセイゴの向こうで照れ笑いする三道さん。

 潮の下げ始めだからか、川らしい流れはまだない。こういった状況下では、キャスト後に沈めてからゆっくりリトリーブするのがよいとのこと。その言葉どおりキャスト後のスローリトリーブによる中層付近でヒットが続き、開始30分で4尾のセイゴを釣りあげた。1キャストごとにアタリを感じる三道さんは思わずニヤリ。「あとはサイズが出てくれれば言うことナシですね」などと話をしていた直後、これまで以上にサオが弧を描いた。バシャバシャッと水面を派手に叩く音、抜き上げてみるとアフター(産卵後)で細身ながら見事なシーバスだ。途中から合流した三道さんの知人たちはプラグでの釣行だったが、プラグでのアタリ1回に対してワームは5回くらいの差が出る。実際の釣果もこの日は途中参加とはいえプラグ2尾に対して、ワームは9尾となった。「掛かってからもワームだと離さない。だからバレも少ない。ヒット率は高いです」とバチ抜けシーズン上々の滑り出しに、三道さんの表情は明るい。今度の大潮回りはバチ抜けデビューにもってこいかもしれない。

068-071_bachinuke_cs3c (6) セイゴクラスの入れ掛かり状態。周囲がノーヒットのなか、ワームの威力を見せ付けた

068-071_bachinuke_cs3c (8) 同行者の藤本琢也さんはプラグルアーで挑んだが、セイゴクラスが多いためかバラシが多かった

068-071_bachinuke_cs3c (9) SNS用に仲間に撮影をお願いしてパチリ。バチ抜けシーズン開幕をお店のお客さんに伝えるのも三道さんの役目

068-071_bachinuke_cs3c (11) 三道さんが勤めるアングラーズショップベースは、人気のウエーディングフィールドである干潟から車で5分の好立地。中古タックル&ルアーのほかエサも購入可能。最新の釣果情報も収集できる

 


2017/2/24

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