伊勢湾奥を南北に伸びる愛知県の知多半島は、外洋に面したエリアに比べて1ヵ月以上水温の上昇が遅い。例年、梅雨入りするころからアオリイカの朗報が飛び交い始める。
梅雨入りの声を聞くと2㎏級の朗報が飛び交う
伊藤 巧◎レポート
レポーター=伊藤 巧
昭和44年生まれ。愛知県在住。美味い魚を求めて東奔西走。クロダイカカリ釣りとアオリイカのヤエン釣り、ビワマスのレイクトロウリングが大好き。今年はサーフの尺アジ釣りに燃える予定。下手釣り集団チーム白馬車&江戸前なめろう隊所属
この記事は『つり人』2016年7月号に掲載したものを再編集しています。
2kgオーバーもねらえる
伊勢湾奥を南北に伸びる愛知県の知多半島は、外洋に面したエリアに比べて1ヵ月以上水温の上昇が遅い。例年、梅雨入りするころからアオリイカの朗報が飛び交い始める。今年も間もなく産卵を控えた大型の親アオリが西岸に姿を見せる。篠島を擁する三河三島をはじめ、数ある実績場の中でも注目は、抜きん出た釣果が上がる美浜町の冨具崎港。小さな港ながら、沖に突き出た岩礁帯に造成され、潮通しはよい。名古屋から1時間ほどの近場だが、2㎏級のアオリイカが釣れるスポットとして人気が高く、当たり年には日の出前から堤防に餌木をキャストするアングラーが並ぶ。
冨具崎港は駐車スペースが広く、芝生広場やトイレも設置してある知多半島指折りの好フィールド。港の前には釣具店もある。釣り場は沖向きが伊勢湾に面した西堤と短い北堤、芝生広場のある南岸壁に分かれ、アオリイカの釣果は西堤の沖向きに集中している。西側の堤防外側には、干潮になると海面近くまで迫る石積みがあり、水質がクリアな日は際を泳ぐ大きなアオリイカを目にすることができる。沖から入ってきたばかりの個体なら餌木に反応する。サイトゲームに対応するための偏光グラスは必須だ。
冨具崎港で釣果が望める条件としては、数日前より好天が続く大潮から中潮にかけての下げ。まとまった雨が降ると木曽三川から流れ出る泥濁りが正面から直撃し、気配が途絶えるので、釣行前の天候には注意したい。特に岐阜県山間部の降雨は見過ごしがちだが、2日ほどで水潮に覆われる。
冨具崎港の西堤。好調な年はズラリとアングラーが並ぶので早めの釣行が賢明だ。時合は満潮からの下げ
エギング超思考法
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4年周期で当たり年
もちろん釣り方はエギング。春アオリの基本に従って、大きなシャクリからのスローフォールで誘う。しっかりボトムを感じながらゆっくり釣ることが大事。餌木は飛距離の出る4号がよい。釣期は例年7月上旬までで、1㎏オーバーが1パイ手にできれば上出来だ。好釣果に沸いた2012年7月上旬は、2㎏級を交えて一人3バイほどの釣果が上がった。
本命の釣り座は西堤と南岸壁の曲がり角。すぐ南にアマモが繁茂する砂地が広がり、格好の産卵場になっている。4号餌木を南西へ遠投したら、沈まないようラインを張り気味にして沖の下り潮に乗せ、バックドリフトの要領でラインを出しながら藻場へ送り込む。
なお、伊勢湾のアオリイカは4年周期で当たり年が巡ってくるといわれており、前回の大釣りから4年が経過した今シーズンの動向が注目される。なお、西堤は足場が高いのでランディングには柄の長さが7mほど必要となる。また、堤防の先端はフェンスが設けられて封鎖されているほか、北堤の内向きは釣り禁止になっている。
知多半島のアオリイカは梅雨が明けるまでの1ヵ月が勝負。情報が流れてきてからでは出遅れるので、足しげく通ってチャンスをモノにしたい。
交通●南知多道路・美浜ICを出て右折して県道274号を西進。突き当たりのR247を南下。
問合先●ちどり釣具店(℡0569・87・1296)
2017/5/25