北海道では近年、マアナゴ釣りファンがじわじわと増えている。道内でマアナゴの釣果情報を聞くのは主に太平洋と津軽海峡で、札幌近郊では苫小牧港が一番ポピュラーな釣り場になっている。シーズンは6~12月と意外に長い。
ねらいはアナコンダ!
レポート◎小林 亮
この記事は『つり人』2020年1月号に掲載したものを再編集しています。シーズンは6~12月
北海道では近年、マアナゴ釣りファンがじわじわと増えている。道内でマアナゴの釣果情報を聞くのは主に太平洋と津軽海峡で、札幌近郊では苫小牧港が一番ポピュラーな釣り場になっている。シーズンは6~12月と意外に長い。「寒さが厳しくなるとねらう人は少なくなりますが、クリスマス近くまでよく釣れていた年もあります。シーズン終盤はデカいのがでますよ」と話すのは千歳市のショップ、清竿堂の二橋翔大さん。ルアー&フライフィッシングの名手として広く知られる二橋さんだが、じつは投げ釣りも大好きで春はカレイ釣りなどを楽しみ、秋~初冬はマアナゴねらいで夜な夜な同港に通っている。60cmクラスのマアナゴは太く、食べると最高に旨い! ちなみにマアナゴとクロアナゴの見分け方は、白点が並ぶ側線と背ビレの中間にも白点が広い間隔で並んでいればマアナゴ、なければクロアナゴだ
東港区のもう1つのポイントが中央水路の一本防波堤。手前に消波ブロックが積まれているが、それほど釣りにくくはない。なお、防波堤中央より先、フェンスの奥は立入禁止
西港区の漁港区、菱中造船所裏の防波堤も人気ポイント。「例年、シーズン終盤になると大型がよく釣れます。遠投できないと厳しいのでベテラン向きですが、潮通しがよいからかコンスタントに反応があります」
二橋さんのおすすめのポイントは次のとおり。東港区はフェリーターミナルがある厚真町側の水路で最奥部の北~西側の海岸。そして中央水路の通称「一本防波堤」。西港区は漁港区の通称「菱中造船所裏」。「傾向としては満月の日とか月明かりが強い日より、暗い日のほうがいいですね。それとアナゴは時合が比較的はっきりとしています。日没前後と夜明け前はやっぱり期待できます。深夜などは潮止まりの前に食いが立つことが多いので、意識しておきたいですね。あと、フェリーが動くと短い時合があります。入港や出港の時間を調べておくのも重要かもしれません」。ちなみに取材は上弦の月が浮かぶ11月上旬の夜だったが、午後6時からサオをだして9時過ぎまでマアナゴの釣果はなし。待望の1尾がヒットしたのは月が西の空に沈んだ10時過ぎ。それからは1時間に2尾くらいのペースで釣れ、図らずも暗いほうが釣れるということが実証される結果になったが、これは偶然か!?
「今日は食いが渋めかな。掛かった魚を寄せてくるときに、抵抗が強くなったり弱くなったりを繰り返すのがマアナゴの特徴です」
エサはイソメが一般的だが、身エサでも釣れる。この日、二橋さんが用意したのは塩で締めたニシン
ウナギを超える!?
タックルは投げ釣りで広く使われているスペックでOK。ただ、前途の菱中造船所裏などは遠投有利だし、厚真町側の水路は手前に海藻が生い茂っていて、一本防波堤は消波ブロック越しにアプローチする。これらを考慮すると投げザオは硬めが使いやすい。とはいえ、近投で釣れる状況、食いが渋い時などは食い込みを重視して軟らかいサオを選ぶのも1つの手だ。
二橋さんの愛用仕掛けはL型テンビンのシンプルなもの。ハリ数は1~2本。1本だと飛距離を稼ぎやすいだけでなく、魚が絡みつくトラブルも起こりにくくて手返しよく釣れる。入門者におすすめするなら迷わずこっちだ。しかしながら「2本バリだと、たまにダブルで掛かることもあります」とのこと。また、2本バリなら、片方のハリが知らない間にヒトデが付いていたり、カニにエサを取られてしまってもチャンスが残る。なお、ハリはサクラマス用、ウナギバリ、カレイバリ、丸セイゴなどの長軸タイプを使う人が多い。装飾は「暗い時は夜光のビーズやチューブ、明るい時はシルバービーズなどがいいと思います」。
「アナコンダみたいな70cmオーバーの引きの強さはスゴイですよ。苫小牧では90cm台が年に何本か出ています。函館周辺ではメーターオーバーも確認されているので、こっちでも可能性はあります。デカいのは食べてもヤバいくらい旨くて、蒲焼にするとそこらのウナギを軽く超えます!!」
取材中に35cmオーバーのクロガシラガレイも釣れた。苫小牧港は西港区などで早春~初夏までクロガシラガレイ釣りの人気が高いが、東港で秋にこのサイズをねらって釣るのはなかなか難しい
カッターナイフ
美味しく食べるなら血抜きは必須。親指一本で刃を出せるカッターナイフは締めるときに便利。刃が錆びても安価、かつ簡単に交換できるのもいい。また、マアナゴを捌くには薄刃が適しているので、帰宅してからも活躍してくれる
「地面に置くとウネウネ動いて仕掛けをグシャグシャにされるので、宙吊りにしてハリハズシで素早く外すのが手返しを早くするコツ。あと、噛まれるとかなり痛いので注意が必要です(苦笑)」
ドンコは一番よく釣れるゲスト。ドンコは北海道での地方名で標準和名はエゾイソアイナメ。外見はあまりよくないが、煮付けなどでいただくと旨い魚だ
お店の常連、鈴木貴裕さんも見事にキャッチ。新時代のアナゴ釣りといえる、シーバスロッドを使い、積極的にサビいて誘うライトスタイルで今年から挑んでいる
停泊するフェリーのちょうど対岸辺りに釣り座を構えた時に、アタリを多く得られた。ジャカゴの海岸で足場が悪いが、沖は北側のサーフより少し水深があるからか釣果が安定している
フィッシングショップ清竿堂
住所=北海道千歳市青葉8-2-1
営業時間=10時~19時半(日曜祝日19時まで)
問合先=TEL0123・24・0303